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ヨハンセン・ヘイスティン・ヴェドニアを誑かす方法(2) ※
しおりを挟む「婚約者の方は、今夜はいらっしゃらないのですか?」
「あいつは俺が嫌いなんだ。母上の命令で俺と無理やり婚約させられたから。今日だって急に体調が悪くなったって直前で言ってきたんだ。仮病に決まってる」
「それじゃあ、わたしが殿下をいただいてしまおうかしら」
「メリーティア……ヨハンって呼んで。さっき言ってたみたいに、ぎゅって抱き締めてくれよ」
要望どおりヨハンセンを胸に抱き寄せる。柔らかい双丘に顔を埋めさせ、顔を包み込むように抱いて頭を撫でてやった。
「メリーティアはいい匂いがする」
「そこ、ほかより汗をかいてしまうんです。汗くさくないかしら?」
「……全然、すごく……いい匂いだ」
谷間に鼻先を埋めて、ヨハンセンは息を荒らげる。
雲のように柔らかな胸に包まれていると、身体から力が抜けてしまいそうになるほど心地いい。その反面、めちゃくちゃに揉みしだきたくなる欲求もわき上がった。
こんなふうに他人から好意を寄せられるのは初めてだ。
うれしくてたまらない気持ちが落ち着かず、鼓動がどきどきと忙しない。
自分のことを好きだと言ってくれるメリーティアを、早く己のものにしたかった。ほかの誰でもなくヨハンセンのものだともっと強く実感させてほしかった。メリーティアがほしい。ほしくてたまらない。このままではどうにかなってしまいそうで、ヨハンセンは思いの丈をぶつけるように彼女の身体を力の限り抱き締めた。
「……ッあ!」
かり、とトラウザーズの上から股間をくすぐられ、ヨハンセンは全身を震わせる。
そこで初めて自身が興奮していることに気がついた。
トラウザーズは勃起した陰茎によりパツパツに盛り上がっている。
どうやら無意識のうちにメリーティアに押しつけてしまっていたらしい。労わるように手ですりすりとさすられ、さらに膨らみが大きくなっていく。
足にぴったりと添う細身のデザインなため、先端がどこにあるかもすぐにわかってしまう。カリの段差や先走りが滲む場所を爪でかりかりと優しく引っ掻かれ、ヨハンセンは腰をびくびくと跳ねさせた。セックスに比べれば些細な刺激なのに、気持ちよくてすぐに達してしまいそうになる。
「んッ、はぁ……やめ」
「やめていいんですか?」
微笑みながら問われ、ヨハンセンは喉を鳴らす。
「やだ、やめてほしくない……っ」
潤んだ瞳で懇願すると、ヨハンセンはメリーティアの唇を奪った。ゴシップ誌に報じられているとおり爛れた生活を送っているようで、舌遣いは手慣れている。けれど必死な様子は、メリーティアを本気で欲していることを窺わせた。
「ん、ん……はぁ、メリーティアを抱きたい」
「ふふっ、こんなところで?」
「俺のっ、俺の部屋に行こう……っ早く」
ヨハンセンはメリーティアの腕をぐいぐいと引っ張る。テラスから中へ戻ると人気の少ない場所を選んで通り、会場を抜け出した。
本宮のヨハンセンのプライベートルームにようやく辿り着くと、扉を閉めた途端口づけられる。そのまま移動して、足をもつれさせてベッドにふたりして倒れ込んだ。
メリーティアは一旦顔を離すと、ヨハンセンを焦らすように唇をなぞってからおもむろに身体を起こした。それからいきなりドレスを脱ぎ捨てると、膝の上にヨハンセンの頭を乗せる。
「あ……あ……メリーティアの胸、なんてきれいなんだ」
目の前に迫った桃色の突起に、ヨハンセンがたまらずむしゃぶりついた。
ヨハンセンの頭を片腕で抱きかかえながら、もう一方の手を下半身へ伸ばす。膨張しきって脈打つ屹立をトラウザーズ越しに撫でた。
「はッ……うう、……っく」
「ここ、苦しそうですね?」
「苦しいっ、いっぱい、撫でて……」
「あらあら、甘えん坊さんですね」
メリーティアはトラウザーズを寛げると、下着ごとずらした。
ぷるんと飛び出した陰茎は先端がしとどに濡れており、尿道口がぱくぱくと開閉している。震えるそれを握ると、ヨハンセンは思わず乳首から口を離して情けない声を上げた。
先走りを指にまとわりつかせ、棹を上下に擦る。
再び胸をちゅうちゅうと吸いだしたヨハンセンは、至福の表情を浮かべていた。
「よしよし、いいこ。ヨハンはいいこね。頭を撫でてあげましょうね」
そう言って亀頭を撫でると、ヨハンセンは腰をガクガクと震わせた。
「出してもいいですよ……ほら、よしよし」
「ふ、うう……っでる、でる……ぐ、ンン」
棹を素早く扱くと、あっけなく果ててしまった。
びゅーびゅーと射精しながらも胸を吸い続けるヨハンセンは、恍惚とした様子だ。母親からも、これまで夜伽の相手をしてきた女性たちにも、こんなふうに甘やかされたことなど一度もないのだろう。
この甘いだけの夜にどっぷり浸かって、抜け出せなくなってしまえばいい。
「まあ、じょうずじょうず。いっぱい出ましたね。えらいえらい」
褒めてやると、喜びを表すように屹立が揺れる。そこは一度達しても力を失っていなかった。
夢中になって口の周りが涎でべとべとになってもかまわず胸をしゃぶっていたヨハンセンは、乳首を取り上げられると切なげな声を上げた。
「おっぱい大好きなんですね」
「すき、すき……メリーティアが好きだ」
「わたしも好きですよ、ヨハン」
「もっと、もっと、俺だけが好きって言って。俺がいちばんって証明して。俺だけを愛してるってわからせてよメリーティア……!」
メリーティアはヨハンセンの腰を跨ぐと、後ろ手に陰茎を握って蜜口にあてがった。
こうなることを見越して避妊薬は飲んである。
鳥肌が立つような感覚を振り払い、メリーティアは陰茎を胎内へ受け入れた。涙を流して震えるヨハンセンと両手を繋ぎ、彼の身体の上でなまめかしく跳ねてみせる。
「メリーティア……っ、ぁあ!」
その交わりは、どちらかが気を失うまで続くのだった。
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