ケットシーと小鳥の唄

伊織愁

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十二話

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 大人しく屋敷で待っていてくれとキウェテルに言われたが、ヴィヴィエンは考えていた。

 キメラは自身の祖先でもある。 物凄く血は薄くなっているが。

 私の毎朝の唄でキメラが目覚めたなら、私の所為だわ。

 金色の瞳に決意を滲ませ、ヴィヴィエンは侍女を呼んだ。

 「御用でしょうか、ヴィヴィエン殿下」
 「ええ、お願いがあります」
 「何なりとお申し付け下さい」

 ヴィヴィエンは、イタズラを思いついた様な表情をしていた。

 ◇

 ヴィヴィエンにプロポーズした後、キウェテルは直ぐにキメラの元へ行く準備を始めた。

 執務室で書類仕事を片付けながら、ウェイロに指示を出す。

 「ウェイロ、何があるか分からないから兵たちを集めてくれ」
 「畏まりました」
 「ああ、頼む」
 「確か、封印されている場所は長年の魔力が溜まり、迷宮の様になっているらしいです。 残された資料に記録がありました」
 「ああ、何回か奥の封印場所に行こうとしたみたいだな」
 「ええ、どうなっているか確認したかったんでしょうね」

 ウェイロが話しながら新たな書類を執務机へ置くと、再び、地響きを鳴らして床が揺れた。

 書類を流し読みするキウェテルの眉間に皺が寄った。

 「今のは弱いな」
 「……ええ、でも、緩い揺れであっても怖いですよっ」
 「被害への対応はどうなっている?」
 「はい、片付けや救助、避難所の設置を迅速に行っています。 あまり長い期間の避難所生活は苦痛を伴いますので、直ぐに新たな家を確保している最中です」
 「分かった。 急いだ方がいいな。 新たな大きな揺れで被害が広がる前に」

 サインをした書類の束をウェイロへ渡す。 受け取ったウェイロが一枚の封筒を差し出す。

 「はい。 それとは全く別の話なのですが」
 「なんだ?」
 「姫様にお茶会の招待状が届いています」
 「……お茶会?」
 「はい」

 差し出された封筒を見つめ、キウェテルの脳裏に嫌な予感が過ぎる。

 招待状を送って来た相手によってはとても面倒な事になる。 じっとウェイロを見つめるキウェテルの表情が曇る。

 「誰からだ?」
 「従妹のアラナ様です。 出来ればお二人でお越し下さいと」
 「無理だな」
 「即答で断らないで下さいっ、相手は親族ですし、公爵家ですよっ。 一番のキウェテル様の支持者ですよっ」

 ウェイロが困った様に焦りだす。

 「お気持ちは分かりますが、キウェテル様が駄目なら、姫様だけでも来て欲しいそうです」
 「何時だ?」

 キウェテルから溜め息が吐き出される。

 「丁度、一週間後ですね。 きっとキウェテル様が決められた番を見たいのではないですか?」
 「俺の事を面白可笑しく揶揄いたいんだろうっ。 腹黒めっ」

 何かを思い出した様にウェイロは笑い出した。 何時だったか、アラナに揶揄われ、不機嫌さを隠そうともしなかったキウェテルを思い出したのだろう。

 「ウェイロっ」
 「すみませんっ、あんなキウェテル様は見た事がありませんでしたのでっ」

 眉間に皺を寄せたキウェテルだが、いい事を思いついたと口にした。

 「ヴィヴィには、アラナのお茶会へ行ってもらおう。 で、その間に俺たちは封印場所の迷宮へ行こう」
 「宜しいので?」
 「ああ、ヴィヴィには内緒だからな」
 「畏まりました、キウェテル様が宜しいなら」
 「ああ、俺はそれでいい。 ヴィヴィがお茶会を楽しんでいる間にキメラを片付けよう」
 「では、取り急ぎ同行する者を選別致します」
 
 お辞儀をすると、ウェイロは執務室を出て行った。

 仕事を終えて晩餐。

 「ヴィヴィ、今日は大丈夫でしたか?」
 「ええ、大きな揺れの後は小さい揺れだったから、怖くなかったわ」
 「それなら良かった」

 屋敷の被害も小さく、問題なく夕食が出て来た。 ビーフシチューにサワークリームがかけてある。 ビーフはステーキの大きさだ。 綺麗にナイフで切り分け、口に運ぶ。

 柔らかい肉が蕩けるように口の中で消える。 パンを間に挟み、ワインを一口飲む。

 目の前でヴィヴィエンも美味しそうに舌鼓を打っている。

 視線が合えば和かに微笑み合う二人。

 「ヴィヴィにお茶会の招待状が来ているんだ」
 
 お茶会と聞いたヴィヴィエンの表情が明るく輝く。 彼女がお茶会へ行った事がない事を思い出した。

 そうか、ヴィヴィは塔から出た事がないからな。

 「二人で来てくれと言われているが、私は今は復旧作業で行けない。 私が無理なようなら、ヴィヴィだけでも来てくれと言われている」
 「私、お茶会へ行ってもいいの?」
 「ええ、ヴィヴィだって友人か欲しいでしよう?」
 
 食事の手を止めて、ヴィヴィは高速で何度も頷いた。

 「招待状の相手は私の従妹です。 私には腹黒ですが、令嬢には優しい人なので、心配しなくてもいいですよ」
 「そうなの? 楽しみだわ。 あ、でも私、お茶会の作法が分からないわ」
 「侍女長に作法を教える様に言っておきましょう。 大丈夫です、一週間もあるのですから、ヴィヴィなら覚えられますよ」

 ヴィヴィエンの表情は引き攣っていたが、きっと大丈夫だろうとキウェテルは笑みを浮かべた。

 ヴィヴィエンもとても楽しみにしていたから、キウェテルも安心していた。

 「楽しんで来て下さいね」
 「ええ、本当に楽しみだわっ」
 
 嬉しそうなヴィヴィエンの笑みに、キウェテルの琥珀と緑のオッドアイの瞳が細まった。

 ◇

 キウェテルからお茶会の知らせを受けて、ヴィヴィエンは浮かれていた。

 お茶会の作法の講義が頭に入らない程だ。

 お茶会、一度は絶対に行ってみたかった淑女の行事だ。

 子供の頃、塔のテラスでメイドとお茶会の真似事をしたものだと、ヴィヴィエンは幼い頃に想いを馳せた。

 私にも可愛い頃があったわね。

 「姫様、聞いておられますか?」
 
 侍女長の低い声に、ヴィヴィエンの肩が跳ねる。 ゆっくりと侍女長の方へ視線を動かす。 厳しい眼差しが眼鏡の奥で光っていた。

 「すみませんっ」
 「集中して下さい。 さぁ、もう一度最初から」
 「はいっ」

 挨拶から着席、紅茶カップの持ち方、菓子の食べ方など、色々教わる事があった。

 後は会話、ヴィヴィエンはずっと社会から離れて暮らして来た。 ファッションの流行や時事ネタなどは分からない。

 侍女長に教えてもらいながら、お茶会で着て行くドレスを考えた。

 午後から、キウェテルが手配した仕立て屋がやって来る。

 外出着を仕立てるのも初めてだ。 王城にいた頃は、必要ないとパーティー用のドレスも仕立ててもらえなかった。

 考えてみたら、私って全く王女扱いを受けてなかったんじゃない? お兄様たちも普段着るドレスは買ってくれたわね。

 王城での暮らしを思い出し、ヴィヴィエンは気づいた。 経験した事がない地面の揺れ、兄たちや両親の事を心配しなかった事。

 今更だけど、大丈夫だったかしら、お兄様たち。 後、塔の皆んなは無事かしら。

 物思いに耽るヴィヴィエンの耳に、数回、扉をノックする音が届く。

 「姫様、仕立て屋が参りました」
 「どうして頂戴」
 「はい」

 侍女に案内され、入って来た仕立て屋は、ヴィヴィエンと同じ年くらいに見える山猫族の女性だった。

 「本日は、よろしくお願いします」

 元気良く挨拶した仕立て屋は、明るい笑顔が印象的な好感を持てる女性だった。

 彼女の仕事は早く、サイズを測ると直ぐにデザイン画を羊皮紙へ描き出した。

 流行に疎いヴィヴィエンは、仕立て屋の意見を参考に、侍女長とも話し合い決めた。

 忙しいのか、デザイン画が決まると仕立て屋は帰って行った。

 もう少しドレス以外の話もしたかったのにっ。

 残念だと、ヴィヴィエンは肩を落とした。 先程を頼んだ侍女が戻って来た。

 「戻りました、姫様。 先程、頼まれていた事を調べて参りました」
 「そう、何か分かったかしら」
 「はい」
 
 デザイン画を腰掛けているソファーへ置いて、話を聞く体制になる。

 「大きな揺れがあった後、屋敷の確認を使用人総出で行いました。 私は図書室の確認をしていたんですが、何も分からずじまいでしたっ」
 「そう……」

 侍女長は仕立て屋を玄関ホールまで見送っている。

 「ですが、ウェイロ様が屋敷の兵士たちと話している所を目撃しました」
 「ウェイロ……あぁ、キウェテルの補佐官ね」
 「はい、キウェテル様は一週間後、兵士と共に出掛けるそうです」
 「一週間後?」
 「はい、丁度、姫様がお茶会へ行かれる日です」
 「……」

 キウェテルは仕事が忙しくて、お茶会にすら出席しないのに、何処へ行こうとしているの?

 「少し聞こえたのですが、迷宮がどうとか言っていましたね」
 「迷宮? 迷宮と言えば島の外れにあるけれど」
 「迷宮が崩れていないか見に行くのでしょうか?」
 「う~ん、もう少し調べて見ましょう。 それともう一つお願いがあるわ」
 「はい」
 「アラナ様ってどんな方?」
 「アラナ様はイタズラが好きで、面白い事が好きな方ですね。 よく、キウェテル様が犠牲になっていますね」
 「そうなのね。 アラナ様にお手紙を書くわ。 届けて頂戴」
 「畏まりました」
 「因みに、キウェテルがどんなイタズラをされたのか聞きたいわっ!」
 「それはですね」

 一頻り、キウェテルとアラナの攻防戦を聞き、ヴィヴィエンは楽しそうな二人を思い浮かべた。

 ふふっ、私も驚くキウェテルの姿が見てみたいわ。 私に内緒にするなんて、許さないんだからっ。

 ヴィヴィエンは早速、紙と羽ペンを机の引き出しから取り出し、アラナ宛ての手紙をしたためた。
 
 ◇

 鷲王の王城でも山の揺れが報告されていた。 王都では身体に感じる揺れではなかったが、獣人の勘なのか、王都民たちは異変を感じていた。

 珍しく慌てた様に侍従が数回、ノックした。 次いで侍従の焦った声が届く。
 
 「陛下、大変ですっ!」
 
 眉間に皺を寄せた鷲王は、何事かと息を吐き出した。 側に居た補佐官に入室を促す。

 「どうしました? 騒がしいですよ」

 補佐官が扉を開けると、侍従は飛び込む様に鷲王の執務室へ入って来た。

 「大変です、陛下っ! 山の揺れを数回、観測しましたっ」
 「何?」
 
 騒がしいと眉間に皺を寄せていた鷲王は、細めていた金色の瞳を僅かに開いた。

 補佐官も報告に反応を示す。

 「それは確かですか?」
 「はい、山を観測している騎士が確認しています。 山が数回、揺れたのを」
 「陛下」

 深くて重い溜め息が鷲王から吐き出された。

 「王子たちを呼べ。 王子たちにキメラを討伐させる」
 「御意」

 直ぐに王子たち三人が鷲王の執務室へやって来た。

 「陛下、お呼びと聞き、我ら三兄弟が散じました」
 「うん、もう既に聞き及んでいると思うが、キメラが目覚めた可能性がある」

 鷲王の真剣な眼差しに王子たちも真剣な面持ちだ。
 
 「お前たちに勅命を出す。 キメラが目覚めたのか確認した後、討伐を命ずる。 そして、我が姫を連れ戻して来い」
 
 王子たちが臣下の礼をする。

 「「「御意」」」

 スカイラが前へ出て鷲王に問う。

 「猫はどう致しますか?」

 猫と聞いただけで、誰の事を言っているのか分かったのか、鷲王の金色の瞳が獣目に変わった。

 執務室の空気が一瞬で張り詰めた。

 王子たち三人、侍従や補佐官が息を呑む気配が漂う。

 「邪魔立てするなら、奴も討伐対象だ。 現場での判断はスカイラ、お前に一任する」
 「御意」

 直ぐに山へ向かう準備をする為、王子たちが退出した。

 ヴィヴィ、無事でいてくれっ。 くれぐも無謀な事はしないでくれっ。

 鷲王の心配を他所に、ヴィヴィエンは無謀な作戦を考えていた。
 
 ふふっ、これでいいわっ。 侍女が調査を続けた結果、キウェテルがお茶会の日、キメラが封印されている場所へ行く事が分かったわ……どうやって調べたかは分からないけど。 こんな極秘情報を引き出せるなんて、なんて有能な侍女でしょう。

 ヴィヴィエンの手には、先程、アラナから届いた手紙が握られている。

 内容は喜んでヴィヴィエンに協力し、お茶会の日を変更する旨が書かれていた。

 侍女から聞いた話では、アラナはキウェテルを揶揄って遊ぶのがお気に入りだと。 アラナならば、ヴィヴィエンの提案を受け入れてくれると思ったのだ。

 ヴィヴィエンは楽しみで仕方がないと、忍び笑いが止まらなかった。

 ◇

 一週間後、屋敷の前に豪奢な馬車が停まり、ヴィヴィエンがお茶会に出掛けるのを見送っていた。 多くの使用人、兵士が並び、一番前にキウェテルが立っている。

 キウェテルは馬車にヴィヴィエンを乗せると、手の甲にキスを落とした。

 「初めてのお茶会、楽しんで来て下さい」
 「ええ」

 少し震えているヴィヴィエンに、キウェテルは励ますように微笑んだ。

 「そんなに緊張する事はありませんよ。 アラナは親戚ですからね。 意地悪な事はされません」

 キウェテルに小さく頷いたヴィヴィエンの頬が引き攣っている。

 キウェテルが思っている緊張からでは無く、仕掛けたイタズラの事を思うと、吹き出しそうになり、我慢しているので吹き出しそうになっているのだ。
 
 今日のヴィヴィエンはイエローのドレスで最近流行している両肩を出すデザインのドレスを着ている。

 「今日のヴィヴィは綺麗ですね。 今度は是非、私の為に着飾って下さい」
 
 引き攣っていたヴィヴィエンの頬が緩み、金色の瞳が優しく細まっていく。

 「ええ、キウェテルの好きなドレスを着るわ」
 
 ヴィヴィエンの身体の震えが止まり、キウェテルは安心した様に笑みを浮かべる。

 「御者、出発してくれ。 気をつけて行って来る様に」
 「はい」

 馬車の扉が閉まるまで、二人は見つめ合っていた。

 ゆっくりと出発した馬車を見送り、キウェテル自身も準備を始めた。

 「迷宮へ行く者は直ぐに出る準備をしてくれ」
 「「「「「「「はい!」」」」」」」
 
 キウェテルの指示で兵士たちが動き出した。

 ◇

 鷲王の王城でも王子たちが出発しようとしていた。
 
 鷲の翼を広げ、王子たちや騎士たちの周囲に強風が吹き荒れる。

 スカイラが後ろで控えている二人の王子と同行する騎士団を振り返る。

 「お前たち、準備を怠ってはいないな」
 「大丈夫だ」
 「勿論、準備万端だよ」
 「我々も準備は済ませています」
 「よし、では出発する」

 大きな翼の羽ばたきを鳴らし、王子たちと騎士団が空へ飛び立った。
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