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第57話 スーパー
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魔神帝が手を頭上に翳すと、その先に巨大なエネルギーが生み出される。
それは時間がたつほどに、強大になっていく。
そして周囲には、僕達を閉じ込める解除不能な結界。
「ここまでか。すまない……」
正に絶望的な状況。
いや、それは最初っから分かっていた事だった。
だが、眼前に終わりをこれでもかと突きつけられ、自然と僕の口から謝罪の言葉が漏れる。
「もう、なんで謝るのよ」
「リリス……」
「ねぇ、カモネギは転生したんでしょ」
「ああ、君にもう一度会うために」
「うふふ、嬉しいわ」
リリスが胸元に飛び込んで来る。
僕はそんな彼女を強く抱きしめた。
「じゃあ、私も転生するわ。貴方ともう一度出会うために」
「僕もだ。必ずもう一度君を見つけだす」
1度は出来たとはいえ、転生自体不確かなものだ。
2度目があるかは分からない。
ましてや二人同時に転生し、再会する確率は、広大な砂漠から砂金の一粒をみつける様な物に等しい。
普通に考えれば不可能。
でも僕は信じる。
そして誓う。
必ず、再びリリスを見つけ出すと。
「さあ、終わりだ!」
魔神帝の声が響く。
どうやら、最後の時が来たようだ。
「カモネギ、約束よ……」
「ああ、約束だ」
リリスが顔を上に向け、目を閉じる。
僕も目を閉じ、そして彼女に口づけをした。
これを最後にはしない。
必ず……必ず君を見つけ出し、そしてもう一度――
「ぐわっ!?」
「きゃあっ!?」
急に腹部に衝撃が走って、僕とリリスは吹き飛ばされてしまう。
驚いて顔を向けると――
「戦場でいちゃついてんじゃねぇ!!」
――墓地君が片足を伸ばした状態で、僕達を睨んでいた。
どうやらさっきの衝撃は、彼に蹴り飛ばされたものの様だ。
「君を無視する様な行動は謝るけど、いきなり蹴るのは……」
苦情を口にしようとして、僕は言葉を止める。
墓地君の異変に気付いたからだ。
その全身からは、先ほどまでの彼からは感じられなかった異様な力の迸りを感じる。
「来世の約束なんて必要ないぜ。何故なら……此処から俺の無双大逆転が始まる訳だからな」
そう言うと、墓地君が片手を振る。
その瞬間、僕達の周囲を囲んでいた結界が音もなく砕け散ってしまう。
……いったいどうやったのか、まるで分らなかった。
「す、凄い……でも、もう躱す時間は……」
墓地君のお陰で結界は無くなった。
だが魔神帝の放った特大のエネルギーの塊は、既に僕達の直ぐ頭上にまで迫って来ている。
もはや躱す様な時間はない。
「躱す?あんなもん、躱すまでもねぇよ」
墓地君が地面を蹴って飛び上がり、頭上に迫るエネルギーへと突っ込んだ。
そしてまるで飛んで来たボールをけり上げるかの様に、片足で魔神帝の放った巨大なエネルギーの塊を蹴り上げた。
「――っ!?」
僕は夢でも見ているのだろうか?
魔神帝の攻撃は墓地君の蹴り一発で打ち上げられ、はるか上空――雲すら越えどこまでも上昇して行く。
「な」
彼が僕達の目の前に着地し、そうドヤ顔で告げる。
まるで別次元の強さ。
そのありえないまでの強烈な強さに――
「墓地君……君は本当に墓地君なのかい?」
――思わずそんな言葉が口を吐いてしまう。
「ふ……」
僕の言葉に、墓地君が口の端を大きく歪める。
そして握り拳に親指を立て、自分の顔に向けて力強くこう言った。
「俺か……俺はスーパー墓地だ」
と。
それは時間がたつほどに、強大になっていく。
そして周囲には、僕達を閉じ込める解除不能な結界。
「ここまでか。すまない……」
正に絶望的な状況。
いや、それは最初っから分かっていた事だった。
だが、眼前に終わりをこれでもかと突きつけられ、自然と僕の口から謝罪の言葉が漏れる。
「もう、なんで謝るのよ」
「リリス……」
「ねぇ、カモネギは転生したんでしょ」
「ああ、君にもう一度会うために」
「うふふ、嬉しいわ」
リリスが胸元に飛び込んで来る。
僕はそんな彼女を強く抱きしめた。
「じゃあ、私も転生するわ。貴方ともう一度出会うために」
「僕もだ。必ずもう一度君を見つけだす」
1度は出来たとはいえ、転生自体不確かなものだ。
2度目があるかは分からない。
ましてや二人同時に転生し、再会する確率は、広大な砂漠から砂金の一粒をみつける様な物に等しい。
普通に考えれば不可能。
でも僕は信じる。
そして誓う。
必ず、再びリリスを見つけ出すと。
「さあ、終わりだ!」
魔神帝の声が響く。
どうやら、最後の時が来たようだ。
「カモネギ、約束よ……」
「ああ、約束だ」
リリスが顔を上に向け、目を閉じる。
僕も目を閉じ、そして彼女に口づけをした。
これを最後にはしない。
必ず……必ず君を見つけ出し、そしてもう一度――
「ぐわっ!?」
「きゃあっ!?」
急に腹部に衝撃が走って、僕とリリスは吹き飛ばされてしまう。
驚いて顔を向けると――
「戦場でいちゃついてんじゃねぇ!!」
――墓地君が片足を伸ばした状態で、僕達を睨んでいた。
どうやらさっきの衝撃は、彼に蹴り飛ばされたものの様だ。
「君を無視する様な行動は謝るけど、いきなり蹴るのは……」
苦情を口にしようとして、僕は言葉を止める。
墓地君の異変に気付いたからだ。
その全身からは、先ほどまでの彼からは感じられなかった異様な力の迸りを感じる。
「来世の約束なんて必要ないぜ。何故なら……此処から俺の無双大逆転が始まる訳だからな」
そう言うと、墓地君が片手を振る。
その瞬間、僕達の周囲を囲んでいた結界が音もなく砕け散ってしまう。
……いったいどうやったのか、まるで分らなかった。
「す、凄い……でも、もう躱す時間は……」
墓地君のお陰で結界は無くなった。
だが魔神帝の放った特大のエネルギーの塊は、既に僕達の直ぐ頭上にまで迫って来ている。
もはや躱す様な時間はない。
「躱す?あんなもん、躱すまでもねぇよ」
墓地君が地面を蹴って飛び上がり、頭上に迫るエネルギーへと突っ込んだ。
そしてまるで飛んで来たボールをけり上げるかの様に、片足で魔神帝の放った巨大なエネルギーの塊を蹴り上げた。
「――っ!?」
僕は夢でも見ているのだろうか?
魔神帝の攻撃は墓地君の蹴り一発で打ち上げられ、はるか上空――雲すら越えどこまでも上昇して行く。
「な」
彼が僕達の目の前に着地し、そうドヤ顔で告げる。
まるで別次元の強さ。
そのありえないまでの強烈な強さに――
「墓地君……君は本当に墓地君なのかい?」
――思わずそんな言葉が口を吐いてしまう。
「ふ……」
僕の言葉に、墓地君が口の端を大きく歪める。
そして握り拳に親指を立て、自分の顔に向けて力強くこう言った。
「俺か……俺はスーパー墓地だ」
と。
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