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子どもよりひどい大人
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どうにか気をしずめようとして、こうれんはささらに、ここへ来るまでにした話のつづきをうながした。
「きみのおじいちゃん、ほうぎょうさん。」
「うん。」
「なにを知っているの?」
「ここのことなら、全部。もし、いままでここで生まれた人、千年の間に生まれた全員の中でここに一番くわしい人はだれ?って聞かれたら、みんなおじいちゃんだって言うと思う。」
「すごいね。」
「北のはずれにお宮とお寺が並んで建っているでしょう。」
「ああ、うん、ここへ来た最初の日に、おばあちゃんがぼくをお宮へお参りに連れていったよ。鎮守の神様だから挨拶しようって。」
「うん。おじいちゃんは長いこと、宮司で住職をやったの。」
「ぐうじでじゅうしょく。」
「神主でお坊さんっていう意味。」
「両方?お寺もお宮も?」
「神仏習合だ!」
二人の後ろでどろあらしが叫んだ。こうれんは振り返り、どろあらしが道に大の字に寝転がっているのを見ていくつもの意味で腹が立った。
まず、汚い。昨日の雨でまだ道が乾く前なのに、そんな場所に寝ころんだら背中が泥だらけだろう。そしてなぜどろあらしは寝ているのか。二人の小学生が手を動かしているのに。
「どろあらしも一緒にやってよ。」
「いやだ、おれはやらん。」
「はあ?」
こうれんは目をむいた。
「どろあらしがやれって言ったんだぞ、なのになんで自分じゃやらないんだよ。」
「お前はバカか。おれは自分ではやらないからお前にやれと言ったんだ。」
「はああ?」
「そんなこと少し考えたらすぐわかるだろう。」
「わからないよ、意味がわからない。なまけ者!」
どろあらしがぬれた土の上で寝返りを打った。まるで、ここが自分の家のなかで、畳に布団が敷いてあるかのような寝返りだった。でもどろあらしが寝転んでいるのは屋外で道のまんなか、畳も布団もない。どろあらしの体はいっそう泥だらけになった。
どろあらしは再び叫んだ。
「意味がわからんのはおれの方だ!精を出して体を働かせる意味がわからん!動くと減る!おかしくなる!だからみんなおかしいんだ!」
なにを言っているんだ、と、こうれんは怒りを通りこしてあきれた。そしてプイッとどろあらしから視線をはずした。大人のくせに、そう思ってから、こんなやつ相手にしてもダメだ、と、思い直した。
「なんだっけ、そう、おじいさんの話だ。うわっ、ダンゴムシもいる。いやいやがまんだがまん、くそっ。絶対吐かないぞ。じゃなくて、ええと、おじいさん。」
「熊手とその石を交換する?」
「大丈夫、あのさ、ぼく、こういう作業すごく苦手なんだよ。虫とか泥とか、手や服が汚れるようなこと。」
「うん。」
「だから話をしながらだと助かる。少しは気がまぎれるから。それもあるからおじいさんの話が聞きたいんだ。きみのおじいさんは今日みたいなことが起きるってわかっていたの? あの赤い汁ってなにでできているの? これからもっと変なことが起きるのかな?」
「大岩にはいろいろ不思議なことがある、そう言ってた。でもわたしには、そんなにくわしいことを教えてくれたわけじゃない。とにかく、近づくなって。」
「でもいま、こんなことしている。ばれたら叱られないかな。」
「それは大丈夫。」
話の合間に、ガツンっと石と石がカチあった。大人の背たけよりも大きな岩と、こうれんが手にした石が。
ささらと話すうちに石を大岩に垂直もしくはそれに近い角度で差しこんだようだ。こうれんは急いで石の角度を調節した。そうじを始めてどれくらいたったのだろうか。30分?1時間?
こうれんは2歩3歩と下がり、自分とささらの二人でけずった壁面をじっくり見た。ささらがけずった面積のほうがやや広い。
「なんだか地図みたいだ。」
と、こうれんはつぶやいた。ささらも手を止めてこうれんのとなりに並んだ。そしてうなずいた。
「ほんとだ。」
大岩から古い土や草が剥がれるとき、不規則な大きさ、不規則なかたちでぼろりと落ちていく。だんだん広がりつつあるけずった跡のりんかく線は、とがったりへこんだりして、まるで海岸線みたいだ。凹凸もある。岩肌がむきだしになった箇所と、うっすらと土の残る箇所で、まだらになっている。
「等高線みたい。」
ささらが言った。四年生のとき学校で習ったその言葉を、ちょうどこうれんも思い浮かべたところだ。こうれんはあることを思いついた。
「島と島をつなげよう。」
二つの島、こうれんのけずった跡と、ささらのけずった跡の間に、少しばかり距離がある。50cmくらい、とこうれんはあたりをつけた。
「ぼくらのうちどちらかが水を汲んでくる。残ったほうが熊手でこの間の土をけずる。どうかな。」
「水が要る?」
ささらがたずねた。こうれんはうなずいた。
「水で拭いたらもっときれいに岩が出てくるよ。」
「わかった。」
「このへんで水汲みのできるところを知ってる?」
「林の西の端っこに雨が降ったあと2、3日のあいだ水が貯まる場所がある。」
ささらが言う。
「でも、もしかしたら水が赤く染まっているかも。」
「ああ、うん。」
こうれんはうなずいた。十分考えられることだ。
「赤くてかまわん。」
下からどろあらしの声がした。二人が声のするほうを見ると、どろあらしがずる、ずる、と、背中で這うようにして二人のそばへ近づきつつあった。こうれんはついたずねてしまった。
「どろあらし、なにしてるの?」
「移動だ。見てわからんのか。」
「なんで立って歩かないの?」
「ほんのちょっとの距離だ。このほうが早いだろうが。」
(そうかな?)とこうれんは疑った。起きあがって歩くほうが、たとえ数歩でも早いのでは、と思った。
どろあらしが話をつづけた。
「赤いほうが、もしかすると上手くいくかもしれん。」
「なにが?」
「やればわかることを一々きくな。」
こうれんはささらを見た。ささらが熊手をこうれんに向かって差しだした。
「わたしが水を汲む。きみはつづきをやって。」
こうれんはあることに気づいてあわてた。
「待ってくれ、ひとりで林のなかに入るのは危険かもしれない。さっきみたいな野犬とか猿の群れとはちあわせしたら大変だよ。」
「わき水の貯まる場所はすぐ近くなの。それに林の中、しずかだよ。」
ささらに言われてこうれんは耳をすませた。あたりにはたしかに静寂がただよっていた。聞こえてくるのは風で木の葉がこすれる音くらいだ。それでもこうれんは、
「どろあらしときみの2人で行くのはどうだろう。」
と、提案してみた。
ささらがこうれんを見た。こうれんは、ここへ来る前と同じ気分になった。自分がバカになった気分。2人が足元を見ると、どろあらしがごろりと寝がえりを打った。ささらが木桶を持ちあげた。
「行ってくる。きみは手を動かして。」
「あ、うん。」
ささらの背中を少しだけ見送ってから、こうれんは熊手を握る手に力をこめた。野球ボールを投げるときのように振りかぶって、はずみをつけて、熊手を壁面に差しこんだ。こうすると効率がいいことに、石で土をけずるうちに気づいたのだ。そして熊手を下へ向けて移動させる。この動きもそうだ。横よりも下へ動かすほうが余分な力を使わずにすむ。ガリッ、ザザッ、ガリッ、ザザッ、と、しばらくの間、あたりにこうれんが土をけずる音だけがひびいた。
(もう少し。あと少し。あと3回。よし、あと2回。)
頭の中でカウントダウンを始めると、こうれんの動きは早まった。
(あと一回。)
ガリッ、と、こうれんは2人がそれぞれけずった「島」の間に残った土に、熊手を乗せた。柄を握ったのと反対の手を、熊手の先頭にそえて、大きく、息を吐いて吸って、吐きだしながら下へ降ろした。さっきまでの動きよりもゆっくりだ。残りの土を全部こそぎ落としてしまいたかった。
ボロボロと土が落ちた。
畳1枚ぶんくらいの広さの岩肌が、こうれんの目の前に現れた。
だれかが「あっ!」と叫ぶ声が聞こえた。
(ささらだ。)
こうれんが振りかえるより早く、
「しゃがんでっ‼︎」
叫び声が聞こえた。
「きみのおじいちゃん、ほうぎょうさん。」
「うん。」
「なにを知っているの?」
「ここのことなら、全部。もし、いままでここで生まれた人、千年の間に生まれた全員の中でここに一番くわしい人はだれ?って聞かれたら、みんなおじいちゃんだって言うと思う。」
「すごいね。」
「北のはずれにお宮とお寺が並んで建っているでしょう。」
「ああ、うん、ここへ来た最初の日に、おばあちゃんがぼくをお宮へお参りに連れていったよ。鎮守の神様だから挨拶しようって。」
「うん。おじいちゃんは長いこと、宮司で住職をやったの。」
「ぐうじでじゅうしょく。」
「神主でお坊さんっていう意味。」
「両方?お寺もお宮も?」
「神仏習合だ!」
二人の後ろでどろあらしが叫んだ。こうれんは振り返り、どろあらしが道に大の字に寝転がっているのを見ていくつもの意味で腹が立った。
まず、汚い。昨日の雨でまだ道が乾く前なのに、そんな場所に寝ころんだら背中が泥だらけだろう。そしてなぜどろあらしは寝ているのか。二人の小学生が手を動かしているのに。
「どろあらしも一緒にやってよ。」
「いやだ、おれはやらん。」
「はあ?」
こうれんは目をむいた。
「どろあらしがやれって言ったんだぞ、なのになんで自分じゃやらないんだよ。」
「お前はバカか。おれは自分ではやらないからお前にやれと言ったんだ。」
「はああ?」
「そんなこと少し考えたらすぐわかるだろう。」
「わからないよ、意味がわからない。なまけ者!」
どろあらしがぬれた土の上で寝返りを打った。まるで、ここが自分の家のなかで、畳に布団が敷いてあるかのような寝返りだった。でもどろあらしが寝転んでいるのは屋外で道のまんなか、畳も布団もない。どろあらしの体はいっそう泥だらけになった。
どろあらしは再び叫んだ。
「意味がわからんのはおれの方だ!精を出して体を働かせる意味がわからん!動くと減る!おかしくなる!だからみんなおかしいんだ!」
なにを言っているんだ、と、こうれんは怒りを通りこしてあきれた。そしてプイッとどろあらしから視線をはずした。大人のくせに、そう思ってから、こんなやつ相手にしてもダメだ、と、思い直した。
「なんだっけ、そう、おじいさんの話だ。うわっ、ダンゴムシもいる。いやいやがまんだがまん、くそっ。絶対吐かないぞ。じゃなくて、ええと、おじいさん。」
「熊手とその石を交換する?」
「大丈夫、あのさ、ぼく、こういう作業すごく苦手なんだよ。虫とか泥とか、手や服が汚れるようなこと。」
「うん。」
「だから話をしながらだと助かる。少しは気がまぎれるから。それもあるからおじいさんの話が聞きたいんだ。きみのおじいさんは今日みたいなことが起きるってわかっていたの? あの赤い汁ってなにでできているの? これからもっと変なことが起きるのかな?」
「大岩にはいろいろ不思議なことがある、そう言ってた。でもわたしには、そんなにくわしいことを教えてくれたわけじゃない。とにかく、近づくなって。」
「でもいま、こんなことしている。ばれたら叱られないかな。」
「それは大丈夫。」
話の合間に、ガツンっと石と石がカチあった。大人の背たけよりも大きな岩と、こうれんが手にした石が。
ささらと話すうちに石を大岩に垂直もしくはそれに近い角度で差しこんだようだ。こうれんは急いで石の角度を調節した。そうじを始めてどれくらいたったのだろうか。30分?1時間?
こうれんは2歩3歩と下がり、自分とささらの二人でけずった壁面をじっくり見た。ささらがけずった面積のほうがやや広い。
「なんだか地図みたいだ。」
と、こうれんはつぶやいた。ささらも手を止めてこうれんのとなりに並んだ。そしてうなずいた。
「ほんとだ。」
大岩から古い土や草が剥がれるとき、不規則な大きさ、不規則なかたちでぼろりと落ちていく。だんだん広がりつつあるけずった跡のりんかく線は、とがったりへこんだりして、まるで海岸線みたいだ。凹凸もある。岩肌がむきだしになった箇所と、うっすらと土の残る箇所で、まだらになっている。
「等高線みたい。」
ささらが言った。四年生のとき学校で習ったその言葉を、ちょうどこうれんも思い浮かべたところだ。こうれんはあることを思いついた。
「島と島をつなげよう。」
二つの島、こうれんのけずった跡と、ささらのけずった跡の間に、少しばかり距離がある。50cmくらい、とこうれんはあたりをつけた。
「ぼくらのうちどちらかが水を汲んでくる。残ったほうが熊手でこの間の土をけずる。どうかな。」
「水が要る?」
ささらがたずねた。こうれんはうなずいた。
「水で拭いたらもっときれいに岩が出てくるよ。」
「わかった。」
「このへんで水汲みのできるところを知ってる?」
「林の西の端っこに雨が降ったあと2、3日のあいだ水が貯まる場所がある。」
ささらが言う。
「でも、もしかしたら水が赤く染まっているかも。」
「ああ、うん。」
こうれんはうなずいた。十分考えられることだ。
「赤くてかまわん。」
下からどろあらしの声がした。二人が声のするほうを見ると、どろあらしがずる、ずる、と、背中で這うようにして二人のそばへ近づきつつあった。こうれんはついたずねてしまった。
「どろあらし、なにしてるの?」
「移動だ。見てわからんのか。」
「なんで立って歩かないの?」
「ほんのちょっとの距離だ。このほうが早いだろうが。」
(そうかな?)とこうれんは疑った。起きあがって歩くほうが、たとえ数歩でも早いのでは、と思った。
どろあらしが話をつづけた。
「赤いほうが、もしかすると上手くいくかもしれん。」
「なにが?」
「やればわかることを一々きくな。」
こうれんはささらを見た。ささらが熊手をこうれんに向かって差しだした。
「わたしが水を汲む。きみはつづきをやって。」
こうれんはあることに気づいてあわてた。
「待ってくれ、ひとりで林のなかに入るのは危険かもしれない。さっきみたいな野犬とか猿の群れとはちあわせしたら大変だよ。」
「わき水の貯まる場所はすぐ近くなの。それに林の中、しずかだよ。」
ささらに言われてこうれんは耳をすませた。あたりにはたしかに静寂がただよっていた。聞こえてくるのは風で木の葉がこすれる音くらいだ。それでもこうれんは、
「どろあらしときみの2人で行くのはどうだろう。」
と、提案してみた。
ささらがこうれんを見た。こうれんは、ここへ来る前と同じ気分になった。自分がバカになった気分。2人が足元を見ると、どろあらしがごろりと寝がえりを打った。ささらが木桶を持ちあげた。
「行ってくる。きみは手を動かして。」
「あ、うん。」
ささらの背中を少しだけ見送ってから、こうれんは熊手を握る手に力をこめた。野球ボールを投げるときのように振りかぶって、はずみをつけて、熊手を壁面に差しこんだ。こうすると効率がいいことに、石で土をけずるうちに気づいたのだ。そして熊手を下へ向けて移動させる。この動きもそうだ。横よりも下へ動かすほうが余分な力を使わずにすむ。ガリッ、ザザッ、ガリッ、ザザッ、と、しばらくの間、あたりにこうれんが土をけずる音だけがひびいた。
(もう少し。あと少し。あと3回。よし、あと2回。)
頭の中でカウントダウンを始めると、こうれんの動きは早まった。
(あと一回。)
ガリッ、と、こうれんは2人がそれぞれけずった「島」の間に残った土に、熊手を乗せた。柄を握ったのと反対の手を、熊手の先頭にそえて、大きく、息を吐いて吸って、吐きだしながら下へ降ろした。さっきまでの動きよりもゆっくりだ。残りの土を全部こそぎ落としてしまいたかった。
ボロボロと土が落ちた。
畳1枚ぶんくらいの広さの岩肌が、こうれんの目の前に現れた。
だれかが「あっ!」と叫ぶ声が聞こえた。
(ささらだ。)
こうれんが振りかえるより早く、
「しゃがんでっ‼︎」
叫び声が聞こえた。
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