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第十二話
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「はぁ…可愛いわ」
「きゅきゅ!」
私の掌の上で愛らしく尻尾を振りながら私を見つめてくるこの小動物に私は心を持っていかれていた。
「おい、おい!」
「はい!」
だから、あの人の声が聞こえてなかった。この小動物ちゃんが可愛すぎるのだから聞こえてなかったのは許してほしい。
「はぁ、ったく。いいか?そいつは栗鼠という。私の使徒だ。これからお前にはそいつと勝負をしてもらう」
「こんなに小さい子に賭け事をさせるのですか?!」
信じられないとばかりに私は大きく目を見開く。
「誤解が生まれそうな言い方はよしてくれ」
「それに、こんなに小さな動物を使えさせるなど…」
「お前はどうしてそのような言い方しか出来ないのだ。…そうか、文化の違いだな。
だが、そいつは普通の動物とは違う、だから安心しろ」
「普通の動物と違うといえど、愛らしい動物に変わりありませんわ!」
こんなに小さいのに働かされているなんて…。
掌にいる小動物…いえ、リスちゃんの眉間を撫でてあげると気持ち良さそうにきゅ!と鳴いた。
…、私の屋敷に連れて帰りたい…。
「何度も言うがそいつは私の使徒だ。故に連れて帰るなどの愚かなことは考えるなよ」
何故思考がバレているのだろう…。やはり顔に出やすいのかな?
シュンっとしているとリスちゃんがきゅいきゅいと慰めてくれた。
「ありがとう、リスちゃん…」
はぁ、連れて帰りたい。
すると、突然リスちゃんが小屋の方を向いて、聞いたことのないような声で鳴いた。いや、叫んだ。
「ぎゅい!ぎゅぎゅ、ぎゅぎゃァァァァ」
「五月蝿い」
「ぎゅぎゅ!」
「…いや、だから」
「ぎゅぎゃァァァァ」
「……わかった、わかったからやめてくれその声」
「チィィィィィ」
先程までの愛らしい様子は嘘だったかのようにリスちゃんは小屋に向かって威嚇をしていた。
私には何を言ってるかわからなかったけれど、小屋の人はわかったようだ。
姿は見ていないけれど、会話からして少し怖そうな人だったのに、動物と会話できるなんて…メルヘンチックな方だわ。
「お前、今私に対して失礼なことを」
「ぎゅ」
「…名はなんという…」
「エミリア・サンダースと申します」
名前を聞かれ、ハッとしてリスちゃんを掌に乗せたまま挨拶をする。
「違う、そんな長い名前でなく…。もっと短い名はないのか?」
私は比較的短い名前なのだけれど…。もしかして、短い名前とは愛称のことを言うのかしら?
「我が家ではエミリーと呼ばれますわ」
「ふむ、ではエミリーと私も呼ぼう。これで文句ないだろう?」
「きゅ」
首を前後に振ってリスちゃんは肯定していた。ただし、発した鳴き声は低かった。
「ああ、もう先ほどから論点がずれすぎてはないか?賭け事の話から始まったというのに。そもそも私はお前…名前なんてどうでもいいのだ。私はさっさと1人になりたい」
「ぎゅぎゃっ!ぎゅぎゃ」
「あの…先程からこのリスちゃんは何を言っているのでしょう?」
小屋の中にいる人には聞こえて、私には聞こえない。あの人の使徒だから聞こえるのは当たり前だろうけど、どうせなら私もこの可愛らしいリスちゃんとお話ししてみたいわ。
「この偉大なる私に説教をしているのだ」
お説教?!怒っているのはわかったけれど、まさかお説教をしているとは。
「もうそんな話はいいのだ。さっさと勝負を決めてしまおう。栗鼠、手を抜くなよ」
「ええ?!もうですの?!」
「きゅい!」
戸惑っている私にリスちゃんは振り返って、まるで任せておけとでも言っているような笑顔を向けた。
「はい、始め」
その瞬間、風が強く吹いた。
いや、待って展開が早すぎてついていけない!それにあの木の実は私には高すぎる位置にある。無理よ!取れないわあんなの!
呆然としている私を背にリスちゃんは木に向かって走り出した。
「え?!リスちゃん待って!」
私は後を追いかけるものの、リスちゃんの足が速すぎて追いつけない。
普段からマナーの授業で令嬢は走ってはいけませんと強く言われるけれど今回はノーカウントでお願い!
私は幼少期以来、久しぶりに走った気がした。
木の下に着くとリスちゃんはスルスルと木を登って行った。
「どうしよう…」
木登りなんてやったことないし、他にどうすればいいの…?
私は木の下でぐるぐると回っていた。その間にもリスちゃんは上へ上へと登っていく。
ふと下を見ると木の枝がたくさん落ちていた。これを木の実に当てればもしかしたら落ちるかもしれない。
だけど、万が一リスちゃんに当たったりしたら大変だわ。この作戦ではダメね…。
うーんと唸っていると私の頭の上からリスちゃんの鳴き声が聞こえた。
「きゅきゅーい!」
パッと上を向くと上から何かが降ってきた。
(それとって!)
脳内に声が響いた。
その声に無意識に身体が動き、上から降ってきたものをキャッチしていた。
「これって…。木の実?!」
「きゅーい!」
ぽすんッ
そして、上からリスちゃんが私の掌に降ってきた。
「リスちゃん!この木の実…」
「きゅい!」
リスちゃんに持たせようと木の実を渡そうとしたものの、ぐいぐいと押し返された。
「持ってて、ってこと?それにさっきの声…」
ーーチリンッ
あの凛とした鈴の音が聞こえたと思ったら今まで見たことのないような服装をした男の人が目の前に立っていた。
「裏切ったな」
「きゅい?」
「チッ」
「きゅーい?」
「…お前が裏切ったせいで私は負けたではないか。主人を裏切る使徒なんて使徒じゃないな」
「チィィィ」
「先代からの使徒でなければ私は間違いなくお前を見捨てていたぞ。先代に感謝しろ」
美しい白い布に身を包んだその男性は聖女様と同じ漆黒の髪と瞳を持っていた。これを言ってはいけない気がするけれど、聖女様の何倍も艶がある美しい髪を持っている。それに、中性的な整った顔立ちにも関わらず、スラッとした高身長な方だった。
小屋の扉からチラッと見えたあの瞳と同じ、それに同じ声色なことから小屋の中にいた人物と同一人物ということだろう。
「エミリー、大変不服だがお前の勝ちだ。よって望むことを教えてやろうではないか」
「きゅい?きゅきゅきゅ?」
「…」
「あ、ありがとうございます…?」
目の前にいる人の顔をじっくり見てしまったことに気づき、目線を徐々に下に下げた。
待って、本当に私の勝ちでいいのだろうか?
「きゅい?きゅ・きゅ・きゅ」
「…はぁ…。まずは私の社に来い。外で立ち話はなんだからな」
そう言って黒髪の人は元いた小屋の方へと歩いていった。
「きゅい!」
いつの間にか、私の掌から足元へ移動していたリスちゃんがくいくいと制服の裾を引っ張った。
これはついて来いということかしら?
一度しゃがみ、リスちゃんを掌に乗せてから私はあの黒髪の人の後を追った。
「きゅきゅ!」
私の掌の上で愛らしく尻尾を振りながら私を見つめてくるこの小動物に私は心を持っていかれていた。
「おい、おい!」
「はい!」
だから、あの人の声が聞こえてなかった。この小動物ちゃんが可愛すぎるのだから聞こえてなかったのは許してほしい。
「はぁ、ったく。いいか?そいつは栗鼠という。私の使徒だ。これからお前にはそいつと勝負をしてもらう」
「こんなに小さい子に賭け事をさせるのですか?!」
信じられないとばかりに私は大きく目を見開く。
「誤解が生まれそうな言い方はよしてくれ」
「それに、こんなに小さな動物を使えさせるなど…」
「お前はどうしてそのような言い方しか出来ないのだ。…そうか、文化の違いだな。
だが、そいつは普通の動物とは違う、だから安心しろ」
「普通の動物と違うといえど、愛らしい動物に変わりありませんわ!」
こんなに小さいのに働かされているなんて…。
掌にいる小動物…いえ、リスちゃんの眉間を撫でてあげると気持ち良さそうにきゅ!と鳴いた。
…、私の屋敷に連れて帰りたい…。
「何度も言うがそいつは私の使徒だ。故に連れて帰るなどの愚かなことは考えるなよ」
何故思考がバレているのだろう…。やはり顔に出やすいのかな?
シュンっとしているとリスちゃんがきゅいきゅいと慰めてくれた。
「ありがとう、リスちゃん…」
はぁ、連れて帰りたい。
すると、突然リスちゃんが小屋の方を向いて、聞いたことのないような声で鳴いた。いや、叫んだ。
「ぎゅい!ぎゅぎゅ、ぎゅぎゃァァァァ」
「五月蝿い」
「ぎゅぎゅ!」
「…いや、だから」
「ぎゅぎゃァァァァ」
「……わかった、わかったからやめてくれその声」
「チィィィィィ」
先程までの愛らしい様子は嘘だったかのようにリスちゃんは小屋に向かって威嚇をしていた。
私には何を言ってるかわからなかったけれど、小屋の人はわかったようだ。
姿は見ていないけれど、会話からして少し怖そうな人だったのに、動物と会話できるなんて…メルヘンチックな方だわ。
「お前、今私に対して失礼なことを」
「ぎゅ」
「…名はなんという…」
「エミリア・サンダースと申します」
名前を聞かれ、ハッとしてリスちゃんを掌に乗せたまま挨拶をする。
「違う、そんな長い名前でなく…。もっと短い名はないのか?」
私は比較的短い名前なのだけれど…。もしかして、短い名前とは愛称のことを言うのかしら?
「我が家ではエミリーと呼ばれますわ」
「ふむ、ではエミリーと私も呼ぼう。これで文句ないだろう?」
「きゅ」
首を前後に振ってリスちゃんは肯定していた。ただし、発した鳴き声は低かった。
「ああ、もう先ほどから論点がずれすぎてはないか?賭け事の話から始まったというのに。そもそも私はお前…名前なんてどうでもいいのだ。私はさっさと1人になりたい」
「ぎゅぎゃっ!ぎゅぎゃ」
「あの…先程からこのリスちゃんは何を言っているのでしょう?」
小屋の中にいる人には聞こえて、私には聞こえない。あの人の使徒だから聞こえるのは当たり前だろうけど、どうせなら私もこの可愛らしいリスちゃんとお話ししてみたいわ。
「この偉大なる私に説教をしているのだ」
お説教?!怒っているのはわかったけれど、まさかお説教をしているとは。
「もうそんな話はいいのだ。さっさと勝負を決めてしまおう。栗鼠、手を抜くなよ」
「ええ?!もうですの?!」
「きゅい!」
戸惑っている私にリスちゃんは振り返って、まるで任せておけとでも言っているような笑顔を向けた。
「はい、始め」
その瞬間、風が強く吹いた。
いや、待って展開が早すぎてついていけない!それにあの木の実は私には高すぎる位置にある。無理よ!取れないわあんなの!
呆然としている私を背にリスちゃんは木に向かって走り出した。
「え?!リスちゃん待って!」
私は後を追いかけるものの、リスちゃんの足が速すぎて追いつけない。
普段からマナーの授業で令嬢は走ってはいけませんと強く言われるけれど今回はノーカウントでお願い!
私は幼少期以来、久しぶりに走った気がした。
木の下に着くとリスちゃんはスルスルと木を登って行った。
「どうしよう…」
木登りなんてやったことないし、他にどうすればいいの…?
私は木の下でぐるぐると回っていた。その間にもリスちゃんは上へ上へと登っていく。
ふと下を見ると木の枝がたくさん落ちていた。これを木の実に当てればもしかしたら落ちるかもしれない。
だけど、万が一リスちゃんに当たったりしたら大変だわ。この作戦ではダメね…。
うーんと唸っていると私の頭の上からリスちゃんの鳴き声が聞こえた。
「きゅきゅーい!」
パッと上を向くと上から何かが降ってきた。
(それとって!)
脳内に声が響いた。
その声に無意識に身体が動き、上から降ってきたものをキャッチしていた。
「これって…。木の実?!」
「きゅーい!」
ぽすんッ
そして、上からリスちゃんが私の掌に降ってきた。
「リスちゃん!この木の実…」
「きゅい!」
リスちゃんに持たせようと木の実を渡そうとしたものの、ぐいぐいと押し返された。
「持ってて、ってこと?それにさっきの声…」
ーーチリンッ
あの凛とした鈴の音が聞こえたと思ったら今まで見たことのないような服装をした男の人が目の前に立っていた。
「裏切ったな」
「きゅい?」
「チッ」
「きゅーい?」
「…お前が裏切ったせいで私は負けたではないか。主人を裏切る使徒なんて使徒じゃないな」
「チィィィ」
「先代からの使徒でなければ私は間違いなくお前を見捨てていたぞ。先代に感謝しろ」
美しい白い布に身を包んだその男性は聖女様と同じ漆黒の髪と瞳を持っていた。これを言ってはいけない気がするけれど、聖女様の何倍も艶がある美しい髪を持っている。それに、中性的な整った顔立ちにも関わらず、スラッとした高身長な方だった。
小屋の扉からチラッと見えたあの瞳と同じ、それに同じ声色なことから小屋の中にいた人物と同一人物ということだろう。
「エミリー、大変不服だがお前の勝ちだ。よって望むことを教えてやろうではないか」
「きゅい?きゅきゅきゅ?」
「…」
「あ、ありがとうございます…?」
目の前にいる人の顔をじっくり見てしまったことに気づき、目線を徐々に下に下げた。
待って、本当に私の勝ちでいいのだろうか?
「きゅい?きゅ・きゅ・きゅ」
「…はぁ…。まずは私の社に来い。外で立ち話はなんだからな」
そう言って黒髪の人は元いた小屋の方へと歩いていった。
「きゅい!」
いつの間にか、私の掌から足元へ移動していたリスちゃんがくいくいと制服の裾を引っ張った。
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