人生和歌集 -風ー(1)

多谷昇太

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乱&pinterest

アンティックドール

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和歌一首…雑歌46.アンティックドール

可愛もよ今し人形精(くわ)しかり童女(わらはめ)のみか我もぞ欲しけれ

詞書:pinterestの人形の作品群を見て感心した。今では精巧に発達した諸々の人形の造りに。その昔にはアンティックドールに魅せられて兼高かおるが館長を務めていた横浜人形の家に赴いたものだ。さても、世の中の子だになき人ら、まほしからずや?

               【↓ pinterestより】


和歌一首…雑歌47.川崎ズッペ

行く水のとどめかねては欲するも川崎ズッペの「愛」ぞこよなき

詞書:もうかなり前皇居側の近代美術館で川崎ズッペの人形展を鑑賞した。アムール(愛)と題された作品に釘付けとなった。文字通り愛を顕現した見事さ…以来人形に瞠目するようになった。

               【↓ pinterestより】


和歌一首…雑歌45.思ひ出ず

思ひ出ずかの人のこと我(わ)を連れて深夜稲荷に引き出でしも

詞書:ひとつ年上の故・わが従兄は何と云うかゴッホの様な人で絵を描き(全然弾けないのに)チェロをいきなり買い込んでは市民楽団に入ったりで、凝り性と云うか何と云うか、まるであの中原中也のような人だった。夜を込めて人生などについて二人でよく語り合ったものだが、ある日転居先の下宿にいい所があるから夜に見に来いと云われ行ってみると、左の絵のような稲荷を祭った祠が裏山にあり、真夜中に二人で詣でたのだった。別に本人が稲荷信仰をしているとかいう分けでは全然なくて、おどろおどろし気なこのミステリーゾーンを単に俺に味遭わせたかっただけなのだ。

              【pinterestより↓】

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