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クワンティエンの伝説
女性兵士の死
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「さてその後いくばくもなくある知らせが撤退する部隊から届きました。そうです。いとしい婚約者の死亡通知でした。そうしますと彼女は何を思ったかその後しばらくして物資補給と接待係への励ましに来た上官に、突然転属願いを申し出ます。なんと、婚約者が戦死したあの最前線の激戦地へ廻してほしいと云って、上官の慰留を頑として聞かなかったのです。‘自殺に行くようなものだから’とまで云ったのですが無駄でした。転属願いは受理され、あんのじょう彼女は3か月後にその地で、米軍の砲撃によって戦士しました」「ちょっとすんまへん、途中で」鳥羽が口をはさんだ「いったいその話は実話ですか?それともあんたはんの創作?」口の聞き方がガラリと変わっている。「うむ…」僧が返答しようとした刹那鳥羽の携帯が鳴った。小さく舌打ちして僧に断ってから携帯を耳にあてる「もしもし。ああ、おまえか、なんや?…うん、うん、わかった、わかった。まだあと小一時間ほどかかるさかい、どこぞ、その辺の茶屋にでも入っとき。え?なに?…ええから!ごちゃごちゃ云うな。切るで…」となかば強引に会話を終らせ携帯をマナーモードにしたようだ。「いや、すんまへん、話の腰折ってもうて。もしそれが実話やったらすごい話でんな。女性兵士の心理までは人はわからんやろうし、蓋し、創作でんな」と当て推量を云う。僧が「当地に残る伝説です。といことは蓋し事実です。女性兵士の心理は蓋し…」「蓋しばかり云わんでよろし」「ああ、そうですか、それなら思うに女性兵士の心理は同僚の女性兵士などが感じ取ったか、あるいは打ち明けられたのでしょう。ただもっとも、話が単にこれだけなら伝説とはならなかったでしょう。実はその後その地に駐屯した各部隊の少なからぬ兵士たちが、いかにも奇妙な光景を空に目にすることとなったのです。すなわちそれが伝説となった所以ですが…」と云っては間を置き、意味ありげに僧が亜希子はじめ皆の顔を見廻す。しかし誰も所以の想像がつかないようだ。
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