ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全て暴力で解決~

榊与一

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第58話 私の戦闘力は……

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絶好調。
体が軽いし、見える世界すら変わってくるレベルだ。

そのせいかテンションが上がり過ぎて――

『俺か……俺はスーパー墓地だ』

とか、意味不明なセリフを口にしちまったぜ。

正に黒歴史!

後でビートとリリスには、余計な事は言うなと口封じしとかんとな。

「馬鹿な……今の攻撃をはじき返しただと……」

上空の魔神帝が、信じられないと言った感じに目を見開いて俺を見ていた。
御自慢の攻撃を容易く蹴り飛ばされたのだから、まあ当然の反応だろう。

自分で言うのもなんだが、今の俺はとんでもなく強い。

「いい事を教えてやるよ」

どれぐらい強いのかと言うとだ――

「俺の戦闘力は53億だ」

ドヤ顔で魔神帝にそう告げる。

そう53億。
それが今の俺の戦闘力である。

駄目元の覚醒で4倍以上になるとか、流石の俺もびっくり。
どうやら俺は、超が付く天才だった様だ。

その数値、実に魔神帝の2,5倍以上。
さあ、ビビりまくれ。

とか思ったのだが……

「53億だと?何を訳の分からない事を」

俺の言葉に、魔神帝が『何を言ってるんだこいつは』的な怪訝な表情になる。

そういや戦闘力の数値は、神から貰ったチートで俺だけが見てる物だったな。
そりゃいきなり53億とか言われても、意味不明か。
自分の戦闘力の数値だって知らない訳だし。

「ま、あれだ。お前の倍以上強いって事さ」

「戯言を。奇跡的に攻撃をはじき返せたからと言って、調子に乗るなよ小僧」

御自慢の攻撃を、あれだけ綺麗に蹴り飛ばしてやったってのに。
魔神帝はまぐれだと判断した様だ。

まぐれどうこうで出来る訳ないんだが?
こう言うのを多分、願望バイアスって言うんだろうな。

「おいおい。今調子に乗らなきゃ、いつ調子に乗るってんだ?ま、俺の実力を疑うってんんなら攻撃して来いよ。この場から一歩も動かず受け止めてやる」

開幕ぶん殴ったら、ノーダメージでニヤリとかされたからな。
今度は俺がそれをやってやる。

「ふん、ならば死ね!!」

魔神帝が両手を前に突き出し、その掌からエネルギーの塊が打ち出された。
それも連続して大量に。

グミ撃ち。

通称負けフラグと呼ばれるそれを選択する当たり、魔神帝自身も感じてしまっているに違いない。
揺るぎ様のない、自身の敗北を。

いやまあ、地球での知識前提のフラグだから流石に違うか。

「跡形もなく消し飛ぶがいい!!」

奴の放ったエネルギーが次々と直撃する。
俺は予告通り、それを防ぐ事なく全身で受け止めた。

「墓地君!」

「ボッチー!!」

ビートとリリスが叫ぶ。

急に俺の名を叫ぶとか、頭のねじでも吹っ飛んだんだろうか?
それともまさか今の俺が、この程度の攻撃でやられるとか思ってんじゃないだろうな?

だとしたらあいつらの目も節穴だな。
恋は盲目って言うから、そう言う事にしておいてやろう。

「はははははははは、馬鹿め!はははははははは!!」

魔神帝の馬鹿笑いが聞こえる。
俺を始末できたとか思ってるんだろう。

だが――

「――なっ!?」

爆発によって舞い上がった粉塵。
それが薄くなり、微動だにしていない俺の姿に奴の馬鹿笑いがピタリと止まる。
見る間に、その表情は驚愕へと変化した。

「笑う門には福来るって言うぜ。もっと笑ったらどうだ?」

さっきまで気持ちよくボコっていた相手に、まるで手も足も出なくなる。

まさにNDKだ!
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