麗しの殺し屋御殿

妃月未符

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終幕 ~頭の中の銃弾~

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 トルコ人の家族が何度も涙を流しながら、凪に頭を下げる。

「警察の方。ありがとうございます。おかげで娘は無事に帰ってきました」

 訳すとそんなところだと思う。

 彼らに少女を戻し、人目につかない一角で、現地警察の制服姿の凪はスマホを手にする。

「路空くん。ひどいなぁ。後処理全部丸投げかい?」

 凪が発砲した時点で、路空は現場から退いていた。

『わりいわりい。でもしょうがねーだろ。あれだけ派手に暴れちまったしな。とっととずらかんねーと。立場上警察に事情聴かれるわけいかねーし』

「それはそうだけどねぇ……」

『凪も早く逃げたほうがいいぞ。碧にいから拳銃受け取ってから、警官一人眠らせて、制服借りた機転、澄春先生も褒めてくれるって』

「ほんとうかい? そういえば澄春先生と湊さんが空港外で母親と妹を担当しているはずだけど」

『ああ。無事終わったらしい』

「それはよかった。——でもおかしいね。碧にいさんから終了の連絡がない」

『っ……!』

「どうかした?」

『碧にいに送ったメッセージ、三分前から既読になってない』

「ふむ。……碧にいさんが司令塔としてとりまとめをおこなう上ではありえない事態だね」

『華になにかあったのかもしれねー。凪、念のためさっきまで華といた地点、確認してくれるか』

 グループが誇る俊足でその場に向かった凪は、報告した。

「最悪の状態だね。ベンチに形跡、なし」

『くそっ。あとの二人にも連絡して、全員で探すぞ』

「了解」

 スマホを切る直前、凪はふいに口を開いた。

「ねぇ路空くん」

「必ず、見つけ出して、全員でまた御殿で祝杯だよね」

『なに言ってんだお前』

 返事は、予測済みだったが。

『あたりまえだろ』
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