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「夏樹! 久しぶり!」
渉が清水と親し気に話す
「元気そうだな」
「毎日 好きなことしているからね!」
「そうか それは良かった」
と爽やかに清水は微笑む
俺の心に陰りが差す
どういうことだよ・・・
どうなってんだよ!
「渉が言っていた お兄さんって柴田のこと?」
「そうだよ 夏樹!」
渉は俺の方を向き嬉しそうに話す
「夏樹はね 従兄なんだ!
2人も友達だったんだ!」
友達じゃねえよ・・・
なんだよ この半端ない劣等感・・・
また 俺の中で惨めな気持ちが浮上する・・・
「巧也は毎日 僕に勉強を教えてくれるんだ!
絶対 夏樹と同じ高校行くからな!」
「・・・勉強なんて やめちまえよ
もっと好きなことしなよ」
「だから!
毎日好きなことしているって言っているじゃん!」
「勉強が?よく言うぜ
ほら ゲーム機持ってきてやったから やろうぜ」
「いやだ!」
と渉が大声を出す
「巧也! 病室戻って勉強の続きを教えて!
行こう!」
渉は 俺の手を引っ張り病室に戻ろうとするが 俺はその手を振り払った
「どしたの・・・? 巧也・・・」
俺を見て渉は目を見開いて驚く
「清水に 教えてもらえよ」
「えっ? 何で? 巧也どうしたの?」
「俺じゃなくて 清水に教えてもらえばいいだろ!
こんな身近に目標の奴がいるのなら わざわざ俺じゃなくていいだろう!
それに清水は友達じゃない! 馬鹿にするな!」
俺は最低だ 病気の中学生に何言っているんだ・・・
でも耐えられなかった
清水の従兄って 俺の事 筒抜けじゃねえか!
カッコつけていた俺 馬鹿みたいだ・・・
渉は 先ほど俺と清水が 知り合いであることを知ったばかり
俺の高校の立ち位置なんて知る由もないのに・・・
俺の心は・・・もう余裕がなかった・・・
走って その場から逃げた
「待って! 巧也!」
階段を駆け下りる俺を渉は追いかけてくる
渉の体に負担をかけている・・・とは思った
だが捻くれた俺は それ以上に不要なプライドが素直にさせてくれない
「待って! 巧也! お願い!」
渉は ゼイゼイ言いながら追いかけてくる
「巧也!・・・ゼイゼイ・・・待って!」
病院の玄関ホールに渉の声が響く
3階からここまで追いかけて来たのかよ・・・
俺は振り返り 渉の苦しそうな姿を見て少し冷静になった
最低だ病人を走らせるなんて・・
「追いついた・・・走っている巧也も・・・ゼイゼイ
やっぱ かっこいいな・・・ゼイゼイ・・・」
何がカッコいいいだ かっこ悪いの間違いだろう・・・
「また 勉強・・・ゼイゼイ・・・教えてよ ゼイゼイ・・・」
渉は肩で息をしながら胸を押さえている
苦しそうだ・・・
「ねえ・・・教えてよ!・・・今までのように・・・ゼイゼイ」
どうして・・・体に負担かけてまで俺を追いかけてくる?
おかしいだろ・・・
「お願いだよ 夏樹は『勉強なんか』と言って教えてくれないんだ・・・
巧也だけなんだ 僕の願いを叶えてくれるのは・・・ゼイゼイ・・・ゼイゼイ」
どうして清水が「勉強なんか」と言っているのか気になったが・・・
それより 渉が肩で息をしながらも俺に訴えかけてくる その情熱に根負けした
「わかった・・・だけど 明日から試験前なんだ
・・・それが終わったらまた来る・・・」
試験勉強なんてしないが 気持ちを整えるのに少し時間が欲しかった
そうすれば俺の気持ちも少しは落ち着くかもしれないと思い そう提案した
渉は少し寂しそうな顔をしたが 直ぐに笑顔になり
「さすが!やっぱり巧也だな ありがとう!
待っている・・・
楽しみにしているよ!」
そう言って握手を求めてきた
初めて会った時のように
俺は その手を握り返す
渉は それに全ての思いを込めるように さらに力を込めて握り返してきた
「じゃあね さようなら・・・」
握った手を放し 渉は なんだか寂しそうにそう告げた
「なんだよ 最後みたいに言うなよ・・・」
渉は それには答えずに笑顔で手を振る
渉の後ろには 清水が待っていた
清水は 渉の背中をそっと押し前を促す
病室に戻るのだろう
その様子を暫く見届けて俺は病院を出ようとした その時
「巧也は 最高だよ!!」
渉が突然 周りに人がいることも気にせず大声で叫んだ
驚いて俺は振り向く
いつも青白い顔をしていた渉が顔を火照らせ 笑顔で大きく手を振っていた
いつものパジャマを着た渉なのに その姿は誰よりも輝いて見え 俺の脳裏に焼き付いた
「何・・・必死になっているんだよ・・・馬鹿・・・」
と俺は呟いた
でも嬉しかった
渉が自分をそこまでして求めてくれることが・・・
嬉しかった・・・
俺も少しだけ笑顔を返し病院を後にした
☆☆☆
渉が清水と親し気に話す
「元気そうだな」
「毎日 好きなことしているからね!」
「そうか それは良かった」
と爽やかに清水は微笑む
俺の心に陰りが差す
どういうことだよ・・・
どうなってんだよ!
「渉が言っていた お兄さんって柴田のこと?」
「そうだよ 夏樹!」
渉は俺の方を向き嬉しそうに話す
「夏樹はね 従兄なんだ!
2人も友達だったんだ!」
友達じゃねえよ・・・
なんだよ この半端ない劣等感・・・
また 俺の中で惨めな気持ちが浮上する・・・
「巧也は毎日 僕に勉強を教えてくれるんだ!
絶対 夏樹と同じ高校行くからな!」
「・・・勉強なんて やめちまえよ
もっと好きなことしなよ」
「だから!
毎日好きなことしているって言っているじゃん!」
「勉強が?よく言うぜ
ほら ゲーム機持ってきてやったから やろうぜ」
「いやだ!」
と渉が大声を出す
「巧也! 病室戻って勉強の続きを教えて!
行こう!」
渉は 俺の手を引っ張り病室に戻ろうとするが 俺はその手を振り払った
「どしたの・・・? 巧也・・・」
俺を見て渉は目を見開いて驚く
「清水に 教えてもらえよ」
「えっ? 何で? 巧也どうしたの?」
「俺じゃなくて 清水に教えてもらえばいいだろ!
こんな身近に目標の奴がいるのなら わざわざ俺じゃなくていいだろう!
それに清水は友達じゃない! 馬鹿にするな!」
俺は最低だ 病気の中学生に何言っているんだ・・・
でも耐えられなかった
清水の従兄って 俺の事 筒抜けじゃねえか!
カッコつけていた俺 馬鹿みたいだ・・・
渉は 先ほど俺と清水が 知り合いであることを知ったばかり
俺の高校の立ち位置なんて知る由もないのに・・・
俺の心は・・・もう余裕がなかった・・・
走って その場から逃げた
「待って! 巧也!」
階段を駆け下りる俺を渉は追いかけてくる
渉の体に負担をかけている・・・とは思った
だが捻くれた俺は それ以上に不要なプライドが素直にさせてくれない
「待って! 巧也! お願い!」
渉は ゼイゼイ言いながら追いかけてくる
「巧也!・・・ゼイゼイ・・・待って!」
病院の玄関ホールに渉の声が響く
3階からここまで追いかけて来たのかよ・・・
俺は振り返り 渉の苦しそうな姿を見て少し冷静になった
最低だ病人を走らせるなんて・・
「追いついた・・・走っている巧也も・・・ゼイゼイ
やっぱ かっこいいな・・・ゼイゼイ・・・」
何がカッコいいいだ かっこ悪いの間違いだろう・・・
「また 勉強・・・ゼイゼイ・・・教えてよ ゼイゼイ・・・」
渉は肩で息をしながら胸を押さえている
苦しそうだ・・・
「ねえ・・・教えてよ!・・・今までのように・・・ゼイゼイ」
どうして・・・体に負担かけてまで俺を追いかけてくる?
おかしいだろ・・・
「お願いだよ 夏樹は『勉強なんか』と言って教えてくれないんだ・・・
巧也だけなんだ 僕の願いを叶えてくれるのは・・・ゼイゼイ・・・ゼイゼイ」
どうして清水が「勉強なんか」と言っているのか気になったが・・・
それより 渉が肩で息をしながらも俺に訴えかけてくる その情熱に根負けした
「わかった・・・だけど 明日から試験前なんだ
・・・それが終わったらまた来る・・・」
試験勉強なんてしないが 気持ちを整えるのに少し時間が欲しかった
そうすれば俺の気持ちも少しは落ち着くかもしれないと思い そう提案した
渉は少し寂しそうな顔をしたが 直ぐに笑顔になり
「さすが!やっぱり巧也だな ありがとう!
待っている・・・
楽しみにしているよ!」
そう言って握手を求めてきた
初めて会った時のように
俺は その手を握り返す
渉は それに全ての思いを込めるように さらに力を込めて握り返してきた
「じゃあね さようなら・・・」
握った手を放し 渉は なんだか寂しそうにそう告げた
「なんだよ 最後みたいに言うなよ・・・」
渉は それには答えずに笑顔で手を振る
渉の後ろには 清水が待っていた
清水は 渉の背中をそっと押し前を促す
病室に戻るのだろう
その様子を暫く見届けて俺は病院を出ようとした その時
「巧也は 最高だよ!!」
渉が突然 周りに人がいることも気にせず大声で叫んだ
驚いて俺は振り向く
いつも青白い顔をしていた渉が顔を火照らせ 笑顔で大きく手を振っていた
いつものパジャマを着た渉なのに その姿は誰よりも輝いて見え 俺の脳裏に焼き付いた
「何・・・必死になっているんだよ・・・馬鹿・・・」
と俺は呟いた
でも嬉しかった
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嬉しかった・・・
俺も少しだけ笑顔を返し病院を後にした
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