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第十四話
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次の日の放課後まで色々と考えましたが、彼女がなぜ私の帝国皇女としての名を出したのか。
目的はなにか?
ジュマッカ伯爵は、我がアルシュ=ヴィラでも長い歴史を誇る家で現当主は忠臣との呼び声も高かったはず。
その家の娘が帝国のスパイ? ありえないわね。
後、考えられるのは入れ替わった?
本人ではなくお付きの者が、という事も考えられるわね。
色々推測するけど、そもそもなんの目的か? これがわからないとどうにもねえ。
散々悩んだ末、出た結論は分からないだった……
まあいいわ。 出た所勝負には慣れてるわ!
ー 相変わらずであるな -
うっ!? ヴラド、うるさいわね。 こういうのは私らしいっていうのよっ!
ー そうであるか。 まあ死なない程度にやるがよい -
そう言うとアイツは意識の奥に帰っていった。
まったく突然出てきて……
とはいうものの、さっきよりは心が軽くなったような気がしていたのだけどね。
やってきました放課後。
礼法室、礼儀作法教室の事ね。
一度室内の気配を探ってみるも、中からは気配を感じられない。
うーん、まだ来ていないのかしら?
とりあえず中で待たせてもらおうかしらね。
という訳で、ルカが開けてくれた扉を潜り教室の中へ。
そこで僅かながら空気の流れを感じた。
私は掴みかかってこようとする腕を跳ね上げ、そのまま逆にその手首を掴むと足から腰、腰から腕へ、捻り力を伝達するように動き相手を投げ飛ばす。
その際、受け身が取れない様に顔面から落ちるようにうつ伏せの状態で落とすのを忘れない。
しかし敵もさるもので、その私の投げの流れに逆らわずうまく体勢を操り仰向けになるように落ちた。
そして床に着いてすぐ転がり私から距離を取る。
「やりますわね。」
私は思わず不審者を称賛した。
「それはこっちのセリフ。」
そう言って立ち上がったのは……
ルミエラ=ヴェルン=ジュマッカその人だった。
「弛んでいるそこの侍女に、警告のつもりで手を出したんだけどとんだ失敗だった。」
「なっ!?」
侮辱され、怒りから一歩前に出ようとするルカを押さえ、ルミエラ嬢に話かけた。
「ご機嫌ようルミエラ様。 素敵な挨拶ありがとう?」
「よく言う。 危うく意識を飛ばされる所だった。 いやアンタあの後、後頭部踏み抜くつもりだったろ?」
あらばれてた。
それにしても。 昨日の彼女とは雰囲気から違うわね。
おどおどしてはいたが、コロコロと表情のよく変わる子だったのだが、今は無表情で冷たい刃物のような印象を受けるわ。
それになんだか違和感が……?
「改めて自己紹介。 オレはルミエス、大ジュマナン帝国の影の一人。」
そう言ってルミエスと名乗った人物は、左腕を胸に当て軽くお辞儀をするという帝国流の礼をした。
違和感はさらに大きくなる。
「アナタ…… おと、こ?」
自然と目に魔力が集まり、魔力視が発動する。
これは、幻惑の魔法ね?
「まったくアナタには驚かされる。 オレの術を見破ったのはアナタが初めてだ。」
そう言って指を鳴らすと、輪郭がぼやけ後には少女そのものだった体つきは少しだけ、ほんの少しだけ男性っぽさが現れたわ。
ちなみに顔は美少女のままよ。
「これはあれね。」
「うん?」
「女装男子、いえ、男の娘ってやつね!」
「なにいってんだ?」
ああ、背中からルカの冷たい視線を感じるわ。
その視線を今は意識しない事にして、彼? に話を聞きましょうか。
「ゴホンッ! それは兎も角。 それで? なんの目的なのかしら、ルミエスさ…… ん?」
あれ? ルミエスってどこかで聞いた事が……
あっ!? そうだ前世で! 続編の攻略キャラッ!
続編の攻略対象として小出しで発表されたキャラの一人で、結構早いうちに紹介されたという話だ。
ルミエス。 苗字は不明。 帝国の軍人で諜報や破壊工作などの裏の仕事を請け負う組織に属していたはず。
組織の名前はなんだったかしら? えーと。
「そうだわ! シュラ…… シュラーダだわ!」
「なっ!?」
あ、口に出してた。 さすがに驚いたのかルミエスがこちらを凝視してるわね。 とはいえその表情は動かないけど。
ガッチガチの鉄面皮ねえ。 顔が美少女なだけにけっこうな迫力だけど。
「まったくオレのチキンハートが止まりそうだ。 驚き過ぎてな。」
とか言ってますが、まったく表情筋は動かないこの男の娘。
「いい加減笑劇にも飽きたわ。 ここに呼び出した理由をお聞かせねがおうかしら?」
「ふん、よく言う、がそうだな、時間もある訳じゃないしな。」
そう言った後、ルミエスはその場で片膝を着き、私に騎士の礼を取る。
「皇帝陛下よりこの度、”純銀の花冠騎士団”に配属された、ルミエス=ナバド騎士爵です。 これより皇女殿下の警護の任につきます。」
……はい?
続く
目的はなにか?
ジュマッカ伯爵は、我がアルシュ=ヴィラでも長い歴史を誇る家で現当主は忠臣との呼び声も高かったはず。
その家の娘が帝国のスパイ? ありえないわね。
後、考えられるのは入れ替わった?
本人ではなくお付きの者が、という事も考えられるわね。
色々推測するけど、そもそもなんの目的か? これがわからないとどうにもねえ。
散々悩んだ末、出た結論は分からないだった……
まあいいわ。 出た所勝負には慣れてるわ!
ー 相変わらずであるな -
うっ!? ヴラド、うるさいわね。 こういうのは私らしいっていうのよっ!
ー そうであるか。 まあ死なない程度にやるがよい -
そう言うとアイツは意識の奥に帰っていった。
まったく突然出てきて……
とはいうものの、さっきよりは心が軽くなったような気がしていたのだけどね。
やってきました放課後。
礼法室、礼儀作法教室の事ね。
一度室内の気配を探ってみるも、中からは気配を感じられない。
うーん、まだ来ていないのかしら?
とりあえず中で待たせてもらおうかしらね。
という訳で、ルカが開けてくれた扉を潜り教室の中へ。
そこで僅かながら空気の流れを感じた。
私は掴みかかってこようとする腕を跳ね上げ、そのまま逆にその手首を掴むと足から腰、腰から腕へ、捻り力を伝達するように動き相手を投げ飛ばす。
その際、受け身が取れない様に顔面から落ちるようにうつ伏せの状態で落とすのを忘れない。
しかし敵もさるもので、その私の投げの流れに逆らわずうまく体勢を操り仰向けになるように落ちた。
そして床に着いてすぐ転がり私から距離を取る。
「やりますわね。」
私は思わず不審者を称賛した。
「それはこっちのセリフ。」
そう言って立ち上がったのは……
ルミエラ=ヴェルン=ジュマッカその人だった。
「弛んでいるそこの侍女に、警告のつもりで手を出したんだけどとんだ失敗だった。」
「なっ!?」
侮辱され、怒りから一歩前に出ようとするルカを押さえ、ルミエラ嬢に話かけた。
「ご機嫌ようルミエラ様。 素敵な挨拶ありがとう?」
「よく言う。 危うく意識を飛ばされる所だった。 いやアンタあの後、後頭部踏み抜くつもりだったろ?」
あらばれてた。
それにしても。 昨日の彼女とは雰囲気から違うわね。
おどおどしてはいたが、コロコロと表情のよく変わる子だったのだが、今は無表情で冷たい刃物のような印象を受けるわ。
それになんだか違和感が……?
「改めて自己紹介。 オレはルミエス、大ジュマナン帝国の影の一人。」
そう言ってルミエスと名乗った人物は、左腕を胸に当て軽くお辞儀をするという帝国流の礼をした。
違和感はさらに大きくなる。
「アナタ…… おと、こ?」
自然と目に魔力が集まり、魔力視が発動する。
これは、幻惑の魔法ね?
「まったくアナタには驚かされる。 オレの術を見破ったのはアナタが初めてだ。」
そう言って指を鳴らすと、輪郭がぼやけ後には少女そのものだった体つきは少しだけ、ほんの少しだけ男性っぽさが現れたわ。
ちなみに顔は美少女のままよ。
「これはあれね。」
「うん?」
「女装男子、いえ、男の娘ってやつね!」
「なにいってんだ?」
ああ、背中からルカの冷たい視線を感じるわ。
その視線を今は意識しない事にして、彼? に話を聞きましょうか。
「ゴホンッ! それは兎も角。 それで? なんの目的なのかしら、ルミエスさ…… ん?」
あれ? ルミエスってどこかで聞いた事が……
あっ!? そうだ前世で! 続編の攻略キャラッ!
続編の攻略対象として小出しで発表されたキャラの一人で、結構早いうちに紹介されたという話だ。
ルミエス。 苗字は不明。 帝国の軍人で諜報や破壊工作などの裏の仕事を請け負う組織に属していたはず。
組織の名前はなんだったかしら? えーと。
「そうだわ! シュラ…… シュラーダだわ!」
「なっ!?」
あ、口に出してた。 さすがに驚いたのかルミエスがこちらを凝視してるわね。 とはいえその表情は動かないけど。
ガッチガチの鉄面皮ねえ。 顔が美少女なだけにけっこうな迫力だけど。
「まったくオレのチキンハートが止まりそうだ。 驚き過ぎてな。」
とか言ってますが、まったく表情筋は動かないこの男の娘。
「いい加減笑劇にも飽きたわ。 ここに呼び出した理由をお聞かせねがおうかしら?」
「ふん、よく言う、がそうだな、時間もある訳じゃないしな。」
そう言った後、ルミエスはその場で片膝を着き、私に騎士の礼を取る。
「皇帝陛下よりこの度、”純銀の花冠騎士団”に配属された、ルミエス=ナバド騎士爵です。 これより皇女殿下の警護の任につきます。」
……はい?
続く
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