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第一章 暴虐皇子のやり直し開始
6話 暴虐皇帝へ反旗を翻し因縁の街
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軍事訓練の次は、文官達の政務会議への出席を予定していた
俺は自室でミスリルの鎧を脱がしてもらい、政務服へと着替えると文官達が会議している政務会議室へと向かった
この部屋には政務官でもあるヒルダも同席する事になっている
既に会議は始まっており、ドアの外にまで熱い討論が繰り広げられているのが聞こえて来た
会議室に近づくと、扉の前を警護していた守備兵が俺に気付き姿勢よく敬礼すると、会議室のドアの金具を握りコンコンとノックした
「アーサー皇太子殿下がご入室されます!!」
そう大きな声でドアに向かって叫ぶと、先ほどまでの喧騒が嘘の様に会議室の向こうが静かになる・・・
二人の守備兵によって両側からドアが開かれると、俺は深紅のマントを一度翻し皆に黄金の獅子のレリーフを見える様にしてからゆっくりと部屋の中へと歩みを進める
会議室内は10名ほどの文官が長丸の大きなテーブルを取り囲む様に立ち、俺に向かって深々と頭を下げている
ヒルダは俺のすぐ後を軽く頭を下げつつ、俺のマントを手に持ち付き従った
俺は部屋の一番奥に設置された荘厳な椅子へとゆっくりと腰を下ろすと、皆が俺の方へ向き再び頭を下げた
「殿下、この度は学業の合間の貴重なお休みに、我等の会議にご出席くださり誠にありがとうございます」
俺に一番近い場所で頭を下げているこの男は、赤い髪の毛を後ろで束ね、スラっとした高身長に鍛え抜かれた肉体を持ち、文武両面に非凡な才能を持つ、財務省高官ガウェイン=アガシオン・・・そう、あの裏切者のランスロット=アガシオンの8歳上の兄である
「良いガウェイン、これも皇太子としての責務だ、皆もご苦労・・・着席せよ」
俺の言葉に全員が一礼し、着席した・・・ヒルダは俺の後方に控える様に立っている
(宰相ザッハ=ドヴェルは・・・今日は居ないか・・・)
周囲を見渡し、要注意人物の姿が無い事に内心で安堵する・・・ザッハの正体が魔族だと知っている今、奴と冷静に対峙出来る自信が無い
『アーサー様!!バハルス共和国から陛下にと贈られてきた献上品の中に、毒の仕込まれた果物が!』
『陛下のご病気を治す為には、神龍公国に伝わる秘薬「アムリタ」が必要です、ここは殿下自ら神龍公国と交渉する事が最善です』
あの時、奴の言葉に惑わされ、神龍公国の公王の妃の命とも知らず「アムリタ」を要求し、公国から怒りを買い交渉は決裂に・・・俺は事情を知らぬまま神龍公国に戦争を仕掛けた
ザッハの進言に従い、バハルス共和国と敵対関係にあったルト王国と同盟を結ぶ・・・
この時最後まで同盟に反対していたヒルダを、ザッハがバハルス共和国の内通者と俺に吹き込み処分を進言してきたが、そこまで非情になれず暇を出した
ルト王国にバハルス共和国の牽制を依頼し、、全軍で神龍公国に戦争を仕掛けるも5倍の兵力差をひっくり返され、全軍敗走・・・この戦いで帝国の約70%の戦力を失う事になる
敗軍の将として、命からがらヴァルハラ城へと帰還した俺に、
『クククク、愚鈍、無能、・・・賢帝と呼ばれたマーリン皇帝の後継が、貴様のようなゴミカスだった事・・・マーリンもあの世で悔いておるだろうよ、アハハハハ』
魔族特有の青紫の地肌と、魔素を効率よく吸収する為の2本の角・・・魔族としての正体を現したザッハは神龍公国遠征から逃げ帰った俺に向け高笑いしながらそう告げ闇の中へと消えて行った
(今の時点で何とか奴の正体を暴き、陛下のお傍から遠ざけねば・・・)
「・・・・について、殿下の御意見を頂戴したく」
「!?」
考え事をしていた話を聞いて居なかった・・・ガウェインは俺の方を半ば呆れた様な眼で見つめてくる
「すまない、少し考え事をしていた・・・なんの話だったか」
「では、最初からご説明させて頂きます・・・昨年末に帝国南部の商業都市ゲイボルグ近郊にて河川の氾濫により多くの商業施設と近隣の農村が大打撃を受けた影響で、かの領地での本年度の税収が昨年の6割を切る試算となっております、領主からもゲイボルグの町長からも近隣の農村からも減税についての嘆願が多く届いている件で御座います・・・」
まぁガウェインも皇太子を立てる為に形式的に俺に話を振ったつもりなのだろう...その俺に同じ事をもう一度説明しなくてはならないので内心かなりイライラしているのだと思う、事実、俺への説明はかなり早口だった
まぁ1周目の俺は、政治には全く興味がなかったから、この場ではいつも居眠りしていた...まぁ実際ガウェインも「またどうせ居眠りしてたんだろ?」とか思ってるに違いない
だけど、たまたまこの南部の商業都市ゲイボルグの事は覚えていた...何故ならアドルを擁したミョルニル侯爵が俺が皇帝に即位した帝国に反旗を翻し決起宣言をした街だからだ
『暴虐皇帝を討つ為、我、天啓を得たり!我等を導く聖王アドルと共に皆、立ち上がれ!!!』
俺は自室でミスリルの鎧を脱がしてもらい、政務服へと着替えると文官達が会議している政務会議室へと向かった
この部屋には政務官でもあるヒルダも同席する事になっている
既に会議は始まっており、ドアの外にまで熱い討論が繰り広げられているのが聞こえて来た
会議室に近づくと、扉の前を警護していた守備兵が俺に気付き姿勢よく敬礼すると、会議室のドアの金具を握りコンコンとノックした
「アーサー皇太子殿下がご入室されます!!」
そう大きな声でドアに向かって叫ぶと、先ほどまでの喧騒が嘘の様に会議室の向こうが静かになる・・・
二人の守備兵によって両側からドアが開かれると、俺は深紅のマントを一度翻し皆に黄金の獅子のレリーフを見える様にしてからゆっくりと部屋の中へと歩みを進める
会議室内は10名ほどの文官が長丸の大きなテーブルを取り囲む様に立ち、俺に向かって深々と頭を下げている
ヒルダは俺のすぐ後を軽く頭を下げつつ、俺のマントを手に持ち付き従った
俺は部屋の一番奥に設置された荘厳な椅子へとゆっくりと腰を下ろすと、皆が俺の方へ向き再び頭を下げた
「殿下、この度は学業の合間の貴重なお休みに、我等の会議にご出席くださり誠にありがとうございます」
俺に一番近い場所で頭を下げているこの男は、赤い髪の毛を後ろで束ね、スラっとした高身長に鍛え抜かれた肉体を持ち、文武両面に非凡な才能を持つ、財務省高官ガウェイン=アガシオン・・・そう、あの裏切者のランスロット=アガシオンの8歳上の兄である
「良いガウェイン、これも皇太子としての責務だ、皆もご苦労・・・着席せよ」
俺の言葉に全員が一礼し、着席した・・・ヒルダは俺の後方に控える様に立っている
(宰相ザッハ=ドヴェルは・・・今日は居ないか・・・)
周囲を見渡し、要注意人物の姿が無い事に内心で安堵する・・・ザッハの正体が魔族だと知っている今、奴と冷静に対峙出来る自信が無い
『アーサー様!!バハルス共和国から陛下にと贈られてきた献上品の中に、毒の仕込まれた果物が!』
『陛下のご病気を治す為には、神龍公国に伝わる秘薬「アムリタ」が必要です、ここは殿下自ら神龍公国と交渉する事が最善です』
あの時、奴の言葉に惑わされ、神龍公国の公王の妃の命とも知らず「アムリタ」を要求し、公国から怒りを買い交渉は決裂に・・・俺は事情を知らぬまま神龍公国に戦争を仕掛けた
ザッハの進言に従い、バハルス共和国と敵対関係にあったルト王国と同盟を結ぶ・・・
この時最後まで同盟に反対していたヒルダを、ザッハがバハルス共和国の内通者と俺に吹き込み処分を進言してきたが、そこまで非情になれず暇を出した
ルト王国にバハルス共和国の牽制を依頼し、、全軍で神龍公国に戦争を仕掛けるも5倍の兵力差をひっくり返され、全軍敗走・・・この戦いで帝国の約70%の戦力を失う事になる
敗軍の将として、命からがらヴァルハラ城へと帰還した俺に、
『クククク、愚鈍、無能、・・・賢帝と呼ばれたマーリン皇帝の後継が、貴様のようなゴミカスだった事・・・マーリンもあの世で悔いておるだろうよ、アハハハハ』
魔族特有の青紫の地肌と、魔素を効率よく吸収する為の2本の角・・・魔族としての正体を現したザッハは神龍公国遠征から逃げ帰った俺に向け高笑いしながらそう告げ闇の中へと消えて行った
(今の時点で何とか奴の正体を暴き、陛下のお傍から遠ざけねば・・・)
「・・・・について、殿下の御意見を頂戴したく」
「!?」
考え事をしていた話を聞いて居なかった・・・ガウェインは俺の方を半ば呆れた様な眼で見つめてくる
「すまない、少し考え事をしていた・・・なんの話だったか」
「では、最初からご説明させて頂きます・・・昨年末に帝国南部の商業都市ゲイボルグ近郊にて河川の氾濫により多くの商業施設と近隣の農村が大打撃を受けた影響で、かの領地での本年度の税収が昨年の6割を切る試算となっております、領主からもゲイボルグの町長からも近隣の農村からも減税についての嘆願が多く届いている件で御座います・・・」
まぁガウェインも皇太子を立てる為に形式的に俺に話を振ったつもりなのだろう...その俺に同じ事をもう一度説明しなくてはならないので内心かなりイライラしているのだと思う、事実、俺への説明はかなり早口だった
まぁ1周目の俺は、政治には全く興味がなかったから、この場ではいつも居眠りしていた...まぁ実際ガウェインも「またどうせ居眠りしてたんだろ?」とか思ってるに違いない
だけど、たまたまこの南部の商業都市ゲイボルグの事は覚えていた...何故ならアドルを擁したミョルニル侯爵が俺が皇帝に即位した帝国に反旗を翻し決起宣言をした街だからだ
『暴虐皇帝を討つ為、我、天啓を得たり!我等を導く聖王アドルと共に皆、立ち上がれ!!!』
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