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第4章 王立魔法学校一年目
271 あれ?ローズさんの様子が…
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そして、アミーちゃん達の決戦の日。
朝のホームルームで、ついに校庭の封鎖が解除されることがモニカ先生より知らされた。
校庭が封鎖されて以降、宮廷魔術師の姿をまったく見ることもなく、本当に調査がされているのかと心配になる程に私達には何の影響もなかったのだけれど、校庭での調査はちゃんとされていたらしい。
調査の結果、魔法陣の不備は見当たらず、レベッカ先生の無実は証明されたと聞かされ、ほっと胸を撫でおろす。
宮廷魔術師達は最後にボロボロになった校庭を修復した後、これ以上は新しい発見もないだろうと、引き上げて言ったそうだ。
修復までしてくれるなんて至れり尽くせりだなぁと感動していたのだけど、伝説のケルベロスが実在したとの事実にはっちゃけた彼らが、ケルベロスの痕跡が少しでも残っていないかとボロボロだった校庭を更にボロボロにしたのだとか。
ガスト校長にこのままでは学校の運営に差しさわりがあると叱られ、慌てて修復したのが実際の所らしい。
将来の夢は宮廷魔術師になることだと話していたレイラちゃんが、その話をモニカ先生から聞いて、少し引いた様子だったのが気になるところだ。
どうやら、自分の中のイメージとかけ離れた様子の宮廷魔術師の姿に驚きをかくせなかったようだ。
◇◇◇
召喚学の教室に入ってすぐに、ローズさんの姿を探す。
前回は召喚学の授業をお休みしていたけれど、今日はどうだろうか?
ローズさんの姿はすぐに見つけることができた。
久しぶりに見るローズさんはいつもより元気がなさそうだ。
いつもはきれいに巻かれている縦ロールの髪も心なしかボリュームが少ない気がする。
彼女のそばには何時ものメンバーがいるだけで、ゴブリンの姿はなかった。
もしかして私の余計なお節介で、ローズさんとの仲がますますこじれちゃったんじゃあ…
「ローズ様、そろそろ授業が始まる時間ですけれど、召喚獣を呼ばなくてよろしいのですか?」
「え?あ、ああ、そうね…」
密かに顔を青ざめていると、尻尾が大きくて背中に縦のラインが数本入った小型のモンスター、リッスを肩に乗せた茶色の髪の女の子がローズさんにタイミングよくゴブリンの話題を上げてくれた。
あの子は確か、ローズさんがいないときに他の子達がローズさんの悪口を言っている中、ずっと沈黙を守っていた子じゃないかな。
タイムリーな話題に、いけないことだとわかっているけれど、気になって聞き耳をたててしまう。
「おいたしい、ローズ様。時間ギリギリまで姿を見たくない気持ち、よくわかりますわ」
「本当に。あんなモンスターが召喚獣なんて、わたくしだったら恥ずかしくて授業を受けれませんわ」
「ミカエラ様っ!なんてことを…っ」
「あら、わたくしはローズ様の勇気ある行動に感動しただけでしてよ」
ミカエラと呼ばれた女の子の、ローズさんを馬鹿にしたような発言に、茶色の女の子の顔色がさっと変わる。
ミカエラさんは褒めたのだと言うけれど、くすくすと笑いながらでは説得力なんてないに等しい。
だけど、ローズさんは心ここにあらずといった様子で、ミカエラさんに特に何か言うでもなくぼんやりと彼女達のやり取りを眺めるだけだった。
普段のローズさんなら絶対に怒りそうなのに、全く反応しないなんて、一体どうしちゃったのかな?
ローズさんの様子が気になるあまり、アミーちゃん達が驚いた様子で扉を凝視していることに気づくのが遅れた。
「え?どういうこと?」
「あれって……ゴブリンよね?」
アミーちゃんとキャシーちゃんの言葉に扉を見れば、執事姿のゴブリンがちょうど教室に入ってくるところだった。
どうやら、無事に執事服を手に入れることができたようだ。
‐‐‐
リッスはそのまんまリスのモンスターです。
ほお袋に物が収納できます。
朝のホームルームで、ついに校庭の封鎖が解除されることがモニカ先生より知らされた。
校庭が封鎖されて以降、宮廷魔術師の姿をまったく見ることもなく、本当に調査がされているのかと心配になる程に私達には何の影響もなかったのだけれど、校庭での調査はちゃんとされていたらしい。
調査の結果、魔法陣の不備は見当たらず、レベッカ先生の無実は証明されたと聞かされ、ほっと胸を撫でおろす。
宮廷魔術師達は最後にボロボロになった校庭を修復した後、これ以上は新しい発見もないだろうと、引き上げて言ったそうだ。
修復までしてくれるなんて至れり尽くせりだなぁと感動していたのだけど、伝説のケルベロスが実在したとの事実にはっちゃけた彼らが、ケルベロスの痕跡が少しでも残っていないかとボロボロだった校庭を更にボロボロにしたのだとか。
ガスト校長にこのままでは学校の運営に差しさわりがあると叱られ、慌てて修復したのが実際の所らしい。
将来の夢は宮廷魔術師になることだと話していたレイラちゃんが、その話をモニカ先生から聞いて、少し引いた様子だったのが気になるところだ。
どうやら、自分の中のイメージとかけ離れた様子の宮廷魔術師の姿に驚きをかくせなかったようだ。
◇◇◇
召喚学の教室に入ってすぐに、ローズさんの姿を探す。
前回は召喚学の授業をお休みしていたけれど、今日はどうだろうか?
ローズさんの姿はすぐに見つけることができた。
久しぶりに見るローズさんはいつもより元気がなさそうだ。
いつもはきれいに巻かれている縦ロールの髪も心なしかボリュームが少ない気がする。
彼女のそばには何時ものメンバーがいるだけで、ゴブリンの姿はなかった。
もしかして私の余計なお節介で、ローズさんとの仲がますますこじれちゃったんじゃあ…
「ローズ様、そろそろ授業が始まる時間ですけれど、召喚獣を呼ばなくてよろしいのですか?」
「え?あ、ああ、そうね…」
密かに顔を青ざめていると、尻尾が大きくて背中に縦のラインが数本入った小型のモンスター、リッスを肩に乗せた茶色の髪の女の子がローズさんにタイミングよくゴブリンの話題を上げてくれた。
あの子は確か、ローズさんがいないときに他の子達がローズさんの悪口を言っている中、ずっと沈黙を守っていた子じゃないかな。
タイムリーな話題に、いけないことだとわかっているけれど、気になって聞き耳をたててしまう。
「おいたしい、ローズ様。時間ギリギリまで姿を見たくない気持ち、よくわかりますわ」
「本当に。あんなモンスターが召喚獣なんて、わたくしだったら恥ずかしくて授業を受けれませんわ」
「ミカエラ様っ!なんてことを…っ」
「あら、わたくしはローズ様の勇気ある行動に感動しただけでしてよ」
ミカエラと呼ばれた女の子の、ローズさんを馬鹿にしたような発言に、茶色の女の子の顔色がさっと変わる。
ミカエラさんは褒めたのだと言うけれど、くすくすと笑いながらでは説得力なんてないに等しい。
だけど、ローズさんは心ここにあらずといった様子で、ミカエラさんに特に何か言うでもなくぼんやりと彼女達のやり取りを眺めるだけだった。
普段のローズさんなら絶対に怒りそうなのに、全く反応しないなんて、一体どうしちゃったのかな?
ローズさんの様子が気になるあまり、アミーちゃん達が驚いた様子で扉を凝視していることに気づくのが遅れた。
「え?どういうこと?」
「あれって……ゴブリンよね?」
アミーちゃんとキャシーちゃんの言葉に扉を見れば、執事姿のゴブリンがちょうど教室に入ってくるところだった。
どうやら、無事に執事服を手に入れることができたようだ。
‐‐‐
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ほお袋に物が収納できます。
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