騎士学生と教官の百合物語

コマドリ

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第5節 魔族領編 リュネとクロ

第68話 リュネメイアとクロの今

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とある部屋の一室。
大きな館に和風の意匠が組み込まれたその部屋にゆっくりと、館の主が入る

リュネメイア「..ふむ。おらんのか。少し急ぎのようがあったのだが。妾も声をかけておらんかったから、仕方ない」

小さくため息をついて、目的の人がいないことに少し残念な様子を見せ

ーーーー

クロ「…リュネ どうしたの? 誰か探してるみたいだけど…手伝おうか?」

コトリと瓜二つで同じ姿だけど、少し肌の色が違う 褐色の少女 クロがリュネメイアの後ろに立っていて…
どうやらクロもリュネの次に部屋に入ってきたみたいで。

他のメイドたちと同じくメイド服だけど、クロだけは猫耳と尻尾を付けていて。

ーーーー

リュネメイア「主か。....いや、よい。元より急ぐ案件ではあるが、この部屋の様子を見るにあやつ。慌てて飛び出したのであろう。
ならば、妾が伝えようとしたことは即ち伝わっておるということよ♪」

豪華絢爛な着物を纏い、扇子を広げ口許を隠しながら振り向きながら、クロに語りかけつつ、散乱した室内に呆れた様子を見せつつ部屋の主に信頼を置いた様子の発言を


リュネメイア「それより、どうじゃ?ここでの生活には慣れたか?ん?」

コツコツと歩き彼女の後ろに回ると、目元の仮面を外し優しく彼女の尻尾を撫でながら、質問を

ーーーー

クロ「んっ そっか…リュネが困ってないならよかった。
(リュネに信頼されてる…いいな…。)」

リュネが困ってるなら手伝おうと思っていたけど、リュネの様子に私が心配する必要はないと判断する。

その人物はリュネに信頼されてるので、自分も信頼されたいなと 少しやきもちをやいた様子を見せ。


クロ「そだね…スリスさんやみんなも優しくしてくれるから…慣れたかな…っ んっん…! このリュネのセクハラ以外はね…。
んっ…まさか…っ…こんな本物の猫耳や尻尾…っん…生やされるとは思ってなかった…よ…くっ…!」

慣れたと話をしていると リュネに敏感な尻尾を撫でられ始め…
私は少しだけ表情を赤らめ、全身をびくんびくんと震わせ、口から甘い吐息を漏らしながら、声が出てくるのを我慢して。

口ではセクハラと言うけど けっして嫌な様子ではなく…
むしろリュネのことが好きだから嬉しいのだけど、所構わずえっちな姿 晒すのが恥ずかしいから ツンツンしながら我慢しているだけで。

ーーーー

リュネメイア「なんじゃ。焼いておるのか?ん?心配せずとも、主のことも頼りにしておるぞ♪」

クロの頬に手を添え、ゆっくり顎まで指でなぞり彼女の顔をクイッと自分の顔の方に向かせ、楽しげな表情を浮かべ


リュネメイア「よいではないか♪外見的にも主の可愛らしさが増しておるし、元より主は妾のもの♪妾の剣であり盾であり、愛しい雌奴隷。どう扱おうと、問題ないであろう♪ふーっ♪」

耳元に近寄り妖艶な様子で語りかけ、最後に耳に優しく息を吹き掛け


リュネメイア「さて、今日はどうするか。1日の仕事ぶりを見せてもらうもよし、主に任せたい仕事をこなしてもらうもよし、実験するのもよしじゃが..」

クロの尻尾をふみふみ握りながら迷う様子を

ーーーー

クロ「ぁ…っぅ…//
や、やいてなんかない…だけど…その…頼りにされてるなら…それでいい…//」

頼りにしているぞ、と顔を覗かれるようにリュネに見られながら言われ…
顎をくいっと持たれてるから恥ずかしそうに視線を逸らすしかできず、私は頬を赤らめながらも嬉しそうにして。


クロ「た、確かに私はリュネのもので、剣であり盾になったけど…雌奴隷になるのは恥ずかしいって言ってるのに…ひぃ…っ~~!!」

妖艶なリュネの声を聞いてドキドキしていると、不意に耳へ息を吹き掛けられ、両手で口元を抑えて私は声がでるのを我慢して。

恥ずかしさと自称上級魔族としてのプライドから、私はまだリュネの雌奴隷として忠誠を誓えていなくて。


クロ「あ! あっ! し、尻尾そんな風に握っちゃ…くぅ…ふぅぅ…!
っ…上級魔族だった私を…んっ…こんな風に辱めて弄ぶなんて…ふぁ…ぁ…リュネの…ばかっ…んっんん…!」

今では元の名前も思い出せなく、元上級の魔族(自称)以外自分のことを知らない私…
内に秘める魔力は高く、リュネのことが好きで、やきもちもするしプライドも少し高い、そんなメイドとして私は今を過ごしている。

ーーーー

リュネメイア「ふっふっふ♪
主のその反応こそが、妾がかわいがりたくなる一因だとゆうのに♪」

ゆっくり尻尾を撫で上げて小さく甘いため息をついて熱っぽい視線を彼女に向けて、ゆっくり顎に指を這わせ顔をこちらに向かせると


リュネメイア「なら、主は妾のことが好かんのか?ん?...悲しいことよ。妾はこんなにもクロ..主を愛しているとゆうのに...」

いたずらっぽく、だがそれでいて彼女の反応を確かめるように頬に手を当てて小さく笑みを浮かべて

ーーーー

クロ「んっ…っ…はぁあ…ぁああっ…!
はぁ…はぁ…んんっ…ふ…ぁ…リュ…ネ…♪」

ゆっくり尻尾を撫で上げられれば 私は思わず大きな声を漏らしてしまい…

くいっと顎を持ち上げられると熱っぽい視線のリュネの表情を見られ、私は甘さの混じった声でリュネの名前を呼んでいて…

生やされた敏感な尻尾を弄ばれていたので、リュネを見つめる私の表情は 少し熱っぽくとろんとしていて。


クロ「そ、そんなことない! っ…わ、わかったよ…私だってリュネのこと…愛し…てるから…その…雌奴隷にでもなんでもなってあげる…し、仕方なくだからね…!」

頬に手を当てられながらいたずらっぽい笑みでこちらを見てるリュネ…
そのリュネの言葉に頬を赤く染めながら、私は潤んだ目を横に逸らしながら言葉を紡いで。

なんだかリュネの思惑通りになってるかもだけど、リュネを好きになって愛してるのは本当のことだから、少しくらい恥ずかしいのも我慢しようかなと思って。

ーーーー

リュネメイア「ふふ…よろしい♪しかし、ほんとうに良い感触よ。…ワーキャット族の毛並みに近いのか知らんが癖になる♪」

クロの尻尾をもふもふと揉みながらご機嫌な様子を見せて、やがてそれを止めると彼女にギュッと抱きつき


リュネメイア「さて…妾に忠誠を誓うということは、それがどうゆう意味かは理解しておろう?
ほれ…誓いの言葉はゆうたのだし、次は忠誠の口付けを妾に捧げぬか♪もちろん、主からな♪」

ゆっくり彼女の耳元で囁きながら、彼女に諭し始め忠誠の証を求めて怪しげに笑い

ーーーー

クロ「っ んっ…リュネ…ふぁ…そんなもふもふされたら…気持ちよく…あっ…//」

元々なくリュネに付けられた雌奴隷の尻尾をもふもふされ、どう我慢すればいいか分からない私は全身びくびくと震わせながら感じてしまっていて。

尻尾に気を取られているとリュネにギュっと抱きつかれ、その温もりやリュネの香りにドキッとさせられて。


クロ「えっ なっ…わ、私…から…するの…?
っ…ぁ…わ、わかった…よ…リュネ…んんっ…ちゅっ…//
(忠誠の口づけってこれでいいのかな…? 自分からキスするのって…なんだか緊張して…恥ずかし…い…。)」

少し背伸びをしてリュネの唇へそっと触れるキスをする…
今まで自分からキスをすることなんてなかったから、自分からリュネにキスしたという恥ずかしさから私は赤くなって瞳を潤ませて。

ーーーー

リュネメイア「んっ…♪ふふ、よろしい♪…これで新しく開発した例のモノの効果が出るであろう♪」

満足気な表情を浮かべながらサラリと怪しげな発言をして、まじまじとクロの方をみる。
すると、すぐにクロの右手の甲がピンク色の光を放ち始める

やがて光が収まると、そこには十字架に剣が交差した紋章が浮き上がっていて


リュネメイア「妾に忠誠を誓ったものと契約を交わすと、その紋が現れる。それは…妾の家紋でな。妾が主を所有する証のようなもの♪

あぁ、何もそれだけではない。その紋を持つものは妾からの魔力供給を受けることができる…まぁ、妾と繋がっているということよ」


リュネメイア「もっとも…この紋で満足しないなら、発情効果のあるものを仕込んでもよいが♪」

妖しい笑みを浮かべながらクロの頬に人差し指を滑らせて柔らかい唇に触れ

ーーーー

クロ「…? 開発…? んっ…これ…は…?
リュネの家紋で…リュネのものという証…そっか……。」

恥ずかしそうにしてるとリュネが気になる言葉をつぶやきながら私の方を見てきて。

すると私の右手に紋章が浮き上がり私は首を傾げる…
リュネがその紋章のことを説明してくれ、自分がリュネのものになったことを知り、嬉しそうにその家紋を左手でさすって。


クロ「えっ あっ…んっ…は、発情効果って…別にこれでいい…。
それに…そんなの付けたらリュネ 場所を選ぶことなく私のことおもちゃにするでしょ…?
人前では恥ずかしいから他の紋は却下だよ…人前じゃなきゃ…別にいいけど…。」

不意に妖しい笑みのリュネに頬や唇を優しく触れられ、私はドキっとさせられ身体をもじっとさせながら潤んだ瞳を横にそらして。

館の中でも外でもそして人の見てる前でも、リュネは気にすることなくイタズラしてくるだろうと私は聞き返して…
でも遠回しに二人っきりになれる場所でなら大丈夫だよ…とつぶやき。

ーーーー

リュネメイア「主は妾のものであろう?主をどうこうしようと、それは妾の自由ではないか♪……まぁ、その紋は追々の楽しみにとっておくとしよう♪」

クスクスと笑いながらクロの問いを煙に巻き会話と彼女とのやり取りを楽しむ中、コンコンと扉のノックが響く。


メイドのスリス「リュネ様、お楽しみ中 申し訳ありません。お客様が訪ねられております。急ぎ、リュネ様に会いたいと…」

リュネメイア「スリスか…なに?ふむ…今はクロとの時間を大切にしたい 追い返してしまえ」

めんどくさげな表情を浮かべながら、淡々と扉越しのスリスに告げるも、スリスは『それが…リュネ様。申し上げにくいのですが、相手は…モルヴ様です』

との返答を聞くと、顔色が変わる。


リュネメイア「も、も、モルヴっ?…い、いかん。クロ、妾は逃げる。逃げるぞっ!ほれ、主も急がぬかっ。見つかったら大変なことに…」

普段の余裕綽々、飄々とした彼女からは考えられない慌てぶりを見せてクロにも逃げる準備をするよう伝え、彼女の肩を掴み熱く説得を…
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