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竜将軍大会第四回戦:ヌードファイター・クルシュ VS カペラ座のロシュ
・アウェイ度99%の大会入場
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竜将大会第四回戦、準々決勝の日がやってきた。
私は左手にティティス、右手にココロさん、背後にカロン先生という、両手と背中に花を抱えての完璧な布陣で大闘技場に出陣した。
ほんの半月前までは、街ゆく人々は誰も私に興味など持たなかった。
しかし竜将大会を勝ち上がるほどに、ククルクルスのクルシュの名と顔が広まっていった。
「べ、別行動すればよかったべ……」
「えー、なんでー? 注目がすっごい気持ちいいじゃん!」
「な、なんという度胸……さす編集長、さす編集長だべ……」
「ふふ……。少し、恥ずかしいですけど、お祭りみたいで私も楽しいです」
今や私は歩く御神輿だった。
道行く人々は私の姿を見つけると口々に興奮の声を上げ、『クルシュ!!』と選手の名を呼んで、暇人に至っては私たち後ろを追いかけてきた。
武家街のイーラジュ邸を出た頃は私を含めて4人だったというのに、大闘技場に着く頃には、約50名ほどのお祭り集団となっていった。
「キャーーーッッ、ロシュ様アアアアアッッ!!」
だがどこの世界にも上には上がいるものである。
私たちの到着とぶつかるように、カペラ座のロシュ一行が右手からやってきた。
こちらの兵力が約50人とすると、ロシュ一行の兵力は約400人。
あまりに追っかけが多すぎて収拾の付かないレベルの大行列が選手専用進入路を塞いでしまっていた。
「すっげぇな……」
「あいつらのせいであたしらが入れないじゃん! いい迷惑なんですけどーっ!」
「普通に通してもらえばいいだろ」
私はレッドカーペットを進むために、迷惑な人だかり近付いた。
ロシュのファンは女性ばかりだった。
「すみませんが通して下さいますか?」
社会人として、相手に失礼がないように、私は『そこをどけ』と要求した。
「うわぁぁっ、クルシュよっ!! 今日のやられ役よーっっ!! やられ役のクルシュがきたわぁーっっ!!」
道を開けてはもらえた。
「ロシュ様にやられちゃえーっ!」
ただその結果、左右から理解不能なヤジを雨あられと受け流しながら、やや惨めにレッドカーペットを進むことになった。
「顔ブッサ!!」
「何アイツ、女ばっか連れて感じ悪ぅー!」
「さっさと負けろーっ!」
「ロシュ様に怪我させたら、お前の女を八つ裂きにしてやるんだから!」
私は成熟した大人であるのであまり過激な言葉は好まないのだが、あえて品位を彼女たち並みに落として言えば、ロシュのファンは、低脳のクソ女オールスターチームといったところだった。
私たちは数え切れないほどの罵声を浴びせかけられながら、薄暗い大闘技場の中に入った。
「ムッカァァーッ、何あいつらぁぁっっ!!」
「ご迷惑がかかるかと思い、あえて反論は堪えさせていただきましたが、信じられないほどに短絡的な人たちでした……」
「しょ、小心者のおらを怒らせるとかっ、よっぽどだべよっ!」
受付で手続きをした。
中に入れば大丈夫かと思ったが、どうやら今日は中も外もアウェイのようだ。
大闘技場の中も嫌に女性客が多かった。
なるほど、事前予想でオッズがとんでもないことになるわけだ。
カペラ座のロシュは魅了系のチート能力でも持っているのかと疑いたくなるほどに、狂信的な女性ファンたちを万単位で抱えているようだった。
「代わりに怒ってくれてありがとよ」
「何それクルシュもちょっとは怒りなよっ!」
「あんな連中にいちいちキレてたら忙しくてしょうがねぇだろ。まあ観覧席から見ててくれ、俺がロシュをぶちのめすところをな」
と、私が仲間に見栄を張ると、ロシュの地獄耳のファンたちがまたこちらに罵声を吐いた。
カペラ座のロシュ。まだ会ってすらないが、これではどうも好きになれそうもない。
「やっつけちゃって下さいっ、手加減とかいいですからっ、ボコボコにしちゃって下さい!」
「期待してるからね、クルシュ!」
「おらたちのクルシュ様が負けるわけねーべっ!」
「おうっ、任せろ!!」
観覧席に上がる彼女たちと別れて、私は西・控え室に向かった。
どうしたわけか、今日は控え室の前に見張りが立っていなかった。
私は左手にティティス、右手にココロさん、背後にカロン先生という、両手と背中に花を抱えての完璧な布陣で大闘技場に出陣した。
ほんの半月前までは、街ゆく人々は誰も私に興味など持たなかった。
しかし竜将大会を勝ち上がるほどに、ククルクルスのクルシュの名と顔が広まっていった。
「べ、別行動すればよかったべ……」
「えー、なんでー? 注目がすっごい気持ちいいじゃん!」
「な、なんという度胸……さす編集長、さす編集長だべ……」
「ふふ……。少し、恥ずかしいですけど、お祭りみたいで私も楽しいです」
今や私は歩く御神輿だった。
道行く人々は私の姿を見つけると口々に興奮の声を上げ、『クルシュ!!』と選手の名を呼んで、暇人に至っては私たち後ろを追いかけてきた。
武家街のイーラジュ邸を出た頃は私を含めて4人だったというのに、大闘技場に着く頃には、約50名ほどのお祭り集団となっていった。
「キャーーーッッ、ロシュ様アアアアアッッ!!」
だがどこの世界にも上には上がいるものである。
私たちの到着とぶつかるように、カペラ座のロシュ一行が右手からやってきた。
こちらの兵力が約50人とすると、ロシュ一行の兵力は約400人。
あまりに追っかけが多すぎて収拾の付かないレベルの大行列が選手専用進入路を塞いでしまっていた。
「すっげぇな……」
「あいつらのせいであたしらが入れないじゃん! いい迷惑なんですけどーっ!」
「普通に通してもらえばいいだろ」
私はレッドカーペットを進むために、迷惑な人だかり近付いた。
ロシュのファンは女性ばかりだった。
「すみませんが通して下さいますか?」
社会人として、相手に失礼がないように、私は『そこをどけ』と要求した。
「うわぁぁっ、クルシュよっ!! 今日のやられ役よーっっ!! やられ役のクルシュがきたわぁーっっ!!」
道を開けてはもらえた。
「ロシュ様にやられちゃえーっ!」
ただその結果、左右から理解不能なヤジを雨あられと受け流しながら、やや惨めにレッドカーペットを進むことになった。
「顔ブッサ!!」
「何アイツ、女ばっか連れて感じ悪ぅー!」
「さっさと負けろーっ!」
「ロシュ様に怪我させたら、お前の女を八つ裂きにしてやるんだから!」
私は成熟した大人であるのであまり過激な言葉は好まないのだが、あえて品位を彼女たち並みに落として言えば、ロシュのファンは、低脳のクソ女オールスターチームといったところだった。
私たちは数え切れないほどの罵声を浴びせかけられながら、薄暗い大闘技場の中に入った。
「ムッカァァーッ、何あいつらぁぁっっ!!」
「ご迷惑がかかるかと思い、あえて反論は堪えさせていただきましたが、信じられないほどに短絡的な人たちでした……」
「しょ、小心者のおらを怒らせるとかっ、よっぽどだべよっ!」
受付で手続きをした。
中に入れば大丈夫かと思ったが、どうやら今日は中も外もアウェイのようだ。
大闘技場の中も嫌に女性客が多かった。
なるほど、事前予想でオッズがとんでもないことになるわけだ。
カペラ座のロシュは魅了系のチート能力でも持っているのかと疑いたくなるほどに、狂信的な女性ファンたちを万単位で抱えているようだった。
「代わりに怒ってくれてありがとよ」
「何それクルシュもちょっとは怒りなよっ!」
「あんな連中にいちいちキレてたら忙しくてしょうがねぇだろ。まあ観覧席から見ててくれ、俺がロシュをぶちのめすところをな」
と、私が仲間に見栄を張ると、ロシュの地獄耳のファンたちがまたこちらに罵声を吐いた。
カペラ座のロシュ。まだ会ってすらないが、これではどうも好きになれそうもない。
「やっつけちゃって下さいっ、手加減とかいいですからっ、ボコボコにしちゃって下さい!」
「期待してるからね、クルシュ!」
「おらたちのクルシュ様が負けるわけねーべっ!」
「おうっ、任せろ!!」
観覧席に上がる彼女たちと別れて、私は西・控え室に向かった。
どうしたわけか、今日は控え室の前に見張りが立っていなかった。
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