KIKUMA 夢を紡ぐ  〜平凡な二人の奇跡〜

青空 蒼空

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 社会人になり携帯を持ち始めた彼女とは あまり会うこともないが交流を続けていた 
 大概 僕から「元気?」と連絡をしていただけだけど・・・ 

 一年目を過ぎたあたりで珍しく彼女から連絡がきた

 「手術をしなければいけないの 保証人になってくれる?」

 子宮を全摘出しなければいけないらしい 
 僕は もちろん承知した
 手術当日も付き添った 

 手術は無事成功したが 暫く入院することになった 
 社会復帰するまでには 少し時間がかかるらしい 
 僕は 出来る限り見舞いに行った 

 術後の回復が芳しくなかったので 彼女の精神も不安定だった
 医者は 今までの疲れとホルモンのバランスが崩れたことが原因では?と言っていた
 そのため 精神安定剤を服用することもあった

 「夢だったんだけどなー結婚・・・」

 ある日 彼女が そんなことを呟いた
 あまり 自分の気持ちを話すことがない彼女の本音を聞いたような気がした

 「僕で良かったら その夢 叶えてあげるよ」
 と 気が付いたら答えていた

 「でも 子ども できないよ」
 「でも 給料 ムチャクチャ少ないよ」
 と 同時に言葉を発し 二人で笑った

 彼女の笑顔を眺めながら僕は 君の夢なら どんなことでも叶えてあげたいと思った

 病室に暖かい風が吹き抜けた静かな午後 
 それは 新緑が芽吹く季節の出来事
 僕は とても幸せだった・・・

 そして 僕たちは 結婚した

☆☆

 彼女は 病気療養のため仕事を退職し 僕が養うことになった 

 まだ精神安定剤を飲むこともあり 早く元気になってもらうために 家で無理せず ゆっくり過ごすように言い聞かせた

 こんな言い方は失礼だけど 貧乏慣れしている彼女は 僕の少ない給料でも大丈夫なようだった 

 僕は家事全般 得意な方だ
 なので 料理も僕の方が上手いので よく作った 
 彼女の料理は まぁ 食べられる?程度 
 家事全般が苦手なのかな? 
 部屋も そう綺麗ではなかった 
 まぁ 埃では 死なないし 

 彼女は 時折 申し訳なさそうにしていたけれど 出来る人がやればいいと思っていたので 家のことも僕がやっていたが 気にならなかった 
 気にならないどころか 彼女の面倒を見るのが僕の生きがいにもなっていた 

 高校の時 彼女がいじめられていた時の あの感覚に似ているかも・・・

 彼女は よく僕のことを「あたしのマネージャーみたいだね」と言っているが 僕から言わしてみたら 彼女は 自分のことに無頓着すぎると思う 

 何かに集中していたら ご飯も食べていない時もあるし 薬も用意しないと飲まない時がある 

 だけど そんな彼女だからこそ 背が低く小太りでスペックの低い僕に 自分がいなきゃダメだと自尊心を高めてくれる彼女の存在は 生きがいとしか言いようがなかった 

 彼女なしでは 僕は生きていけないとさえ思う 
 とても充実した毎日だった

 そんな感じで時が過ぎ 彼女の体も心も少しずつ元気になっていった

 よし そろそろ いいタイミングかな?
 僕は 前から考えていたことを実行に移すことにした

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