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30話・絶望と決意
「あ、ああああああああああ」
「ライラ、しっかりしろ!ライラ!」
頭を抱えてうずくまったライラの肩をクミナクがゆする。
それでも、絶望の嘆きは止まらない。
ライラの悲鳴と、カシオスの嗤い声が室内に響く中、いっそう高く響いたのは頬を張る音だった。
それは、クミナクがライラの頬を叩いた音。
途端に静まり返った室内で、ライラは赤く腫れた頬を押さえることもせず、茫洋とした眼差しをクミナクに向けた。
「しっかりしろ! 精霊の化石は精霊の死と同義じゃない! あいつを倒して、精霊を還せばすむ話だ!」
「おやおや、私をどうやって倒す気ですか?」
クミナクの言葉に反応したのは面白そうに嗤うカシオスだ。ライラを守るようにライラの前にたって、クミナクは体術の構えを取る。
「おや、努力の天才は体術まで身につけているのですか」
「なんでも、やって無駄なことはない!」
言葉が終わるか否かというところで駆け出したクミナクに、カシオスは面白くないと言いたげに鼻を鳴らして僅かに目を細める。
それだけでクミナクは後ろに吹き飛ばされ、がらがらと戸棚から精霊の化石が床に散らばる。
「クミナク……」
「魔術を使いなさい。仮にも魔術師でしょう」
最もなカシオスの台詞にも、立ち上がったクミナクは体術の構えを崩さない。
「精霊の化石が割れる可能性のある、魔術は使わない」
使えない、ではなく、使わない、のだと。
強い眼差しではっきりと告げたクミナクに、カシオスは詰まらなさそうにパチンと指を鳴らした。
クミナクの足元から数多の風の刃がクミナクを襲う。
「っ!」
傷つき血を流して、ぼろぼろになってなお、それでもクミナクは立ち上がる。構えるのは体術。魔術の呪文は一切口にしない。
「くだらない」
吐き捨てる言葉にも、歯を食いしばって耐える。
そんなクミナクを前に、ライラはどうしていいかわからなかった。
ライラにとってカシオスは信頼できる年上の友人だった。村に一人も友達がいなかったライラの初めての友。
精霊が傍からいなくなって泣いていたライラに声をかけてくれた、心優しい友達。
でも、それが、すべて計算だったのだとしたら。
ライラの傍から精霊を切り離したのは誰でもないカシオスで、心が弱ったライラにつけこんで友人の立場を手に入れて。
何食わぬ顔で、ライラを実験材料に精霊の化石を集めていたのだと、したら。
ライラは、もう、どうしていいかわからなかった。
クミナクは必死に立ち上がっている。傷ついて血を流して、それでもまだ、立ち向かっている。
力の差は歴然だ。
カシオスは詠唱破棄どころか一言も口にしないまま精霊術を操っている。
ライラの目には今まで映らなかった、カシオスに絡みつくようにして背後にいる巨大な力を持った闇に染まった精霊が視える。
太刀打ちなんて、できるはずがない。
だから、ライラは。
「やめて……やめて、カシオス。お願い」
嘆願することしか出来なかった。
幾度目がわからない。クミナクが床に叩きつけられて。ライラは懇願する。
「なんでもするから、私に出来ることなら、するから……っ、だからもう、精霊も、クミナクも、傷つけないで……!」
闇に染まった精霊、強大な力を持っていることは明白で。
けれど、悲鳴のように耳朶を突く、叫びはだれのものなのか。
カシオスに化石とされた精霊たちの声なき声に混じって響く、この耐え難い、叫び声は。
聞くだけで心臓を切り刻まれるような痛みがうずく、古傷に無理に爪を立てて抉っているような悲痛な声は。
ぼろりぼろりと涙を流しながらのライラの言葉はカシオスの背後の闇に落ちた精霊も含んでいた。だが、それに気づいてか気づかないふりか、カシオスはくふりと笑む。
「では、ライラ。その坊やを殺すか、大木の精霊の石造を壊すか、選びなさい」
そういて投げ渡されたのは一本の短剣。
提示された条件はあまりに非情で。
けれど、選ばなければ、どちらも失うとわかってしまったから。
ライラは足元に投げ出された魔力の篭った短剣を握り締めた。
通常、精霊を殺すことなど出来ない。精霊は世界をめぐる存在だ。姿形が消失しても、それは存在を消されたわけではなく、大抵の場合姿形を維持できなくなって化石になるだけである。
だが、物事にはなににも例外はあって。
ライラは渡された短剣が、精霊殺しと呼ばれる歪なる魔力を秘めていることに、気づいていた。気づいていた、けれど。
「や、めろ……ライラ……っ」
ライラが選ぶのが、大木の精霊だと気付いたのだろう。クミナクの必死の言葉に、ライラはゆるく首を横に振る。
生きている、未来があるクミナクと、石像にされた大木の精霊ならば。
選ぶべきは、きっと、クミナクだと、思った。
「君は! 姉と慕った相手をその手で殺すのか!」
よろよろと立ち上がり、石像へと近づこうとしたライラの足を止めたのは、そんなクミナクの糾弾の言葉だった。
手の中から短剣が滑り落ちる。どうすればいいのか、わからない。どうしたらいいのかわからない。
「余計なことを言う口は、ふさいでしまうのが得策ですかね」
いうが否や、再度風の刃がクミナクを襲う。部屋に血匂が立ち込める。
「クミナク!」
「っ……いい、だいじょうぶ、だ」
血を吐きながら、それでもライラを安心させようと微笑むクミナクに胸が痛んだ。同時に、自分は何をしているんだと強い思いが体の底から湧き上がる。
「カシオスさん……」
「はい?」
「……刺し違えてでも、あなたを、とめる。友達だから!」
床に転がった短剣を拾い上げ、カシオスに向けて言い放ったライラに、カシオスは目を僅かに見開いて、それから心底おかしそうにくつくつと嗤う。
「貴方ももう、出会いが仕組まれたものだと、気付いているでしょうに。それでもまだ、友達ごっこを続けるつもりですか?」
「あなたがどういうつもりでも、私はあなたを友達だと思ってた。だから、これは、私がやる。私がやらなきゃいけないこと。……あなたをとめて、精霊たちを解放させるっ」
「言葉だけは、強いものを使いますがね。実力など、ないというのに」
「?!」
目の高さに上げた指先がこすれる。
パチンと音がたった瞬間、ライラの周りを風が取り囲む。「ライラ!」叫びはクミナクの声。それでも目は閉じない。見据えるべきは、目の前の、友だった相手。
不思議と怖くはなかった。
ただ、止めたかった。止めなければと思った。カシオスを止められるのは、自分しかいないと思った。
「あああああああ!!!!」
声を上げて。自分を鼓舞して。突き進む。
目の前でカシオスが目を見開いたのがわかった。カシオスの起こす風はなぜかライラを傷つけなかったからだ。
守られている、と感じた。久々の感覚だった。体中を包む、温かな温度。優しい感覚。懐かしい、日々が脳裏によぎって。
「カシオスさん、お姉ちゃんは私の中で生きているっ!」
短剣を握る手に添えてくれる手があった。その温度を忘れることは決してない。
ライラの中に確かに息づいていた大木の精霊の助力を得て、ライラの握る短剣は吸い込まれるようにカシオスの胸に突き刺さった。
信じられないとカシオスが目を見開く。
だが、その口から血がこぼれるより早く、その身は泥となって形をなくした。
「え」
呆けた声がつい口からこぼれた。目を見開くライラの脳裏に直接声が響く。
『中々に楽しい経験でした。研究も十分に捗りましたし、今日のところは引きましょう。またいつか、お会いする日まで、ごきげんよう』
くふふ、と笑みをつれての言葉には腹もたったけれど、それ以上に安堵があった。
カシオスを形成していたのは魔術による拠り代だったのだろう。
泥はさらさらと空気中に溶けていき、闇を纏った精霊の姿もすでにない。ただ、闇を纏った精霊が、最後にライラを見つめていた気がするのは、気のせいだったのだろうか。その口が『 た す け て 』と動いていたように見えたのは、ライラだけなのか。
たすける、だれから? 順当に考えれば、カシオスからか。だが、精霊の意思に反した恭順、使役など強いることは不可能に近い。それも、あんなに力が強い精霊ならばなおのこと。
それとも、それすら可能にするほどにカシオスの闇の力は強いのか。
わからないことだけが、後に残って、気持ちが悪い。
問いただしたい相手はもういない。
この場にカシオスがいた証明をするのはただ一つ、床に落ちた物言わぬモノクルだけ。
「ライラ……」
クミナクの声がどこか遠い。ふっと意識が途切れるのが、自分でもわかった。
極度の緊張にさらされたためだと、他人事のように理解していた。
「ライラ、しっかりしろ!ライラ!」
頭を抱えてうずくまったライラの肩をクミナクがゆする。
それでも、絶望の嘆きは止まらない。
ライラの悲鳴と、カシオスの嗤い声が室内に響く中、いっそう高く響いたのは頬を張る音だった。
それは、クミナクがライラの頬を叩いた音。
途端に静まり返った室内で、ライラは赤く腫れた頬を押さえることもせず、茫洋とした眼差しをクミナクに向けた。
「しっかりしろ! 精霊の化石は精霊の死と同義じゃない! あいつを倒して、精霊を還せばすむ話だ!」
「おやおや、私をどうやって倒す気ですか?」
クミナクの言葉に反応したのは面白そうに嗤うカシオスだ。ライラを守るようにライラの前にたって、クミナクは体術の構えを取る。
「おや、努力の天才は体術まで身につけているのですか」
「なんでも、やって無駄なことはない!」
言葉が終わるか否かというところで駆け出したクミナクに、カシオスは面白くないと言いたげに鼻を鳴らして僅かに目を細める。
それだけでクミナクは後ろに吹き飛ばされ、がらがらと戸棚から精霊の化石が床に散らばる。
「クミナク……」
「魔術を使いなさい。仮にも魔術師でしょう」
最もなカシオスの台詞にも、立ち上がったクミナクは体術の構えを崩さない。
「精霊の化石が割れる可能性のある、魔術は使わない」
使えない、ではなく、使わない、のだと。
強い眼差しではっきりと告げたクミナクに、カシオスは詰まらなさそうにパチンと指を鳴らした。
クミナクの足元から数多の風の刃がクミナクを襲う。
「っ!」
傷つき血を流して、ぼろぼろになってなお、それでもクミナクは立ち上がる。構えるのは体術。魔術の呪文は一切口にしない。
「くだらない」
吐き捨てる言葉にも、歯を食いしばって耐える。
そんなクミナクを前に、ライラはどうしていいかわからなかった。
ライラにとってカシオスは信頼できる年上の友人だった。村に一人も友達がいなかったライラの初めての友。
精霊が傍からいなくなって泣いていたライラに声をかけてくれた、心優しい友達。
でも、それが、すべて計算だったのだとしたら。
ライラの傍から精霊を切り離したのは誰でもないカシオスで、心が弱ったライラにつけこんで友人の立場を手に入れて。
何食わぬ顔で、ライラを実験材料に精霊の化石を集めていたのだと、したら。
ライラは、もう、どうしていいかわからなかった。
クミナクは必死に立ち上がっている。傷ついて血を流して、それでもまだ、立ち向かっている。
力の差は歴然だ。
カシオスは詠唱破棄どころか一言も口にしないまま精霊術を操っている。
ライラの目には今まで映らなかった、カシオスに絡みつくようにして背後にいる巨大な力を持った闇に染まった精霊が視える。
太刀打ちなんて、できるはずがない。
だから、ライラは。
「やめて……やめて、カシオス。お願い」
嘆願することしか出来なかった。
幾度目がわからない。クミナクが床に叩きつけられて。ライラは懇願する。
「なんでもするから、私に出来ることなら、するから……っ、だからもう、精霊も、クミナクも、傷つけないで……!」
闇に染まった精霊、強大な力を持っていることは明白で。
けれど、悲鳴のように耳朶を突く、叫びはだれのものなのか。
カシオスに化石とされた精霊たちの声なき声に混じって響く、この耐え難い、叫び声は。
聞くだけで心臓を切り刻まれるような痛みがうずく、古傷に無理に爪を立てて抉っているような悲痛な声は。
ぼろりぼろりと涙を流しながらのライラの言葉はカシオスの背後の闇に落ちた精霊も含んでいた。だが、それに気づいてか気づかないふりか、カシオスはくふりと笑む。
「では、ライラ。その坊やを殺すか、大木の精霊の石造を壊すか、選びなさい」
そういて投げ渡されたのは一本の短剣。
提示された条件はあまりに非情で。
けれど、選ばなければ、どちらも失うとわかってしまったから。
ライラは足元に投げ出された魔力の篭った短剣を握り締めた。
通常、精霊を殺すことなど出来ない。精霊は世界をめぐる存在だ。姿形が消失しても、それは存在を消されたわけではなく、大抵の場合姿形を維持できなくなって化石になるだけである。
だが、物事にはなににも例外はあって。
ライラは渡された短剣が、精霊殺しと呼ばれる歪なる魔力を秘めていることに、気づいていた。気づいていた、けれど。
「や、めろ……ライラ……っ」
ライラが選ぶのが、大木の精霊だと気付いたのだろう。クミナクの必死の言葉に、ライラはゆるく首を横に振る。
生きている、未来があるクミナクと、石像にされた大木の精霊ならば。
選ぶべきは、きっと、クミナクだと、思った。
「君は! 姉と慕った相手をその手で殺すのか!」
よろよろと立ち上がり、石像へと近づこうとしたライラの足を止めたのは、そんなクミナクの糾弾の言葉だった。
手の中から短剣が滑り落ちる。どうすればいいのか、わからない。どうしたらいいのかわからない。
「余計なことを言う口は、ふさいでしまうのが得策ですかね」
いうが否や、再度風の刃がクミナクを襲う。部屋に血匂が立ち込める。
「クミナク!」
「っ……いい、だいじょうぶ、だ」
血を吐きながら、それでもライラを安心させようと微笑むクミナクに胸が痛んだ。同時に、自分は何をしているんだと強い思いが体の底から湧き上がる。
「カシオスさん……」
「はい?」
「……刺し違えてでも、あなたを、とめる。友達だから!」
床に転がった短剣を拾い上げ、カシオスに向けて言い放ったライラに、カシオスは目を僅かに見開いて、それから心底おかしそうにくつくつと嗤う。
「貴方ももう、出会いが仕組まれたものだと、気付いているでしょうに。それでもまだ、友達ごっこを続けるつもりですか?」
「あなたがどういうつもりでも、私はあなたを友達だと思ってた。だから、これは、私がやる。私がやらなきゃいけないこと。……あなたをとめて、精霊たちを解放させるっ」
「言葉だけは、強いものを使いますがね。実力など、ないというのに」
「?!」
目の高さに上げた指先がこすれる。
パチンと音がたった瞬間、ライラの周りを風が取り囲む。「ライラ!」叫びはクミナクの声。それでも目は閉じない。見据えるべきは、目の前の、友だった相手。
不思議と怖くはなかった。
ただ、止めたかった。止めなければと思った。カシオスを止められるのは、自分しかいないと思った。
「あああああああ!!!!」
声を上げて。自分を鼓舞して。突き進む。
目の前でカシオスが目を見開いたのがわかった。カシオスの起こす風はなぜかライラを傷つけなかったからだ。
守られている、と感じた。久々の感覚だった。体中を包む、温かな温度。優しい感覚。懐かしい、日々が脳裏によぎって。
「カシオスさん、お姉ちゃんは私の中で生きているっ!」
短剣を握る手に添えてくれる手があった。その温度を忘れることは決してない。
ライラの中に確かに息づいていた大木の精霊の助力を得て、ライラの握る短剣は吸い込まれるようにカシオスの胸に突き刺さった。
信じられないとカシオスが目を見開く。
だが、その口から血がこぼれるより早く、その身は泥となって形をなくした。
「え」
呆けた声がつい口からこぼれた。目を見開くライラの脳裏に直接声が響く。
『中々に楽しい経験でした。研究も十分に捗りましたし、今日のところは引きましょう。またいつか、お会いする日まで、ごきげんよう』
くふふ、と笑みをつれての言葉には腹もたったけれど、それ以上に安堵があった。
カシオスを形成していたのは魔術による拠り代だったのだろう。
泥はさらさらと空気中に溶けていき、闇を纏った精霊の姿もすでにない。ただ、闇を纏った精霊が、最後にライラを見つめていた気がするのは、気のせいだったのだろうか。その口が『 た す け て 』と動いていたように見えたのは、ライラだけなのか。
たすける、だれから? 順当に考えれば、カシオスからか。だが、精霊の意思に反した恭順、使役など強いることは不可能に近い。それも、あんなに力が強い精霊ならばなおのこと。
それとも、それすら可能にするほどにカシオスの闇の力は強いのか。
わからないことだけが、後に残って、気持ちが悪い。
問いただしたい相手はもういない。
この場にカシオスがいた証明をするのはただ一つ、床に落ちた物言わぬモノクルだけ。
「ライラ……」
クミナクの声がどこか遠い。ふっと意識が途切れるのが、自分でもわかった。
極度の緊張にさらされたためだと、他人事のように理解していた。
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