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奏多と陽茉莉の場合(中編下)
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「俺の陽茉莉に馴れ馴れしくするな!!」
そんな事、行き成り言われてもなと奏多は、ゴリラ男をじろっと見つめた。 奏多の後ろに隠れた陽茉莉の手が、パーカーの裾を握りしめている様子に胸が高鳴った。
(うおっ! めちゃ可愛っ)
「そんな事、言われても。 俺ら付き合ってるし、それにあんたには関係なくない?」
しれっと、陽茉莉にデレている事を表情に出さずに宣った。 奏多の言葉に、ゴリラ男は分かりやすく怒りを露わにした。
「陽茉莉は、俺と付き合っているんだっ!!」
無茶苦茶な言い分に、奏多は陽茉莉をチラリと見た。 もしかしたらと思い、念の為に確認をした。
「ゴリラ男は、こう言っているけど、そうなの?」
「なっ! そんな訳ないじゃない!! ちゃんと断ったって言ったでしょ!」
「だとさ」
ゴリラ男は『ゴリラ男とはなんだっ!!』と叫んでいた。 なので、陽茉莉の話が聞こえていたかどうか怪しい。 ゴリラ男の様子に奏多は嫌な予感がした。 これは、人の話を聞かなさそうな奴だと。
天の助けというように、昼休み終了の予鈴の鐘が鳴り響いた。 しかし、鐘が鳴っているのにも関わらず、ゴリラ男はまだ、話をしようと詰め寄って来た。 陽茉莉は小さく悲鳴を上げて、ゴリラ男から後ずさった。
奏多は、陽茉莉の手を引っ張って自分の方に抱き寄せると、陽茉莉の唇に自身の唇を寄せた。 奏多の唇に柔らかい感触が触れ、胸が張り裂けそうになるくらい高鳴った。 しかし、奏多は心の動揺を全く表情に出さなかった。 ポーカーフェイスは慣れている。 陽茉莉は、何が起こったか理解できず、瞳を大きく開いていた。
陽茉莉を離すと、ゴリラ男に向き合う。
「この通り、俺たちはキスもする仲だ。 諦めろ」
ゴリラ男は、言葉にならない声を発していた。 そこで屋上の扉が再び開けられる。 顔を出したのは、伊織だった。 奏多は伊織を見ると初めて表情が崩れ『しまった』と表情に出した。 伊織が校内での不純異性交遊にうるさいという事は、生徒たちの間では有名だ。 ゴリラ男は、ショックが大き過ぎたのか、何も言わずに屋上を出て行った。
陽茉莉は、まだ放心状態だった。 伊織は奏多を一瞥すると、思わぬことを宣った。 絶対に説教されると思っていたので、一瞬、何を言われているのか分からなかった。
「一宮、今のは見逃してやる。 次はないからな。 でも、さっきのはいい作戦とは言えないぞ」
「えっ」
伊織の言葉に、陽茉莉は小さく肩を揺らした。 伊織はそれだけ言うと、ササッと屋上を後にした。 奏多の目の前に移動した陽茉莉が睨みつけて来る。 キラリと瞳が光った後、奏多の頬を打つ音が屋上に鳴り響いた。
視界の端に映った陽茉莉の瞳に涙が光り、不謹慎だが、奏多の胸がざわりと蠢き『もっと、泣かせたい』という感情が沸き起こった。 『我ながら最低だな』と苦笑を漏らした。 陽茉莉はお弁当箱を持つと、屋上を出て行った。 後日、伊織の言う通りだったと、奏多は後悔する事になった。
陽茉莉は屋上を出ると、女子トイレに向かった。 個室に入ると、便器に座り、顔を両手で覆った。 陽茉莉は、首筋や耳まで真っ赤になっていた。 陽茉莉の脳裏に先程の光景が思い出され、唇の感触を思い出す。 陽茉莉にとっては、初めてのキスだった。
奏多の唇の感触を思い出し、更に顔を赤くした。 そして、沸き上がって来た自身の感情に、愕然とした。 はっきり言おう。 陽茉莉はさっきのキスは嫌ではなかった。 それだけではない。 短い口づけに、物足りなさを感じたのだ。 奏多を殴ってしまったのは、伊織の言葉で、奏多の口づけは作戦だった事が分かったからだ。 悲しくて、悔しくて、気づいたら、奏多に平手打ちしていたのだ。
「最悪っ!! なんで、なんでよっ! 偽物の彼氏なのにっ! しかも、今朝、決めた事なのにっ!」
――放課後、カラオケボックス内
自身の気持ちが信じられず、陽茉莉は1日中、授業に集中出来なかった。 そして、相談していた友人から陽茉莉は更に追い打ちを掛けられた。 友人は立ち上がり、陽茉莉に指を突き付け、高らかに宣ったのだ。
「陽茉莉、あんたはこの1ヵ月程、一宮奏多の身辺調査をしていたでしょ。 あんたが好きな先輩からは全く相手にされず、もう諦めていたはず。 一宮の容姿は陽茉莉のドストライク。 無意識に一宮に気持ちが傾いていた。 そして、先輩にはきっぱりと振られて、もうすっかり心は一宮奏多に向かっているのよ」
陽茉莉は、頭に岩をぶつけられた様な衝撃を受けた。 友人の推測を聞くと、ガックリと床に崩れ落ちた。 陽茉莉は友人と一緒にカラオケボックスに来ていた。 本当は奏多と帰るはずだったが、顔を会わすのが恥ずかしく、とても直視できないと思い、奏多から逃げて来た。
「何て事っ!! 無意識に奏多に心変わりしていたなんてっ!」
「それが違ってたら、心と身体は別物って事よね」
「それじゃあ私が淫乱みたいじゃない!!」
足を組み替えて良い女を演じていた友人が『フㇷ』と妖しく笑う。 友人の瞳は『そうい事よ』と宣っていた。 口を開けて愕然としていると、ボックスの扉がノックされた後、奏多が顔を出した。
「遅くなってごめんね。 時間まだ大丈夫?」
「ああ、一宮! やっと来た! 遅いわよ」
「ごめん、ごめん。 下駄箱出た所で伊織くんに捕まっちゃってさ」
奏多は昼間の事なんて何もなかったかのように、いつもと変わらない様子だった。 友人はオレンジジュースを一気に飲むと、お財布から自身のお金を出して『じゃ、迎えも来たし帰るわ』とボックスを出ようとした。 陽茉莉は、友人を慌てて追いかけた。
「ちょっと待ってよ!! どういう事か説明してから帰りなさいよ!」
「だから、私がここに呼んだの。 あんたが気持ちよく歌っている間に、あんたの携帯から連絡したの」
「あんた~」
「今、1人になるのは駄目よ。 どうせ、今日も家の前で待ち伏せしてるわよ、きっと。 ちゃんと一宮に守ってもらいな。 そういうわけで、じゃね」
友人は陽茉莉の制止も聞かず、ササッとボックスを後にしてしまった。 後に残された、陽茉莉と奏多の間に微妙な空気が流れる。 先に声を出したのは、奏多だった。
「行き成りキスなんかしてごめん!! 仲いい所を見せつければ、ゴリラ男が諦めると思って」
「あ、大丈夫! 作戦だって分かってたしっ、だから、大丈夫」
自分の口で作戦だと言ってしまい、陽茉莉は泣き出しそうになっていた。 泣きそうになっていた陽茉莉を見て、奏多の瞳が妖しく光った事に陽茉莉は気づかなかった。
――カラオケボックスを出た2人は、陽茉莉の家に向かって歩いていた。
奏多は先程のカラオケボックスでの事を思い出していた。 陽茉莉の泣きそうな顔に、心がざわつき、またキスをしたい衝動にかられ、必死に耐えていた。
(さっきの泣きそうな顔、すごい可愛かったな。 やばかったわ、もうちょっとで襲うとこだった)
微妙な空気が流れている間に『時間になりました』と電話が鳴ったのだ。 奏多はチラリと陽茉莉を見た。 陽茉莉の顔は強ばっていた。 流石にやり過ぎたなと反省しているうちに、陽茉莉の家の近くまで来た。
陽茉莉の家の前でゴリラ男が待ち構えている姿を見た。 しかも、仲間を数人連れていた。 奏多はゴリラ男の集団を見ると『うげっ』と声を出してしまった。 陽茉莉も『げっ』と美少女らしからぬ声を出した。
「お前!! まだ、陽茉莉につきまとってるのか!!」
「いや、そのセリフ、そのままあんたに返すよ。 何回も言わせんなよ。 俺ら付き合ってんの」
陽茉莉は奏多の後ろに隠れてゴリラ男の様子を眺めている。 真っ赤になって怒ったゴリラ男がお約束通りに、奏多に向かって拳を振り上げる。 奏多は背後にいる陽茉莉に小声で『少し、離れてて』と呟くと、ゴリラ男と対峙する。 大振りの拳を右手で払い、さらりと避ける。 ゴリラ男の大振りの拳は、奏多には一発も当たらなかった。
「くそっ! ちょこまかと!」
奏多につかみかかろうとした腕を避けて、ひらりと舞うと後ろ回し蹴りをゴリラ男の後頭部にお見舞いした。 ゴリラ男の取り巻きたちは、奏多に向かおうとしたが、奏多の眼光だけでビビってしまい、金縛りにあったように固まった。 奏多の周囲に、殺気が混じった空気が流れる。
「こいつ連れてささっとここから去れ。 近所迷惑だから、2度と来るなってゴリラ男に言っとけ」
『くそっ、覚えとけよ』とこれまたお約束のセリフを吐いて、ゴリラ男を数人で担いで去っていった。 背後から陽茉莉のホッと息を吐く音が聞こえた。 振り返る前に陽茉莉に背後から抱きしめられた。
「ありがとう、やっぱり奏多ってもの凄く強いんだね」
「いや、そんな事ないよ。 たまたまだよ。 あげた足が当たっただけだって」
「ううん、本当にありがとう」
そんな事、行き成り言われてもなと奏多は、ゴリラ男をじろっと見つめた。 奏多の後ろに隠れた陽茉莉の手が、パーカーの裾を握りしめている様子に胸が高鳴った。
(うおっ! めちゃ可愛っ)
「そんな事、言われても。 俺ら付き合ってるし、それにあんたには関係なくない?」
しれっと、陽茉莉にデレている事を表情に出さずに宣った。 奏多の言葉に、ゴリラ男は分かりやすく怒りを露わにした。
「陽茉莉は、俺と付き合っているんだっ!!」
無茶苦茶な言い分に、奏多は陽茉莉をチラリと見た。 もしかしたらと思い、念の為に確認をした。
「ゴリラ男は、こう言っているけど、そうなの?」
「なっ! そんな訳ないじゃない!! ちゃんと断ったって言ったでしょ!」
「だとさ」
ゴリラ男は『ゴリラ男とはなんだっ!!』と叫んでいた。 なので、陽茉莉の話が聞こえていたかどうか怪しい。 ゴリラ男の様子に奏多は嫌な予感がした。 これは、人の話を聞かなさそうな奴だと。
天の助けというように、昼休み終了の予鈴の鐘が鳴り響いた。 しかし、鐘が鳴っているのにも関わらず、ゴリラ男はまだ、話をしようと詰め寄って来た。 陽茉莉は小さく悲鳴を上げて、ゴリラ男から後ずさった。
奏多は、陽茉莉の手を引っ張って自分の方に抱き寄せると、陽茉莉の唇に自身の唇を寄せた。 奏多の唇に柔らかい感触が触れ、胸が張り裂けそうになるくらい高鳴った。 しかし、奏多は心の動揺を全く表情に出さなかった。 ポーカーフェイスは慣れている。 陽茉莉は、何が起こったか理解できず、瞳を大きく開いていた。
陽茉莉を離すと、ゴリラ男に向き合う。
「この通り、俺たちはキスもする仲だ。 諦めろ」
ゴリラ男は、言葉にならない声を発していた。 そこで屋上の扉が再び開けられる。 顔を出したのは、伊織だった。 奏多は伊織を見ると初めて表情が崩れ『しまった』と表情に出した。 伊織が校内での不純異性交遊にうるさいという事は、生徒たちの間では有名だ。 ゴリラ男は、ショックが大き過ぎたのか、何も言わずに屋上を出て行った。
陽茉莉は、まだ放心状態だった。 伊織は奏多を一瞥すると、思わぬことを宣った。 絶対に説教されると思っていたので、一瞬、何を言われているのか分からなかった。
「一宮、今のは見逃してやる。 次はないからな。 でも、さっきのはいい作戦とは言えないぞ」
「えっ」
伊織の言葉に、陽茉莉は小さく肩を揺らした。 伊織はそれだけ言うと、ササッと屋上を後にした。 奏多の目の前に移動した陽茉莉が睨みつけて来る。 キラリと瞳が光った後、奏多の頬を打つ音が屋上に鳴り響いた。
視界の端に映った陽茉莉の瞳に涙が光り、不謹慎だが、奏多の胸がざわりと蠢き『もっと、泣かせたい』という感情が沸き起こった。 『我ながら最低だな』と苦笑を漏らした。 陽茉莉はお弁当箱を持つと、屋上を出て行った。 後日、伊織の言う通りだったと、奏多は後悔する事になった。
陽茉莉は屋上を出ると、女子トイレに向かった。 個室に入ると、便器に座り、顔を両手で覆った。 陽茉莉は、首筋や耳まで真っ赤になっていた。 陽茉莉の脳裏に先程の光景が思い出され、唇の感触を思い出す。 陽茉莉にとっては、初めてのキスだった。
奏多の唇の感触を思い出し、更に顔を赤くした。 そして、沸き上がって来た自身の感情に、愕然とした。 はっきり言おう。 陽茉莉はさっきのキスは嫌ではなかった。 それだけではない。 短い口づけに、物足りなさを感じたのだ。 奏多を殴ってしまったのは、伊織の言葉で、奏多の口づけは作戦だった事が分かったからだ。 悲しくて、悔しくて、気づいたら、奏多に平手打ちしていたのだ。
「最悪っ!! なんで、なんでよっ! 偽物の彼氏なのにっ! しかも、今朝、決めた事なのにっ!」
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自身の気持ちが信じられず、陽茉莉は1日中、授業に集中出来なかった。 そして、相談していた友人から陽茉莉は更に追い打ちを掛けられた。 友人は立ち上がり、陽茉莉に指を突き付け、高らかに宣ったのだ。
「陽茉莉、あんたはこの1ヵ月程、一宮奏多の身辺調査をしていたでしょ。 あんたが好きな先輩からは全く相手にされず、もう諦めていたはず。 一宮の容姿は陽茉莉のドストライク。 無意識に一宮に気持ちが傾いていた。 そして、先輩にはきっぱりと振られて、もうすっかり心は一宮奏多に向かっているのよ」
陽茉莉は、頭に岩をぶつけられた様な衝撃を受けた。 友人の推測を聞くと、ガックリと床に崩れ落ちた。 陽茉莉は友人と一緒にカラオケボックスに来ていた。 本当は奏多と帰るはずだったが、顔を会わすのが恥ずかしく、とても直視できないと思い、奏多から逃げて来た。
「何て事っ!! 無意識に奏多に心変わりしていたなんてっ!」
「それが違ってたら、心と身体は別物って事よね」
「それじゃあ私が淫乱みたいじゃない!!」
足を組み替えて良い女を演じていた友人が『フㇷ』と妖しく笑う。 友人の瞳は『そうい事よ』と宣っていた。 口を開けて愕然としていると、ボックスの扉がノックされた後、奏多が顔を出した。
「遅くなってごめんね。 時間まだ大丈夫?」
「ああ、一宮! やっと来た! 遅いわよ」
「ごめん、ごめん。 下駄箱出た所で伊織くんに捕まっちゃってさ」
奏多は昼間の事なんて何もなかったかのように、いつもと変わらない様子だった。 友人はオレンジジュースを一気に飲むと、お財布から自身のお金を出して『じゃ、迎えも来たし帰るわ』とボックスを出ようとした。 陽茉莉は、友人を慌てて追いかけた。
「ちょっと待ってよ!! どういう事か説明してから帰りなさいよ!」
「だから、私がここに呼んだの。 あんたが気持ちよく歌っている間に、あんたの携帯から連絡したの」
「あんた~」
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友人は陽茉莉の制止も聞かず、ササッとボックスを後にしてしまった。 後に残された、陽茉莉と奏多の間に微妙な空気が流れる。 先に声を出したのは、奏多だった。
「行き成りキスなんかしてごめん!! 仲いい所を見せつければ、ゴリラ男が諦めると思って」
「あ、大丈夫! 作戦だって分かってたしっ、だから、大丈夫」
自分の口で作戦だと言ってしまい、陽茉莉は泣き出しそうになっていた。 泣きそうになっていた陽茉莉を見て、奏多の瞳が妖しく光った事に陽茉莉は気づかなかった。
――カラオケボックスを出た2人は、陽茉莉の家に向かって歩いていた。
奏多は先程のカラオケボックスでの事を思い出していた。 陽茉莉の泣きそうな顔に、心がざわつき、またキスをしたい衝動にかられ、必死に耐えていた。
(さっきの泣きそうな顔、すごい可愛かったな。 やばかったわ、もうちょっとで襲うとこだった)
微妙な空気が流れている間に『時間になりました』と電話が鳴ったのだ。 奏多はチラリと陽茉莉を見た。 陽茉莉の顔は強ばっていた。 流石にやり過ぎたなと反省しているうちに、陽茉莉の家の近くまで来た。
陽茉莉の家の前でゴリラ男が待ち構えている姿を見た。 しかも、仲間を数人連れていた。 奏多はゴリラ男の集団を見ると『うげっ』と声を出してしまった。 陽茉莉も『げっ』と美少女らしからぬ声を出した。
「お前!! まだ、陽茉莉につきまとってるのか!!」
「いや、そのセリフ、そのままあんたに返すよ。 何回も言わせんなよ。 俺ら付き合ってんの」
陽茉莉は奏多の後ろに隠れてゴリラ男の様子を眺めている。 真っ赤になって怒ったゴリラ男がお約束通りに、奏多に向かって拳を振り上げる。 奏多は背後にいる陽茉莉に小声で『少し、離れてて』と呟くと、ゴリラ男と対峙する。 大振りの拳を右手で払い、さらりと避ける。 ゴリラ男の大振りの拳は、奏多には一発も当たらなかった。
「くそっ! ちょこまかと!」
奏多につかみかかろうとした腕を避けて、ひらりと舞うと後ろ回し蹴りをゴリラ男の後頭部にお見舞いした。 ゴリラ男の取り巻きたちは、奏多に向かおうとしたが、奏多の眼光だけでビビってしまい、金縛りにあったように固まった。 奏多の周囲に、殺気が混じった空気が流れる。
「こいつ連れてささっとここから去れ。 近所迷惑だから、2度と来るなってゴリラ男に言っとけ」
『くそっ、覚えとけよ』とこれまたお約束のセリフを吐いて、ゴリラ男を数人で担いで去っていった。 背後から陽茉莉のホッと息を吐く音が聞こえた。 振り返る前に陽茉莉に背後から抱きしめられた。
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