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第4章 王立魔法学校一年目
245 踊る、踊る、職員会議③
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「それは私から説明しようっ!!!」
その言葉と共に現れたのは、神官服姿の男――フェビラルだった。
扉の前で仁王立ちしたフェビラルを見て、会議室の中は騒然となる。
「まだ、呼んでないのだがね」
騒ぐ教師達を尻目に、ガストは少しあきれた様子でフェビラルに話しかける。
「だが、ちょうど良いタイミングだったろう?」
しかし、フェビラルは全く悪びる様子もなく、かつ自慢げにそう返事を返した。
「確かにな」と苦笑交じりに答えるガスト。
二人の親しげな様子に、ますます当惑気味の教師達。
教師達が戸惑うのは当然のことで、フェビラルが職員会議に参加することを、ガストはあえて誰にも言っていなかった。
「校長、ご説明をっ!今は会議中ですよっ。部外者を呼ぶなど何を考えているのですか!」
教師を代表してアシュトンが疑問を口にする。
彼にまでフェビラルの登場を内緒にしていたことに不満たらたらなのか、なかなかにトゲのある口調だった。
そんな彼とは対照的に、ガストは落ち着いた様子でフェビラルを紹介する。
「紹介しよう。彼はサード町の神官長で、フェビラル殿。先ほど私が言った有力な情報提供者とは彼のことだ」
「フェビラルだ。よろしく」
あえて詳しい情報を省いた紹介に、なぜ教会の人間がと新たに増えた疑問に悩む教師達。
「あの場にいなかった人間がどうして情報提供者になりえるのだ!?」
「私が後見人になっている生徒に聞いたのだ」
「生徒に?」
「なぜ、その生徒ではなくあなたが会議に?」
「わざわざ後見人がしゃしゃり出てこなくとも、その生徒が話をすれば済む話じゃ?」
アシュトンを含む一部の教師達の中には部外者は引っ込んでろと言わんばかりの態度の者達もいた。
それに答えるフェビラルはガストに向ける態度とは違いどこか冷ややかだ。
「このような険悪な雰囲気の中に、あの御……少女を連れて来いと?」
「なっ!?それはどういう意味だねっ!?」
「言葉通りだよ。会議が始まってからしたことといったら、ここにいる教師を責め立てることだけ。その様子を生徒に見せたいと言うのかね?」
「そ、それは……」
「なにより、君達は責めるべき相手を間違えている」
「……我々が間違えている?」
「そう。一番に責められるべき相手は勝手にケルベロスを呼んだ生徒だろう」
フェビラルはそうきっぱりと言ってのけた。
「彼を責めるのは違うのではないですか?」
ジャスパーの話になると、彼の担任と言うこともあってかレーガンがすぐにそう反論する。
「彼の魔力量ではとてもではありませんがケルベロスを召還することはできません。今回の件は魔法陣の問題としか思えませんが」
「ジャスパーと言ったか、その生徒に事情聴取はしているのかね?」
フェビラルにそう聞かれ、レーガンの言葉が詰まる。
実のところ、ジャスパーへの事情聴取は行われていなかった。なぜなら……
「彼は事件のショックで、事情聴取を受けられる精神状態ではなく……」
「では、誰も彼に話を聞いたわけではないのだな」
「ケルベロスの怒りを直接向けられたのです。彼の精神的苦痛を考えればとても話を聞くことなど」
ジャスパーは昨日から部屋に引きこもり、レーガンが話を聞きに行った時もまともに話をすることができないほど怯えていたのだった。
ジャスパーの現在の状況を知り、教師達は同情で顔を曇らせる。
しかし、フェビラルは違った。
「今回の件は、彼が未成年だからと言ってそんな対応で済む話ではないのだ。なにせ、彼は最初からケルベロスを呼ぶつもりだったのだからな」
「それは本当ですの?」
フェビラルから驚きの新情報を知らされ、レベッカは驚きの声を上げる。
「ああ。彼は教師の忠告を聞かずに勝手に詠唱を言い換え、魔道具をこっそり授業に持ち込んだ。これが確信犯と言わずしてなんとする」
「あ、あの場にいた先生方が気付かなかったのに、入学して間もない生徒がなぜ気づくことができる!?」
思い描いていた展開とは違う方向に話が進んでいくことに、焦るアシュトン。
さらにフェビラルはここで新たな爆弾を投下する。
「ああ。私が聞いたのは彼女からだが、本来の情報提供者は彼女ではない。彼女に加護を授けた精霊様からの情報だ」
「精霊様っ!!では、あなたが後見をしていると言う生徒は、まさかっ」
精霊と言われてレベッカがすぐに思い浮かんだのは、一人の少女だった。
ケルべロスがジャスパーに襲い掛かったあの時、身を挺して庇った少女。
彼女はレベッカにはどうすることもできなかったのに、いともたやすくケルベロスを撃退して見せ、重傷を負ったモニカ達に回復魔法をかけてくれた。
それと同時にフェビラルの正体にも気づいた。
今回サラが入学するにあたって、教師達には彼女の情報が公開されていた。
その中には彼女の後見人であるフェビラルの情報ー元王族にして、国王とは叔父と甥の関係にあるーもあった。
サラの担任であるモニカもほぼ同時に気づいたようで、驚きで言葉も出ないようだ。
教師達が次々とフェビラルの正体に気づく中、フェビラルはと言うと、
「ここにいる全員が知っているだろう。サラさ…ん、だ」
サラのことを”様”づけで危うく言いそうになりながらも、なんとか無事に”さん”と言い終えたことを密かに喜んでいたのだった。
‐‐‐
ま、間に合わなかった。
投稿が遅くなってすみません。
でも、久しぶりの2000字越えなので、いつもよりは読みごたえがあるかと。。。
あるのかな?
12/22 誤字の訂正をしました
誤:ジャスパーの話になると、彼の《痰飲》と言うこともあってかレーガンがすぐにそう反論する。
正:ジャスパーの話になると、彼の《担任》と言うこともあってかレーガンがすぐにそう反論する。
その言葉と共に現れたのは、神官服姿の男――フェビラルだった。
扉の前で仁王立ちしたフェビラルを見て、会議室の中は騒然となる。
「まだ、呼んでないのだがね」
騒ぐ教師達を尻目に、ガストは少しあきれた様子でフェビラルに話しかける。
「だが、ちょうど良いタイミングだったろう?」
しかし、フェビラルは全く悪びる様子もなく、かつ自慢げにそう返事を返した。
「確かにな」と苦笑交じりに答えるガスト。
二人の親しげな様子に、ますます当惑気味の教師達。
教師達が戸惑うのは当然のことで、フェビラルが職員会議に参加することを、ガストはあえて誰にも言っていなかった。
「校長、ご説明をっ!今は会議中ですよっ。部外者を呼ぶなど何を考えているのですか!」
教師を代表してアシュトンが疑問を口にする。
彼にまでフェビラルの登場を内緒にしていたことに不満たらたらなのか、なかなかにトゲのある口調だった。
そんな彼とは対照的に、ガストは落ち着いた様子でフェビラルを紹介する。
「紹介しよう。彼はサード町の神官長で、フェビラル殿。先ほど私が言った有力な情報提供者とは彼のことだ」
「フェビラルだ。よろしく」
あえて詳しい情報を省いた紹介に、なぜ教会の人間がと新たに増えた疑問に悩む教師達。
「あの場にいなかった人間がどうして情報提供者になりえるのだ!?」
「私が後見人になっている生徒に聞いたのだ」
「生徒に?」
「なぜ、その生徒ではなくあなたが会議に?」
「わざわざ後見人がしゃしゃり出てこなくとも、その生徒が話をすれば済む話じゃ?」
アシュトンを含む一部の教師達の中には部外者は引っ込んでろと言わんばかりの態度の者達もいた。
それに答えるフェビラルはガストに向ける態度とは違いどこか冷ややかだ。
「このような険悪な雰囲気の中に、あの御……少女を連れて来いと?」
「なっ!?それはどういう意味だねっ!?」
「言葉通りだよ。会議が始まってからしたことといったら、ここにいる教師を責め立てることだけ。その様子を生徒に見せたいと言うのかね?」
「そ、それは……」
「なにより、君達は責めるべき相手を間違えている」
「……我々が間違えている?」
「そう。一番に責められるべき相手は勝手にケルベロスを呼んだ生徒だろう」
フェビラルはそうきっぱりと言ってのけた。
「彼を責めるのは違うのではないですか?」
ジャスパーの話になると、彼の担任と言うこともあってかレーガンがすぐにそう反論する。
「彼の魔力量ではとてもではありませんがケルベロスを召還することはできません。今回の件は魔法陣の問題としか思えませんが」
「ジャスパーと言ったか、その生徒に事情聴取はしているのかね?」
フェビラルにそう聞かれ、レーガンの言葉が詰まる。
実のところ、ジャスパーへの事情聴取は行われていなかった。なぜなら……
「彼は事件のショックで、事情聴取を受けられる精神状態ではなく……」
「では、誰も彼に話を聞いたわけではないのだな」
「ケルベロスの怒りを直接向けられたのです。彼の精神的苦痛を考えればとても話を聞くことなど」
ジャスパーは昨日から部屋に引きこもり、レーガンが話を聞きに行った時もまともに話をすることができないほど怯えていたのだった。
ジャスパーの現在の状況を知り、教師達は同情で顔を曇らせる。
しかし、フェビラルは違った。
「今回の件は、彼が未成年だからと言ってそんな対応で済む話ではないのだ。なにせ、彼は最初からケルベロスを呼ぶつもりだったのだからな」
「それは本当ですの?」
フェビラルから驚きの新情報を知らされ、レベッカは驚きの声を上げる。
「ああ。彼は教師の忠告を聞かずに勝手に詠唱を言い換え、魔道具をこっそり授業に持ち込んだ。これが確信犯と言わずしてなんとする」
「あ、あの場にいた先生方が気付かなかったのに、入学して間もない生徒がなぜ気づくことができる!?」
思い描いていた展開とは違う方向に話が進んでいくことに、焦るアシュトン。
さらにフェビラルはここで新たな爆弾を投下する。
「ああ。私が聞いたのは彼女からだが、本来の情報提供者は彼女ではない。彼女に加護を授けた精霊様からの情報だ」
「精霊様っ!!では、あなたが後見をしていると言う生徒は、まさかっ」
精霊と言われてレベッカがすぐに思い浮かんだのは、一人の少女だった。
ケルべロスがジャスパーに襲い掛かったあの時、身を挺して庇った少女。
彼女はレベッカにはどうすることもできなかったのに、いともたやすくケルベロスを撃退して見せ、重傷を負ったモニカ達に回復魔法をかけてくれた。
それと同時にフェビラルの正体にも気づいた。
今回サラが入学するにあたって、教師達には彼女の情報が公開されていた。
その中には彼女の後見人であるフェビラルの情報ー元王族にして、国王とは叔父と甥の関係にあるーもあった。
サラの担任であるモニカもほぼ同時に気づいたようで、驚きで言葉も出ないようだ。
教師達が次々とフェビラルの正体に気づく中、フェビラルはと言うと、
「ここにいる全員が知っているだろう。サラさ…ん、だ」
サラのことを”様”づけで危うく言いそうになりながらも、なんとか無事に”さん”と言い終えたことを密かに喜んでいたのだった。
‐‐‐
ま、間に合わなかった。
投稿が遅くなってすみません。
でも、久しぶりの2000字越えなので、いつもよりは読みごたえがあるかと。。。
あるのかな?
12/22 誤字の訂正をしました
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