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その場所へ
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こうれんはたずねた。
「大岩のその場所は、夏至の日だけ光が当たる場所だ。だって夏至の日には片がつくってことは、これまでだって、100年に1回、そこをきれいにしてたのでしょ?」
『そうであるとも言えるし、ちがうとも言える』
声が答えた。そして、こうれんが次の質問をするより早く、言葉をついだ。
『100年前にそれを担った人間は、夏至の半月ほど前から開始した。人とは別のものに属する者たちを大岩のなかへ送り、やがて夏至を迎えたとき最後に残った1カ所を整えた。それは出口を閉じることになった。』
声は一瞬しずかになった。一瞬だけ。すぐに次の言葉がつづいた。
『だがきみはちがう。』
「ちがうの? いつもみたいに、そうであるとも言えるし、ちがうとも言える、ってやつじゃないの?」
『明らかにちがう。』
声は断言した。
『きみが整えるのは100年前と同じ、夏至だけ光の差す場所だ。だが、時がちがう。きみが最後の結合を止めたければ、今のうち、一刻も早くとりかかるべきだ。そしてきみの行動は出口を閉じるのではなく、入り口を開けることになる。』
「出口も入り口も同じ場所でしょう。」
言ってからこうれんはハッとした。
「入り口を開けてから、もう一回そこを閉じる必要があるんだ。」
『その通り、まったくもってその通りだ。ただしそれが可能かどうか、やってみないとわからない。』
こうれんは息をのんだ。それからさらにたずねた。今度はこうれんの声がかすれたものになった。
「出口が閉じるかどうかわからないってこと?」
『同じ場所を2度整える、それはこれまでなかったことだ。』
「いや、そんなことない。」
こうれんは異議を唱えた。
「そりゃ2日続けてということはなかったかもしれないけど、100年に1回ずつ同じ場所をきれいにしてきたのなら、たくさんくり返したんだよね。」
言った途端、こうれんの肌がざわざわした。これまでで1番、飛びきりのざわつきが体を駆けぬけた。
「そうか、ちがうんだ。」
返事を聞くよりも先に、なぜか答えがわかった。それは泥のせいかもしれない。大岩の中、暗闇の中でもあたりの様子がわかったときと似ていた。
「100年前にこうじゃくだいらんが起きた場所はここじゃない。どこか別の場所だった。」
『その通りだ。』
声が答えた。
『はるか遠い場所。別の国。そしてその100年前はまた別の国。こうじゃくだいらんはこれまで1つとして同じ場所で起きていない。だから人々が夏至の日に整えてきたのは常に1つの場所、一度だけの行為でありつづけた。二度、同じ場所を整えた例はない。』
「ぼくがそれをしたら、今回が初めてってこと? それで、もしかしたら今までになかったことが起きるかもしれない? あのさ、もしもきれいにするのを明日に回したら、出口は閉じる? 今までずっと、100年に1回やってきたように。」
『閉じるはずだがおそらく意味がない。外に81のものが出たままだ。』
「それはもう、選ぶとかじゃないよね。」
こうれんは言った。
『そうかもしれない。』
声も認めた。
「夏至の日だけ光の当たる場所を教えて。ううん、教えてください。」
こうれんは、声に頼んだ。
『きみの左手の方向へ、大岩に沿って進むんだ。』
声が応じた。こうれんはかばんを肩にかけ、鍬を手にして歩きだした。大岩に右手をそえてゆっくり進んだ。土や苔が手にふれた。ふれる場所によって、こうれんの肌がざわついたり、指先にしびれるような感覚が生まれたりした。例のなんとなくの感覚でこうれんは(ここはあれが出て行った場所)(ここは入るための場所)と、あたりをつけた。
『もう少し手を高くするといい。』
声が言った。こうれんはその言葉に従って、岩にふれる手の位置を変えた。
進むにつれ、こうれんの体がふるえだした。
大きな町にいた頃、台風の翌日に学校で受けた注意を思い出した。1年生のとき。「電線が切れて地面に落ちていても、決して触れないように。感電すると死んでしまいます。。」
「これって感電してるのかな?」
こうれんはつぶやいた。
『きみの体に流れるものがたしかに発生しているが、それは君たちが電気と呼ぶものではない。』
声が応じた。
「泥をぬっていない普通の人は、このビリビリするものを感じるの?」
『素の状態でそれを感じる人間もまれにだが存在する。だが、ほとんどの人間はちがう。』
ふと、こうれんはこの場所が集落のはずれであることを思いだした。ここを通るのは駅のある小さな町へ行き来をする人間だけ。
こうれんはあることに気がついた。
「郵便屋さん、今日は来ないのかな。」
祖父母の家に閉じこめられている間、毎日耳にした自転車の音。まるで時計みたいに正確に、必ず同じ時刻に走りすぎていった音。今日、あの自転車がこの1本道を通って集落へ入っていくはずの時間、こうれんはここにいたはずだ。
今日はあの自転車がやってこなかった。
声にそのことをたずねると、
『こうじゃくだいらんが終わるまで、人の出入りが途絶える。』
と、言われた。こうれんは首をかしげた。
「来ないの? 郵便屋さんも? みんな、ここで何が起きるのか知らないのでしょう? なのに?」
『理由は何かしら発生する。熱を出して寝こむもの、怪我をするもの、用事があるもの、身内によらぬことが起きるもの。そうやって、いつも出入りするはずの人間の足が止まる。』
急に、あたりが静まりかえっていることに、こうれんは気づいた。こうれんが今日ここへ来てからずっと静かだったのに、今になってそれが気になるのもおかしなことだと、こうれんは思った。
それから別のことにも気づいた。
「風がない。うん、風だけじゃない。」
いつの間にか虫の鳴く声も途絶えた。
空気がじりっと圧を高めた気がする。
(待っている。)と、こうれんは感じた。
そばに誰もいないのに。
誰が?
一体、何を?
こうれんはまた一歩、足を進めた。
それからまた一歩。さらにまた一歩。
進むごとに歩む速度が落ちていく。手から伝わるビリビリするふるえが次第に大きくなっていくために、手の感触に、ほとんどすべての神経を集中させたからだ。そのぶん歩くことから気がそれてしまう。
(でも多分もう少しだ。)
と、思った瞬間、こうれんはつまずいてよろけた。集中しすぎて足元を全く気にしていなかった。つま先で蹴とばしたものを見て、こうれんは(あっ!)と思った。
熊手だ。あの日からずっとここにあったようだ。
こうれんは熊手を取りあげた。持ってきた鍬はそこへ置いた。
「こっちを使う。そのほうがいいと思う、なんとなく。」
『それでいい。きみが今から整える場所は小さい。』
「それは、固まりだから?」
さっき見た鳥のような、カタツムリのような、結合をくり返したものたちをこうれんは思い浮かべた。
こうれんの手が大岩のある箇所にふれた。
ここだ、とこうれんは気づいた。
熊手をかばんに引っかけて空手になり、両方の手でこうれんはそこにふれた。
(吸いこまれそうな気がする。)
さっきまでは大岩の壁面から手に向かって流れてきたのに、その箇所では逆だった。こうれんの内側から何かがそこへ流れていく。
『急ぎなさい。早いほうがいい』
声が忠告した。
こうれんはそうした。
熊手の歯を壁面の土に差しこんだ。それから引っぱった。一瞬、こわいなと思った。足のあたりに力が入らない。
これから何が起きるかわからない。声もわからないという。
ポロリ、とひとかたまりの土がはがれた。わずかだが岩の表面が現れた。黒っぽい土のすき間からのぞく白い岩。
これまでそうじしたときに感じたことを、こうれんは思いだした。
水道の蛇口を布きんで拭いたとき。ほうきで掃くとき。雑巾で埃をぬぐうとき。
きれいにすると、その場所が明るくなる。光で満ちる。こうれんの気持ちも明るくなる。
満ちていく。
(きれいにするんだ、この場所でもやることは同じだ。)
こうれんは手を動かした。
しばらく熊手を使ったあと、こうれんはかばんから手拭いと水筒を取りだした。手拭いに水筒の水を少しだけ注いで濡らして、現れた岩の表面を拭いた。こびりついた土がだんだんとれていく。
(あ。)と、こうれんは思った。
来た、と気づいた。
背後に動くものの気配を感じる。この大岩から出ていったものたちが再びここへ姿を現したのだ。
そして次の瞬間に起きたことは、こうれんにとって思いもかけないことだった。
『手を止めて。』
声が聞こえた。
こうれんは息をのんだ。
それはこれまで話してきた声とは、別のものだった。いつも聞くより高い。木管楽器の音色みたいな、やわらかくて耳に心地よい声だ。そして響きかたはいつもの声と同じ、まるでこうれんが自分の声を聞くときのように、のどのあたりから体の内側に直接聞こえる。
「大岩のその場所は、夏至の日だけ光が当たる場所だ。だって夏至の日には片がつくってことは、これまでだって、100年に1回、そこをきれいにしてたのでしょ?」
『そうであるとも言えるし、ちがうとも言える』
声が答えた。そして、こうれんが次の質問をするより早く、言葉をついだ。
『100年前にそれを担った人間は、夏至の半月ほど前から開始した。人とは別のものに属する者たちを大岩のなかへ送り、やがて夏至を迎えたとき最後に残った1カ所を整えた。それは出口を閉じることになった。』
声は一瞬しずかになった。一瞬だけ。すぐに次の言葉がつづいた。
『だがきみはちがう。』
「ちがうの? いつもみたいに、そうであるとも言えるし、ちがうとも言える、ってやつじゃないの?」
『明らかにちがう。』
声は断言した。
『きみが整えるのは100年前と同じ、夏至だけ光の差す場所だ。だが、時がちがう。きみが最後の結合を止めたければ、今のうち、一刻も早くとりかかるべきだ。そしてきみの行動は出口を閉じるのではなく、入り口を開けることになる。』
「出口も入り口も同じ場所でしょう。」
言ってからこうれんはハッとした。
「入り口を開けてから、もう一回そこを閉じる必要があるんだ。」
『その通り、まったくもってその通りだ。ただしそれが可能かどうか、やってみないとわからない。』
こうれんは息をのんだ。それからさらにたずねた。今度はこうれんの声がかすれたものになった。
「出口が閉じるかどうかわからないってこと?」
『同じ場所を2度整える、それはこれまでなかったことだ。』
「いや、そんなことない。」
こうれんは異議を唱えた。
「そりゃ2日続けてということはなかったかもしれないけど、100年に1回ずつ同じ場所をきれいにしてきたのなら、たくさんくり返したんだよね。」
言った途端、こうれんの肌がざわざわした。これまでで1番、飛びきりのざわつきが体を駆けぬけた。
「そうか、ちがうんだ。」
返事を聞くよりも先に、なぜか答えがわかった。それは泥のせいかもしれない。大岩の中、暗闇の中でもあたりの様子がわかったときと似ていた。
「100年前にこうじゃくだいらんが起きた場所はここじゃない。どこか別の場所だった。」
『その通りだ。』
声が答えた。
『はるか遠い場所。別の国。そしてその100年前はまた別の国。こうじゃくだいらんはこれまで1つとして同じ場所で起きていない。だから人々が夏至の日に整えてきたのは常に1つの場所、一度だけの行為でありつづけた。二度、同じ場所を整えた例はない。』
「ぼくがそれをしたら、今回が初めてってこと? それで、もしかしたら今までになかったことが起きるかもしれない? あのさ、もしもきれいにするのを明日に回したら、出口は閉じる? 今までずっと、100年に1回やってきたように。」
『閉じるはずだがおそらく意味がない。外に81のものが出たままだ。』
「それはもう、選ぶとかじゃないよね。」
こうれんは言った。
『そうかもしれない。』
声も認めた。
「夏至の日だけ光の当たる場所を教えて。ううん、教えてください。」
こうれんは、声に頼んだ。
『きみの左手の方向へ、大岩に沿って進むんだ。』
声が応じた。こうれんはかばんを肩にかけ、鍬を手にして歩きだした。大岩に右手をそえてゆっくり進んだ。土や苔が手にふれた。ふれる場所によって、こうれんの肌がざわついたり、指先にしびれるような感覚が生まれたりした。例のなんとなくの感覚でこうれんは(ここはあれが出て行った場所)(ここは入るための場所)と、あたりをつけた。
『もう少し手を高くするといい。』
声が言った。こうれんはその言葉に従って、岩にふれる手の位置を変えた。
進むにつれ、こうれんの体がふるえだした。
大きな町にいた頃、台風の翌日に学校で受けた注意を思い出した。1年生のとき。「電線が切れて地面に落ちていても、決して触れないように。感電すると死んでしまいます。。」
「これって感電してるのかな?」
こうれんはつぶやいた。
『きみの体に流れるものがたしかに発生しているが、それは君たちが電気と呼ぶものではない。』
声が応じた。
「泥をぬっていない普通の人は、このビリビリするものを感じるの?」
『素の状態でそれを感じる人間もまれにだが存在する。だが、ほとんどの人間はちがう。』
ふと、こうれんはこの場所が集落のはずれであることを思いだした。ここを通るのは駅のある小さな町へ行き来をする人間だけ。
こうれんはあることに気がついた。
「郵便屋さん、今日は来ないのかな。」
祖父母の家に閉じこめられている間、毎日耳にした自転車の音。まるで時計みたいに正確に、必ず同じ時刻に走りすぎていった音。今日、あの自転車がこの1本道を通って集落へ入っていくはずの時間、こうれんはここにいたはずだ。
今日はあの自転車がやってこなかった。
声にそのことをたずねると、
『こうじゃくだいらんが終わるまで、人の出入りが途絶える。』
と、言われた。こうれんは首をかしげた。
「来ないの? 郵便屋さんも? みんな、ここで何が起きるのか知らないのでしょう? なのに?」
『理由は何かしら発生する。熱を出して寝こむもの、怪我をするもの、用事があるもの、身内によらぬことが起きるもの。そうやって、いつも出入りするはずの人間の足が止まる。』
急に、あたりが静まりかえっていることに、こうれんは気づいた。こうれんが今日ここへ来てからずっと静かだったのに、今になってそれが気になるのもおかしなことだと、こうれんは思った。
それから別のことにも気づいた。
「風がない。うん、風だけじゃない。」
いつの間にか虫の鳴く声も途絶えた。
空気がじりっと圧を高めた気がする。
(待っている。)と、こうれんは感じた。
そばに誰もいないのに。
誰が?
一体、何を?
こうれんはまた一歩、足を進めた。
それからまた一歩。さらにまた一歩。
進むごとに歩む速度が落ちていく。手から伝わるビリビリするふるえが次第に大きくなっていくために、手の感触に、ほとんどすべての神経を集中させたからだ。そのぶん歩くことから気がそれてしまう。
(でも多分もう少しだ。)
と、思った瞬間、こうれんはつまずいてよろけた。集中しすぎて足元を全く気にしていなかった。つま先で蹴とばしたものを見て、こうれんは(あっ!)と思った。
熊手だ。あの日からずっとここにあったようだ。
こうれんは熊手を取りあげた。持ってきた鍬はそこへ置いた。
「こっちを使う。そのほうがいいと思う、なんとなく。」
『それでいい。きみが今から整える場所は小さい。』
「それは、固まりだから?」
さっき見た鳥のような、カタツムリのような、結合をくり返したものたちをこうれんは思い浮かべた。
こうれんの手が大岩のある箇所にふれた。
ここだ、とこうれんは気づいた。
熊手をかばんに引っかけて空手になり、両方の手でこうれんはそこにふれた。
(吸いこまれそうな気がする。)
さっきまでは大岩の壁面から手に向かって流れてきたのに、その箇所では逆だった。こうれんの内側から何かがそこへ流れていく。
『急ぎなさい。早いほうがいい』
声が忠告した。
こうれんはそうした。
熊手の歯を壁面の土に差しこんだ。それから引っぱった。一瞬、こわいなと思った。足のあたりに力が入らない。
これから何が起きるかわからない。声もわからないという。
ポロリ、とひとかたまりの土がはがれた。わずかだが岩の表面が現れた。黒っぽい土のすき間からのぞく白い岩。
これまでそうじしたときに感じたことを、こうれんは思いだした。
水道の蛇口を布きんで拭いたとき。ほうきで掃くとき。雑巾で埃をぬぐうとき。
きれいにすると、その場所が明るくなる。光で満ちる。こうれんの気持ちも明るくなる。
満ちていく。
(きれいにするんだ、この場所でもやることは同じだ。)
こうれんは手を動かした。
しばらく熊手を使ったあと、こうれんはかばんから手拭いと水筒を取りだした。手拭いに水筒の水を少しだけ注いで濡らして、現れた岩の表面を拭いた。こびりついた土がだんだんとれていく。
(あ。)と、こうれんは思った。
来た、と気づいた。
背後に動くものの気配を感じる。この大岩から出ていったものたちが再びここへ姿を現したのだ。
そして次の瞬間に起きたことは、こうれんにとって思いもかけないことだった。
『手を止めて。』
声が聞こえた。
こうれんは息をのんだ。
それはこれまで話してきた声とは、別のものだった。いつも聞くより高い。木管楽器の音色みたいな、やわらかくて耳に心地よい声だ。そして響きかたはいつもの声と同じ、まるでこうれんが自分の声を聞くときのように、のどのあたりから体の内側に直接聞こえる。
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