【完結】斎国華譚 ～亡朝の皇女は帝都の闇に舞う～

あとがき

あとがき

　このたびは「斎国華譚　～亡朝の皇女は帝都の闇に舞う～」をお読みいただきまして、ありがとうございました。
　約10ヶ月で4ルート、全163話…ゲームシナリオからの手直しではありますが、我ながら結構頑張ったのではないかと思います。

　もしこのお話を気に入って下さったら、次はぜひ、好みのキャラのルートだけでも構いませんので通しで読んでいただけると嬉しいです。
　今回、複数のルートを同時進行でアップするという構成上、シナリオが行ったり来たりでお相手もコロコロ変わり、正直言って感情移入しにくい進行だったと思います。
　もとのゲームシナリオはもちろん、一人のキャラのルートを通しで読むことを想定して書いていたので、そのようにもう一度読んでいただけると書き手としてはとても嬉しいです。（完結してから読む方には関係ないお願いですみません）

　……えー、あとがきで言いたかったことは実はこのぐらいです。以下は雑談なので、お時間ある方だけお付き合いください。

　この「斎国華譚」、紹介にもあるように私が過去に個人で作った乙女ゲームをセルフノベライズしたものになります。発売が2013年なので、執筆は2011年頃から…と思いきや、構想はそのさらに5年以上前からなのでかれこれ15年以上の付き合いになります。うっ歳が…！
　キャラクターとかストーリーに関してはもはや語ることもないので、ここではノベライズに際しての所感などをお話ししますね。

　5年ほどゲーム制作をしたのち、ここ数年は多忙で創作活動を完全に休止していたのですが、ふとしたきっかけでまた文章を書きたくなり、しかしいきなりゲーム制作はハードルが高いので何しよう？と考えたところ、思い入れも深い「斎国華譚」を執筆のリハビリを兼ねてノベライズしようと思いつきました。

　「4ルートあるけど、元のシナリオを小説向けに手直しするだけだし半年もあれば余裕っしょｗ」とか最初は考えてました。
　……甘かった。完全に甘かった…！　一人称のシナリオを三人称に直してちょこっと注釈を加えるだけで済むと思ってた私が馬鹿でした。

　ゲームのシナリオって、ビジュアルとBGMや効果音などの演出ありきで考えるので、表情の変化とか距離感や体勢の描写はむしろ邪魔になることも多く、私の場合はテンポ重視で短めに書くことが多いんですね。
　それをそのまま小説に持ってくると、「状況分からん、表情分からん、場所や色・音・匂い分からん」の分からんづくし。まずここを埋めるのに非常に苦労しました。一度完成した文章に手を加えるのって難しい…！
　書き込みすぎてもクドくなるし、そもそもブランクが長くて語彙が乏しいしで撃沈。皆さんが状況を理解できて、かつ読みやすい文章になっていれば良いのですが。

　あと単純にシナリオが長かったですね。プレイしたら体感一瞬なのに、思った以上に長かったですね。特に航悠。
　藍良や春蘭などサブキャラの恋愛話は入れない方が良かったかも…と途中思いましたが（省いても本筋に影響はないため）、もったいない精神が働き結局最後まで入れてしまいました。

　ノベライズにあたりもっと加筆を、とも考えていたんですが、そのような余裕もなく自転車操業で書いてはアップしてをひたすら繰り返した10ヶ月でした。
　龍昇のHシーンが1回しかないことがゲーム制作時も気になっていたので、未遂ぐらいは増やしてあげたかったんですが入れ込む場所が見つからず断念しました。ごめん龍昇（8年ぶり二度目の謝罪）。

　このような投稿サイトで小説を連載するのは初めてで、サイトのカラー（主力ジャンル）との相違も最初は少し気になりました。
　ラノベというほど軽くないし、ヒストリカルというほど重厚感もない、「投稿一作目としてエンタメ的にはどうなんだこれ？　とっつきにくくない？」と考えていましたが、継続して読んでくださった方がいらしたので自分としては満足です。でも特に長くて重い話が好きなわけでもないので、今後はもう少しライトな作風になると思います。

　色々考えることはありましたが、久々の執筆活動は本当に楽しくて、「生きてる～！　オタクな私、まだ生きてた～！」という感じがしました。日々の生活でもじゅうぶん幸せは感じられますが、趣味に全力でアウトプットする喜びはブランクがあった分また格別でした。
　おかげさまで新作の構想も湧いたので、いずれ書き始めたいと思います。

　最後に、原作となるゲームの宣伝を少しさせてください。
　ノベライズは基本的にゲームシナリオに忠実に進んでいますが、ノベライズと違うところと言ったら、①イラスト付きのバッドエンドが充実（グッド並みの熱量込めてます）　②ノーマル＆アナザールートあり　③制作こぼれ話や後日譚をまとめた特典サイトあり　…といったところでしょうか。
　あと普通にキャラクターグラフィックやイベントスチルなどのビジュアルがつくので、没入感はより強いのではないかと思います。ボイスはありません。

　ゲーム版は18歳未満購入禁止ですが、興味がありましたら覗いてみてください。システム周りの古さはご容赦を。
　とりあえずOPムービーだけでも「あの場面！」と分かるので、見てもらえたら嬉しいです。
　https://www.youtube.com/watch?v=7E91afDgnJY


　自分の執筆物を他の方にまた見ていただけたこと、とても嬉しかったです。何かと憂いの多い昨今ですが、ひと時でも楽しい時間を提供できていたら幸いです。
　ここまで読んで下さり、ありがとうございました！　またどこかでお会いできますように。


　2021.8.22　多摩ゆら