元黒聖女シャーロットはもう祈らない

くま

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大地震

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夢の中で、私は森の中にいた。空気が澄んでいて、小さな光達が飛んでいる。

とても優しい光だわ…。

ここは……何処の森だろうか。だけどとても安心しちゃうわね。
ズキン!と脳裏から記憶が甦る。
あぁ、たしか……春が終わる頃に地震で被害が起きるんだわ。
教会へ通い慣れた頃、、、
大地が唸り、悲鳴が重なり、王都が壊れた日。城は頑丈で無事だったもの、貧民街と石造りの王都中心部、教会の一部が崩壊し、私も避難したんだ。その後、誰も貧民街など行かないので行った覚えがある。

前前世でソラが地下牢にいた私を助けたのは当時、ソラはそこに住んで地震の被害を受けたんだわ…

場面は変わり、沢山の人が倒れた。

すべてが揺れ、崩れ、血と瓦礫に覆われた。
倒れた人や泣き叫ぶ子供達、血を流して息絶えた人々。
教会の人達は、その力を貴族の人達ばかりしか使っていなかった。

その中で、私はただ必死に、まだコントロールすら出来ず小さな力で癒していたのだ。

…また同じことが起きる。そう考えていると、まだ小さな光達が私の周りを飛んでいた。

「……あなた達、私に教えてくれてるの?」

私はそっと小さな光に手を差し伸べようとした時、

【誰?僕の意識に入ってきたやつは】

知らない男性の声がし、振り向くと。

霧がかかり、よく見えないけれど男性が立っていた…
私と、、、同じ赤い瞳…

その瞬間目が覚めると、朝になっていた。

嫌な予感だけが、はっきりとあるわ。

「忘れてた、、、、大地震がくるわ…」







「……ねえ、ユリウス、ソラ。これからは、外出の時に軽食と水を必ず持ち歩いて」

「え?急だな」

ユリウスは私の顔を見つめ、静かに頷いた。ソラは薬草など基本持ち歩いてる為、一緒にいれてくれたのはよいけど、何故か爆竹もあるのを誰も止めなかったのか疑問だわ…。

「そんな目で見るなよ、最近物騒だし、用心に越したことはないだろ?」

「…フィナンシェ家から護衛二人はついてるけど、」

「まあ、確かに。でもさ急にあそこにいる護衛が、もし、背後から襲われてしまったら?」

そう自信満々に答えるソラに、ユリウスはありえないと否定をしていた。

その日も、私達三人は、ソラの父親ソルさんがいる病院へと足を運ぶが、ソルさんは、義父カイロスと貧民街方面へ一緒に訪問しに行っていたとのこと。

「てか、病院、、ガラガラだな」

「最初はそんなものよ」

「…腕の良い医者とやらも数人いるのに」

「少しずつ、みんなに信用してもらうしかないわね」

ユリウスとソラは不満を漏らしていたけど、
まだ設立したばかりで、知名度はあるものの通った者は異端児扱いをされる。

「気分転換にユリウス、苺のデザートでも食べに行きましょう」

そう話すとユリウスは先程までの不機嫌な顔から、パァと頬を赤らめて喜んでいた。最近、ユリウスの扱いがわかってきたかもしれないわ。




王都のカフェに向かって、通りを歩いていると、ウィリアム王太子がいた。護衛は何人も引き連れており、町の人に声をかけていた。以前はあの毒のせいで、外出などは出来なかったかもしれないけるはど、今は、よく外にでて治安など様子を見に歩いている。

ウィリアム王太子が私達に気づき手を振っていると、周りにいた女性達は黄色い声をあげていた。


ーーその瞬間ーー

地鳴りが、腹の底を打つようにひびく。

「……っ!」

次の瞬間、足元から世界そのものが揺さぶられる。石畳が悲鳴を上げ、建物が軋み、空気が震えていた。

「おい!地震だ!!」

誰かの叫び声が響くのと同時に、私の視界の端で影が落ちる。振り向いた瞬間――重たい看板が、私めがけて倒れ込んできた。

「……姉上!!!」

必死な声が、揺れる世界の中で耳を貫いた。これは、数十年に一度あるかどうかの大地震だった。後に人々がそう語るほどの、未曾有の災厄……。

ふと、脳裏をよぎる記憶がある。

以前、教会の誰かが囁いていた言葉がある。

――これは、神の怒りではないかーー

その言葉が何故か思い出してしまった。

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