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痛み(昴成視点)
「好きなくせに」
「なっ、なにを!?」
瀬奈の耳は真っ赤。可愛い。ほんとに可愛い、好き、あー、ほんまに好き。
「俺のこと」
「す、好き!? そ、そんなんじゃ……ない」
語尾にかけてしおしおしおって感じで瀬奈の声は勢いをなくす。好きやん。やっぱ好きやん。俺はめちゃくちゃに嬉しい。
「好きやろ」
「ち、違う。違う。好きじゃないっ! そ、そんなの、楢村くんの勘違いなんだからっ!」
瀬奈はそう言ってぐいぐい俺を押す。声が今にも泣き出しそう。心臓が痛い。でも俺は腕の力を緩めてやらない。絶対しない。
「瀬奈」
「あのー……」
突然聞こえてきた第三者の声に、ばっと振り返る。ついでに瀬奈が一瞬の隙をついて俺から離れた。チッ。
背後に立っていたのは、同じ年齢くらいの女の人で……ははーんと思う。多分クイズの出題やろうなあ。
「あの、あたし、連れとはぐれちゃって……怖いんで一緒に行ってもいいですか?」
ちらちら俺らを見る目つきは気まずそう。
すんませんお姉さん、仕事中やのにな。いちゃついて(?)るとこ見せて申し訳ない。
「あ、も、もちろん!」
瀬奈は真っ赤な頬のままでこくこく頷いてる。……ん? 瀬奈気がついてないんか? 思いっきりお姉さん、耳にインカム付けてるんやけど……
「行きましょう行きましょう!」
瀬奈がぐんぐん歩き出す。お姉さんは慌てて瀬奈に並ぶ。なんかこう、段取り的なもんがあるんやろうなー。
曲がり角んとこで、お姉さんは(演技っぽい声で)嬉しげに言う。
「あ、いました!」
そうして駆け出して、角に隠れて見えへんくなって──瀬奈が「あ、まって」と追いかけて……叫んだ。
「きゃぁぁあ!!!」
そうして俺にしがみつく。ふんわりとした甘い瀬奈のにおい。すんすんと吸い込む。バレてへんよな? あー可愛い。
しがみついてる瀬奈は俺が瀬奈の髪の匂い嗅いでるなんて気がついてない。調子に乗ってつむじにキスするけど瀬奈はやっぱり気がつかない。あー可愛い。
「な、楢村くん! さっきのひと、首がっ」
瀬奈の頭からしぶしぶ唇を離して目線を向ける。床に落ちてるのはさっきのお姉さんと同じ服……の、マネキン(首なしバージョン)。
「どうしよう! 警察!」
「瀬奈、イベントや」
「……へ?」
俺の服を握り締めたまま、瀬奈はきょとんと俺を見上げる──あ、可愛い。
瀬奈のおでこの前髪かきあげてキスをする。ちゅ、と音をさせてから離れた。
瀬奈が目を瞬いて俺を見上げている。
はー、……眼球まで可愛い。奇跡か。
人形の横、コンクリ打ちっぱなしの床にはカードが落ちている。手にとって瀬奈に見せた。
「……あ、クイズ」
どうやって首を落としたでしょうか? て書いてあるカードを瀬奈はまじまじと見つめる。
「あ、そっか、……これ、そういうやつだ」
ん? 忘れてたんか?
瀬奈は俯いてしまって、顔見えへんけど耳が赤い。
(俺が好きとか言ったから、それで色々トんでたってことやろか)
えっなにそれ。かわっ……可愛いっ……
あー呼吸がしづらい。息できへん。こんなん結婚やんもう結婚やんこれ実質新婚やん。あー、好き。ラブやんラブ。瀬奈が可愛いから今日は瀬奈可愛い記念日。祝日にすべきやな。あっ毎日やわ。カレンダーが真っ赤になってまうわ。
「……瀬奈、結婚しよ」
「だ、から……っ」
瀬奈は相変わらず、少し辛そうな顔をする。そうさせてるのは他ならぬ俺で、俺が過去にしでかしたことが原因で──
「瀬奈。俺が昔瀬奈にしたこと、……許さんでいいから」
「……」
怪訝そうなカオで、瀬奈は俺を見上げる。
「許さんでいいから、……今の俺のこと、信じてほしい」
「……無理、だよ」
「せやんな。けど、いつか絶対、信じさせるから」
「……」
瀬奈はしばらく黙り込んで、それからパッと顔を上げた。
「先に謎解き!」
そう言ってずんずん進む。
そうしてしばらくしてまた叫ぶ。
「キャァァア!」
「懲りへんな」
ちょっと愛おしすぎやわ。
俺は「仕方ないから手を繋いであげる」とツンデレ全開になっている瀬奈の、小さな手をぎゅうっと握ったのだった。
「なっ、なにを!?」
瀬奈の耳は真っ赤。可愛い。ほんとに可愛い、好き、あー、ほんまに好き。
「俺のこと」
「す、好き!? そ、そんなんじゃ……ない」
語尾にかけてしおしおしおって感じで瀬奈の声は勢いをなくす。好きやん。やっぱ好きやん。俺はめちゃくちゃに嬉しい。
「好きやろ」
「ち、違う。違う。好きじゃないっ! そ、そんなの、楢村くんの勘違いなんだからっ!」
瀬奈はそう言ってぐいぐい俺を押す。声が今にも泣き出しそう。心臓が痛い。でも俺は腕の力を緩めてやらない。絶対しない。
「瀬奈」
「あのー……」
突然聞こえてきた第三者の声に、ばっと振り返る。ついでに瀬奈が一瞬の隙をついて俺から離れた。チッ。
背後に立っていたのは、同じ年齢くらいの女の人で……ははーんと思う。多分クイズの出題やろうなあ。
「あの、あたし、連れとはぐれちゃって……怖いんで一緒に行ってもいいですか?」
ちらちら俺らを見る目つきは気まずそう。
すんませんお姉さん、仕事中やのにな。いちゃついて(?)るとこ見せて申し訳ない。
「あ、も、もちろん!」
瀬奈は真っ赤な頬のままでこくこく頷いてる。……ん? 瀬奈気がついてないんか? 思いっきりお姉さん、耳にインカム付けてるんやけど……
「行きましょう行きましょう!」
瀬奈がぐんぐん歩き出す。お姉さんは慌てて瀬奈に並ぶ。なんかこう、段取り的なもんがあるんやろうなー。
曲がり角んとこで、お姉さんは(演技っぽい声で)嬉しげに言う。
「あ、いました!」
そうして駆け出して、角に隠れて見えへんくなって──瀬奈が「あ、まって」と追いかけて……叫んだ。
「きゃぁぁあ!!!」
そうして俺にしがみつく。ふんわりとした甘い瀬奈のにおい。すんすんと吸い込む。バレてへんよな? あー可愛い。
しがみついてる瀬奈は俺が瀬奈の髪の匂い嗅いでるなんて気がついてない。調子に乗ってつむじにキスするけど瀬奈はやっぱり気がつかない。あー可愛い。
「な、楢村くん! さっきのひと、首がっ」
瀬奈の頭からしぶしぶ唇を離して目線を向ける。床に落ちてるのはさっきのお姉さんと同じ服……の、マネキン(首なしバージョン)。
「どうしよう! 警察!」
「瀬奈、イベントや」
「……へ?」
俺の服を握り締めたまま、瀬奈はきょとんと俺を見上げる──あ、可愛い。
瀬奈のおでこの前髪かきあげてキスをする。ちゅ、と音をさせてから離れた。
瀬奈が目を瞬いて俺を見上げている。
はー、……眼球まで可愛い。奇跡か。
人形の横、コンクリ打ちっぱなしの床にはカードが落ちている。手にとって瀬奈に見せた。
「……あ、クイズ」
どうやって首を落としたでしょうか? て書いてあるカードを瀬奈はまじまじと見つめる。
「あ、そっか、……これ、そういうやつだ」
ん? 忘れてたんか?
瀬奈は俯いてしまって、顔見えへんけど耳が赤い。
(俺が好きとか言ったから、それで色々トんでたってことやろか)
えっなにそれ。かわっ……可愛いっ……
あー呼吸がしづらい。息できへん。こんなん結婚やんもう結婚やんこれ実質新婚やん。あー、好き。ラブやんラブ。瀬奈が可愛いから今日は瀬奈可愛い記念日。祝日にすべきやな。あっ毎日やわ。カレンダーが真っ赤になってまうわ。
「……瀬奈、結婚しよ」
「だ、から……っ」
瀬奈は相変わらず、少し辛そうな顔をする。そうさせてるのは他ならぬ俺で、俺が過去にしでかしたことが原因で──
「瀬奈。俺が昔瀬奈にしたこと、……許さんでいいから」
「……」
怪訝そうなカオで、瀬奈は俺を見上げる。
「許さんでいいから、……今の俺のこと、信じてほしい」
「……無理、だよ」
「せやんな。けど、いつか絶対、信じさせるから」
「……」
瀬奈はしばらく黙り込んで、それからパッと顔を上げた。
「先に謎解き!」
そう言ってずんずん進む。
そうしてしばらくしてまた叫ぶ。
「キャァァア!」
「懲りへんな」
ちょっと愛おしすぎやわ。
俺は「仕方ないから手を繋いであげる」とツンデレ全開になっている瀬奈の、小さな手をぎゅうっと握ったのだった。
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