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17話・夢の名残と届け物
逃げるように帰ってきた寮では待ち構えていたツアカにつかまった。
「どうだった? クミナク君とのデートは」
「なっ、ななななななな」
にまにまと人の悪い笑みで迫ってくるツアカの口から発せられた“デート”という単語に、走ってきたせいではなく顔が真っ赤になる。
そんなライラをツアカはしばらく観察するように眺めていたが、結局ライラが意味のある言葉を発声しなかったことから「なによー、つまんないわね」といって離れていった。
「で、デートじゃないもん!」
ようやっとライラがその言葉を搾り出したのは、ツアカの問いかけからたっぷり十五分はたっていた。
二段ベッドの上で雑誌を捲っていたツアカはようやく再起動したライラに「ふーん」と気のない返事だ。
「ちょっとツアカ、聞いてる?!」
「聞いてる聞いてる。楽しかった?」
「た、楽しかったのは楽しかったけど……! だからデートじゃないんだって!」
「楽しかったらデート成功でいいじゃなーい」
「ちょっとツアカ!」
いくらライラが言い募っても聞く耳を持たないツアカにライラも二段ベッドの階段を登ってツアカに抗議するが、ツアカはライラの抗議など右から左だ。馬耳東風。
そんな親友にライラのほうが拗ねてしまって、もういい!と言い捨てるとツアカからの借り物の服を脱いで髪を解き、さっさと寝巻きに着替えてベッドにもぐりこんだ。
「ちょっと、ライラ。晩御飯はー?」
「いらない!」
つんと怒ってますという口調で跳ね除けて頭からシーツを被ってライラは疲れからすとんと眠りの世界に落ちた。
* * *
モノクルをかけた顔は柔和な顔立ちで、豊かな緑の髪は仲のいい木の精霊を髣髴とさせた。瞳は黒曜石のような漆黒だった。緑の髪にはちょっと似合わなくて、不思議に思ったものだ。それも、交流を続けるうちに違和感はなくなっていったけれど。
長身のその人は見上げるだけで首が痛かったが、辺境の村にわざわざ越してきたのが幼心に不思議で、ライラはたまたま行き会ったその人物に躊躇うことなく声をかけた。
『おにいちゃん、だぁれ』
『精霊の研究のためにね、引っ越してきたんだよ』
そういってにっこりと微笑む笑顔は初対面でも安心するほど優しくて。ライラはそっかぁ、と頷いた。
にこにこといつも笑うその人とは、すぐに仲良くなった。ライラにとって年の差こそあったもののはじめての人間の友達とも呼べた。
村の端も端、森の手前に位置する場所に家を構えたその人物のところにライラはよく遊びにいった。人間の友達がそれだけ嬉しかったということもある。
年の差はあったが、何年も交流は続いた。
穏やかな人柄は、兄がいればこんな感じなのだろうかと長女であり兄妹で一番上のライラは思った。
『そういえば、今度ヴィクトリア学園に入学するんだって聞いたよ』
『うん。がんばるよ』
その頃にはすっかり精霊に逃げられるようになっていたライラは家にいるのも居心地が悪くて、学園に入学すれば何か変わるかもしれないと一縷の希望を抱いていた。
逃げるように遊びに行った先で話題に出されたことに、少しだけ肩を跳ねさせたけれど、なんとか笑みを取り繕って頷けば、年上の友人は笑みを深めて、懐から空色のペンダントを取り出した。
『お守りだよ。肌身離さずつけていなさい。きっといいことが起こるから』
そういって、穏やかに微笑む友人に、ライラはありがとうといって、ペンダントを受け取った。
* * *
「ライラー、起きなさいよー。朝ごはん遅れるわよー」
「んにゃ……」
ゆさゆさと体を揺さぶられて眠りから強制的に目覚めさせられる。
ふあああ、と大きな欠伸をして時計を確認すれば、いつもよりずいぶんと遅い目覚めだった。
目をこするライラを覗き込んでツアカがやや心配そうに尋ねる。
「どうしたの? 昨日はそんなに疲れた?」
「んー……」
確かになれないヒールで足は痛かったけれど、寝坊するほど疲れたわけではないと思うのだが。
それでも寝坊したことに変わりはないので、言葉を濁せば、ツアカはライラが口を割らないとわかってか、体を起こしてライラの背中を景気よく叩いた。
「ほら、いつまでもぐずぐずしてないで! 朝ごはん食べ送れちゃうわよ」
「準備するー」
のそのそとベッドから這い出てもう一度欠伸をかみ殺して。言いつけどおり肌身離さず服の下につけているペンダントの存在を、なんとなく確認するのだった。
制服に着替えて髪をバレッタで留めて、ツアカと連れ立って向かった食堂で様々なメニューの中から、トーストとカリカリのコリアのベーコン、ライチョウの目玉焼きに、クリネのポタージュ、デザートにカカリのジャム入りのヨーグルトを選んで席に着く。
前には似通ったメニューだが、ライラより些かボリュームのあるツアカの食事。
細い体をしているのに、意外とツアカは結構食べる。最初にツアカと食事を一緒にした際は驚いたものだ。
何気ない雑談に花を咲かせて食事を取っていると、ふいにツアカがにまりと笑った。
同時に背筋に悪寒が走って、ライラに影が落ちる。恐る恐る視線を上げれば、そこにはむっすりとした顔をしたクミナクがいた。
「お、おはよー……」
昨日逃げ出したようなものの手前、若干の居心地の悪さを感じながら挨拶をすれば、ずいっと目の前に差し出される茶色の紙袋。
きょとり、とライラが瞬きをしていると、さらに無愛想な声が振ってくる。
「昨日、持って帰らなかっただろう」
「あ!」
その言葉で一気に思い出して、クミナクの差し出したおそらく本が入っているはずの紙袋を受け取る。
予想通り、昨日貸し出してもらった三冊の本が入っていて、それをぎゅっと胸に抱え込んで、ライラはへにゃりと眉を寄せて笑った。
「ごめんね、クミナク」
謝罪はライラ自身、意外なほどあっさりと口から零れ落ちた。
今までの二人ならばありえないやりとりに、けれどツアカは黙って見守るだけ。
クミナクな素直なライラの感謝の言葉に、しかしなぜか眉を寄せて物いいたげにしていたが、結局何もいわないまま、踵を返して去っていった。
「ライラ、その中身なぁに?」
「本。クミナクの行きつけのお店で、貸してもらったの」
「お店で? 貸す?」
買うんじゃなくて? と言外に聞いてくる親友にライラは苦笑して隣に紙袋を置いて食べかけの朝食に手を伸ばす。
「お金、出来れば使いたくなかったから」
ライラの事情をある程度聞き及んでいるツアカはその一言で察したのだろう。「なるほどねぇ」と呟いて、アッサムティーを口に運ぶと「クミナク君に感謝しなきゃね」と続けた。
ツアカだって、初めて書店に訪れた相手に対して売り物の本を貸してくれるほど商人が優しいものだとは思っていない。
それでは商売が成り立たない。
一重にクミナクの顔利きのお陰だとわかるからこその台詞に、ライラも頷いて「そうだね」といった。
「どうだった? クミナク君とのデートは」
「なっ、ななななななな」
にまにまと人の悪い笑みで迫ってくるツアカの口から発せられた“デート”という単語に、走ってきたせいではなく顔が真っ赤になる。
そんなライラをツアカはしばらく観察するように眺めていたが、結局ライラが意味のある言葉を発声しなかったことから「なによー、つまんないわね」といって離れていった。
「で、デートじゃないもん!」
ようやっとライラがその言葉を搾り出したのは、ツアカの問いかけからたっぷり十五分はたっていた。
二段ベッドの上で雑誌を捲っていたツアカはようやく再起動したライラに「ふーん」と気のない返事だ。
「ちょっとツアカ、聞いてる?!」
「聞いてる聞いてる。楽しかった?」
「た、楽しかったのは楽しかったけど……! だからデートじゃないんだって!」
「楽しかったらデート成功でいいじゃなーい」
「ちょっとツアカ!」
いくらライラが言い募っても聞く耳を持たないツアカにライラも二段ベッドの階段を登ってツアカに抗議するが、ツアカはライラの抗議など右から左だ。馬耳東風。
そんな親友にライラのほうが拗ねてしまって、もういい!と言い捨てるとツアカからの借り物の服を脱いで髪を解き、さっさと寝巻きに着替えてベッドにもぐりこんだ。
「ちょっと、ライラ。晩御飯はー?」
「いらない!」
つんと怒ってますという口調で跳ね除けて頭からシーツを被ってライラは疲れからすとんと眠りの世界に落ちた。
* * *
モノクルをかけた顔は柔和な顔立ちで、豊かな緑の髪は仲のいい木の精霊を髣髴とさせた。瞳は黒曜石のような漆黒だった。緑の髪にはちょっと似合わなくて、不思議に思ったものだ。それも、交流を続けるうちに違和感はなくなっていったけれど。
長身のその人は見上げるだけで首が痛かったが、辺境の村にわざわざ越してきたのが幼心に不思議で、ライラはたまたま行き会ったその人物に躊躇うことなく声をかけた。
『おにいちゃん、だぁれ』
『精霊の研究のためにね、引っ越してきたんだよ』
そういってにっこりと微笑む笑顔は初対面でも安心するほど優しくて。ライラはそっかぁ、と頷いた。
にこにこといつも笑うその人とは、すぐに仲良くなった。ライラにとって年の差こそあったもののはじめての人間の友達とも呼べた。
村の端も端、森の手前に位置する場所に家を構えたその人物のところにライラはよく遊びにいった。人間の友達がそれだけ嬉しかったということもある。
年の差はあったが、何年も交流は続いた。
穏やかな人柄は、兄がいればこんな感じなのだろうかと長女であり兄妹で一番上のライラは思った。
『そういえば、今度ヴィクトリア学園に入学するんだって聞いたよ』
『うん。がんばるよ』
その頃にはすっかり精霊に逃げられるようになっていたライラは家にいるのも居心地が悪くて、学園に入学すれば何か変わるかもしれないと一縷の希望を抱いていた。
逃げるように遊びに行った先で話題に出されたことに、少しだけ肩を跳ねさせたけれど、なんとか笑みを取り繕って頷けば、年上の友人は笑みを深めて、懐から空色のペンダントを取り出した。
『お守りだよ。肌身離さずつけていなさい。きっといいことが起こるから』
そういって、穏やかに微笑む友人に、ライラはありがとうといって、ペンダントを受け取った。
* * *
「ライラー、起きなさいよー。朝ごはん遅れるわよー」
「んにゃ……」
ゆさゆさと体を揺さぶられて眠りから強制的に目覚めさせられる。
ふあああ、と大きな欠伸をして時計を確認すれば、いつもよりずいぶんと遅い目覚めだった。
目をこするライラを覗き込んでツアカがやや心配そうに尋ねる。
「どうしたの? 昨日はそんなに疲れた?」
「んー……」
確かになれないヒールで足は痛かったけれど、寝坊するほど疲れたわけではないと思うのだが。
それでも寝坊したことに変わりはないので、言葉を濁せば、ツアカはライラが口を割らないとわかってか、体を起こしてライラの背中を景気よく叩いた。
「ほら、いつまでもぐずぐずしてないで! 朝ごはん食べ送れちゃうわよ」
「準備するー」
のそのそとベッドから這い出てもう一度欠伸をかみ殺して。言いつけどおり肌身離さず服の下につけているペンダントの存在を、なんとなく確認するのだった。
制服に着替えて髪をバレッタで留めて、ツアカと連れ立って向かった食堂で様々なメニューの中から、トーストとカリカリのコリアのベーコン、ライチョウの目玉焼きに、クリネのポタージュ、デザートにカカリのジャム入りのヨーグルトを選んで席に着く。
前には似通ったメニューだが、ライラより些かボリュームのあるツアカの食事。
細い体をしているのに、意外とツアカは結構食べる。最初にツアカと食事を一緒にした際は驚いたものだ。
何気ない雑談に花を咲かせて食事を取っていると、ふいにツアカがにまりと笑った。
同時に背筋に悪寒が走って、ライラに影が落ちる。恐る恐る視線を上げれば、そこにはむっすりとした顔をしたクミナクがいた。
「お、おはよー……」
昨日逃げ出したようなものの手前、若干の居心地の悪さを感じながら挨拶をすれば、ずいっと目の前に差し出される茶色の紙袋。
きょとり、とライラが瞬きをしていると、さらに無愛想な声が振ってくる。
「昨日、持って帰らなかっただろう」
「あ!」
その言葉で一気に思い出して、クミナクの差し出したおそらく本が入っているはずの紙袋を受け取る。
予想通り、昨日貸し出してもらった三冊の本が入っていて、それをぎゅっと胸に抱え込んで、ライラはへにゃりと眉を寄せて笑った。
「ごめんね、クミナク」
謝罪はライラ自身、意外なほどあっさりと口から零れ落ちた。
今までの二人ならばありえないやりとりに、けれどツアカは黙って見守るだけ。
クミナクな素直なライラの感謝の言葉に、しかしなぜか眉を寄せて物いいたげにしていたが、結局何もいわないまま、踵を返して去っていった。
「ライラ、その中身なぁに?」
「本。クミナクの行きつけのお店で、貸してもらったの」
「お店で? 貸す?」
買うんじゃなくて? と言外に聞いてくる親友にライラは苦笑して隣に紙袋を置いて食べかけの朝食に手を伸ばす。
「お金、出来れば使いたくなかったから」
ライラの事情をある程度聞き及んでいるツアカはその一言で察したのだろう。「なるほどねぇ」と呟いて、アッサムティーを口に運ぶと「クミナク君に感謝しなきゃね」と続けた。
ツアカだって、初めて書店に訪れた相手に対して売り物の本を貸してくれるほど商人が優しいものだとは思っていない。
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