狐、始めました。

怠惰

文字の大きさ
38 / 43
権力時代

初めての訓練授業

しおりを挟む
 私がこの学園に入学してから1週間が経った。友達も数人出来た。公爵家のご令嬢のマリーと第二王女のメルアナだ。二人は私にとても親しくしてくれる。

「ねぇ、アナ。次の授業は魔法だけど大丈夫?」

 メルアナがそう聞いてくる。

「大丈夫だよ? だって私魔法が1番得意だもん」

「そうなの?」

「うん。私何故か生まれつき魔導王って言うユニークスキルを持っていてね。それでお母さんが魔法を教えてくれたの」

「へぇ~そういえばアナのお母さんはあの銀姫だったね」

 マリーがそう話に混ざってくる。

「そんなに有名なの?」

「それはもう。突然ふらっと現れては大量に依頼を受けてランクを上げていったらしいわよ。そして使えるスキルや魔法、武術は一切不明。一度だけ銀姫の魔法を見たものがいたけど高度過ぎて理解出来なかったらしいわ」

「へぇ~凄い。で? 実際どうなの? アナ」

「お母さんの使える能力? 私も全く分からない。多分全属性使えると思うんだけど……」

「それだけでも凄いわよ。因みにアナはどんな属性を使うの?」

「私も全属性だよ!」

 私は胸を張ってそう答える。

「はぁ~凄いわね……」

「子は親に似るって言いますもの」

「そういえばそんなにも凄い人なら王様に呼ばれないの?」

 マリーがそう聞いた。その瞬間メルアナが固まる。

「そ、それは……」

「そもそもお母さんに命令出来るのはお母さんの事を知らない人だけだよ」

「そ、そうですわ」

 メルアナは王族。なので神についても知っている。

 実は最近メルアナに聞いて初めての知ったのだが、お母さんは神々の中でも1番実力がある神らしい。原初神みたいに絶対に死なない神でないと挑むのは自殺行為だとか。

「へぇ~SSランク冒険者って凄いな~」

 なんとか誤魔化せた。昔は人々が神の存在を認識して生きていたが今はそうではない。

 神の事は忘れられ神話としておとぎ話のような扱いに成っている。

 マリーは友達とはいえ「お母さんが神何だ♪」と言っても痛い人にしか見えないだろう。
 実際逆の立場でもそう思う。そうこうしているうちに訓練場についた。



「よ~し! 前の授業では魔力の扱い方を学んだので今日は実際に使ってみるぞ~。まずはお手本として先生がやろう。先生が使えるのは火魔法。その初級魔法を見せてやる」

【火の精霊よ。その全てを燃やす力を持って、我に火の力を授けよ。“ファイヤーボール”】

 先生の撃った魔法が的に当る。

「これが魔法だ。大賢者様や王様は無詠唱で魔法が使えるが、お前たちでは無理だろう。今日は的が残念ながら一つしか無いから一人ずつ撃っていくぞ。全員初級魔法のボール系統だけだからな」

 一人ずつ順番に撃っていく。マリーは風魔法と光魔法が使えるのでウインドボールを撃っていた。メルアナは四属性全て使えるので適当にファイヤーボールを撃っていた。無詠唱で。

「「「「お~!」」」」

「やはり王族は無詠唱を使えるのか」

そして次は私の番。私は手のひらに魔力を集め、火を作り出す。

【火球】

 私がお母さんに初めての教えてもらった原初初級魔法。この魔法はこの世界に魔法が誕生して初めての使われたとされる原初魔法らしい。

 私の火球は音速で的に当たり、的を溶かしてそのまま進む、そして結界が付与されている訓練場の壁に当たり大爆発とともに火柱が天に登った。残ったのは溶けた壁と大きなガラス化したクレーター。

「おい……アナよ」

「はい……先生」

「俺は初級魔法のボール系統と言ったのだが……」

「はい……なので私が初めてお母さんに教わった。初級魔法のボール系統の魔法です」

「は? あれが初級魔法? なんの魔法だ?」

「火球ですよ?」

「火球?」

「原初魔法じゃな」

 いつの間にか学園長が訓練場に来ていた。

「アナよ。この学園で原初魔法を使うのは辞めてくれんかの? クラス大会とか行うときはエラ様に頼んで破壊不可を付与してもらうから」

「分かりました……」

 学園長はうむ、と頷くと片手間に訓練場を元通りにして帰っていた。

「……凄い。」

「アナ……やらかしたわね……」

「う……だって原初魔法があんな威力って知らなかったんだもん。いつも使うときはお母さんに向けて使ってるから同じ魔法で消されたり、当たっても吸収されたりで、てっきり弱い魔法かと……」

そんな感じで次は武術訓練。

「よ~し! 次は武術訓練だ! 得意な武器をあそこから取ってまた集合しなさい」

 私は武器を取りに行った。私は一応お母さんに扇子術は習ったが、私にはあわず、杖術を習っている。

 勿論お母さんは杖術なんて使えないので他の最上位神の人に教えて貰った。

 今ではリルさんとも5分はやり合えるようになった。リルさんは下位神。なかなか頑張った方だと思う。

 そもそも神に支配者にも成っていないひよっこが勝つなんて天と地がひっくり返ってもあり得ない。

 私は木の杖を取ってまた並んだ。

 今回は一対一の模擬戦で私の相手は第一王子だった。

 その日の授業は私が力加減を間違えて第一王子を吹き飛ばし、訓練場の壁を突き破ることで終了した。

 その後お母さんが来て第一王子に蘇生魔法をかけている姿があった事から事情を察してほしい。

 その日の夜、終末の大地に異常気象が起こり、大地を震わすほどの威圧が降り注いだ。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

異世界でのんびり暮らしたいけど、なかなか難しいです。

kakuyuki
ファンタジー
交通事故で死んでしまった、三日月 桜(みかづき さくら)は、何故か異世界に行くことになる。 桜は、目立たず生きることを決意したが・・・ 初めての投稿なのでよろしくお願いします。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

とある中年男性の転生冒険記

うしのまるやき
ファンタジー
中年男性である郡元康(こおりもとやす)は、目が覚めたら見慣れない景色だったことに驚いていたところに、アマデウスと名乗る神が現れ、原因不明で死んでしまったと告げられたが、本人はあっさりと受け入れる。アマデウスの管理する世界はいわゆる定番のファンタジーあふれる世界だった。ひそかに持っていた厨二病の心をくすぐってしまい本人は転生に乗り気に。彼はその世界を楽しもうと期待に胸を膨らませていた。

処理中です...