元黒聖女シャーロットはもう祈らない

くま

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一度目の人生 黒聖女は断罪される

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聖女とは、祈りを全て民の為にするものだ。

少なくとも、私はそう信じていた。

「シャーロット・フィナンシェ。貴様を、王国への反逆および聖女の名を汚した罪により、断罪する」

大聖堂に響く厳かな声に私は跪いたまま、ゆっくりと視線を上げた。そこに立っていたのは、白い光に包まれた少女だった。

白の聖女、オフィーリアだった。淡いピンク色の髪に、大きな瞳の美少女の彼女とは、反対に見た目は陰気で真っ黒な髪色の私は黒の聖女シャーロット。

そうね、彼女の愛らしさが羨ましかった。
羨ましいと思ってしまったのが罪なのでしょうか‥‥。

私に優しく、親切をしてくれていた人だったから、学生時代からも、頼みも全て聞いていた。

彼女は、祈るように胸の前で手を組み、今にも泣き出しそうな顔をしている。

「……お、お待ちください……!」

彼女は小さく震える声で、一歩前に出た。

「シャーロット様が、そのようなことをなさるはずがありません……。わ、私……信じたいんです……」

その言葉に、周囲がざわめいた。

「なんてお優しい!」
「白の聖女様は心まで清らかだ」

ああ――相変わらずだ‥‥。
彼女はいつだって、こうして“庇うふり”をする。

「ですが……」

オフィーリアはぎゅっと唇を噛みしめ、涙を滲ませた。

 「……聖女としての力が不安定になっているのも事実で……。私の浄化では、どうしても間に合わないのです……」

それは、はっきりとした“告げ口”だった。
彼女は私を見ない。見ないまま、悲しそうに首を振る。

 「だから……力をまた貰おうと、人々を殺めて、、、よからぬことを……してしまったのではないかと……」

本当に演技が上手いわ、、

否定しながら、すべてを私の罪にする言い回し。
私が何も言えないことを、最初から分かっている。

私の力は弱ってなどいない。浄化をしていたのはいつも私だけだった。オフィーリアは‥‥突然聖力がなくなったのを私は知っている。

彼女を大切な友人と思っていたから、誰にも言わなかった。


「オフィーリア、もうよい」

私の婚約者だった男、が、彼女の肩に手を置いた。

「君は十分すぎるほど、王国のために尽くしている」

オフィーリアは、わざとらしくはっとしたように顔を上げる。

「そ、そんな……私は、ただ……」

そう言いながら、彼女はそっと彼の胸に身を寄せた。
 ……あぁ、なるほど。
これが、答えね。私はようやく気づいた。

私が邪魔だったんだ。


「黒の聖女シャーロット」

司祭の声が響く。

「聖女の名を汚し、民を惑わせた罪は重い。よって――死刑とする」

拍手が起こった。最初に手を叩いたのは、やはり阿保婚約者だった。

私は、ただ静かに目を伏せる。処刑台へ連れて行かれる途中、オフィーリアが私の隣をすり抜け、冷たい声で囁いた。

「本当惨めね。なあんにも知らない子。ふふ、ごめんなさいね、シャーロット。でも……可愛くない聖女は、いらないのですもの。それに貴女が死ねば、全てもう片付くんだとラージル神官も望んでたわ。そして私はこの国の王妃になれる」

ラージル神官‥‥私を優しくしてくれていた先生だった。あぁ、この人も裏切ったのね。

次の瞬間、彼女は涙を浮かべ悲しむふりをする、

あぁ、、、、神なんて、糞食らえ!!!

それが、私の最後の祈りだった。
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