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29話・禁忌とお守り(2)
そんな声を背後に聞きながら転がり込んだのは、外につながっているだろうと思った奥の扉。だが、予想に反してそこには部屋があった。
「ああ、そこは外からだと何もないように見えるでしょう? 貴重なものを置いているので、透明化の結界を張っているのですよ」
追い詰めるようにゆっくりと紡がれる声。足元から蛇に絡み疲れるような感覚。
背筋をかける悪寒をこらえて、逃げ場を探して部屋の中を見渡したクミナクはある一点で言葉をなくした。
「おや、それが気になりますか?」
クミナクの視線の先に気付いたらしいカシオスがおかしそうに笑う。
「よく出来ているでしょう、世にも珍しい精霊の石像です」
クミナクの視線の先にあったのは、美しい女性の石像だった。
それが、ただの石像ではないことは精霊が視えないクミナクにすらわかるほど。
カシオスは硬直するクミナクの傍を通って、女性の石像に近づくとそっと頬に手を添えた。足元は蔦に絡まれ、慈愛の眼差しを宿した女性の石像は。もしかしなくとも。
「くふふ、これはなんと、この村の守り神、ライラに祝福を与えた精霊ですよ」
「貴様……っ!」
「おや、なぜ貴方が怒るのでしょう。貴方には関係ないでしょう。ねぇ、ライラ?」
「っ!」
クミナクの怒りの言葉に、どこまでの穏やかに優雅に男は笑って、すっと手を差し伸べるようにクミナクの背後へと伸ばした。
つられて振り返ったクミナクの視線の先で、零れ落ちそうなほど目を見開いたライラがぼとりとバスケットを落とした。果実がごろごろと床を転がる。
「私はバスケット一杯に、とお願いしたのに。いけない子ですねぇ」
「う、そ。うそ……嘘っ。お姉ちゃん!」
「ダメだ、ライラ!」
クミナクの引き止める声も届かない。駆け出したライラはだが、カシオスの腕の一振りで吹き飛ばされ、クミナクが壁と激突するライラの間に入る。
「うっ」
「クミナク?!」
クミナクがクッションとなったことで痛みこそなかったが、呻き声を上げたクミナクに慌てて振り返ったライラにクミナクは「大丈夫」だと首を振る。
青ざめた表情でよろよろと立ち上がったライラが信じたくないと頭を振る。
「カシオスさん……っ、なんで……!」
とても、嫌な予感がしたのだ。
マーナの実を集めているときに、倒れふすクミナクの姿が脳裏をよぎった。それは、高位の精霊術士に時折起こる、未来予測。
ライラは初めてのそれを、未来予測とわからないまでも、無視してはいけない絶対の感覚として捕らえた。結果、引き止める風の精を振り払う形で走って戻ってきて。
この、惨状を目の当たりにした。
「それは私の台詞なんですけどねぇ。ドアには結界をかけたはずですし……焼き払われている? 精霊除けをかけている今のライラに味方する精霊など……ああ、そこの坊やに加護を与えている精霊ですか」
「ま、まって……精霊、除け……?」
震える声でカシオスの言葉を繰り返したライラに、カシオスはいっそ憎たらしいほどにっこりと微笑んだ。
「ええ、精霊の祝福を受けた子供に長期的に精霊除けを施した場合の実験を少々」
「な、に……それ……」
ふらりと、足元が崩れたように崩れ落ちたライラを見下ろして、やはり笑顔のままライラの長年の絶望の理由をこともなげにカシオスは告げる。
「この廃れた村に精霊の祝福を受けた子供が生まれたというのは、裏の世界では存外有名な話でしてね。研究魂といいますか、研究者として色々と試したいことがあったのですが、何分貴方は精霊に守られている。守っている精霊が邪魔で仕方がない」
かつりかつりと足音高くブーツの音を響かせて、カシオスは講師のように講釈を述べる。
「だから、少しずつ。低級の精霊から排除して、大木の精霊の力を弱める術式を森に敷いたのですが、流石は建国から存在するだけはある。力が強くて、私も結構困りましてね。貴方に近づくのに、実に二年もかかってしまった」
ライラがカシオスとであったのは七歳のときだ。ならば、カシオスはライラが五歳の時点ですでに罠を張り巡らせていたことになる。
「貴方に近づくそのためには、やはり祝福を授けるほどの力を持つ精霊は邪魔でして。ちょっと石像になっていただきました。中々に手ごわくて完全に存在を消すことはかなわなかったので、苦肉の策で石像になってもらったのですが、その甲斐あって、これはこれで目の保養で私は気に入っているんですよ」
そういって、怪しい手つきで石像となった大木の精霊をなでる。
ライラは信頼していた友人に裏切られた絶望よりも、その仕草が許せなくて涙を目に浮べながら叫ぶ。
「お姉ちゃんに触らないで!」
「くふ、この場において自分の安全より、精霊を気にかける。さすがは精霊の祝福を受けた子供、お陰で化石の収集もはかどりました。とくにここ一週間は、驚くほどの量だった」
「精霊の、化石……?」
「おや、気付いていませんでしたか。この部屋の壁一面、貴方が集めてくれた化石で一杯ですよ?」
「っ」
ますます顔色をなくしたライラが恐々とカシオスの示した壁に視線を向ける。どの戸棚にも色とりどりの綺麗な石がずらりと並ぶ。
それが、精霊が外的要因により封じ込められた状態の精霊の化石だと判別することは、精霊術士として当たり前のように出来て。出来て、しまったから。
絶望に絶望を重ねたような、カシオスの言葉が本当なら、ライラが原因のそれらに、ライラは成すすべなく呆然とするしかない。
「……おかしいと、おもっていた。学園から、精霊がいなくなりだした時期と、僕がライラに助言した時期が被ること……貴様、どんな仕掛けをライラにほどこした!」
「仕掛けなど、大層なことは何も。ただ、ライラが目にしたものをそのまま化石としてここに運ぶように、ちょっとした細工を、ね。ライラ、言いつけどおり肌身離さずネックレスをつけていてくれて、嬉しい限りですよ。あと、もう戻していいですよ。カルツァネ」
言いつけを守る子は好きです、私。
そういわれて、さらに伸ばされたカシオスの手の先には精霊に嫌われてからずっと傍にいてくれた唯一の風の精がライラの後ろから飛び出してじゃれつく。
そこに、確かな絆を見て。歪んでいても、契約の証を見て取って。
さらには、カシオスの背後から守るようにしている巨大な精霊に風の精と思っていたはずのものが同化する。
強力な力を持った精霊のみが使える、己自身の細分化、その欠片が風の精であったのだと気づくには十分だった。
精霊を通して、監視されていたのだと、気付いた。ライラの行動はカシオスに筒抜けだった。だから、馬車も派遣できた。
ライラはのろのろと、胸元に視線を落とす。服の下にはいつだって、カシオスに貰った“お守り”のペンダントを身に着けていた。
それが、この結果を招いた?
精霊を、化石に代える為だった?
私が、精霊を――
「ああ、そこは外からだと何もないように見えるでしょう? 貴重なものを置いているので、透明化の結界を張っているのですよ」
追い詰めるようにゆっくりと紡がれる声。足元から蛇に絡み疲れるような感覚。
背筋をかける悪寒をこらえて、逃げ場を探して部屋の中を見渡したクミナクはある一点で言葉をなくした。
「おや、それが気になりますか?」
クミナクの視線の先に気付いたらしいカシオスがおかしそうに笑う。
「よく出来ているでしょう、世にも珍しい精霊の石像です」
クミナクの視線の先にあったのは、美しい女性の石像だった。
それが、ただの石像ではないことは精霊が視えないクミナクにすらわかるほど。
カシオスは硬直するクミナクの傍を通って、女性の石像に近づくとそっと頬に手を添えた。足元は蔦に絡まれ、慈愛の眼差しを宿した女性の石像は。もしかしなくとも。
「くふふ、これはなんと、この村の守り神、ライラに祝福を与えた精霊ですよ」
「貴様……っ!」
「おや、なぜ貴方が怒るのでしょう。貴方には関係ないでしょう。ねぇ、ライラ?」
「っ!」
クミナクの怒りの言葉に、どこまでの穏やかに優雅に男は笑って、すっと手を差し伸べるようにクミナクの背後へと伸ばした。
つられて振り返ったクミナクの視線の先で、零れ落ちそうなほど目を見開いたライラがぼとりとバスケットを落とした。果実がごろごろと床を転がる。
「私はバスケット一杯に、とお願いしたのに。いけない子ですねぇ」
「う、そ。うそ……嘘っ。お姉ちゃん!」
「ダメだ、ライラ!」
クミナクの引き止める声も届かない。駆け出したライラはだが、カシオスの腕の一振りで吹き飛ばされ、クミナクが壁と激突するライラの間に入る。
「うっ」
「クミナク?!」
クミナクがクッションとなったことで痛みこそなかったが、呻き声を上げたクミナクに慌てて振り返ったライラにクミナクは「大丈夫」だと首を振る。
青ざめた表情でよろよろと立ち上がったライラが信じたくないと頭を振る。
「カシオスさん……っ、なんで……!」
とても、嫌な予感がしたのだ。
マーナの実を集めているときに、倒れふすクミナクの姿が脳裏をよぎった。それは、高位の精霊術士に時折起こる、未来予測。
ライラは初めてのそれを、未来予測とわからないまでも、無視してはいけない絶対の感覚として捕らえた。結果、引き止める風の精を振り払う形で走って戻ってきて。
この、惨状を目の当たりにした。
「それは私の台詞なんですけどねぇ。ドアには結界をかけたはずですし……焼き払われている? 精霊除けをかけている今のライラに味方する精霊など……ああ、そこの坊やに加護を与えている精霊ですか」
「ま、まって……精霊、除け……?」
震える声でカシオスの言葉を繰り返したライラに、カシオスはいっそ憎たらしいほどにっこりと微笑んだ。
「ええ、精霊の祝福を受けた子供に長期的に精霊除けを施した場合の実験を少々」
「な、に……それ……」
ふらりと、足元が崩れたように崩れ落ちたライラを見下ろして、やはり笑顔のままライラの長年の絶望の理由をこともなげにカシオスは告げる。
「この廃れた村に精霊の祝福を受けた子供が生まれたというのは、裏の世界では存外有名な話でしてね。研究魂といいますか、研究者として色々と試したいことがあったのですが、何分貴方は精霊に守られている。守っている精霊が邪魔で仕方がない」
かつりかつりと足音高くブーツの音を響かせて、カシオスは講師のように講釈を述べる。
「だから、少しずつ。低級の精霊から排除して、大木の精霊の力を弱める術式を森に敷いたのですが、流石は建国から存在するだけはある。力が強くて、私も結構困りましてね。貴方に近づくのに、実に二年もかかってしまった」
ライラがカシオスとであったのは七歳のときだ。ならば、カシオスはライラが五歳の時点ですでに罠を張り巡らせていたことになる。
「貴方に近づくそのためには、やはり祝福を授けるほどの力を持つ精霊は邪魔でして。ちょっと石像になっていただきました。中々に手ごわくて完全に存在を消すことはかなわなかったので、苦肉の策で石像になってもらったのですが、その甲斐あって、これはこれで目の保養で私は気に入っているんですよ」
そういって、怪しい手つきで石像となった大木の精霊をなでる。
ライラは信頼していた友人に裏切られた絶望よりも、その仕草が許せなくて涙を目に浮べながら叫ぶ。
「お姉ちゃんに触らないで!」
「くふ、この場において自分の安全より、精霊を気にかける。さすがは精霊の祝福を受けた子供、お陰で化石の収集もはかどりました。とくにここ一週間は、驚くほどの量だった」
「精霊の、化石……?」
「おや、気付いていませんでしたか。この部屋の壁一面、貴方が集めてくれた化石で一杯ですよ?」
「っ」
ますます顔色をなくしたライラが恐々とカシオスの示した壁に視線を向ける。どの戸棚にも色とりどりの綺麗な石がずらりと並ぶ。
それが、精霊が外的要因により封じ込められた状態の精霊の化石だと判別することは、精霊術士として当たり前のように出来て。出来て、しまったから。
絶望に絶望を重ねたような、カシオスの言葉が本当なら、ライラが原因のそれらに、ライラは成すすべなく呆然とするしかない。
「……おかしいと、おもっていた。学園から、精霊がいなくなりだした時期と、僕がライラに助言した時期が被ること……貴様、どんな仕掛けをライラにほどこした!」
「仕掛けなど、大層なことは何も。ただ、ライラが目にしたものをそのまま化石としてここに運ぶように、ちょっとした細工を、ね。ライラ、言いつけどおり肌身離さずネックレスをつけていてくれて、嬉しい限りですよ。あと、もう戻していいですよ。カルツァネ」
言いつけを守る子は好きです、私。
そういわれて、さらに伸ばされたカシオスの手の先には精霊に嫌われてからずっと傍にいてくれた唯一の風の精がライラの後ろから飛び出してじゃれつく。
そこに、確かな絆を見て。歪んでいても、契約の証を見て取って。
さらには、カシオスの背後から守るようにしている巨大な精霊に風の精と思っていたはずのものが同化する。
強力な力を持った精霊のみが使える、己自身の細分化、その欠片が風の精であったのだと気づくには十分だった。
精霊を通して、監視されていたのだと、気付いた。ライラの行動はカシオスに筒抜けだった。だから、馬車も派遣できた。
ライラはのろのろと、胸元に視線を落とす。服の下にはいつだって、カシオスに貰った“お守り”のペンダントを身に着けていた。
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