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クワンティエンの伝説
ベトナム戦争における奇談
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一瞬気圧されながらも「さあね。うっすらとだけど、わかりかけたかな。でも今はまだ遠慮しとくわ」と梅子はかわし更に「感だけどまだ話の先があるんじゃない?肝心なところはまだこれからなんでしょう?」と先をうながす。「うむ、さすが…」と再び僧が話を続けようとしたとき亜希子が鳥羽の放心状態を心配して「鳥羽さん、いかがですか?お茶を召し上がりません?これ、ジャスミン茶ですよ」と云いながら空になっていた鳥羽のポットの蓋に自分のポットから茶を注いだ。語りかけられた鳥羽は夢からさめたように亜希子の顔を見、「…ああ、すんまへん。おおきに」とぼそっと云ってはうまそうに茶を飲みほした。そして気まりわるげに「えっへん…まあ、しゃあない。あんたらが認めるんやったら…」などとうそぶいてはしかし恐れ入り気に僧を見あげる。僧はにこやかにそれにうなずいて見せ、いよいよ話の佳境へと入って行った。
「梅子さんの云うとおり、クライマックスは実はこれからです。同じベトナムのお話ですがこんどは猿と人間の女性との間における、恋愛の話です」。鳥羽があきれはてたように苦笑いしながら首を左右にふる。「ま、ま、社…いや会長、会長」なだめつつ「彼のベトナム戦争の真っ只中、ジャングルの中で、あり得べからざる事態が出来いたしました。アメリカ爆撃機の眼を逃れながら、ジャングルの奥深い一角に、兵士らの休息所を北ベトナム軍幹部らが設置したそうです。大きな洞穴があり、近くにはきれいな泉があったとか。そこに…」「また女が沐浴したわけね」徐々にしおらしらをふりおとしつつ恵美が茶々を入れる。一同は笑ったり(恵美を)たしなめたりするが僧は構わず「そこに接待係として妙齢の女性兵士2人が配属されました。彼女らはホ・チミンルートを行き来する兵士らの慰安接待係を仰せつかったわけです」「慰安婦かいな」とこんどは鳥羽。それへ「いいえとんでもない。彼女らは立派な北ベトナム軍の正規の兵士、単に飲食の提供のみです。言い寄る兵士らも間々あったそうですが2人は、就中1人は、まったく相手にしません。婚約者がいて、その彼も同じ兵士なのですが、目下前線の最大の激戦地で米軍と戦闘中だったのです。かなりの確率でその死が予想されたらしい。ために思うのはその婚約者が激戦地から交代して、撤退する途中にここを通らないものかとか、とにかくその無事を祈るばかりでした。
「梅子さんの云うとおり、クライマックスは実はこれからです。同じベトナムのお話ですがこんどは猿と人間の女性との間における、恋愛の話です」。鳥羽があきれはてたように苦笑いしながら首を左右にふる。「ま、ま、社…いや会長、会長」なだめつつ「彼のベトナム戦争の真っ只中、ジャングルの中で、あり得べからざる事態が出来いたしました。アメリカ爆撃機の眼を逃れながら、ジャングルの奥深い一角に、兵士らの休息所を北ベトナム軍幹部らが設置したそうです。大きな洞穴があり、近くにはきれいな泉があったとか。そこに…」「また女が沐浴したわけね」徐々にしおらしらをふりおとしつつ恵美が茶々を入れる。一同は笑ったり(恵美を)たしなめたりするが僧は構わず「そこに接待係として妙齢の女性兵士2人が配属されました。彼女らはホ・チミンルートを行き来する兵士らの慰安接待係を仰せつかったわけです」「慰安婦かいな」とこんどは鳥羽。それへ「いいえとんでもない。彼女らは立派な北ベトナム軍の正規の兵士、単に飲食の提供のみです。言い寄る兵士らも間々あったそうですが2人は、就中1人は、まったく相手にしません。婚約者がいて、その彼も同じ兵士なのですが、目下前線の最大の激戦地で米軍と戦闘中だったのです。かなりの確率でその死が予想されたらしい。ために思うのはその婚約者が激戦地から交代して、撤退する途中にここを通らないものかとか、とにかくその無事を祈るばかりでした。
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