サマネイ

多谷昇太

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第二章 竜馬

バンコクに再タイムスリップ

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セザールという名のスペイン人の同宿者が帰って来たのだ。長髪で(もっとも俺も俊田もそうだったが)ヒッピー然とした彼はスペイン社会からドロップアウトした、まさにランボーを地で行くような男だった。どこか気難しげな、年の頃は27,8のセニョール。仕入れに行ったハシシの上物でも手に入ったのだろう、俊田と互いに目でパーティを告げ合ったようだ…。

 俺たちの脇を通るオカマの2人連れを俊田がからかった。中には女以上の上玉もいるがこの2人はあきらかに男と知れる代物だった。しかしそんなオカマこそが(プレイを省いた言葉遊びには)いいんだと云う俊田の嗜好は、いまだ「子供」に過ぎない俺にはわからなかった。場所は再びタイムスリップして夜のバンコク、屋台が立ち並ぶネオン街のはずれのような所に俺たちは来ている。その一角に陣取ってタイ独特のエスニックな煮込み料理(実にうまい)を俺たちはほうばっていた。
「(俺のランボー行脚は)必然だった」、「青春から大人へ」というアフガンでの俊田の言葉が気にかかっていた。‘おお、ランボーよ、エネルギーの大泥棒よ。百年もの間あわれな若者たちを酔いどれ船に誘って、置き去りにした、つれない無明の神よ’とでも彼の詩をおきかえたいほどランボーに、また自らに辟易としていた俺に向かって、なぜ彼はそんなことを云ったのだろう。しかしそれを彼にリクエスチョンできるほど俺は強くはなかった。前出のセザールもそうだがランボー信奉者には実に強い者が多い。信念を曲げない革命家のようなところがある。
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