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翌日 いつものように未知は 一生懸命 仕事をしていた
その時 主任に手を止めるように言われた
「えっ! 無理です!」
主任が 怪訝そうな顔をする
「係長が あなたを呼んでいるの 第2会議室よ 入社した時に使った場所よ 行ってちょうだい」
未知は焦った
容器はドンドン来るのに 手は止められない
また 泣きそうになった
主任は 大きくため息を吐いた
「あなたが 手を止めても 他の人がカバーをするから・・・えっと・・・他の人が あなたが いない間 頑張って あなたの分まで やってくれるから大丈夫よ」
そうなんだ・・・
未知は 勇気を出して 手を止めた・・・
本当だ・・・大丈夫だ・・・
未知は ホッとした
そして 未知がいなくても みんなが動いている光景から 目が離せなかった
1人抜けても 大丈夫なんだ・・・
それは なんか不思議だった
「さあ 早く 行ってちょうだい」
主任の冷たい声に 未知は慌てて会議室に向かった
迷いながらも 何とか 会議室にたどり着きドアを開けた
「失礼します・・・」
恐る恐る中に入る
長机に 書類の束とノートパソコンが置かれ 係長がその前に座っていた
「吉田未知さんだね」
「はい・・・」
「じゃあ 前の椅子に座りなさい」
未知は椅子に座った
「入社 半年になる社員には 現状の把握のため面談を行うことになっている 仕事はどうだね 上手くやっているかね?」
「・・・」
「ん? どうだね仕事は?・・・どうした?」
広い会議室に係長と二人
これって 部屋で二人・・・と同じだよね
係長は男性・・・
昨日 ママに聞かされた話が甦る
「怖い・・・」
「えっ? 何が怖いんだ?」
係長の顔が 未知には悪魔に見えた
半笑いで 未知を見ている
「お姫様になれない!」
「はあ!何を言っているんだ⁉」
未知は 椅子から転げ落ち 後ずさりする
「キャー‼」
その場から立ち上がり 躓きながら未知は 奇声を発し 会議室から現場に逃げ戻った
「どうしたの!」
主任が慌てて 未知を抱きとめた
「落ち着きなさい 何があったのか ゆっくりでいいから話しなさい」
未知は しゃくりあげて大泣きした
そんな 未知の背中を主任はさすりながら 話し出すまで待ってくれる
そこに 係長が追ってきた
係長の姿を見た未知は 主任の背中に隠れた
「どういうことですか? 係長」
「僕にも わからんよ!」
「一旦 外に出ましょ みんな!よろしくね!」
周りも この騒動は気になるだろうが 製造ラインを止めるわけには いかない
3人は外に出た
未知は 主任の背中から離れない
「就業半年の確認ですよね」
「そうだよ それだけだよ なのに いきなり 奇声を発して出て行ったんだ まるで 僕が何かしたみたいじゃないか! こんなこと迷惑だ まったく!」
「そうですか・・・」
主任は 未知に向き合って 目線を合わせる
「吉田さん この工場に来て半年になるの わかるかしら?」
未知は頷く
「係長は 吉田さんが 今やっている仕事に満足しているのか? 聞きたかっただけよ だから あなたが心配しているようなことは無いから安心して」
えっ!そうなんだ・・・
「ったく! 頭が足らない奴は 何考えているかわからん! 迷惑だ!」
頭が足らない・・・その言葉は 何度も言われたことがある
未知にとって 傷つく言葉
わかっている 未知も そうなのだろうと思う
「係長!! 吉田さんに謝ってください!」
主任が突然怒り出した
「だから! 何もしていないって言っただろう!」
「違います! 『頭が足らない』と言ったところです!」
「はぁ! こっちとて わけわからんのだよ!」
「理解できないことがあるのは わかります しかし 吉田さんにも ちゃんとした理由があるのです 頭が足らないわけではありません‼」
いつも 冷静な主任が 未知のために怒っている
そのことに 未知は驚いた
「そんなこと! 理解できるか! いい迷惑だ!」
係長は プンプン怒りながら去っていった
結局 未知が どうして係長から逃げてきたのか 追及されることはなかった
なのに 主任は 未知の気持ちを理解してくれた
もしかして 優しい人なのかも・・・と未知は思う
主任はため息を吐きながら 「現場に戻って 仕事しましょ」 と頭を撫でてくれた
ずっと 主任には嫌われていると思っていた
未知は 主任の冷たい顔が 優しく見えてきた
そして 主任のことが 少し好きになった
☆☆
その時 主任に手を止めるように言われた
「えっ! 無理です!」
主任が 怪訝そうな顔をする
「係長が あなたを呼んでいるの 第2会議室よ 入社した時に使った場所よ 行ってちょうだい」
未知は焦った
容器はドンドン来るのに 手は止められない
また 泣きそうになった
主任は 大きくため息を吐いた
「あなたが 手を止めても 他の人がカバーをするから・・・えっと・・・他の人が あなたが いない間 頑張って あなたの分まで やってくれるから大丈夫よ」
そうなんだ・・・
未知は 勇気を出して 手を止めた・・・
本当だ・・・大丈夫だ・・・
未知は ホッとした
そして 未知がいなくても みんなが動いている光景から 目が離せなかった
1人抜けても 大丈夫なんだ・・・
それは なんか不思議だった
「さあ 早く 行ってちょうだい」
主任の冷たい声に 未知は慌てて会議室に向かった
迷いながらも 何とか 会議室にたどり着きドアを開けた
「失礼します・・・」
恐る恐る中に入る
長机に 書類の束とノートパソコンが置かれ 係長がその前に座っていた
「吉田未知さんだね」
「はい・・・」
「じゃあ 前の椅子に座りなさい」
未知は椅子に座った
「入社 半年になる社員には 現状の把握のため面談を行うことになっている 仕事はどうだね 上手くやっているかね?」
「・・・」
「ん? どうだね仕事は?・・・どうした?」
広い会議室に係長と二人
これって 部屋で二人・・・と同じだよね
係長は男性・・・
昨日 ママに聞かされた話が甦る
「怖い・・・」
「えっ? 何が怖いんだ?」
係長の顔が 未知には悪魔に見えた
半笑いで 未知を見ている
「お姫様になれない!」
「はあ!何を言っているんだ⁉」
未知は 椅子から転げ落ち 後ずさりする
「キャー‼」
その場から立ち上がり 躓きながら未知は 奇声を発し 会議室から現場に逃げ戻った
「どうしたの!」
主任が慌てて 未知を抱きとめた
「落ち着きなさい 何があったのか ゆっくりでいいから話しなさい」
未知は しゃくりあげて大泣きした
そんな 未知の背中を主任はさすりながら 話し出すまで待ってくれる
そこに 係長が追ってきた
係長の姿を見た未知は 主任の背中に隠れた
「どういうことですか? 係長」
「僕にも わからんよ!」
「一旦 外に出ましょ みんな!よろしくね!」
周りも この騒動は気になるだろうが 製造ラインを止めるわけには いかない
3人は外に出た
未知は 主任の背中から離れない
「就業半年の確認ですよね」
「そうだよ それだけだよ なのに いきなり 奇声を発して出て行ったんだ まるで 僕が何かしたみたいじゃないか! こんなこと迷惑だ まったく!」
「そうですか・・・」
主任は 未知に向き合って 目線を合わせる
「吉田さん この工場に来て半年になるの わかるかしら?」
未知は頷く
「係長は 吉田さんが 今やっている仕事に満足しているのか? 聞きたかっただけよ だから あなたが心配しているようなことは無いから安心して」
えっ!そうなんだ・・・
「ったく! 頭が足らない奴は 何考えているかわからん! 迷惑だ!」
頭が足らない・・・その言葉は 何度も言われたことがある
未知にとって 傷つく言葉
わかっている 未知も そうなのだろうと思う
「係長!! 吉田さんに謝ってください!」
主任が突然怒り出した
「だから! 何もしていないって言っただろう!」
「違います! 『頭が足らない』と言ったところです!」
「はぁ! こっちとて わけわからんのだよ!」
「理解できないことがあるのは わかります しかし 吉田さんにも ちゃんとした理由があるのです 頭が足らないわけではありません‼」
いつも 冷静な主任が 未知のために怒っている
そのことに 未知は驚いた
「そんなこと! 理解できるか! いい迷惑だ!」
係長は プンプン怒りながら去っていった
結局 未知が どうして係長から逃げてきたのか 追及されることはなかった
なのに 主任は 未知の気持ちを理解してくれた
もしかして 優しい人なのかも・・・と未知は思う
主任はため息を吐きながら 「現場に戻って 仕事しましょ」 と頭を撫でてくれた
ずっと 主任には嫌われていると思っていた
未知は 主任の冷たい顔が 優しく見えてきた
そして 主任のことが 少し好きになった
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