乙女ゲームのヒロインに転生しました!狙うは逆ハーレム!なのに、どうして上手くいかないの?

雪月花

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9.ヴァネッサ様の噂

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最近日を追うごとにヴァネッサ様に嫌がらせをされたと訴える人が増えている。

『ヴァネッサ様に髪を引っ張られた』『ヴァネッサ様に酷い事を言われた』『ヴァネッサ様に足をかけられた』『ヴァネッサ様にお茶をかけられた』などなど挙げたらキリがないほどに、まるで競い合う様にヴァネッサ様に嫌がらせをされたと声高に訴えるのだ。

何故こんな事が起こっているか……。
あのヴァネッサ様・・・・・・・・が嫌がらせをするなんて考えられない。
なのに変な噂が流れているのだ。
その噂とは『ヴァネッサ様は自分より見目の優れている者を妬んで嫌がらせをする』というものだ。
あくまで噂で真偽のほどは分からない。
ただ実際に嫌がらせをされたと訴える人はいる。
だが皆エリー様みたいな・・・・・・・・タイプの方々ばかりだ。

そしてエリー様みたいなタイプの方々は、自分より身分が低い者やソニア様のように言い返せない相手を狙って、虐めのような事をしている。

そして私は虐めをしてる人に声を大にして言いたい!
何故ヒロインを虐めないのか!
虐められるのはヒロインの役目ではないのか!
ゲームのイベントでは、モブ令嬢に虐められてるヒロインを攻略対象者が助けにくるはず。
なのに何故か私は虐められない。
いつも別の人が虐められている。
そして私は黙って見てる事ができず、いつも間に入っていってしまうのだ。

「ちょっと!貴方聞いてるの!!」

「えぇ聞いていますよ。またヴァネッサ様に嫌がらせをされたんですか?」

「えぇそうよ。本当に困るわぁー。私がそんなに疎ましいのかしらね。」

エリー様は嬉しそうに話すが、絶対に嘘だろう。髪飾りの一件だって嘘だったのだから。
不思議なのは何故ヴァネッサ様がこの噂を放置しているのか……もしや知らないのだろうか?

エリー様は如何にヴァネッサ様に嫌がらせをされたか嬉々として説明してくる。
そんなエリー様が煩わしくて、つい意地悪く返してしまった。

「では、殿下にご相談なさってはいかがですか?」

「はぁ?」

「いえ、ヴァネッサ様は殿下の婚約者様でいらっしゃいますので、ヴァネッサ様に嫌がらせをされているのであれば、殿下にご相談しヴァネッサ様を諫めて頂いたらどうかと思いまして。」

実際には嫌がらせをされていないのだから殿下に訴るなんて無理だろう。
そんな風に思っていたのだが、、、

「……そうね。それがいいわ!貴方たまには良いこと言うじゃない!」

(ほぇ⁉︎いやいや、本気なの⁉︎だって嫌がらせなんて嘘でしょう?殿下に嘘つくの?それ絶対にすぐバレるわよ!)

「えっ⁉︎いや、、エリー様?ちょっと待って…」

エリー様のまさかの返しに戸惑っていると、エリー様は「私の美貌で殿下を……うふふ」と言いながら、颯爽と教室を出て行ってしまった。

(えぇーー嘘でしょう⁉︎本気なの?)

エリー様は本気なんだろうか?
もし本当に殿下に訴えに行ってたら…
もし嘘がバレたら不敬罪……

(ど、どうしよう!余計な事言っちゃった!)

私が困惑しながらエリー様の後ろ姿を見送っていると、ソニア様がオズオズと話しかけてきた。

「あ、あのリリア様。また助けてくれてありがとうございます。」

「え?あ、いや、お礼なんていいですよ。大したことしていませんから。」

「……いえ、私はリリア様みたいになれないから。恥ずかしいですよね……何も言い返せないなんて。本当にごめんなさい。」

そう言うとソニア様は申し訳なさそうに俯いてしまった。

「うーん?それって恥ずかしいことでしょうか?」

「えっ?あの、リリア様?」

「ソニア様は言葉の大切さを理解してお話してるのではないでしょうか。自分の言葉で相手がどんな想いをするのか、ちゃんと人の気持ちに寄り添える方だと思います。指輪の事も指摘したらエリー様が恥をかくと思って言わずにおいたんですよね?」

「えぇ、まぁそうですね…」

(はぁーやっぱりか。それなのに私ったら…。エリー様に余計な事を言ってしまうし…。)

「ごめんなさい。やっぱり私余計なことを……」

「ち、違います!リリア様は何も悪くないです。だって私すごく嬉しかったんですから。…私が言い返さないから、エリー様の態度が度を越してきてて。今度は私もしっかり言い返しますわ!」

「そ、そうですか。それではその時は私も加勢致しますね!」

「うふふ。ありがとうございます。あ、あの今度ご一緒にランチしませんか?その色々とお話したいと思ってたんです。お勉強のこととか一緒に話せれば嬉しいと思ってて。」

「えぇ是非!私あまり領地から出たことがなくて、もしよかったらソニア様の領地の事とか色々教えて下さると嬉しいです。そのマナーとか至らないところもあるかと思いますが……」

「マナーなんて気になさらないで。私だって至らない所は沢山ありますし、これから一緒に学んでいきましょう!それに我が家の領地に興味を持って頂けて嬉しいです。」

私とソニア様がお話していると傍にいた他の令嬢の方々も是非一緒にと声をかけてくれた。


(あぁー嬉しい!もしかしてお友達が出来たかも!!)
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