解き放つ ~光と影のあいだで~

青空 蒼空

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 6時間目の体育の授業が サッカーだった・・・

 目立たないようにと思ったが 基本サッカーが好きな俺は だんだん夢中になっていった
 部活を辞めて もう1年近くになるというのに体は覚えているもので 水を得た魚のように 俺は周りに指示を出し始めてしまった 
 
 敵チームに清水がいることで ゴールへの執念が上乗せされていく
 味方チームのメンバーは 普段大人しい俺に戸惑いを感じていたようだが もう気持ちが後に引けない 
 しかし 俺の動きに周りはついて行けないのか 聞く耳を持ってくれないのか うまく連携ができない
 
 俺は だんだん イライラとしてきた
 清水に どうしても勝ちたかった
 そんな俺は 単独プレーに出てしまった
 1人でゴールを目指し 1人でシュート

 そんな俺にチームメイトは ますます冷めきってしまい ゲームを放棄しだした 
 ただ グランドにいるだけ・・・
 チームメイトは 最後までゲームに戻ることはなかった
 
 そんな中 敵チームの清水は 違った・・・
 チームは一致団結して試合に臨む 
 まるで みんなサッカー部か?というような連携プレー
 たまたま 上手いやつが集まっているのだろうと思ったが どうも違うようだ
 清水が 周りにレベルを合わせ指示を出し ゲームに臨んでいる
 みんな楽しそうだ
 
 勝っていたはずの俺は みんなの試合放棄とともに あっという間に逆転され大敗してしまった

 惨めだった・・・
 全てにおいて勝てるわけがないのに またムキになった自分が・・・もっと嫌になった・・・

 体育が終わり 教室で制服に着替えていたら クラスメイトが口々に話している声が耳に届く

 「柴田って 何 張り切ってんの? 生意気に指示だして」
 「一人で 勝手にサッカーしてさ 面白くないっちゅうーの」
 「清水のチームに 入りたかったな」
 「あいつ1年の時から やたら清水と張り合っているの レベル違うのに おかしくね?」

 耳が痛い・・・ 
 分かってるよ!
 分かってんだよ!
 それ以上 もう! やめてくれ!

 俺の惨めな気持ちに拍車がかかる
 これが絶望というものか?
 
 すると・・・

 「聞こえよがしに 悪口言うのよせよ」
 清水が言った・・・

 「だけどさ あれは ないわ ムカつく」
 「だったら その時 本人に言えばいいだろう 後になって集団で言うんじゃなくてさ」
 「まぁ・・・そうなんだけどさ・・・」

 全然 嬉しくない・・・ 
 清水に援護されても嬉しくない!
 
 俺の中で 何かが壊れた・・・

 「うるせー‼」
 大声で怒鳴ってしまった・・・
 
 もう この場に居られない
 早く・・・消えてしまいたい・・・
 
 着替え終わった俺は 終礼の時間を待たずに 鞄をもって教室を出た 
 もう限界だ・・・耐えられない・・・

 離れて行く教室から 「庇ってくれた清水に失礼な奴だ」 とクラスメイトの声が微かに聞こえてきた 
 すれ違う女子には 白い目で見られている気がした・・・

 もう俺の人生 終わったな・・・
 生きているのが嫌になった
 もう終わらせよ
 こんな自分を終わらせよ

 気付いたら どこかのビルの屋上にいた
 フェンスに手をかけている
 俺 死ぬのか?
 死ぬか・・・生きていても恥ずかしいからな・・・
 俺なんて どうでもいいし・・・
 足をかけ フェンスに登ろうとした時
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