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第二章 乱れ桜に幕が下りる
三十 桜の君 ※R18
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──あ、こっち見た。
薄めの耳朶を軽く歯で挟んで、下から上まで唇でなぞる。
桜蒔は切れあがった目をさらに細め、上目遣いにこちらを見あげた。
小幕の脚のあいだでお人形みたいに大人しく抱っこされているのも驚きだが、それ以上に自然と視線が交わるのが新鮮だった。
桜蒔はあまり他人と目を合わせたがらない。
いつも色硝子のはまったうさんくさい丸眼鏡をかけているのも、きっとそのためだ。
誰とも合わない目線の先にはいつも美しい大女優がいたが、それは憧憬に近い感情で、信頼関係とはむしろ対極にあったものだと思う。
強くて、きっとひとりでも生きられるけど、少し寂しそうなひと。
それが、ずっと見てきた桜蒔の印象だった。
警戒心が強く、常に他人と一歩距離を置いている。
信用しているのは、せいぜい身内である百夜や志千、蝶子くらいだろうが、彼らは桜蒔になにかを隠し立てしたり、偽ったりしないからだ。
「要するに、僕、あのひとたちみたいに性格良くないんだよなぁ……」
「急になんの話じゃい」
「いえ、僕が捻くれてなくて、裏表とかなくて、正直者だったら、オージさんはもっと早く心を開いてくれてたのかなって。ここまで随分と遠回りしちゃった」
「捻くれ具合でわしに勝てると思うなよ」
「勝負してませんしー」
「でも、そうさな。おどれのことは──」
毛先に少し癖のあるふわふわの髪を撫でながら、言葉の続きを待つ。
そのあいだも、まっすぐな視線は小幕に注がれていた。
普段はあまり開いていなくて、じっくりと見ることのできないその瞳は、髪と同じで光を反射する澄んだ赤茶色をしている。
「十年以上前から付き合いがあるわりに、なに考えとるんかぜんっぜんわからんし、本心は言わんし、まったく信用しとらんかったけど」
「あらら」
「二面性とか、そんなんどうでもええ。おどれはそのままでもええ。わしゃべつに、馬鹿正直なやつを無条件で信用しとるわけじゃないけえ。むしろ開けっぴろげすぎる奴には惹かれんわ」
「うわ、捻くれ者だ」
「ただ、おどれがどんな奴でも、わしを好きなかぎりは信じられる。それだけじゃ」
今度は、小幕が驚いて目を見開く番だった。
──ほんとに、ここにいてもいいんだ。
隣にいてもいいのだという確信。
黙って芒に従っていたのも、連中に搾取されても抵抗しなかったのも、小幕自身が子供の頃から、無意識下でずっとその肯定を求めていたからだ。
桜蒔が言っているのはきっとそれにとても近いもので、彼もずっと欲していたのだ。
他の誰でもない自分が、一番好きな人に居場所を与えることのできる奇跡に胸が震える。
「ふふ、僕の言葉や態度はいつでも本当じゃないかもしれないけど、その点だけは信用してもらっていいですよ。オージさんのこと、どれだけ逃げられてもずっと好きでしたもん」
「逃げたつもりはないんじゃって。でも、気づかんかったのはすまんかったな」
手が伸びてきて、頬に触れた。
唇が重なる。
桜蒔から口づけてきたのは初めてだ。
柔らかい舌が絡む。口内を満たしながら、片手を衿元に差し入れる。胸の突起をまさぐって指先でくすぐると、塞いだままの唇から吐息が漏れた。
「ふう、ん……」
もう逃がさない。この体のすべてを雁字搦めに拘束して、自分だけのものにしたい。
胴体を脚で挟みこんで、後頭部に空いたほうの手のひらを添え、顔を逸らせないようにして何度も深く貪り返した。
「ちょ、待っ、息、できんって……」
胸をくすぐっていた指を、今度は黙らせるために口に差し入れる。
顎を掴みながら親指の腹で舌のうえをすりすりとさすると、声を出せない呻きとともに唾液が伝った。
「ま……」
「ま?」
舌を解放して、耳を傾けるふりをしながら頬を寄せる。
「待てって、言うとるのに……」
「じゅーぶん待ちましたよ、僕は。十年以上ね」
片手で袴の帯紐を解き、唾液がついた指をそのまま腿のあいだに滑り込ませた。
一本、二本と、順に本数を増やしていく。
「……ぅ……は、ぁ……」
桜蒔はむずがる子供みたいに頬が真っ赤になって、小幕の着物にしがみついている。
一度も見たことのない姿態だ。
そして、尻の下で感じているであろう小幕のものに気づき、顔を歪めた。
「……な、なんじゃい、これ」
「さらに大きくなっちゃいました。すみません」
「硬いし、でかすぎる。壊す気か」
「まさかこんなに感じてくれると思わなくて。コーフンしてきちゃった」
「このエロガキ……」
横抱きにしていたのを、体勢をずらして背中から包み込むように抱き直した。
両手を前に伸ばし、前をゆっくり扱きながら後ろを解す。
大事に、大事に。
つい先走って乱暴にしてしまうから、意識して丁寧に事を進める。
「ね、オージさん、どこが気持ちいい?」
「んあ、おどれに触られとるとこ、ぜんぶきもちいい……」
腰を浮かせてもらって後ろから挿れようと思っていたら、桜蒔が先に起きあがり、小幕を木の幹に押し倒した。
「わしがこっちやる。おどれに任せとったら、何回でも気ィやらされるし」
袴を脱いで、乱れた半着一枚の恰好で跨がってきた。
片方の肩が露出し、胸に汗の玉が浮かんでいる。
小幕のものを後ろ手に握りしめて、また眉をひそめる。
「もぉ、なんこれ……。三八式歩兵銃かい」
「よくわかんない喩えはやめてくださーい」
ぶつくさと文句を言いながら、少しずつ腰を沈めていく。
自分からは動けずにその様子を眺めるだけで、待てをさせられている。もどかしくも気分が高まってきた。
「……ふっ……あ、でか……」
赤髪がさらりと頬にかかり、体の動きとともに揺れる。
「絶景だ。満開の桜の花みたい」
「なんじゃそりゃ。おどれの喩えもようわからんわ……」
「あは、ぜんぶはいった」
この華奢な胴体で、よく飲み込めるものだと感心する。
目の前で開脚された腿を撫ぜながら、桜蒔が自ら上下に動くに任せていた。
微弱な刺激がかえって心地よく、風呂に浸かっているときのような温かさと快感がじんわりと続く。
奪うのでも、奪われるのでもない、ひとつに溶け合うための行為。
桜蒔もきっと同じ感覚でいてくれているのだろう。
腰が歓喜で細かく震えていた。
いつも素直でいられるかはわからないけれど、これだけはきっちり伝えていかないと。
上半身だけ起こして、桜蒔の体を抱きしめた。
「オージさん、好き。好き。あなたが好きです」
「……甘ったる」
体を重ねるのは何度目かだけど、初めて本当に自分をまるごと受け入れてくれた気がする。
両膝を抱えて軽く揺さぶると、まるで溶けそうなくらい、奥が吸いついてきた。
「はぁ、もう、でそう……」
桜蒔から余裕のない声が漏れるが、あえて動きを緩めた。
「ねえ、僕ばっかり好きだって伝えてません? オージさんからその言葉、まだ聞いてないんですけど?」
「こんな最中に、要求すな。でそうって言うとるじゃろ」
「今だからですよ。知らないですか? くっついてるときに言われると、嬉しさ増し増しになるんです」
「ましまし……」
「ほらー、早く。言わないと寸前で止めちゃおうかな」
唇の横に触れるだけのくちづけをしながら、焦らすように挑発すると、気のない返答があった。
「あーはいはい、好き好き」
「雑ぅ」
文句を言おうとしたところで、不意に優しい声が降ってきた。
「ちゃんと好きじゃけえ心配すんな、サクラ」
「へ」
「サクラ、じゃろ? おどれの本当の名前」
「なんで……」
なんでわかったのだろう。
いや、理由なんかはどうでもよくて。
「ずるい。今のは不平等……」
「なにが」
「いっしょに言われたら、名前が嬉しいのか、好きが嬉しいのか、わかんなくなっちゃう」
嬉しくてまた泣きそうになるのを堪え、ただ桜蒔を抱きしめて、ふたりがひとつになるくらい溶け合った。
***
「そんで、この心臓はどうなっとん? もう隠し立てせんよな?」
自分で袴を穿いたあと、桜蒔が小幕の胸にある三角形のホクロをなぞりながら尋ねてきた。
「んー、わかんないけど……」
なるべく正確に伝えようと、慎重に言葉を選ぶ。
「昔からときどき苦しくなります。道端で倒れてるときはいつもそうでした。普段の日常生活は問題ないんですが、客に暴力を振るわれたあととか、負荷がかかるとだめみたいですね」
本当にわからないのだ。
これまで医者に診てもらった経験は、先日風邪をこじらせたときが初めてである。
詳しい検査などはもちろんしたことがない。
「オージさんが呼んでくれたお医者さんに、大きい医院に行けって言われてましたね、そういえば」
「はよ言えや!!」
「いろいろあって忘れてたんですよう」
物心つく前から付き合ってきた苦しさで、そういうものだとしか考えていなかった。
それに、投げやりだったのかもしれない。
体が蝕まれていたとて、他の多くの仲間たちのように、飢えて野垂れ死ぬのとなんら変わりはない。
──せっかく両想いになったのに、オージさんのこと置いてっちゃうのかな。
いなくなった桜蒔を捜していた頃によくやっていたように、ごろんと寝転がって、桜の幹の隙間にすっぽりと収まると気分が落ち着いた。
苦々しい表情で小幕を見おろしている桜蒔の赤い髪の毛が空に透けて、やっぱり満開の桜みたいだと思った。
薄めの耳朶を軽く歯で挟んで、下から上まで唇でなぞる。
桜蒔は切れあがった目をさらに細め、上目遣いにこちらを見あげた。
小幕の脚のあいだでお人形みたいに大人しく抱っこされているのも驚きだが、それ以上に自然と視線が交わるのが新鮮だった。
桜蒔はあまり他人と目を合わせたがらない。
いつも色硝子のはまったうさんくさい丸眼鏡をかけているのも、きっとそのためだ。
誰とも合わない目線の先にはいつも美しい大女優がいたが、それは憧憬に近い感情で、信頼関係とはむしろ対極にあったものだと思う。
強くて、きっとひとりでも生きられるけど、少し寂しそうなひと。
それが、ずっと見てきた桜蒔の印象だった。
警戒心が強く、常に他人と一歩距離を置いている。
信用しているのは、せいぜい身内である百夜や志千、蝶子くらいだろうが、彼らは桜蒔になにかを隠し立てしたり、偽ったりしないからだ。
「要するに、僕、あのひとたちみたいに性格良くないんだよなぁ……」
「急になんの話じゃい」
「いえ、僕が捻くれてなくて、裏表とかなくて、正直者だったら、オージさんはもっと早く心を開いてくれてたのかなって。ここまで随分と遠回りしちゃった」
「捻くれ具合でわしに勝てると思うなよ」
「勝負してませんしー」
「でも、そうさな。おどれのことは──」
毛先に少し癖のあるふわふわの髪を撫でながら、言葉の続きを待つ。
そのあいだも、まっすぐな視線は小幕に注がれていた。
普段はあまり開いていなくて、じっくりと見ることのできないその瞳は、髪と同じで光を反射する澄んだ赤茶色をしている。
「十年以上前から付き合いがあるわりに、なに考えとるんかぜんっぜんわからんし、本心は言わんし、まったく信用しとらんかったけど」
「あらら」
「二面性とか、そんなんどうでもええ。おどれはそのままでもええ。わしゃべつに、馬鹿正直なやつを無条件で信用しとるわけじゃないけえ。むしろ開けっぴろげすぎる奴には惹かれんわ」
「うわ、捻くれ者だ」
「ただ、おどれがどんな奴でも、わしを好きなかぎりは信じられる。それだけじゃ」
今度は、小幕が驚いて目を見開く番だった。
──ほんとに、ここにいてもいいんだ。
隣にいてもいいのだという確信。
黙って芒に従っていたのも、連中に搾取されても抵抗しなかったのも、小幕自身が子供の頃から、無意識下でずっとその肯定を求めていたからだ。
桜蒔が言っているのはきっとそれにとても近いもので、彼もずっと欲していたのだ。
他の誰でもない自分が、一番好きな人に居場所を与えることのできる奇跡に胸が震える。
「ふふ、僕の言葉や態度はいつでも本当じゃないかもしれないけど、その点だけは信用してもらっていいですよ。オージさんのこと、どれだけ逃げられてもずっと好きでしたもん」
「逃げたつもりはないんじゃって。でも、気づかんかったのはすまんかったな」
手が伸びてきて、頬に触れた。
唇が重なる。
桜蒔から口づけてきたのは初めてだ。
柔らかい舌が絡む。口内を満たしながら、片手を衿元に差し入れる。胸の突起をまさぐって指先でくすぐると、塞いだままの唇から吐息が漏れた。
「ふう、ん……」
もう逃がさない。この体のすべてを雁字搦めに拘束して、自分だけのものにしたい。
胴体を脚で挟みこんで、後頭部に空いたほうの手のひらを添え、顔を逸らせないようにして何度も深く貪り返した。
「ちょ、待っ、息、できんって……」
胸をくすぐっていた指を、今度は黙らせるために口に差し入れる。
顎を掴みながら親指の腹で舌のうえをすりすりとさすると、声を出せない呻きとともに唾液が伝った。
「ま……」
「ま?」
舌を解放して、耳を傾けるふりをしながら頬を寄せる。
「待てって、言うとるのに……」
「じゅーぶん待ちましたよ、僕は。十年以上ね」
片手で袴の帯紐を解き、唾液がついた指をそのまま腿のあいだに滑り込ませた。
一本、二本と、順に本数を増やしていく。
「……ぅ……は、ぁ……」
桜蒔はむずがる子供みたいに頬が真っ赤になって、小幕の着物にしがみついている。
一度も見たことのない姿態だ。
そして、尻の下で感じているであろう小幕のものに気づき、顔を歪めた。
「……な、なんじゃい、これ」
「さらに大きくなっちゃいました。すみません」
「硬いし、でかすぎる。壊す気か」
「まさかこんなに感じてくれると思わなくて。コーフンしてきちゃった」
「このエロガキ……」
横抱きにしていたのを、体勢をずらして背中から包み込むように抱き直した。
両手を前に伸ばし、前をゆっくり扱きながら後ろを解す。
大事に、大事に。
つい先走って乱暴にしてしまうから、意識して丁寧に事を進める。
「ね、オージさん、どこが気持ちいい?」
「んあ、おどれに触られとるとこ、ぜんぶきもちいい……」
腰を浮かせてもらって後ろから挿れようと思っていたら、桜蒔が先に起きあがり、小幕を木の幹に押し倒した。
「わしがこっちやる。おどれに任せとったら、何回でも気ィやらされるし」
袴を脱いで、乱れた半着一枚の恰好で跨がってきた。
片方の肩が露出し、胸に汗の玉が浮かんでいる。
小幕のものを後ろ手に握りしめて、また眉をひそめる。
「もぉ、なんこれ……。三八式歩兵銃かい」
「よくわかんない喩えはやめてくださーい」
ぶつくさと文句を言いながら、少しずつ腰を沈めていく。
自分からは動けずにその様子を眺めるだけで、待てをさせられている。もどかしくも気分が高まってきた。
「……ふっ……あ、でか……」
赤髪がさらりと頬にかかり、体の動きとともに揺れる。
「絶景だ。満開の桜の花みたい」
「なんじゃそりゃ。おどれの喩えもようわからんわ……」
「あは、ぜんぶはいった」
この華奢な胴体で、よく飲み込めるものだと感心する。
目の前で開脚された腿を撫ぜながら、桜蒔が自ら上下に動くに任せていた。
微弱な刺激がかえって心地よく、風呂に浸かっているときのような温かさと快感がじんわりと続く。
奪うのでも、奪われるのでもない、ひとつに溶け合うための行為。
桜蒔もきっと同じ感覚でいてくれているのだろう。
腰が歓喜で細かく震えていた。
いつも素直でいられるかはわからないけれど、これだけはきっちり伝えていかないと。
上半身だけ起こして、桜蒔の体を抱きしめた。
「オージさん、好き。好き。あなたが好きです」
「……甘ったる」
体を重ねるのは何度目かだけど、初めて本当に自分をまるごと受け入れてくれた気がする。
両膝を抱えて軽く揺さぶると、まるで溶けそうなくらい、奥が吸いついてきた。
「はぁ、もう、でそう……」
桜蒔から余裕のない声が漏れるが、あえて動きを緩めた。
「ねえ、僕ばっかり好きだって伝えてません? オージさんからその言葉、まだ聞いてないんですけど?」
「こんな最中に、要求すな。でそうって言うとるじゃろ」
「今だからですよ。知らないですか? くっついてるときに言われると、嬉しさ増し増しになるんです」
「ましまし……」
「ほらー、早く。言わないと寸前で止めちゃおうかな」
唇の横に触れるだけのくちづけをしながら、焦らすように挑発すると、気のない返答があった。
「あーはいはい、好き好き」
「雑ぅ」
文句を言おうとしたところで、不意に優しい声が降ってきた。
「ちゃんと好きじゃけえ心配すんな、サクラ」
「へ」
「サクラ、じゃろ? おどれの本当の名前」
「なんで……」
なんでわかったのだろう。
いや、理由なんかはどうでもよくて。
「ずるい。今のは不平等……」
「なにが」
「いっしょに言われたら、名前が嬉しいのか、好きが嬉しいのか、わかんなくなっちゃう」
嬉しくてまた泣きそうになるのを堪え、ただ桜蒔を抱きしめて、ふたりがひとつになるくらい溶け合った。
***
「そんで、この心臓はどうなっとん? もう隠し立てせんよな?」
自分で袴を穿いたあと、桜蒔が小幕の胸にある三角形のホクロをなぞりながら尋ねてきた。
「んー、わかんないけど……」
なるべく正確に伝えようと、慎重に言葉を選ぶ。
「昔からときどき苦しくなります。道端で倒れてるときはいつもそうでした。普段の日常生活は問題ないんですが、客に暴力を振るわれたあととか、負荷がかかるとだめみたいですね」
本当にわからないのだ。
これまで医者に診てもらった経験は、先日風邪をこじらせたときが初めてである。
詳しい検査などはもちろんしたことがない。
「オージさんが呼んでくれたお医者さんに、大きい医院に行けって言われてましたね、そういえば」
「はよ言えや!!」
「いろいろあって忘れてたんですよう」
物心つく前から付き合ってきた苦しさで、そういうものだとしか考えていなかった。
それに、投げやりだったのかもしれない。
体が蝕まれていたとて、他の多くの仲間たちのように、飢えて野垂れ死ぬのとなんら変わりはない。
──せっかく両想いになったのに、オージさんのこと置いてっちゃうのかな。
いなくなった桜蒔を捜していた頃によくやっていたように、ごろんと寝転がって、桜の幹の隙間にすっぽりと収まると気分が落ち着いた。
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