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第十五話
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純銀の花冠騎士団 それは大ジュマナン帝国皇帝であるお爺様、ガーンドゥルト=エメ=ディオラ=ソレイド=ジュマナディアが私、と言うかヴァネッサの誕生日プレゼントとして送ろうとしたと言う話はしたと思う。
まさかここでその名前を聞く事になろうとは……
私は、片膝を付いて騎士の礼をしてこちらを見ている彼を見て、ため息を吐きそうになったわ。
「騎士団、まだ残ってたのね……」
「ああ、身分一切関係なしの完全実力主義の集団だ。 まあオレは出向という形だがな。」
無表情で淡々と話すから思考が読みずらいったらないわ。
と、いうか。
「聞きたい事があるわ。 なぜあなたが、ジュマッカ伯爵の令嬢としてここにいるのかと言う事よ。」
ジュマッカ伯爵は忠臣として有名だわ。 そんな彼が帝国に組するとも思えないのだけど。
「そんな事か。 本来、オレの俗属している組織シュラーダには色々な能力を持つ者がいてな、その内の一人が洗脳、催眠が得意でな。 伯爵には娘がいると思いこませてもらった。」
なんてこと! そんな事が出来るならスパイが入り放題じゃないっ!?
「心配するな。 普通のスパイならわざわざこんな事をする必要はない。 手間暇が掛かりすぎる。」
破壊や暗殺活動もな。 と、やはり淡々と話す姿はなんとも不気味だわ。
でもまだ聞きたい事があるわ。
「で、なんで女装して、令嬢になってまで潜入したのよ?」
その質問にわずかだが、ピクリと彼の眉が動いた気がしたわ。
「しかたがないだろう。 潜入だけならまだしもさらに護衛しろと言うんだ。 本来はヴァンプリージェ公爵家の侍女になって潜入する予定だったが、まったく入り込む隙がなかった。」
うーん、さすが我が家! お父様GJ!
「納得したか? まあ納得してもしなくてもオレが護衛する事に変わりはない。」
コイツ…… まさかのオレサマ系? 男の娘で無表情でオレサマ系とか属性盛りすぎでしょうよっ!?
キ ラ イ じ ゃ な い わ !
コホンッ!
と、気を取り直していると。
「それに、ザインの方がきな臭くなってきたしな。」
とボソリと呟くのが聞こえた。
ザインか……
どうも兵力を増強しているようだし。
たしかになにか起きそうよね。
「まあいいわ。 でも私より弱くて護衛なんて務まるの?」
なんか思わずイヤミを言ってしまった。 まあ、ここまでオレサマなんだものこれくらいいいわよね?
と思ったのだけど。
「問題ない。 そも護衛は強くある必要もない。 どれだけ依頼主を庇えるか、どれだけ盾になって死ねるか。 それが重要だ。」
そんなことを言われてしまった……
そうして礼法室から出てすぐ。
「あー! ヴァネッサちゃんはっけーーーんっ!」
と言うサヴィリス様の声が廊下に響いた。
「はひっ、はひっ、サ、サヴィま、まって……」
そして、サヴィリス様に手を引かれ、走り連れまわされたのだろう、ラヴィリス様が青色吐息で今にも倒れそうだ。
「お! いたいた。」
そこにヴィヴィリオ様、リーヴィス様、まあつまり全員がドヤドヤとやって来た。
「ヤホー! ヴァネッサちゃん! これからお茶しよー!!」
サヴィリス様が呑気にそう提案してくる。
……まずはラヴィリス様を休憩させる方が先じゃないんですかね?
と、思ったがすぐに回復したらしいラヴィリス様は、サヴィリス様に注意をしだした。
うーん、この子も原作と違うなあ。 身体が弱いのは変わらないようだけど。 なんか逞しいというか?
私は皆を見渡す。
ハルトヴァリオ様、リーヴィス様、ヴィヴィリオ様、アーネリオ様にサヴィリス様に、ラヴィリス様。 ヴェントール様。 そしてルミエス…… 皆が悪役令嬢である私を囲って笑顔で接してくれている。
本当の本当に、どうしてこうなった! って感じだけども。
私は私よ! このまま絶対に生き残ってやるっ!
そう誓ったのだ!
ー 我を忘れるとはひどい女だ。 まあそこも魅力の内か ククッ -
……ああ、はいはいヴラドもねっ!
吸血の口づけは誰がために プロローグ ゲームの終わりリアルの始まり 完
次回 吸血の口づけは誰がために 後日談から始まる恋の詩
まさかここでその名前を聞く事になろうとは……
私は、片膝を付いて騎士の礼をしてこちらを見ている彼を見て、ため息を吐きそうになったわ。
「騎士団、まだ残ってたのね……」
「ああ、身分一切関係なしの完全実力主義の集団だ。 まあオレは出向という形だがな。」
無表情で淡々と話すから思考が読みずらいったらないわ。
と、いうか。
「聞きたい事があるわ。 なぜあなたが、ジュマッカ伯爵の令嬢としてここにいるのかと言う事よ。」
ジュマッカ伯爵は忠臣として有名だわ。 そんな彼が帝国に組するとも思えないのだけど。
「そんな事か。 本来、オレの俗属している組織シュラーダには色々な能力を持つ者がいてな、その内の一人が洗脳、催眠が得意でな。 伯爵には娘がいると思いこませてもらった。」
なんてこと! そんな事が出来るならスパイが入り放題じゃないっ!?
「心配するな。 普通のスパイならわざわざこんな事をする必要はない。 手間暇が掛かりすぎる。」
破壊や暗殺活動もな。 と、やはり淡々と話す姿はなんとも不気味だわ。
でもまだ聞きたい事があるわ。
「で、なんで女装して、令嬢になってまで潜入したのよ?」
その質問にわずかだが、ピクリと彼の眉が動いた気がしたわ。
「しかたがないだろう。 潜入だけならまだしもさらに護衛しろと言うんだ。 本来はヴァンプリージェ公爵家の侍女になって潜入する予定だったが、まったく入り込む隙がなかった。」
うーん、さすが我が家! お父様GJ!
「納得したか? まあ納得してもしなくてもオレが護衛する事に変わりはない。」
コイツ…… まさかのオレサマ系? 男の娘で無表情でオレサマ系とか属性盛りすぎでしょうよっ!?
キ ラ イ じ ゃ な い わ !
コホンッ!
と、気を取り直していると。
「それに、ザインの方がきな臭くなってきたしな。」
とボソリと呟くのが聞こえた。
ザインか……
どうも兵力を増強しているようだし。
たしかになにか起きそうよね。
「まあいいわ。 でも私より弱くて護衛なんて務まるの?」
なんか思わずイヤミを言ってしまった。 まあ、ここまでオレサマなんだものこれくらいいいわよね?
と思ったのだけど。
「問題ない。 そも護衛は強くある必要もない。 どれだけ依頼主を庇えるか、どれだけ盾になって死ねるか。 それが重要だ。」
そんなことを言われてしまった……
そうして礼法室から出てすぐ。
「あー! ヴァネッサちゃんはっけーーーんっ!」
と言うサヴィリス様の声が廊下に響いた。
「はひっ、はひっ、サ、サヴィま、まって……」
そして、サヴィリス様に手を引かれ、走り連れまわされたのだろう、ラヴィリス様が青色吐息で今にも倒れそうだ。
「お! いたいた。」
そこにヴィヴィリオ様、リーヴィス様、まあつまり全員がドヤドヤとやって来た。
「ヤホー! ヴァネッサちゃん! これからお茶しよー!!」
サヴィリス様が呑気にそう提案してくる。
……まずはラヴィリス様を休憩させる方が先じゃないんですかね?
と、思ったがすぐに回復したらしいラヴィリス様は、サヴィリス様に注意をしだした。
うーん、この子も原作と違うなあ。 身体が弱いのは変わらないようだけど。 なんか逞しいというか?
私は皆を見渡す。
ハルトヴァリオ様、リーヴィス様、ヴィヴィリオ様、アーネリオ様にサヴィリス様に、ラヴィリス様。 ヴェントール様。 そしてルミエス…… 皆が悪役令嬢である私を囲って笑顔で接してくれている。
本当の本当に、どうしてこうなった! って感じだけども。
私は私よ! このまま絶対に生き残ってやるっ!
そう誓ったのだ!
ー 我を忘れるとはひどい女だ。 まあそこも魅力の内か ククッ -
……ああ、はいはいヴラドもねっ!
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