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第24章 脱毛症の女神
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その日エレンは、人生の中でも極めて貴重な体験をしていました。エレンはなんと探偵のように人を尾行したのです。人の後をつけるなんてあまりよくないことですが、スリルがあって少しわくわくします。だってその人がどこに行って何をするのか、その人に知られないまま分かるのです。シャーロック・ホームズもこういう興奮が病み付きになってしまったのかしらと考えていると、後ろにいたキルステンがエレンをつつきました。フラッフィとリンは、ターゲットとの距離を広げないように、次なる死角へ向かっています。エレンは慌てて二人を追いました。
エレンたちがどうして探偵ごっこをしているかというと、それはこういうわけでした。トナカイたちの話を聞いた一同は、レネが一緒だったという北極熊の群を探して、すぐにも南下するつもりでした。しかし天文所近くにとめてあった飛行船までもう少しというところで、フラッフィが突然出発を少し待ってほしいと言い出しました。聞けば、フラッフィは確かめたいことがあるのだと言いました。
フラッフィの標的になったのは、天文所からどこかへ向かうあのジョシュ正研究員で、エレンは猛烈に反対しました。ジョシュ君の仕打ちに、フラッフィはまだ怒っているのかもしれませんが、その報復のために使う時間はありません。その間にも、レネがどんどん遠くに行ってしまうかもしれないのです。
「違う違う。僕だってそんなことのために、みんなを巻き込んだりはしないよ。でもこうは考えられない? ランプ星を盗んだのがジョシュ君だって」
そういうとフラッフィは、ジョシュ研究員が、先輩たちを見返したいと思っていること、またランプ星について独特の見解を持っていることを指摘しました。
「天文所始まって以来の大事件なのに、ランプ星が見つからない方がいいみたいな発言はたしかに異様だね」
フラッフィの考えに、リンも同意を示しました。
「そうだろ? だからあいつの後をつけて確かめたいんだ。もしかしたらランプ星が見つかるかもしれない。たしかに猫を探すのは後回しになるけど、せっかく猫を見つけても、ランプ星がないせいで、世界が終わってしまったら意味がないし」
「それもそうね。地下のものたちが暴れたら、あの美しいソール・ヌール・ヴァスト・アウストが壊されてしまうもの。そんなの絶対にだめ」
キルステンがきれいに揃えられた前髪の奥からじっと見つめたので、エレンはオーケーというしかありませんでした。
さて、ターゲットのジョシュ君は研究所からどんどん離れ、人気のない雪原を迷うことなく進むと、やがてある洞窟の前で止まりました。そしてポケットから取り出したマッチを徐に擦り出しました。一本目は勢いよく擦りすぎて、まっぷたつになってしまいましたが、二本目にうまく着火すると、彼は入り口に置いてあった松明に火を移し、洞窟に入っていきました。
エレンたちは、ジョシュが投げ捨てた折れたマッチを急いで拾うと、同じように松明に火を点けました。そして足音が反響してもジョシュ君に気づかれないくらい十分に間をとってから、洞窟に足を踏み入れました。
外気から隔絶された洞窟内はほんのりと温かく、岩壁に含まれる鉱物が、リンの持つ松明をきらきらと反射します。真っ暗で寒いところをイメージしていたエレンは、拍子抜けしてしまいました。
「このあとどうするの」
三叉路を前に、エレンがフラッフィに聞きました。一同はジョシュ君の影を追って洞窟を進んできましたが、ある角を曲がったあたりでうっかり見失ってしまったのです。
「僕だって分からないよ」
「でも先頭にいたのは君じゃないか」
リンが低い声で呟くと、キルステンが口に指を当てました。
「静かに!」
三人はやっと口をつぐみました。耳をすませると、何やら素朴な音楽が聞こえてきます。それは女の人が歌っている声とその伴奏でした。一通りでも何万通りでもあるかのような、小気味のいい、この調子。エレンはこの曲を聞いたことがあるような気がしました。しかしどこで?
エレンが記憶の旅に入りかけたそのとき、その気持ちいいBGMはぷつんと切れました。エレンは余韻を味わうために、もう少しここに留まっていたいと思いましたが、フラッフィは三つのうちのある道を、もうずんずん進んでいるのでした。
他人の家に土足で入ることに何の気後れも見せない、フラッフィとキルステンのうしろについて歩いていたエレンは、さっきの歌声の持ち主にする言い訳をずっと考えていました。道に迷って偶然とか、あまりにお腹が空いていたので、いいにおいにつられてとか。しかしこれらはどちらも嘘でした。というのはここに来るまでに、「この先私有地」とか「一見さんお断り」、「訪問セールスは通報します」といった看板や案内表示がいくつもあって、ここの住人が侵入者を歓迎しないことがはっきり表示されていたのです。ですからイノセントに来てしまったとシラを切るのは決してできない相談でした。また、いいにおいがしたからというのも、無理のあるこじつけです。この家からは料理のにおいがまったくしないどころか、洞窟独特の、鼻の奥をツンとさせるカビ臭さえあったからです。ほかにどんな言い訳ができるかしら。エレンが考えあぐねていると、突然リンがぐいと腕を引っ張りました。
岩陰に押し込まれたエレンのすぐ横を、ジョシュ君が通り過ぎていきます。唐辛子のような飾りがついたネックレスを首から下げ、手には、すぐに軒に吊るせるような乾燥にんにくリースを持っています。ジョシュ君はにんにくの匂いを嗅ぐと、力が漲ったようにスキップして出て行きました。
浮かれたジョシュ君が先ほどまでいたのは、なんと洞窟の奥にある鍾乳洞の居室でした。あいかわらず訪問者を拒絶する警告が散見されますが、天井が高く、窓がないことを除けば、そこは机や椅子、ベッド、衣装箪笥が並ぶ、いたって普通の住まいです。壁をくりぬいた暖炉には火が入り、そのそばには薬草や乾燥野菜、それに調理に使う鍋類が吊るされています。
他方、この部屋で変わったものといえば、大きな布を掛けてある鏡台です。顔を見るための鏡を覆っているのは変な気がしますが、東洋の方では不要なときに神聖な鏡を見るのは不吉だと信じられていると聞いたことがあります。
この部屋の主であろう、昔話に出てくるような糸車を踏んでいる、長い髪の人物が、エレンには一層神秘的に思えました。それから彼女の口ずさんでいる歌も。
「こんにちは。ちょっとお尋ねしたいんですが」
フラッフィが可愛らしい声を響かせながら入っていくと、女の人はぱっとつい立ての裏側に隠れてしまいました。なので、それまであたりに漂っていた糸車と鼻歌のハーモニーもぱったりやんでしまいました。
「驚かせてごめんなさい。でもあなたに聞きたいことがあったんです」
フラッフィをフォローするようにリンが駆けつけると、青い絹地に繊細な銀色の刺繍を施したつい立ての奥の人物は、ガラスのコップに水を入れて淵をこすったような、甲高い声で出しました。
「どうせあんたたちも私の前髪を毟り取りにきたんでしょう! でも残念ながら手遅れよ。人に分けてあげる前髪も運も尽きてしまったんだから」
エレンたちは思わず顔を見合わせました。
「前髪って一体何の話?」
エレンが本当に分からなくて言ったのに、女の人は噛み付きます。
「とぼけるのもいい加減にして。いままでそれで、散々ひどい目に遭ったんだから。それにさっきも言ったでしょう。前髪は一本だって残っていないの。でも恨まないでね。私は人に与えるばかりで、お返しなんて、もらったことないんだから。分かったらさっさと出て行って」
女の人がヒステリックにこう言うと、反論しようとしたフラッフィを、キルステンが制しました。
「女の髪を毟るなんて許せない! お姉さん、随分ひどい目に遭ったのね。でも私たちはジョシュ君の話を聞きにきただけなの」
ジョシュの名前を出した途端、女の人の態度は急に軟化しました。
「ジョシュの友達? 私、ジョシュのことではいつも心苦しくて。だってあの人は食べ物とか洋服とか、本当に役に立つものをくれるのに、私があげられるのはガラクタばかりだから。あの人は効果があると信じているみたいだけれど」
聞けば、ジョシュ君は研究者として名を馳せたいばかりに、ここの住人である運命の女神・フォルトゥーナから開運グッズを貰い、その交換条件に、外に行けない彼女に、生活に必要なものを届けているのでした。
「あいつ、科学者のくせに呪術頼りなのか」
フラッフィはくすくす笑いましたが、エレンはジョシュが持っていた唐辛子ネックレスを思い出してやるせなくなりました。
「でもどうして自分では行けないの? 足が悪いの?」
エレンが聞くと、フォルトゥーナは恥ずかしそうに、小さな声でこう言いました。
「言ったでしょう。私の前髪はみんなに毟られて禿げ山のよう。これじゃ恥ずかしくて外には出られないわ」
運命の女神の前髪を掴むことは、幸運を手に入れることと信じられていて、運命を切り開きたい人々が、その前髪を欲しがるのだそうです。
「最初は人の役に立てるなら一本くらい、とあげていたわ。でも欲しがる人が多すぎて。怖くなって方々逃げ回ったけれど、無理矢理毟る人もいてね。いまではきれいさっぱりなくなってしまったわ。そのせいか、人に会うのも好きじゃなくなって。毟られるんじゃないかって恐怖もあるし、醜く禿げ上がった額を見られるのも嫌だから。だからこうしてつい立て越しに話をするのを許してね」
洗い浚い言ってしまうと、フォルトゥーナは大きな溜息をつきました。
「なんだ、そんなこと!」
リンが不謹慎にもこう言ったので、少し大きくなったキルステンは、慌ててリンの口を押さえました。
「髪は女の命なの! いますぐお姉さんに謝って」
「謝る? 僕は感謝されてもいいと思うね」
そう言うと、リンはポケットから小瓶を取り出しました。それはクリーニング屋のケーニヒがほくろ毛に塗っていた、あの魔法の毛生え薬を移し入れたものでした。
散々嫌がるのを説得して、キルステンが引っ張り出したとき、運命の女神は目のあたりに布を巻いていました。人と目を合わせるのが嫌だとフォルトゥーナがごねるので、見られていることが分からなければいいんでしょ、とキルステンが目隠しをしたのです。
運命の女神は七色に輝くロングドレスに、白金の波打つ髪が美しい女性でしたが、本人が気にしているだけあって、額はやはり惨めなものでした。しかし椅子に座って毛生え薬が塗られるのを待っている間、フォルトゥーナが自分で前髪を抜いているのを、エレンは見逃しませんでした。彼女は気にするあまり、無意識に前髪を抜く癖がついてしまったようでした。
久しぶりに生え揃った前髪ごしに、鏡に映る自分を見たフォルトゥーナはおもわず溜息を漏らしました。
「前髪があるだけでなんて違うんでしょう! あのみすぼらしい面影はどこかに消えてしまった」
それからしばらくこの幸運な女性は、角度を替え、表情を替え、まるでシャッターを切る度に違った品を作るモデルさながらに、左右反転した自分に、様々な自分を演出したショーを見せてやりました。しかも困ったことに、歳をとらない女神は皺やシミとは無縁で、永遠に見続けても、見たくないという境地に至ることがありません。
初めは久しぶりだから、と温かく見守っていた男の子たちが、ショーのフィナーレを今かいまかと待ちわびるようになった頃、一番共感できるはずのキルステンが痺れを切らしました。
「女神さん。たしかにあなたは綺麗だし、ずっと見ていたいでしょうよ。でもそれが誰のおかげだか忘れていない?」
自分の虚像と戯れ続けていたフォルトゥーナは、やっとみんなのことを思い出しました。
「あら、やだ、私ったら! ずっと一人で過ごしてきたから、人との付き合い方を忘れてしまったみたい・・・もしかしてずっと待っていた?」
首がきりんになるくらい、とフラッフィが毒づくと、女神は顔を赤らめました。
「まぁ大変! くまさんをきりんにしたら、ダーウィンに怒られちゃうわ。それじゃ、首なし洗濯くまちゃんの首を見ることになる前に、みなさんにお礼をしましょうね。あら。そういえば、何かを聞きにきたんじゃなかったかしら」
フラッフィはそこでようやく、ジョシュ君からなにか預かったり、相談されたりしなかったか尋ねました。しかし女神は首を横に振りました。
「あの人は相談なんてしないわ。実際的な行動を起こすほど勇気はないの。ただ幸運のお守りを、お告げを無視してしこたま持って帰るだけ。他力本願て言うのかしらね。まあこれだけ私のところに足しげく通うんだから、努力家といえば努力家と言えなくもないけれど、とにかくお守りを持つだけで満足してしまうタイプの人よ。さあこの話はおしまい。それよりこれを試してほしいの」
フォルトゥーナはそう言うと、テーブルの上にあったクッキーの皿を一同の前に出しました。クッキーはどれも同じ形ですが、半月型の真ん中をへこませたような、変わった形をしています。
「好きなものを一つだけとるのよ」
そう言いつけると、フォルトゥーナはどこかに行ってしまいました。
エレンが選んだひとつを口に入れようとしていると、戻ってきたフォルトゥーナが、一口で食べないで割って食べて、と言いました。しかしその注意を聞いたとき、エレンはもうクッキーを噛んでいて、その後すぐ顔を歪めました。クッキーの中から紙切れが出てきたのです。紙には少し滲んだ文字で「刺抜き」と書いてあります。
フォルトゥーナはエレンの紙を覗き込むと、持っていた角の形をしたかごを下ろして、中を漁りはじめました。それはエレンがすっぽり入るくらいの大きなかごで、中には馬蹄や四葉のクローバー、ウサギの手といった有名なお守りから、孔雀の羽、毛糸の人形、青いガラス製の目玉、転がると美しい音のする金の鞠、蜘蛛の巣状に糸を張った輪に鳥の羽やビーズをつけたものといった、エレンが見たこともない代物まで、とにかく世界のありとあらゆるお守りが入っていました。
「たしかあったはずなんだけど・・・あ、あった、あった!」
人の頭蓋骨を投げ捨てると、女神はほとんどトングと言っていいような、大きな刺抜きを取り出しました。手元はよくある「く」の字型ですが、ものを挟むところは鶏のような三つの趾がついています。
「これ、何かの役に立つの?」
見たこともない道具を渡されたエレンは、怪訝そうに言いました。
「さっき食べたのは幸運のクッキー。中に書いてあるのが、その人のラッキーアイテムよ。さあ他のみんなも出てきたものを読み上げて」
「愛」と書かれた紙がキルステンのクッキーから出てきたので、彼女は満足そうにこの占いは当たっているわと言いました。しかしフォルトゥーナはにべもなくこう言いました。
「そのくじはよく出るのよ。カップルとか恋愛に悩む女の子にウケるから」
その証拠にフォルトゥーナは角型のかごではなく、壁際に置いてあった大きな壷を持ってきました。そこには王冠の載ったハートを人の手が両側から囲んでいる美しい銀の指輪が入っていましたが、壷の中には同じものが何百とあって、うっとりとロマンスに酔いしれていたキルステンはむすっと頬を膨らませました。
フラッフィが当てたのは「信頼」と書かれたくじでしたが、それ用の景品は用意されていませんでした。そこでフォルトゥーナは残念賞として、自分の項から引き抜いた髪の毛を差し出しました。
「本当は前髪をあげたいところだけれど、まだ抜く気にはなれなくて。でも後れ毛だって運命の女神の髪の毛よ。きっといいことがあるわ」
フラッフィはあまり必要性を感じませんでしたが、女神がトラウマを克服して抜いてくれた髪の毛なので、ありがたくしっぽに巻きつけておきました。
最期にリンのクッキーを割ると、中には二つのものが書いてある紙が入っていて、フォルトゥーナはすでにラッキーねと言いましたが、リンが食べている途中でまた一枚出てきたので、フラッフィはいい加減に作られているんだねとフォルトゥーナを冷やかしました。しかしフォルトゥーナはぴしゃりとその嫌味を跳ね返しました。
「あら、これは私が作っているんじゃないわ。紙を入れたクッキーを焼くのは私だけど、文字は焼いている間にひとりでに浮かび上がるの。それをとる人が必要としているものがね。だから三つ出たということは、三つのものが必要ってこと。あなた、よっぽど切羽詰まっているのね」
運命の女神のことばが図星だったようで、リンは少し緊張した面持ちで紙を見つめました。「裏返しの上着」、「銀のナイフ」、それに「にわとり」。これらが、リンが引き当てたすべてでした。
「裏返しの上着はいまの着ているものを裏返せばいいし、銀のナイフはキルステンのを持ったままだ。フォルトゥーナさん、にわとりはありますか」
しかしにわとりはあいにく品切れで、リンはひどく落ち込みました。妖精の女王が予言した、いつ訪れるとも分からない死の行進のことをやはり気にしているのでしょうか。エレンはなんだかリンが気の毒になりました。
自分勝手ではありますが、いいところも沢山あります。それなのにちょっと道を踏み外しただけで、妖精の女王の生贄にされなければいけないなんて。リンだけでなく、エレンまでうなだれたので、その場は一気に暗くなりました。しかしそんな空気を女神はあっけらかんと笑い飛ばしました。
「ないなら、ないでいいの。お守りなんて気休めだから。でもそんなに気に病むことがあるなら、ひとつアドバイスをしましょう。本当はしないんだけど、あなたたちには前髪の借りがあるから」
そういってフォルトゥーナは糸車をくるくる回しはじめました。
運命の女神がペダルを踏むと、糸車が回って、紡がれた糸が繊細なレースのようにどんどん折り重なっていきます。女神は糸車を回す速度をどんどん上げて、最終的に糸車がまったく動いていないように見えるほど急速に回転するようになると、恍惚とした表情で話しはじめました。
「あないたわしや、薔薇の呪い。一方を救えば他方は死に、一方がなげうてば他方は生きる。しかしいにしえからの掟通り、生に執着するものが死に、死を覚悟したものが生き残らねばならぬ。呪いを解きたくば、最後は直感に従うべし」
ここまで言うと、糸はいきなりぷつんと切れて、フォルトゥーナは糸車につっぷしました。
キルステンとフラッフィはひどく驚いていましたが、エレンは二人と一緒に介抱にあたることができませんでした。だってリンの顔が真っ青だったのです。エレンはなんだか寒気がしました。
エレンたちがどうして探偵ごっこをしているかというと、それはこういうわけでした。トナカイたちの話を聞いた一同は、レネが一緒だったという北極熊の群を探して、すぐにも南下するつもりでした。しかし天文所近くにとめてあった飛行船までもう少しというところで、フラッフィが突然出発を少し待ってほしいと言い出しました。聞けば、フラッフィは確かめたいことがあるのだと言いました。
フラッフィの標的になったのは、天文所からどこかへ向かうあのジョシュ正研究員で、エレンは猛烈に反対しました。ジョシュ君の仕打ちに、フラッフィはまだ怒っているのかもしれませんが、その報復のために使う時間はありません。その間にも、レネがどんどん遠くに行ってしまうかもしれないのです。
「違う違う。僕だってそんなことのために、みんなを巻き込んだりはしないよ。でもこうは考えられない? ランプ星を盗んだのがジョシュ君だって」
そういうとフラッフィは、ジョシュ研究員が、先輩たちを見返したいと思っていること、またランプ星について独特の見解を持っていることを指摘しました。
「天文所始まって以来の大事件なのに、ランプ星が見つからない方がいいみたいな発言はたしかに異様だね」
フラッフィの考えに、リンも同意を示しました。
「そうだろ? だからあいつの後をつけて確かめたいんだ。もしかしたらランプ星が見つかるかもしれない。たしかに猫を探すのは後回しになるけど、せっかく猫を見つけても、ランプ星がないせいで、世界が終わってしまったら意味がないし」
「それもそうね。地下のものたちが暴れたら、あの美しいソール・ヌール・ヴァスト・アウストが壊されてしまうもの。そんなの絶対にだめ」
キルステンがきれいに揃えられた前髪の奥からじっと見つめたので、エレンはオーケーというしかありませんでした。
さて、ターゲットのジョシュ君は研究所からどんどん離れ、人気のない雪原を迷うことなく進むと、やがてある洞窟の前で止まりました。そしてポケットから取り出したマッチを徐に擦り出しました。一本目は勢いよく擦りすぎて、まっぷたつになってしまいましたが、二本目にうまく着火すると、彼は入り口に置いてあった松明に火を移し、洞窟に入っていきました。
エレンたちは、ジョシュが投げ捨てた折れたマッチを急いで拾うと、同じように松明に火を点けました。そして足音が反響してもジョシュ君に気づかれないくらい十分に間をとってから、洞窟に足を踏み入れました。
外気から隔絶された洞窟内はほんのりと温かく、岩壁に含まれる鉱物が、リンの持つ松明をきらきらと反射します。真っ暗で寒いところをイメージしていたエレンは、拍子抜けしてしまいました。
「このあとどうするの」
三叉路を前に、エレンがフラッフィに聞きました。一同はジョシュ君の影を追って洞窟を進んできましたが、ある角を曲がったあたりでうっかり見失ってしまったのです。
「僕だって分からないよ」
「でも先頭にいたのは君じゃないか」
リンが低い声で呟くと、キルステンが口に指を当てました。
「静かに!」
三人はやっと口をつぐみました。耳をすませると、何やら素朴な音楽が聞こえてきます。それは女の人が歌っている声とその伴奏でした。一通りでも何万通りでもあるかのような、小気味のいい、この調子。エレンはこの曲を聞いたことがあるような気がしました。しかしどこで?
エレンが記憶の旅に入りかけたそのとき、その気持ちいいBGMはぷつんと切れました。エレンは余韻を味わうために、もう少しここに留まっていたいと思いましたが、フラッフィは三つのうちのある道を、もうずんずん進んでいるのでした。
他人の家に土足で入ることに何の気後れも見せない、フラッフィとキルステンのうしろについて歩いていたエレンは、さっきの歌声の持ち主にする言い訳をずっと考えていました。道に迷って偶然とか、あまりにお腹が空いていたので、いいにおいにつられてとか。しかしこれらはどちらも嘘でした。というのはここに来るまでに、「この先私有地」とか「一見さんお断り」、「訪問セールスは通報します」といった看板や案内表示がいくつもあって、ここの住人が侵入者を歓迎しないことがはっきり表示されていたのです。ですからイノセントに来てしまったとシラを切るのは決してできない相談でした。また、いいにおいがしたからというのも、無理のあるこじつけです。この家からは料理のにおいがまったくしないどころか、洞窟独特の、鼻の奥をツンとさせるカビ臭さえあったからです。ほかにどんな言い訳ができるかしら。エレンが考えあぐねていると、突然リンがぐいと腕を引っ張りました。
岩陰に押し込まれたエレンのすぐ横を、ジョシュ君が通り過ぎていきます。唐辛子のような飾りがついたネックレスを首から下げ、手には、すぐに軒に吊るせるような乾燥にんにくリースを持っています。ジョシュ君はにんにくの匂いを嗅ぐと、力が漲ったようにスキップして出て行きました。
浮かれたジョシュ君が先ほどまでいたのは、なんと洞窟の奥にある鍾乳洞の居室でした。あいかわらず訪問者を拒絶する警告が散見されますが、天井が高く、窓がないことを除けば、そこは机や椅子、ベッド、衣装箪笥が並ぶ、いたって普通の住まいです。壁をくりぬいた暖炉には火が入り、そのそばには薬草や乾燥野菜、それに調理に使う鍋類が吊るされています。
他方、この部屋で変わったものといえば、大きな布を掛けてある鏡台です。顔を見るための鏡を覆っているのは変な気がしますが、東洋の方では不要なときに神聖な鏡を見るのは不吉だと信じられていると聞いたことがあります。
この部屋の主であろう、昔話に出てくるような糸車を踏んでいる、長い髪の人物が、エレンには一層神秘的に思えました。それから彼女の口ずさんでいる歌も。
「こんにちは。ちょっとお尋ねしたいんですが」
フラッフィが可愛らしい声を響かせながら入っていくと、女の人はぱっとつい立ての裏側に隠れてしまいました。なので、それまであたりに漂っていた糸車と鼻歌のハーモニーもぱったりやんでしまいました。
「驚かせてごめんなさい。でもあなたに聞きたいことがあったんです」
フラッフィをフォローするようにリンが駆けつけると、青い絹地に繊細な銀色の刺繍を施したつい立ての奥の人物は、ガラスのコップに水を入れて淵をこすったような、甲高い声で出しました。
「どうせあんたたちも私の前髪を毟り取りにきたんでしょう! でも残念ながら手遅れよ。人に分けてあげる前髪も運も尽きてしまったんだから」
エレンたちは思わず顔を見合わせました。
「前髪って一体何の話?」
エレンが本当に分からなくて言ったのに、女の人は噛み付きます。
「とぼけるのもいい加減にして。いままでそれで、散々ひどい目に遭ったんだから。それにさっきも言ったでしょう。前髪は一本だって残っていないの。でも恨まないでね。私は人に与えるばかりで、お返しなんて、もらったことないんだから。分かったらさっさと出て行って」
女の人がヒステリックにこう言うと、反論しようとしたフラッフィを、キルステンが制しました。
「女の髪を毟るなんて許せない! お姉さん、随分ひどい目に遭ったのね。でも私たちはジョシュ君の話を聞きにきただけなの」
ジョシュの名前を出した途端、女の人の態度は急に軟化しました。
「ジョシュの友達? 私、ジョシュのことではいつも心苦しくて。だってあの人は食べ物とか洋服とか、本当に役に立つものをくれるのに、私があげられるのはガラクタばかりだから。あの人は効果があると信じているみたいだけれど」
聞けば、ジョシュ君は研究者として名を馳せたいばかりに、ここの住人である運命の女神・フォルトゥーナから開運グッズを貰い、その交換条件に、外に行けない彼女に、生活に必要なものを届けているのでした。
「あいつ、科学者のくせに呪術頼りなのか」
フラッフィはくすくす笑いましたが、エレンはジョシュが持っていた唐辛子ネックレスを思い出してやるせなくなりました。
「でもどうして自分では行けないの? 足が悪いの?」
エレンが聞くと、フォルトゥーナは恥ずかしそうに、小さな声でこう言いました。
「言ったでしょう。私の前髪はみんなに毟られて禿げ山のよう。これじゃ恥ずかしくて外には出られないわ」
運命の女神の前髪を掴むことは、幸運を手に入れることと信じられていて、運命を切り開きたい人々が、その前髪を欲しがるのだそうです。
「最初は人の役に立てるなら一本くらい、とあげていたわ。でも欲しがる人が多すぎて。怖くなって方々逃げ回ったけれど、無理矢理毟る人もいてね。いまではきれいさっぱりなくなってしまったわ。そのせいか、人に会うのも好きじゃなくなって。毟られるんじゃないかって恐怖もあるし、醜く禿げ上がった額を見られるのも嫌だから。だからこうしてつい立て越しに話をするのを許してね」
洗い浚い言ってしまうと、フォルトゥーナは大きな溜息をつきました。
「なんだ、そんなこと!」
リンが不謹慎にもこう言ったので、少し大きくなったキルステンは、慌ててリンの口を押さえました。
「髪は女の命なの! いますぐお姉さんに謝って」
「謝る? 僕は感謝されてもいいと思うね」
そう言うと、リンはポケットから小瓶を取り出しました。それはクリーニング屋のケーニヒがほくろ毛に塗っていた、あの魔法の毛生え薬を移し入れたものでした。
散々嫌がるのを説得して、キルステンが引っ張り出したとき、運命の女神は目のあたりに布を巻いていました。人と目を合わせるのが嫌だとフォルトゥーナがごねるので、見られていることが分からなければいいんでしょ、とキルステンが目隠しをしたのです。
運命の女神は七色に輝くロングドレスに、白金の波打つ髪が美しい女性でしたが、本人が気にしているだけあって、額はやはり惨めなものでした。しかし椅子に座って毛生え薬が塗られるのを待っている間、フォルトゥーナが自分で前髪を抜いているのを、エレンは見逃しませんでした。彼女は気にするあまり、無意識に前髪を抜く癖がついてしまったようでした。
久しぶりに生え揃った前髪ごしに、鏡に映る自分を見たフォルトゥーナはおもわず溜息を漏らしました。
「前髪があるだけでなんて違うんでしょう! あのみすぼらしい面影はどこかに消えてしまった」
それからしばらくこの幸運な女性は、角度を替え、表情を替え、まるでシャッターを切る度に違った品を作るモデルさながらに、左右反転した自分に、様々な自分を演出したショーを見せてやりました。しかも困ったことに、歳をとらない女神は皺やシミとは無縁で、永遠に見続けても、見たくないという境地に至ることがありません。
初めは久しぶりだから、と温かく見守っていた男の子たちが、ショーのフィナーレを今かいまかと待ちわびるようになった頃、一番共感できるはずのキルステンが痺れを切らしました。
「女神さん。たしかにあなたは綺麗だし、ずっと見ていたいでしょうよ。でもそれが誰のおかげだか忘れていない?」
自分の虚像と戯れ続けていたフォルトゥーナは、やっとみんなのことを思い出しました。
「あら、やだ、私ったら! ずっと一人で過ごしてきたから、人との付き合い方を忘れてしまったみたい・・・もしかしてずっと待っていた?」
首がきりんになるくらい、とフラッフィが毒づくと、女神は顔を赤らめました。
「まぁ大変! くまさんをきりんにしたら、ダーウィンに怒られちゃうわ。それじゃ、首なし洗濯くまちゃんの首を見ることになる前に、みなさんにお礼をしましょうね。あら。そういえば、何かを聞きにきたんじゃなかったかしら」
フラッフィはそこでようやく、ジョシュ君からなにか預かったり、相談されたりしなかったか尋ねました。しかし女神は首を横に振りました。
「あの人は相談なんてしないわ。実際的な行動を起こすほど勇気はないの。ただ幸運のお守りを、お告げを無視してしこたま持って帰るだけ。他力本願て言うのかしらね。まあこれだけ私のところに足しげく通うんだから、努力家といえば努力家と言えなくもないけれど、とにかくお守りを持つだけで満足してしまうタイプの人よ。さあこの話はおしまい。それよりこれを試してほしいの」
フォルトゥーナはそう言うと、テーブルの上にあったクッキーの皿を一同の前に出しました。クッキーはどれも同じ形ですが、半月型の真ん中をへこませたような、変わった形をしています。
「好きなものを一つだけとるのよ」
そう言いつけると、フォルトゥーナはどこかに行ってしまいました。
エレンが選んだひとつを口に入れようとしていると、戻ってきたフォルトゥーナが、一口で食べないで割って食べて、と言いました。しかしその注意を聞いたとき、エレンはもうクッキーを噛んでいて、その後すぐ顔を歪めました。クッキーの中から紙切れが出てきたのです。紙には少し滲んだ文字で「刺抜き」と書いてあります。
フォルトゥーナはエレンの紙を覗き込むと、持っていた角の形をしたかごを下ろして、中を漁りはじめました。それはエレンがすっぽり入るくらいの大きなかごで、中には馬蹄や四葉のクローバー、ウサギの手といった有名なお守りから、孔雀の羽、毛糸の人形、青いガラス製の目玉、転がると美しい音のする金の鞠、蜘蛛の巣状に糸を張った輪に鳥の羽やビーズをつけたものといった、エレンが見たこともない代物まで、とにかく世界のありとあらゆるお守りが入っていました。
「たしかあったはずなんだけど・・・あ、あった、あった!」
人の頭蓋骨を投げ捨てると、女神はほとんどトングと言っていいような、大きな刺抜きを取り出しました。手元はよくある「く」の字型ですが、ものを挟むところは鶏のような三つの趾がついています。
「これ、何かの役に立つの?」
見たこともない道具を渡されたエレンは、怪訝そうに言いました。
「さっき食べたのは幸運のクッキー。中に書いてあるのが、その人のラッキーアイテムよ。さあ他のみんなも出てきたものを読み上げて」
「愛」と書かれた紙がキルステンのクッキーから出てきたので、彼女は満足そうにこの占いは当たっているわと言いました。しかしフォルトゥーナはにべもなくこう言いました。
「そのくじはよく出るのよ。カップルとか恋愛に悩む女の子にウケるから」
その証拠にフォルトゥーナは角型のかごではなく、壁際に置いてあった大きな壷を持ってきました。そこには王冠の載ったハートを人の手が両側から囲んでいる美しい銀の指輪が入っていましたが、壷の中には同じものが何百とあって、うっとりとロマンスに酔いしれていたキルステンはむすっと頬を膨らませました。
フラッフィが当てたのは「信頼」と書かれたくじでしたが、それ用の景品は用意されていませんでした。そこでフォルトゥーナは残念賞として、自分の項から引き抜いた髪の毛を差し出しました。
「本当は前髪をあげたいところだけれど、まだ抜く気にはなれなくて。でも後れ毛だって運命の女神の髪の毛よ。きっといいことがあるわ」
フラッフィはあまり必要性を感じませんでしたが、女神がトラウマを克服して抜いてくれた髪の毛なので、ありがたくしっぽに巻きつけておきました。
最期にリンのクッキーを割ると、中には二つのものが書いてある紙が入っていて、フォルトゥーナはすでにラッキーねと言いましたが、リンが食べている途中でまた一枚出てきたので、フラッフィはいい加減に作られているんだねとフォルトゥーナを冷やかしました。しかしフォルトゥーナはぴしゃりとその嫌味を跳ね返しました。
「あら、これは私が作っているんじゃないわ。紙を入れたクッキーを焼くのは私だけど、文字は焼いている間にひとりでに浮かび上がるの。それをとる人が必要としているものがね。だから三つ出たということは、三つのものが必要ってこと。あなた、よっぽど切羽詰まっているのね」
運命の女神のことばが図星だったようで、リンは少し緊張した面持ちで紙を見つめました。「裏返しの上着」、「銀のナイフ」、それに「にわとり」。これらが、リンが引き当てたすべてでした。
「裏返しの上着はいまの着ているものを裏返せばいいし、銀のナイフはキルステンのを持ったままだ。フォルトゥーナさん、にわとりはありますか」
しかしにわとりはあいにく品切れで、リンはひどく落ち込みました。妖精の女王が予言した、いつ訪れるとも分からない死の行進のことをやはり気にしているのでしょうか。エレンはなんだかリンが気の毒になりました。
自分勝手ではありますが、いいところも沢山あります。それなのにちょっと道を踏み外しただけで、妖精の女王の生贄にされなければいけないなんて。リンだけでなく、エレンまでうなだれたので、その場は一気に暗くなりました。しかしそんな空気を女神はあっけらかんと笑い飛ばしました。
「ないなら、ないでいいの。お守りなんて気休めだから。でもそんなに気に病むことがあるなら、ひとつアドバイスをしましょう。本当はしないんだけど、あなたたちには前髪の借りがあるから」
そういってフォルトゥーナは糸車をくるくる回しはじめました。
運命の女神がペダルを踏むと、糸車が回って、紡がれた糸が繊細なレースのようにどんどん折り重なっていきます。女神は糸車を回す速度をどんどん上げて、最終的に糸車がまったく動いていないように見えるほど急速に回転するようになると、恍惚とした表情で話しはじめました。
「あないたわしや、薔薇の呪い。一方を救えば他方は死に、一方がなげうてば他方は生きる。しかしいにしえからの掟通り、生に執着するものが死に、死を覚悟したものが生き残らねばならぬ。呪いを解きたくば、最後は直感に従うべし」
ここまで言うと、糸はいきなりぷつんと切れて、フォルトゥーナは糸車につっぷしました。
キルステンとフラッフィはひどく驚いていましたが、エレンは二人と一緒に介抱にあたることができませんでした。だってリンの顔が真っ青だったのです。エレンはなんだか寒気がしました。
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