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いきなり始まった(前)
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こうれんは体を動かすのが得意なわけじゃない。走るのだってどちらかといえばおそいほうだ。だから、このときささらの声とほとんど同時にしゃがめたのが不思議なくらいだ。
こうれんが腰を下げたそのとき、一瞬前までこうれんの頭があった場所を、ものすごい勢いでなにかが通っていった。そいつはこうれんの髪の毛にぶつかった。髪の毛が引っぱられる感覚に、こうれんは大急ぎであごを引いた。ぺちゃ、ばしゃ、ペタンっ、と、こうれんの頭上で音がした。なにかが岩にぶつかる音。
こうれんは思わず目をつぶった。
べしゃっ、ばちゃっ、べちゃんっ、べしゃんっ。
音が続く。なかなか止まない。
こうれんは目を開けた。ひざをつき、赤ん坊がはいはいをするような動きでぐるりと180度回転して頭と足の位置を変えた。それから思いきって上を見た。
そして一瞬ぽかんとした。
こうれんに向かって、赤いものがたくさん飛んでくる。いや、ちがう、こうれんにじゃない。こうれんとささらが広げた、そしてこうれんが1つにつなげた、土をとりのぞいて空気にさらした岩肌に向かって飛んできたのだ。知っているものの中では、それはこいのぼりに似ていた。大きなこいのぼりが風をはらんでうねるみたいだ。こいのぼりとちがうのは、その赤いものには空洞がなくて中身がつまっており、そしてこいのぼりよりもずっと長いことだった。こうれんの目には切れ目が見えなかった。やがてこうれんは気づいた。
(これって液体じゃないか。もしかしてあの赤い汁か。)
こうれんは頭の位置を下げたままに保ちながら、大岩を見た。
赤い汁のうねりが、こうれんとささらがあらわにした岩肌にぶつかっていく。
だが汁のはねかえりがない。
岩にあたって飛び散れば、下にいるこうれんの頭にも、体にも、赤い水滴がふりそそいでこうれんはあっという間に真っ赤になっているだろう。
こうれんはあぜんとした。
(岩の中へ入っていく?)
大岩が赤い汁を吸収しているのだ。
こうれんは四つんばに履いつくばったままそろそろと動いた。それからすぐに、自分の後ろにどろあらしが寝転がっていることに気づいた。大の字にあお向けになって赤い石の流れを見ている。口も目も半開きだ。
こうれんの頭の中に、不意にある疑問が浮かんだ。
(大岩の中はどうなっているんだろう。)
これだけ大量の赤い液体がどんどん吸収されていくのだ。もしかしたら岩の内側は大きな空洞になっているのだろうか。こうれんがそう考えたのは、どろあらしの目つきのせいかもしれない。どろあらしの様子は、まるで、自分の家の畳に寝転がって、天井を見ているみたいだった。
(うん、そうだ、どろあらしはなんだか知っているものを見ているみたいだ。)
こうれんは口を開いた。どろあらしの名を呼ぼうとした。
そのとき、ささらの声が聞こえた。
「こうれん! こっちへ来れる? もっと安全な場所へ移動したほうがいいよ。」
こうれんは声のした方向を見た。赤い汁の流れから5メートルくらい離れたところにささらが立っている。こうれんはあたり一帯が甘ったるいにおいで満ちていることに気づいた。これは、ささらの呼びかけが聞こえたおかげで赤い汁の流れから少しだけ意識をそらすことができて、呼吸が楽になったためだった。それまでは息が浅くてにおいに気づかなかった。言われて、そしてさらの立っている位置を見て、はじめてこうれんは自分がどれだけ赤い流れの近くにいるのかを自覚した。
(危ない、かも。)
こうれんの背中を冷や汗が伝った。ささらの言葉に従おうと思った。
その瞬間、どろあらしが上体を起こした。
どろあらしがこうれんを見た。半開きの目がちょっとだけゆれた。どろあらしの体が動いて足が伸びてきた。そしてその足がこうれんをけとばした。
「痛っ。」
こうれんは思わず声を上げた。そしてハッとした。ほんのわずかの間にどろあらしがすぐそばにいた。枯れた枝みたいな腕がにゅっと伸びてこうれんの体をつかんだ。
どろあらしが抱えたこうれんの体ごと立ちあがった。
ささらの悲鳴が聞こえた。一瞬だけ。
こうれんもどろあらしも、赤い汁の流れにつっこんだ。
流れは急だった。だく流だ。あっという間もなくこうれんの足が地面から離れた。頭にも腕にも足にも液体がぶつかり、すぐにこうれんの体は赤い流れと動きを1つにした。
こうれんにはそれがほんの短い一瞬に感じられた。何かを考える間もない出来事だった。
そんなほんの一瞬で、すべてが変わるなんて、思いもしなかった。
ささらが水汲みから戻ってきたら2人で岩肌に水をかけて藁でこすろうとこうれんは考えていた。しばらくこすればかなりきれいにできる、そしたら達成感があるだろう。少しくらいは、いやもしかしたら、けっこうたくさん。
そのあと祖父母の家へ戻る。あるいは、もしささらがいいと言えばささらの家へ寄る。ささらの祖父に会えるかもしれない。この変な出来事について知っていることを教えてもらえるかもしれない。
あるいは。もしかしたら。
「よくやった。きみのおかげで、ものごとが良いほうに進んだ。」
と、ほめてもらえるかもしれない。
「大変だったな。」
と、ねぎらってもらえるかもしれない。この集落でいちばん物知りの人に。その人の言葉に、こうれんの祖父母が、同級生や先生が、さっき道で出会った男たちが、こうれんのことをからかった連中が、こうれんのことを見直すかもしれない。
だけど、そんな考えは、1つもかなわなかった。
はじめに気づいたのは、自分の体がベトベトなことだ。こうれんは体中に赤い汁がくっついていることに、においで気づいた。「うわっ。」とつぶやいた。
こうれんは体を起こした。
赤い流れにまきこまれてから今までの間をつなげる記憶がない。眠っていたのかもしれない。でも、こんな状態で眠れるものだろうかと、こうれんは変な気分になった。
なにも見えない。
あたりにまったくく光がないことに、こうれんは気づいた。(ここはどこだろう?)と、こうれんは思った。横たわっていたあたりを手でさわってみる。手が何かにふれた。見えないために一瞬びっくりしたが、こうれんはすぐにそれが熊手だと気づいた。
少しだけ、ほんの少しだけ、こうれんはホッとした。
かたちと使い方を知っている道具を、こうして手にしたことは、手ぶらでいるよりずっとマシなことに思えた。なにかには使えるかもしれない。例えば、武器の代わりとか。
その時、少し離れたところで(と、こうれんは感じた)、
「来たぞ!」
と、叫ぶ声がした。しわがれた、ちょっともつれた声。
こうれんも声をあげた。
「どろあらし!」
叫んだとたんに、こうれんは腹が立った。ここがどこで目的がどんなことかわからないが、まきこまれたのだ。どろあらしに、おそらくロクでもないことに。
どろあらしの声がまた聞こえた。
「もう一回やるんだ! 今度はうまくやる!」
(あれ?)とこうれんは内心で首をかしげた。これはぼくへの返事とはちがうみたいだぞ、と感じた。
どろあらしはこうれんのことなんか全然気にしていない、そう感じた。
(いつものやつかな。)と、こうれんは考えた。これまでにいく度となく聞いた、どろあらしがその場に存在しない者に向かってわめく言葉。
こうれんは手さぐりで熊手のかたちを確かめ、柄の先端を握りしめた。そして地面に向かって、握ったのと反対側の先端をつきだした。熊手の歯が地面にふれた感触が指に伝わる。こうれんはそれを2度、3度とくりかえして、熊手を杖のかわりにして、どろあらしの声のしたほうへゆっくりと進んだ。動くうちに暗やみに目が慣れるかと思ったがちがった。どうも光のまったくささない場所のようで、なにも見えないままだった。
(ということは。)とこうれんは考えた。
「どろあらし、ねぇ、ここは大岩の内側なの?」
返事はなかった。
こうれんが腰を下げたそのとき、一瞬前までこうれんの頭があった場所を、ものすごい勢いでなにかが通っていった。そいつはこうれんの髪の毛にぶつかった。髪の毛が引っぱられる感覚に、こうれんは大急ぎであごを引いた。ぺちゃ、ばしゃ、ペタンっ、と、こうれんの頭上で音がした。なにかが岩にぶつかる音。
こうれんは思わず目をつぶった。
べしゃっ、ばちゃっ、べちゃんっ、べしゃんっ。
音が続く。なかなか止まない。
こうれんは目を開けた。ひざをつき、赤ん坊がはいはいをするような動きでぐるりと180度回転して頭と足の位置を変えた。それから思いきって上を見た。
そして一瞬ぽかんとした。
こうれんに向かって、赤いものがたくさん飛んでくる。いや、ちがう、こうれんにじゃない。こうれんとささらが広げた、そしてこうれんが1つにつなげた、土をとりのぞいて空気にさらした岩肌に向かって飛んできたのだ。知っているものの中では、それはこいのぼりに似ていた。大きなこいのぼりが風をはらんでうねるみたいだ。こいのぼりとちがうのは、その赤いものには空洞がなくて中身がつまっており、そしてこいのぼりよりもずっと長いことだった。こうれんの目には切れ目が見えなかった。やがてこうれんは気づいた。
(これって液体じゃないか。もしかしてあの赤い汁か。)
こうれんは頭の位置を下げたままに保ちながら、大岩を見た。
赤い汁のうねりが、こうれんとささらがあらわにした岩肌にぶつかっていく。
だが汁のはねかえりがない。
岩にあたって飛び散れば、下にいるこうれんの頭にも、体にも、赤い水滴がふりそそいでこうれんはあっという間に真っ赤になっているだろう。
こうれんはあぜんとした。
(岩の中へ入っていく?)
大岩が赤い汁を吸収しているのだ。
こうれんは四つんばに履いつくばったままそろそろと動いた。それからすぐに、自分の後ろにどろあらしが寝転がっていることに気づいた。大の字にあお向けになって赤い石の流れを見ている。口も目も半開きだ。
こうれんの頭の中に、不意にある疑問が浮かんだ。
(大岩の中はどうなっているんだろう。)
これだけ大量の赤い液体がどんどん吸収されていくのだ。もしかしたら岩の内側は大きな空洞になっているのだろうか。こうれんがそう考えたのは、どろあらしの目つきのせいかもしれない。どろあらしの様子は、まるで、自分の家の畳に寝転がって、天井を見ているみたいだった。
(うん、そうだ、どろあらしはなんだか知っているものを見ているみたいだ。)
こうれんは口を開いた。どろあらしの名を呼ぼうとした。
そのとき、ささらの声が聞こえた。
「こうれん! こっちへ来れる? もっと安全な場所へ移動したほうがいいよ。」
こうれんは声のした方向を見た。赤い汁の流れから5メートルくらい離れたところにささらが立っている。こうれんはあたり一帯が甘ったるいにおいで満ちていることに気づいた。これは、ささらの呼びかけが聞こえたおかげで赤い汁の流れから少しだけ意識をそらすことができて、呼吸が楽になったためだった。それまでは息が浅くてにおいに気づかなかった。言われて、そしてさらの立っている位置を見て、はじめてこうれんは自分がどれだけ赤い流れの近くにいるのかを自覚した。
(危ない、かも。)
こうれんの背中を冷や汗が伝った。ささらの言葉に従おうと思った。
その瞬間、どろあらしが上体を起こした。
どろあらしがこうれんを見た。半開きの目がちょっとだけゆれた。どろあらしの体が動いて足が伸びてきた。そしてその足がこうれんをけとばした。
「痛っ。」
こうれんは思わず声を上げた。そしてハッとした。ほんのわずかの間にどろあらしがすぐそばにいた。枯れた枝みたいな腕がにゅっと伸びてこうれんの体をつかんだ。
どろあらしが抱えたこうれんの体ごと立ちあがった。
ささらの悲鳴が聞こえた。一瞬だけ。
こうれんもどろあらしも、赤い汁の流れにつっこんだ。
流れは急だった。だく流だ。あっという間もなくこうれんの足が地面から離れた。頭にも腕にも足にも液体がぶつかり、すぐにこうれんの体は赤い流れと動きを1つにした。
こうれんにはそれがほんの短い一瞬に感じられた。何かを考える間もない出来事だった。
そんなほんの一瞬で、すべてが変わるなんて、思いもしなかった。
ささらが水汲みから戻ってきたら2人で岩肌に水をかけて藁でこすろうとこうれんは考えていた。しばらくこすればかなりきれいにできる、そしたら達成感があるだろう。少しくらいは、いやもしかしたら、けっこうたくさん。
そのあと祖父母の家へ戻る。あるいは、もしささらがいいと言えばささらの家へ寄る。ささらの祖父に会えるかもしれない。この変な出来事について知っていることを教えてもらえるかもしれない。
あるいは。もしかしたら。
「よくやった。きみのおかげで、ものごとが良いほうに進んだ。」
と、ほめてもらえるかもしれない。
「大変だったな。」
と、ねぎらってもらえるかもしれない。この集落でいちばん物知りの人に。その人の言葉に、こうれんの祖父母が、同級生や先生が、さっき道で出会った男たちが、こうれんのことをからかった連中が、こうれんのことを見直すかもしれない。
だけど、そんな考えは、1つもかなわなかった。
はじめに気づいたのは、自分の体がベトベトなことだ。こうれんは体中に赤い汁がくっついていることに、においで気づいた。「うわっ。」とつぶやいた。
こうれんは体を起こした。
赤い流れにまきこまれてから今までの間をつなげる記憶がない。眠っていたのかもしれない。でも、こんな状態で眠れるものだろうかと、こうれんは変な気分になった。
なにも見えない。
あたりにまったくく光がないことに、こうれんは気づいた。(ここはどこだろう?)と、こうれんは思った。横たわっていたあたりを手でさわってみる。手が何かにふれた。見えないために一瞬びっくりしたが、こうれんはすぐにそれが熊手だと気づいた。
少しだけ、ほんの少しだけ、こうれんはホッとした。
かたちと使い方を知っている道具を、こうして手にしたことは、手ぶらでいるよりずっとマシなことに思えた。なにかには使えるかもしれない。例えば、武器の代わりとか。
その時、少し離れたところで(と、こうれんは感じた)、
「来たぞ!」
と、叫ぶ声がした。しわがれた、ちょっともつれた声。
こうれんも声をあげた。
「どろあらし!」
叫んだとたんに、こうれんは腹が立った。ここがどこで目的がどんなことかわからないが、まきこまれたのだ。どろあらしに、おそらくロクでもないことに。
どろあらしの声がまた聞こえた。
「もう一回やるんだ! 今度はうまくやる!」
(あれ?)とこうれんは内心で首をかしげた。これはぼくへの返事とはちがうみたいだぞ、と感じた。
どろあらしはこうれんのことなんか全然気にしていない、そう感じた。
(いつものやつかな。)と、こうれんは考えた。これまでにいく度となく聞いた、どろあらしがその場に存在しない者に向かってわめく言葉。
こうれんは手さぐりで熊手のかたちを確かめ、柄の先端を握りしめた。そして地面に向かって、握ったのと反対側の先端をつきだした。熊手の歯が地面にふれた感触が指に伝わる。こうれんはそれを2度、3度とくりかえして、熊手を杖のかわりにして、どろあらしの声のしたほうへゆっくりと進んだ。動くうちに暗やみに目が慣れるかと思ったがちがった。どうも光のまったくささない場所のようで、なにも見えないままだった。
(ということは。)とこうれんは考えた。
「どろあらし、ねぇ、ここは大岩の内側なの?」
返事はなかった。
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