幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

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「全部はさすがに無理だったか。でもニーナの一番奥まで入ったよ。はー……うれしいな。ニーナの初めてが僕で、泣きそうなくらいうれしい。正直自分じゃ制御できなくなりそうなくらい興奮してるけど、心配しないで。ニーナの中が僕の大きさに慣れるまでじっとしているからね。ああニーナ、気持ちよさそうな顔してる。かわいい。かわいいね」
「んっ、……くすぐった、い」

 ほかの場所への愛撫をやめたヘンリーは、ニーナに覆いかぶさって顔中にキスの雨を降らせた。これも、「愛し合う人たちがすること」なのだろうか。ヘンリーの柔らかい唇が肌に触れるのが心地よかったから、ニーナもただ受け入れた。

 中に入っているヘンリーのものはずっとビクビク震えていて、本当は動きたくてたまらないようだ。ヘンリーが興奮してくれていることが、ニーナはなぜかとてもうれしかった。
 ニーナがぎゅうぎゅうと食い締めると、ヘンリーは息を詰める。震える吐息は熱かった。

「……はあ、締めつけがきつくて、すごく気持ちいい。このまま出ちゃいそう……」
「ヘンリー……もう、動いていいわよ」

 ニーナはもう中で快感を得る術を知っている。ヘンリーの規格外の大きさにも、女性の膣というのは意外と相手に合わせて拡がるものなのか、もうほとんど馴染んだようだった。中はじゅうぶんに潤んでいるから、出たり入ったり擦られたとしても痛くはないはずだ。
 それにいい加減、子宮の疼きが我慢の限界だった。
 快感を知ってしまう前にはもう二度と戻れない。ニーナの身体は、ヘンリーに教え込まれた快感を欲していた。

 一瞬真顔になったヘンリーが、ニーナの腰を掴む。奥まで入っていた陰茎が引き抜かれて、ばちゅんっと思い切り突き上げられた。
 ニーナは衝撃で口を開け、押し出されたような息を漏らす。

「煽っちゃだめだよ、ニーナ。これでも必死に我慢してるんだから」
「あっ、あ……! あッ、すご……い、あぁッ!」
「気持ちいいんだ? 初めてなのに気持ちよくなれてえらいね」
「~~~~ッ! あ、あっ、あっ」

 先ほどまでの優しさが嘘のように、激しい腰使いで貫かれる。指でしっかりと愛撫されたのと、慎重に挿入されたおかげで痛くはない。それどころか気持ちよくて、ニーナは目を見開いてびくびくと震えていた。
 ニーナの中がうねり、ぎゅーっと収縮する。射精を促すような膣の動きで、ニーナが達したことはヘンリーに筒抜けだった。

「中だけでイけたの?」
「イ……? な、に……っ? ひあッ、ん、あっ」
「今の感覚だよ。気持ちいいのが溜まっていって、もうだめーってなるくらいのところでそれが弾ける瞬間。いわゆる絶頂だね。次はイクって言ってみて? ほーら、イク、イク、イク」

 ヘンリーが呪文のように唱えながら奥を突くと、びりびりと気持ちいいのが迫ってくる。イクイクと言われていると頭の中がそれでいっぱいになって、ニーナは無意識のうちに「イク」とこぼしていた。その瞬間、快感の最大値が振り切れて目の奥に火花が散る。

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