麗しの殺し屋御殿

妃月未符

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第3幕 ~栄光の蜜~

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 ――やってきたね。

 目に見えて動揺する華の傍ら。
 澄春は脳内で素早く、作戦をさらう。

 路空にメッセージアプリでこの日この時刻に呼び出してもらった。

 手のひらを上に向けた手を胸にあて、再び目礼した。

「私が、Aアニメ制作会社でプロデュースを手掛けさせていただいております、喜多見澄春——華さんとお付き合いさせていただいている者です」

「――⁉」

 隣で華が絶句しているのを華麗にスルーして、

「ふふ。華、そんなに照れなくてもいいだろう」

 そんなフォローもかましつつ、

「今日はお話があってこうしてお呼びだてした次第です。どうぞおかけくださいますか」

 そして、同じく瞠目する母親をエスコートし、自身の隣の席へと誘う。

「華さんが出演されているアニメが、業界の中で、今月の興行収入一位に名乗り出たことをご存知でしょうか?」

「えっ。まさか。……そうなんですか」


 母親は意外そうに目を瞠っている。

 ——芸事で成功する者は少ない、という単純な一般論から、娘の仕事はろくな仕事ではないとたかをくくっていることは予測済みだった。

「内内の話ではありますが、来年には映画化も見込まれているシリーズでして。興行収入は六十億と予想されます」

「六十億……⁉」

 ——だが同時に、そうしたばくちじみた世界は成功のスピードも威力も圧倒的である。

「華、すごいじゃない。素晴らしいわ……!」
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