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第一章
繋がり
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僕は母さんへの花束を帰ってくるとすぐに渡した。
「あら、どういう風の吹き回し?素敵な花束ね。息子からもらうのは初めてだわ。嬉しいものね」
母はにっこりとほほ笑んだ。我が母親ながら若々しく綺麗だと思う。
僕の顔は母によく似ている。
幼い頃から男なのになぜか綺麗だと褒められる。僕に似た俳優がいるらしく、間違われることが多い。
正直複雑な心境だ。だってすべてこの遺伝子のお陰でしかない。
「初めて?そうだったっけ?」
「そうよ。あなたが選んできたのかしら。この花束、ちょっと意味があるわね」
「……」
母は僕にお茶を入れてくれた。少し話そうと目の前の椅子に座った。
僕の家は、ここノースエリアのなかでも奥まったところにあり、ひときわ目を引く洋館だ。
大理石が敷き詰められた玄関ポーチ。建物も西洋風の石造りだ。
色も白が主体で白亜の豪邸という人もいる。豪邸は言いすぎだが、部屋の中は驚くほど西洋の家具や調度品がおかれている。
僕の小さい頃遊びに来た友人が、神崎君のおうちは絵本のお城なんだねとよく言っていた。自分でもどうしてこういう家なんだろうと他の人の家と比べて不思議に思ったのを覚えている。
そのころ父に僕は聞いた。
「うちはどうして絵本と同じようなお城なの?」
「そうだな。蓮のじいじやパパのお仕事をするとこういうお城を作れるんだよ」
そう真顔で答えられ、じゃあ僕もやると言ったのがこの仕事を継ごうと思った最初だった。
神崎造船はサウスエリアの港を拠点としている。自前の船を使って西洋の建築関係資材や家具などを大量に輸入し、当時では考えられないくらいの洋風建築にしたのだ。
中央には庭園があり、たくさんの季節の花も植えられている。もちろん、庭園の花も切ってたくさん邸内に飾られているが、女主人の母にとって息子の僕から贈られる花は特別だったようだ。
「なんにせよ、花束を気に入ってもらえたなら良かったよ」
「蓮、昨日私が話したことを気にしていたんでしょ。花言葉を考えて選んできたわね。私への日ごろの感謝をあなたの代わりに花が伝えてくれています」
僕は驚いて母を見た。さすがだ。
「うん。櫻坂を東側に一本曲がったところの小さな花屋さんのものだよ。椎名が九州へ行く前に教えてくれたんだ。注文しておくと言われたんだが、たまには自分で選んでみるのも悪くないかもしれないと思って、さっき散歩しながら自分で注文に行ってきた」
母はリビングにあるお気に入りのアンティークの椅子に腰掛けると、花束を覗きながら蓮に言った。
「蓮、お前知らなかったのね。あそこは小さいけどうちでずっと使っている花屋さんよ。亡くなったお義母さまの親友があちらの店の前の店主だったのよ。で、何?沙織さんに注文してきた花はどういうのにしたの?」
僕は驚いた。そんな繋がりが前からある店だったのか。椎名に任せきりで何も知らなかったのだ。驚いている僕を見て、母がほくそ笑んでいる。ついため息をついた。母はきっと……僕の意図をわかっているくせに聞いている。
「それは夕方のお楽しみにしておいて。母さんならどうせわかってるだろ?」
「沙織さんに通じるといいわねえ……ま、わからないようなら私がそれとなく匂わせてあげましょう」
「ありがとう、母さん」
僕が向かい側に座って紅茶を飲んでいるのを見ながら母は言った。
「それでもねえ、佑さんがあなたの縁談に困っているのは事実よ。船で外に出る前も、そろそろ限界だって悩んでいらしたわ」
佑とは僕の父親だ。僕は母を見て言った。
「母さんと父さんは大恋愛結婚じゃないか。それなのに息子の僕にはそんなこと言うの?ひどいな。父さんを止めてくれよ」
僕の両親はこの地域でも有名な恋愛結婚だ。ヨーロッパのとある国の大使館が近くにあるのだが、そのロビーには寄り添った若い両親の幸せそうな写真がいまでも飾られている。この大使館でのパーティーが両親の出会いの場だったからだ。
この地域には外国の大使館があり、神崎造船はその大使館がある国の輸入関係の仕事を請け負っていた。
ある日、大使館で行われたパーティに父は祖父の名代として神崎造船の代表として出席した。そこへ日本の外交官で出席していた祖父が自慢の娘である年頃の母を連れて来ていた。そこで父が母に一目惚れしたらしい。
外交官の娘だった母は海外にいることも多く、父はなんとしても日本へいる間に口説き落とそうと決めて、母に猛アタックしたと聞いている。
母方の祖父が母をパーティーに連れて行ったのには下心があった。実は財界の方からもお見合い話があって、そこで自然に会わせたらうまくいくのじゃないかと先方の父親と示し合わせて連れて行っていたのだ。
祖父はのちに「まさか君の父親に娘を奪われる羽目になるとはあの時は思いもしなかったよ」と苦笑いしながら話してくれた。どうやら当時祖父は両親の結婚に反対していたようだ。
父方の祖父が興した神崎造船はその頃まだ有名でなかった。のちに父が社長となり、日本でも有数の大きな造船会社に成長した。
このノースエリアに洋風の屋敷を構えたのもその頃だ。母方の祖父は娘のほうが人を見る目があったと会う人によく言っていたらしい。
今でも両親は鴛鴦夫婦としてこの地域で有名だ。いつも母をエスコートして記念日には必ずオーベルージュで食事をしている二人を周囲は見ているからだ。
そんな有名な恋愛結婚をしていながら、息子に見合いを強いるなんて父はおかしい。
「あら、あなたの年頃には私たちはすでに結婚してました。比べるのはどうかと思うんですけれどね」
「それはそうだけど、何もこのご時世、そんなに急がなくてもいいと思うんだ」
「まあ、そうね。私はあなたが選んでくる女性ならどんな人でもきっと大丈夫だろうと信じているわよ」
「ありがとう」
* * *
夕方、黒のタキシードに着替えた蓮はドレスアップした母を連れて車に乗り込むと、花屋へ寄った。
「いらっしゃいませ。あ、神崎様。お待ちしておりました」
「ああ」
店に入ってきた蓮を見て、さくらは感嘆した。さっきのプライベートの時に見せた感じとは違う。
これが本来の彼の姿なのだろう、ものすごいオーラを感じる。
黒いロングコートを着ているがとにかくセレブという雰囲気が漂う。お会計のことを言うのを忘れて彼に見とれてしまう。
「どうした?」
「あ、すみません。とてもステキなので……これじゃあ、花があっても中々通じないかもしれませんね」
「え?やめてくれよ。この花たちには期待してるんだ。この金額に見合った働きをしてもらわないとな」
「もしかして、役に立たなかったらクビですか?」
「そうだな、クビにはしないけど、次のチャンスは他の人になるかもね」
さくらは青くなった。
「えー?うちの店も見限られるってことですか?」
「あはは、そんなことは言わないよ。さっきの母への花束、母がとても喜んでくれた。ありがとう」
「それはとてもよかったです。そう言って頂けるのが何よりの励みになります。あ、お時間取らせて済みません。運びましょうか?」
「いや、いいよ」
後から運転手が花かごを持って出ていった。そうだよね、お付きの人がいるのよね。自分から見たら雲の上の方だとすぐにわかった。
「それでは、ありがとうございました。素敵な夜をお過ごしくださいませ」
「ああ、君もね」
彼は魅惑的な笑顔を残して去って行った。これだもの。モテて困るのはしょうがないわねと思ってしまった。
花言葉作戦が成功しようと、失敗しようと、これからはもう、彼に直接お目にかかってお話をすることもないだろう。
だって、いつもご注文は眼鏡の椎名様という方がなさる。きっと今日だけ特別に彼だったのだろうから、どちらにしてもこういった意味深なご注文はきっとおしまいだわと、さくらは走り去る車を見ながら思っていた。
まさかその素敵な人と、数時間後また会えるとは夢にも思っていなかった。
「あら、どういう風の吹き回し?素敵な花束ね。息子からもらうのは初めてだわ。嬉しいものね」
母はにっこりとほほ笑んだ。我が母親ながら若々しく綺麗だと思う。
僕の顔は母によく似ている。
幼い頃から男なのになぜか綺麗だと褒められる。僕に似た俳優がいるらしく、間違われることが多い。
正直複雑な心境だ。だってすべてこの遺伝子のお陰でしかない。
「初めて?そうだったっけ?」
「そうよ。あなたが選んできたのかしら。この花束、ちょっと意味があるわね」
「……」
母は僕にお茶を入れてくれた。少し話そうと目の前の椅子に座った。
僕の家は、ここノースエリアのなかでも奥まったところにあり、ひときわ目を引く洋館だ。
大理石が敷き詰められた玄関ポーチ。建物も西洋風の石造りだ。
色も白が主体で白亜の豪邸という人もいる。豪邸は言いすぎだが、部屋の中は驚くほど西洋の家具や調度品がおかれている。
僕の小さい頃遊びに来た友人が、神崎君のおうちは絵本のお城なんだねとよく言っていた。自分でもどうしてこういう家なんだろうと他の人の家と比べて不思議に思ったのを覚えている。
そのころ父に僕は聞いた。
「うちはどうして絵本と同じようなお城なの?」
「そうだな。蓮のじいじやパパのお仕事をするとこういうお城を作れるんだよ」
そう真顔で答えられ、じゃあ僕もやると言ったのがこの仕事を継ごうと思った最初だった。
神崎造船はサウスエリアの港を拠点としている。自前の船を使って西洋の建築関係資材や家具などを大量に輸入し、当時では考えられないくらいの洋風建築にしたのだ。
中央には庭園があり、たくさんの季節の花も植えられている。もちろん、庭園の花も切ってたくさん邸内に飾られているが、女主人の母にとって息子の僕から贈られる花は特別だったようだ。
「なんにせよ、花束を気に入ってもらえたなら良かったよ」
「蓮、昨日私が話したことを気にしていたんでしょ。花言葉を考えて選んできたわね。私への日ごろの感謝をあなたの代わりに花が伝えてくれています」
僕は驚いて母を見た。さすがだ。
「うん。櫻坂を東側に一本曲がったところの小さな花屋さんのものだよ。椎名が九州へ行く前に教えてくれたんだ。注文しておくと言われたんだが、たまには自分で選んでみるのも悪くないかもしれないと思って、さっき散歩しながら自分で注文に行ってきた」
母はリビングにあるお気に入りのアンティークの椅子に腰掛けると、花束を覗きながら蓮に言った。
「蓮、お前知らなかったのね。あそこは小さいけどうちでずっと使っている花屋さんよ。亡くなったお義母さまの親友があちらの店の前の店主だったのよ。で、何?沙織さんに注文してきた花はどういうのにしたの?」
僕は驚いた。そんな繋がりが前からある店だったのか。椎名に任せきりで何も知らなかったのだ。驚いている僕を見て、母がほくそ笑んでいる。ついため息をついた。母はきっと……僕の意図をわかっているくせに聞いている。
「それは夕方のお楽しみにしておいて。母さんならどうせわかってるだろ?」
「沙織さんに通じるといいわねえ……ま、わからないようなら私がそれとなく匂わせてあげましょう」
「ありがとう、母さん」
僕が向かい側に座って紅茶を飲んでいるのを見ながら母は言った。
「それでもねえ、佑さんがあなたの縁談に困っているのは事実よ。船で外に出る前も、そろそろ限界だって悩んでいらしたわ」
佑とは僕の父親だ。僕は母を見て言った。
「母さんと父さんは大恋愛結婚じゃないか。それなのに息子の僕にはそんなこと言うの?ひどいな。父さんを止めてくれよ」
僕の両親はこの地域でも有名な恋愛結婚だ。ヨーロッパのとある国の大使館が近くにあるのだが、そのロビーには寄り添った若い両親の幸せそうな写真がいまでも飾られている。この大使館でのパーティーが両親の出会いの場だったからだ。
この地域には外国の大使館があり、神崎造船はその大使館がある国の輸入関係の仕事を請け負っていた。
ある日、大使館で行われたパーティに父は祖父の名代として神崎造船の代表として出席した。そこへ日本の外交官で出席していた祖父が自慢の娘である年頃の母を連れて来ていた。そこで父が母に一目惚れしたらしい。
外交官の娘だった母は海外にいることも多く、父はなんとしても日本へいる間に口説き落とそうと決めて、母に猛アタックしたと聞いている。
母方の祖父が母をパーティーに連れて行ったのには下心があった。実は財界の方からもお見合い話があって、そこで自然に会わせたらうまくいくのじゃないかと先方の父親と示し合わせて連れて行っていたのだ。
祖父はのちに「まさか君の父親に娘を奪われる羽目になるとはあの時は思いもしなかったよ」と苦笑いしながら話してくれた。どうやら当時祖父は両親の結婚に反対していたようだ。
父方の祖父が興した神崎造船はその頃まだ有名でなかった。のちに父が社長となり、日本でも有数の大きな造船会社に成長した。
このノースエリアに洋風の屋敷を構えたのもその頃だ。母方の祖父は娘のほうが人を見る目があったと会う人によく言っていたらしい。
今でも両親は鴛鴦夫婦としてこの地域で有名だ。いつも母をエスコートして記念日には必ずオーベルージュで食事をしている二人を周囲は見ているからだ。
そんな有名な恋愛結婚をしていながら、息子に見合いを強いるなんて父はおかしい。
「あら、あなたの年頃には私たちはすでに結婚してました。比べるのはどうかと思うんですけれどね」
「それはそうだけど、何もこのご時世、そんなに急がなくてもいいと思うんだ」
「まあ、そうね。私はあなたが選んでくる女性ならどんな人でもきっと大丈夫だろうと信じているわよ」
「ありがとう」
* * *
夕方、黒のタキシードに着替えた蓮はドレスアップした母を連れて車に乗り込むと、花屋へ寄った。
「いらっしゃいませ。あ、神崎様。お待ちしておりました」
「ああ」
店に入ってきた蓮を見て、さくらは感嘆した。さっきのプライベートの時に見せた感じとは違う。
これが本来の彼の姿なのだろう、ものすごいオーラを感じる。
黒いロングコートを着ているがとにかくセレブという雰囲気が漂う。お会計のことを言うのを忘れて彼に見とれてしまう。
「どうした?」
「あ、すみません。とてもステキなので……これじゃあ、花があっても中々通じないかもしれませんね」
「え?やめてくれよ。この花たちには期待してるんだ。この金額に見合った働きをしてもらわないとな」
「もしかして、役に立たなかったらクビですか?」
「そうだな、クビにはしないけど、次のチャンスは他の人になるかもね」
さくらは青くなった。
「えー?うちの店も見限られるってことですか?」
「あはは、そんなことは言わないよ。さっきの母への花束、母がとても喜んでくれた。ありがとう」
「それはとてもよかったです。そう言って頂けるのが何よりの励みになります。あ、お時間取らせて済みません。運びましょうか?」
「いや、いいよ」
後から運転手が花かごを持って出ていった。そうだよね、お付きの人がいるのよね。自分から見たら雲の上の方だとすぐにわかった。
「それでは、ありがとうございました。素敵な夜をお過ごしくださいませ」
「ああ、君もね」
彼は魅惑的な笑顔を残して去って行った。これだもの。モテて困るのはしょうがないわねと思ってしまった。
花言葉作戦が成功しようと、失敗しようと、これからはもう、彼に直接お目にかかってお話をすることもないだろう。
だって、いつもご注文は眼鏡の椎名様という方がなさる。きっと今日だけ特別に彼だったのだろうから、どちらにしてもこういった意味深なご注文はきっとおしまいだわと、さくらは走り去る車を見ながら思っていた。
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