【完結・BL】12年前の教え子が、僕に交際を申し込んできたのですが!?【年下×年上】

彩華

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17】予定のない週末

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17】予定のない週末


 「んんっ……寒っ……」

顔が何となく硬くて痛い。それから何だか肌寒くて、身をよじった。ぼんやりと目を開ければ、遠くに缶ビールとグラスが見える。

「んんっ……?」

突っ伏していた身体を起こせば、昨日の自分の姿が見えた。酔ったまま眠ってしまった。気持ち程度に、グラスと空の缶をテーブルの端に寄せている。頬に触れれば、着ていた服の皴の跡がついていた。

「うわぁ…………っ」

こんな酔い方をしたのは、始めてだった。確かに酔いたくて飲んだが、少しお酒に飲まれてしまった感が否めない。おまけに二日酔いで頭が痛い。ズキズキする頭痛を感じつつ、まずは水を一杯飲む。それからグラスを洗って、缶はゴミ袋へ。片付けを終えれば、まずはシャワーを浴びに風呂場へ向かった。血流が良くなったからか、幾分シャワーを浴びていると頭痛が和らいで、頭もスッキリした。

「ふぅっ……」

洗濯物も終えて、まずはひと段落。小腹も空いたが、冷凍ご飯を食べたい気分じゃない。天気も良いし、せっかくだ。朝昼兼用で何か買いに行こうかと、仕事着じゃない私服に着替え、髪型も適当に。小さなリュックに財布を、手に携帯を持って外に出た。向かった先は、映画館やゲームセンター。本屋さんも入っている大きな商業施設。たまにはプラリと外を出歩くのも楽しいだろう。

「広いなぁ……」

まずはハンバーガーを食べようかな? とか、ドーナツにしようかな、とか。ちょっと年甲斐もなく浮かれていた時だった。


「先生?」


「え?」

いつもと違う髪型だし、恰好だって違う。園の子どもたちに会っても、多分分からないだろうと思っていたが、聞こえてきた「先生」という言葉に反射的にビクリと身体を震わせた僕。シャワーを浴びてきたというのに、変な汗が背中に流れるような気がした。

(いや、僕のことじゃないかもしれないし)

落ち着くんだと自分に言い聞かせながら、振り返ろうか迷っていると、もう一度声がした。

「水野先生?」

「……久保君」

二度目の声は、正面から。首を傾げながら疑問系の問いかけに、うっかり「久保君」と返事してしまった。

「こんにちは。今日の先生、雰囲気違ってたんで自信なかったんですけど、正解してよかったです」

「ああ、うん。僕はちょっと恥ずかしいけど」

こんな所で会うなんて。
僕と同じく、久保君もいつもの学生服姿じゃない。ラフな格好ながら、スラリとした体型に、ジーパンを履いている足が長い。思わず自分の姿が恥ずかしいと口から出てしまったが、久保君は「どうしてですか?」と不思議そうに言った。

「先生の私服姿、俺初めて見るんで凄い嬉しいですよ?」

「ああ、そう……。でも恥ずかしいよ、髪だってボサボサだし」

「前髪が多めで可愛いですよ?」

「久保君……! もう止めて……!」

久保君ってば、何言ってるの!? と僕の方が恥ずかしくなった。

(昨日の今日で、久保君に会うなんて……!)

少しずつドキドキとなる心臓は、きっと緊張のせいだ。

*********
ネタ切れになってきてしまいました><
お気軽にコメントなど頂けると嬉しいです…!
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