異世界転生ヤンキー「チートスキル?んなもん要らねぇ!必要なんは気合いと根性やてやんでぇ!」

グルメスパイザー・ポンクラッシュ

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転生ヤンキー

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ーーーオラァ!
ーーーグラァ!!
ーーーウワァァァ!!

2000年以降、数を減らしていった、不良達、奴らの大きな抗争はこの戦いで幕を閉じることになる。戦っているのは総勢800人を超える「強強高校」と、50人にも満たさない「弱弱高校」であった。そんな圧倒的に不利な弱弱高校を勝利に導く、たった1人の番長が存在していた。

「オラァ!声上げろやぁ!てやんでぇ!!」

弱弱高校の番長、漢の中の漢と言えるだろう、彼の名は「夜笑勝死(ようたげ まさし)」、彼はたった1人で数百の敵を薙ぎ倒し、さらに声を上げて士気も高めていた。

「うぉーーーー!!勝死さんに続けてげぇぇ!!」

弱弱高校の仲間達もその声に引っ張らられて数的有利を覆しつつあった。だが、そんな戦いを大きくひっくり返す事件が起きた。

「死ねぇぇぇぇ!!!」

ーーーグサッ!!

「っ!?ガハッ!!」

勝死の腹にナイフが突き刺さるっ!

「なっ!?卑怯だぞ!!」

仲間の1人がそう叫ぶ。

「勝てば良いんだよ、勝てばなぁぁぁ!!!」

そう叫び返したのは強強高校のボス、「負犬遠吠(まけいぬ とうぼ)」だった。彼が勝死の腹部にナイフを刺したのだ。勝った!と確信している、だが!

「んんっ!!根性やてやんでぇ!!」

勝死は腹から血を吹き出しながら立ち上がり、そして!

「うらぁぁぁぁ!!!」

「は!?なんでナイフで腹を刺したにっぐぶぁ!!」

負犬に向かって渾身のストレートをお見舞いした!負犬の鼻から血がドバッと噴射する。

「や、やれぇ!仕留めろ!腹刺された野郎なんざぶっ飛ばしちまえ!!」

負犬が仲間達にそう言うと、何百もの強強高校の人達が一斉に勝死に襲いかかる。

「やったるわてやんでぇぇ!!!」





それから、何十分経っただろうか、勝死は最後の1人をぶん殴り、倒したのだ。

「はぁ、はぁ、はぁ、、っぐ、ガハッ!」

その間も腹から血は流れ続ける。常人なら既に死んでいるはずであろう大量出血だが、勝死はそれを根性で耐え抜いていたのだ。

「ま、勝死さん!!死なないで!!」

仲間の1人が泣きながら勝死に言った、だがそれはもはや叶わぬ願い。勝死の死はもはや数分後に迫ってくるだろう。

「はっははは!はははは!どうだ!お前らは勝死って野郎が居なきゃこの戦いにも勝ててなかった!そして俺はそいつを殺した!俺の勝ちなんだよ!雑魚!間抜け!アホ!バーカ!!」

負犬遠吠はまるで負け犬の遠吠えのようにほざく。

「黙れぇぇ!!」

負犬は数人の弱弱高校の人達にボコボコにされる、それを見て勝死はふっと笑った。

「テメェら......元気で...な.........」

その言葉を最後に、勝死は息を引き取った。








「と、言うのが貴様の生き様じゃな」

「んあ、そうや」

気づけば勝死は、白く霞がかった空間に立っていた。見渡す限り雲のようなもや、そして正面には白髪白髭の老人が胡座をかいている。着物ともローブともつかぬ衣をまとい、目はギラリと光っていた。

「わしは神。ま、死んだ奴らが来るところの管理人みたいなもんじゃ」

「神ィ? ……へっ、なんやワケわからん夢でも見てんのかと思ったぜ」

勝死は頭をガシガシと掻き、血の跡も傷もない自分の身体を見下ろす。

「夢ではない。貴様は確かに死んだ。あの時のナイフが致命傷であった」

「……おぉ、そうかい。ま、わかっちゃいたけどな」
勝死は肩を竦めて笑った。その顔には未練も怨みもない。

神は不思議そうに首をかしげる。
「普通、人はもっと泣き喚くものじゃ。『まだやり残したことがある!』とな」

「ハッ、俺ぁ充分生きたぜ。ケンカして、仲間と笑って、最後はあいつら守って死んだ。悪かねぇ幕引きやろ」

神は目を細める。
「ふむ……おぬしは仲間のことを語るが、家族のことはどうじゃ? 両親に愛された記憶はあるのか?」

その問いに、勝死はしばし沈黙する。やがて鼻で笑い、口を開いた。
「バカ言うな。うちのオヤジもオフクロも、俺をめっちゃ可愛がってくれてたんやぞ。弁当忘れたらオフクロがチャリで追いかけてくるし、オヤジは『勉強なんかせんでええ、お前はお前の道を突っ走れ』ってよ。……俺、あの二人の子で幸せやったわ」

勝死の声は、少し震えていた。
「それに、アイツら……弱弱高校の連中もな。俺のことを信じてくれてた。喧嘩ばっかやったけど、バカみたいに熱くなれる仲間がいた。それで充分や」

その言葉に、神はしばらく目を細めて黙っていた。やがて、ふっと感心したように笑みを浮かべる。

「……なるほどのう。人の価値は、何を得たかよりも、誰と生き、何を残したかで測れる。おぬしは短き生涯ながら、それを十分に果たしたと言えよう」

「へっ、褒めんなや。こっ恥ずかしいだろーが」
勝死は鼻を鳴らし、腕を組んでそっぽを向いた。

神は厳かな声で告げる。
「さて、夜笑勝死。おぬしの魂を次にどこへ導くか……三つの道がある」

「三つ?」

「ひとつは天国。安らぎに満ちた世界じゃ。何もせずとも穏やかに過ごせる」

「ふーん、退屈そうだな」

「もうひとつは地獄。苦しみと責め苦の世界じゃ。だが……修行の場とも言えよう」

「はっ、そっちも性に合わねぇな」

神は口元を吊り上げる。
「そして最後は……異世界転生。剣と魔法が満ち、強き者が頂点に立つ乱世。おぬしのような戦う魂には、何よりふさわしい場所かもしれん」

勝死の目がギラリと光った。
「異世界……面白ぇじゃねぇか! もちろんそれ選ぶぜ!」

神は頷き、手を掲げる。光が勝死を包み込む。
「よかろう。ではおぬしには宿命を与える。異世界での道を切り開くための力――つまり“スキル”じゃ。お主にはそのスキルの中でも特に強い“チートスキル”を渡そう」

勝死は即座に首を振った。
「いらねぇ」

神の手が止まる。
「……何?」

「俺は生まれてこのかた、親父とお袋に愛されて、仲間と一緒にぶっ飛ばして、根性で突っ走ってきたんだ。今さら“チート”だの“スキル”だの……甘ったれたおもちゃに頼るつもりはねぇ!」

神は驚いた顔をし、こう言った。
「だが、それがあれば楽に勝ち進めるぞ?」

「楽して勝って何が残る? 殴られても立ち上がるからこそ、勝ちに意味があるんだろーが! 俺は俺の拳と、気合いと、根性でやってやらぁ!」

しばしの沈黙のあと、神は豪快に笑った。
「はっはっは! よかろう! ここまで言い切る魂も珍しい! ではチートスキルも加護も何も与えん!己が力で突き進むが良い!」

「おう! それで十分だ!」

神が手を振り下ろすと、まばゆい光が勝死を飲み込む。

「さぁ行け! 異世界で、己の魂を燃やすのだ!」

「オラァ! 異世界でも暴れてやんでぇぇ!!!」

ヤンキー、夜笑勝死!異世界でも夜露死苦!!
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