【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!

くま

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へっぽこ姫の仲良し作戦⑨ 九章 恋愛編

学園がパニック状態!

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「《癒しの木》が枯れていたのですか?」

驚くレピドライトにハナナ女王とナグサ王ははウムと頷き話す。

「最近各国でのう、心臓だけが盗まれ殺される事件が多いじゃろ?この前、ピーターとブバルディアが不在だった会議をはじめようと、癒しの木に皆集まったんじゃが…枯れていた」

「なんとも…不気味でしたよ。癒しの木は昔、精霊達の力で出来た神木なのに…何かまた良からぬ事が起きそうですな」

そんな話しをしながら、城に着いたピーター国王達はベリル・コーネルピンの行方についてと、城の警備に関する話しをしようとした時、ドレス姿のブラ子…いや、ブラッドと騎士団のライがやってきた。
そんなブラッドに馬車から降りてきたガーネットとハウライトは

「「…何ふざけた格好をしている(の)」」

と冷めた口調で話すとブラッドは顔を真っ赤にしながらユーディアライトに指を指した。

「ユーディアライトの指示だったんだよ!女の格好すれば敵も気が緩んで、潜入しやすいはずだとかって!いや、んなことよりっ!ピーター国王様!」

ブラッドはピーター国王に聖教会の聖書を見せて説明をしていた。近くにいたレピドライトは少し思い詰めた顔をしながら黙っていると、ブバルディア王は話しかけた。

「なんだ、レピちゃん。気になる事があるのか?」

「ブバル、レピちゃん呼びはやめて下さいといつも言っているでしょう…それにしても…変に引っかかりますね」

レピドライトの隣りにいるユーディアライトも同じく頷く。

「…父上。私も引っかかります。どうして…こんなにすぐ《聖教会》の者だとバレてるようにしてるのでしょうか。普通はもっと姑息に隠しますよね」

ペリドット親子が頭を悩ませている時、ハナナ女王が話し出す。

「…そもそもの話しじゃが、聖教会は昔から由緒ある教会の者達の集まりであり、聖なる場所を清める者達よの?何故、反乱軍側と手を組んだのかのう?」

そんなハナナ女王に近くにいたリビアはこたえた。

「…僕がまだ生まれる前の話ですが、最初に父上に近づいてきたのは聖教会でした。僕はどちらかというと、ずっと聖教会員達に育てられてましたから…今思えば、何故僕を神と崇めるようにしていたのか謎です。今や聖なる場所を清めてもない。彼らは…何故か、心臓を集めていたんだ。随分昔からだ。だから、皆処罰を下されて、もう聖教会というのは無くなった。でも…まだ残党がいたなんて…」

聖教会の話しをしているピーター国王達に、ハウライトは間に入って声をかけた。

「……僕がもし、敵側の立場だったら…遠く離れて逃げるより、もう敵の内にいてそばに、狙った獲物を逃がさないように、近くにいるようにはいりますけど」

「さすが、腹黒王子ですね!」

「なるほどな、ハウライト王子なら納得だわ」

「…ねえ、ユーディアライトとブラッド。喧嘩売ってる?」

そうハウライトとユーディアライト、ブラッド3人がヤイヤイと話している時、ずっと黙っていたガーネットが口を開いた。

「……父上。もう一度学園へ行ってもよろしいでしょうか。ハウライトの言うように、万が一…エメラルド達が通っているところに敵が潜んでいたら…再度警備が万全か確認をするべきです」

「うん、僕もガーネットに賛成だな。エメラルド達だけではなく学園の生徒達にも危険があるかもしれないし」

「…まって。それなら僕も行くよ。エメが心配だし…もし教会の者達が潜んでいるなら僕のほうがわかるかもしれない」

そう言ってガーネットとハウライト、ユーディアライトと、リビア、ブラッドでもう一度学園へ向かう事となった。

「いや、ちょっとまて!俺はドレスのままかよ!?一度着替えをーー」

「「「「いいから早く」」」」

そう4人しせかされ、渋々とブラッドはドレス姿のまま向かう事となった。





ゴロゴロ…


廊下の窓を眺めていると、雷の音が凄く唸っており、どしゃ降りの雨が更に激しくなってきた。

「エメラルド姫様」

そう私を呼ぶ方へと振り向くとサファイア・ステロイドだった。

ハウライト兄様の育ての親だったルビーの弟で、オレンジ色の髪をした綺麗な顔立ち、ステロイド家の当主で今はボランティアで週に一度学園で勉強を教えに来てくれる先生だ。たしかにおばちゃんに似てるかもね(おばちゃん言うな!)

「サファイア先生!今日先生の授業ありますもの、先生の授業楽しいから嬉しいです」

「私の授業を楽しみだという生徒はエメラルド姫様だけですよ…私は裏切り者のステロイド家、ですからね」

そう少し照れながら話すサファイア先生とまた後でと手を振って別れた。

「あーもう!そこにいた!エメラルド姫!そろそろ授業始まるわよ!?」

サファイア先生とすれ違い様にリン嬢がやってきた。私をわざわざ探してくれてたみたい。リン嬢は私にマシュマロお菓子とチョコレートをくれた。

「いいかげん、プリムラと仲良くしなさいよ。あの子まだ見かけないけど、教室で会ったら二人で食べなさいよね!いい!?とりあえず貴女が悪いからね!」

「えっ、私なの!?」

「何があったかわからないけど、100%エメラルド、貴女が悪い!私はプリムラの味方だもの」

そう自信満々に話すリン嬢に私は渋々マシュマロとチョコレートを受け取った。…プリちゃんに…もう一度話しかけてみようかな。


エメラルドとリン嬢2人を少し遠くでサファイアは羨ましそうに見つめていた。

「んー青春かな?…実は護衛として志願したとは言えないけどね」

そうクスッと笑った瞬間に、ハッ!と何かを感じとり外の方を見上げ、すぐ様エメラルド達を庇うように魔力で防御し始めた。

ドガーん!と大きな音と共に窓ガラスが割れちゃった!?!え?!何?私はわけがわからないまま固まっていたら、サファイア先生が目の前にいて、助けてくれた。私達の前にいたのは白いフードをかぶっている男1人と……黒い角が一本ある魔獣?!何故魔獣がここに!?!

あの白いフード…昔見た事…会った事がある。
あれは聖教会の人達の?

混乱している中、窓ガラスや建物が壊れる音が鳴り、学園中生徒達の悲鳴が沢山聞こえてきた!

「きゃー!!誰か!魔獣が…!」

「この白いフードを被ってる奴なんだ!?ぐあっ…!」

魔獣に襲われて怪我をした人や、闘っている人達もいた。サファイア先生はオレンジ色の光を放ち水の攻撃をフードを被っている男に向けた。

サファイア先生が敵と闘っている時、近くにいた魔獣が私達をめがけて攻撃しようと向かってくる!私はすかさず、弓矢を出して攻撃しようとしたけれど…早い!!どうしよ!?そう思った時、隣にいたリン嬢が赤い光を放ち、沢山のリボンをつけている子豚が出てきた!

「え!?子豚!?か、可愛い!じゃなくて、リン嬢の?」

「ふん!そうよ!魔獣風情がか弱い乙女を狙って!!ブー子達やってしまいなさい!この次期ペラルゴニウム国の《女王》リン様が躾し直してあげるわよ!」

「「「ブッヒー!!!」」」

「え!?それは初耳だよ!!!」

リン嬢よ、男だということではなく、次期女王?!あれ、女王、でいいんだよね?うん!

「エメラルド姫!とにかく貴女は早くこの場から離れて!邪魔よ!」

「でも…!」

「この魔獣達はすばしっこいから!貴女の弓矢でどうこうなるわけでないわよ!……早く…っ!早く逃げろ!」

いつも可愛いらしい声のリン嬢の声は、初めて聞いた男性のドスのある声だった。

私はひたすら廊下を走って外へ行こうとしたけれど、沢山の生徒達が倒れたり、数人の教師達が闘っていたり…

「うわー!」

「きゃあー!!」

階段下では、魔獣に襲わそうな生徒達がいたので私はこのくらいの距離なら大丈夫だと、弓矢を魔獣に向けて放ち倒した。あの一本角の魔獣はケレンベルという狼の一種で…弱点は角だしね、少しだけマシューの毛を持ってて良かった…!!

「ハァハァ…!貴方達大丈夫!?」

「…ひ、姫様…!ヒック…」

「…大丈夫よ。たてる?」

「…あ、は、ははい」

プルプル震えている生徒達もいて、私は彼女達を誘導した。その時、私の護衛の騎士団と思われる人達が沢山きたけど…血だらけ!?

「……エメラルド姫!お逃げ下さい!」

「!?」

かなり大きな魔獣に乗っていた人がいた。顔はよく見えないけれど…あの白い服は……かつて聖教会のトップだった服装だ。大きな魔獣は私を狙っているようだったので、私はみんなに危害がないように避けて外の庭園と逃げた!

激しくどしゃ降りの雨で周りがよく見えない!

「ハァハァハァ…!」

大きな魔獣は私を追いかけてきた。どうしよ!?マシューがいればなんとかなれたかな、いや、パパ達に連絡を…それじゃあダメだ!闘わないと!!私はずぶ濡れになりながらも、魔獣と魔獣に乗っている人物に矢を向けた。

「………ふふふふ」


「……女性の声…?え…でもその服装は…ベリル・コーネルピンのはず」

魔獣に乗っていた人物はフードを外し、白いとんがり帽子を再度被った。…白いとんがり帽子にその服を見に纏うのは間違いなく…あのおじいちゃんであるベリル・コーネルピンなのに。目の前にいる人はこの学園の生徒でプリちゃんにチョコレートを渡していた美少女。

プリスマティン…プリスマティン・ヘリオドール。その人だった。彼女は私を見下ろしながら、令嬢らしく優雅に挨拶をした。

「…お久しぶりですわ。エメラルド姫様。…この顔では初めまして、ですわね。ですが、もう時間がありませんので、貴女の心臓を頂戴いたします」

そう彼女は糸みたいな物を出しながら、白いフードをかぶっていた人達を沢山出してきた!?その糸で操ってる!?一斉に私を狙ってくる人達…

どうしよ?!どう闘う!?こんな大人数…!パパ…!ガーネット兄様!ハウライト兄様!!

「……っ!!!」

私はもう駄目だと涙ぐみ、目をつぶった瞬間に、優しく抱き寄せる腕を感じた。

「何エメを泣かせてるの」

そう呟く声と同時に大きな雷の攻撃をフードを被っていた人達にめがけて一気に倒していた……。

あぁ…本当に。

前もそうだった。

いつも、ピンチの時に駆けつけてくれる、私と同じへっぽこ魔力な王子様。

「……プリちゃん…」

いつだって、小さなヒーローだったんだ。










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