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3】片思いをしている
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3】片思いをしている
私の名前はアーサー。この国の王子で、アルファで────騎士のギルベルトのことが好きだったりする。この好きが、皆に向けるような親愛ではないと自覚している。そう、私は恋愛的な意味で、ギルベルトのことが好きなのだ。
(気づかなければ良かった)
身体が子供から青年へと変わりかけた頃。
ギルベルトを見つめていると、ドキンとなった心音が片思いの始まり。
何度もそう思ったが、私の恋心は無かったことには出来なかった。決して相手に伝えることは無いだろうこの気持ちを胸の奥に隠しながら、王子と騎士。幼馴染同士として接している。関係を崩さなければ、このままが一番ギルベルトに近い関係でいられる。
全く。自分でも、どうしてギルベルトをと思う。
(だって、こんな。噂では私以上に、縁談の話が出ているような相手に恋をするなんて)
しかも私はギルベルトと同じアルファだ。一生に会えたら幸せだと言われるような、オメガでもない。どうしたって、この恋は実りはしないんだ。なんて不毛なんだろう。
「はぁ……」
もう何度、自身の恋を思って溜息をついたか分からない。数えるのを止めた溜息を、また吐いた。
「アーサー。前をちゃんと見ろ。転んでしまうぞ」
「わっ……!?」
私の後ろを歩いていたギルベルトが、一歩前に出た。まるでダンスのエスコートでもするように、静かに手を引く。私がぼんやりしていたように見えたらしく、危ないと手を握ったようだ。
「大丈夫だ。こけたりしないよ……!」
「ならちゃんと、歩くんだな。どうしたんだ? いつも以上に上の空だぞ」
「いつも以上って……」
ギルベルトのせいだと言えたら、どんなに楽だろう。ギルベルトが好きで、この恋が不毛過ぎてぼんやりしてました、と言えばギルベルトは驚くだろうか。
「……まぁ、成人したんだ。王子という立場で色々考えることもあるんだろうが、あんまり気を詰め過ぎるなよ? 話くらいなら聞いてやるからな」
「うん。有難う」
こうして、何だかんだでギルベルトは昔から優しい。これくらいは許されるだろうと、そっと身体を寄せ、甘えるように肩に頭を乗せた。
「まだ眠いのか?」
「そういうことに、しておいてくれ」
「分かった」
ドキドキドキ。
また心臓が速く鳴る。ギルベルトが好きだと思う。
(こんなに近くにいるのだから、言えない気持ちが。私のドキドキがギルベルトに伝われば良いのに)
都合よくそんなことを思ったが、伝わるはずもなく。いつものように見回りを終え、二人で城に戻ったのだった。
*******
私の名前はアーサー。この国の王子で、アルファで────騎士のギルベルトのことが好きだったりする。この好きが、皆に向けるような親愛ではないと自覚している。そう、私は恋愛的な意味で、ギルベルトのことが好きなのだ。
(気づかなければ良かった)
身体が子供から青年へと変わりかけた頃。
ギルベルトを見つめていると、ドキンとなった心音が片思いの始まり。
何度もそう思ったが、私の恋心は無かったことには出来なかった。決して相手に伝えることは無いだろうこの気持ちを胸の奥に隠しながら、王子と騎士。幼馴染同士として接している。関係を崩さなければ、このままが一番ギルベルトに近い関係でいられる。
全く。自分でも、どうしてギルベルトをと思う。
(だって、こんな。噂では私以上に、縁談の話が出ているような相手に恋をするなんて)
しかも私はギルベルトと同じアルファだ。一生に会えたら幸せだと言われるような、オメガでもない。どうしたって、この恋は実りはしないんだ。なんて不毛なんだろう。
「はぁ……」
もう何度、自身の恋を思って溜息をついたか分からない。数えるのを止めた溜息を、また吐いた。
「アーサー。前をちゃんと見ろ。転んでしまうぞ」
「わっ……!?」
私の後ろを歩いていたギルベルトが、一歩前に出た。まるでダンスのエスコートでもするように、静かに手を引く。私がぼんやりしていたように見えたらしく、危ないと手を握ったようだ。
「大丈夫だ。こけたりしないよ……!」
「ならちゃんと、歩くんだな。どうしたんだ? いつも以上に上の空だぞ」
「いつも以上って……」
ギルベルトのせいだと言えたら、どんなに楽だろう。ギルベルトが好きで、この恋が不毛過ぎてぼんやりしてました、と言えばギルベルトは驚くだろうか。
「……まぁ、成人したんだ。王子という立場で色々考えることもあるんだろうが、あんまり気を詰め過ぎるなよ? 話くらいなら聞いてやるからな」
「うん。有難う」
こうして、何だかんだでギルベルトは昔から優しい。これくらいは許されるだろうと、そっと身体を寄せ、甘えるように肩に頭を乗せた。
「まだ眠いのか?」
「そういうことに、しておいてくれ」
「分かった」
ドキドキドキ。
また心臓が速く鳴る。ギルベルトが好きだと思う。
(こんなに近くにいるのだから、言えない気持ちが。私のドキドキがギルベルトに伝われば良いのに)
都合よくそんなことを思ったが、伝わるはずもなく。いつものように見回りを終え、二人で城に戻ったのだった。
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