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二つめの声
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こうれんはふり返った。
そこに人が立っていた。1人だけ。
そこにいるのがただ1人というのが、こうれんには予想外だった。ここへ来るならどんな姿のものであれ、3者だと予測していた。予測したことに予測が外れた瞬間に気がついた。
『あと2人は? 2人なのか2個なのか数え方がわからないけど、とにかくその、あと2つ。」
言いながらこうれんは、目の前に立つものが人間ではないことに気づいた。もちろんそうだ、この大岩から飛び出した者たちの集合体なのだから。とはいえ、少なくともそのものには頭と体があり、2本の腕と2本の足があり、その足で立っていた。
でも、少しずつちがうのだ。
髪の毛がない。
眉毛もまつ毛もない。
それどころか耳もなかった。鼻のような盛り上がりはあるが、鼻の穴もない。
肌は黒に近い。でも灰色というよりは、ぬれた土みたいな色。目の色も同じ色だ。白目の部分が澄んでにごりがないためか、その目は美しかった。
『ここにいるの。すでにみんなそろっているの。』
2つめの声が言った。こうれんは目の前に立つものの唇がわずかにも動かないことに気づいた。もしかして、と思った。こうれんぬれた土の色をしたものを指差した。
「あなたで“ひとつ“。」
それから今度は自分の耳を指差した。
「聞こえる声、あなたで“ひとつ“。声と目の前のあなたは別々なんだ。」
『『その通り。』』
2つの声が重なった。こうれんがこの2週間近く話をしてきた声と、今日新たに聞こえた声。こうれんはドキドキした。同時に(だけど。)とも思った。
「あとひとつは?」
たずねながらこうれんは身ぶるいした。こわくてふるえたのではないことにすぐ気がついた。
(寒い。っていうか、冷気だ。)
冷気の固まりがすぐそばにある。
「もしかして、この冷たく感じるのが、みっつめ?」
『『その通り。』』
また、2つの声が同時に答えた。そしてその次に聞こえたのは、片方の声、今日聞こえるようになった少しだけ高い声だった。
『手を止めて。それ以上そこを開けないで。わたしたちが中へ入ってしまう。』
「そのためにここをきれいにしたんだよ。」
こうれんは言った。話をするのに戸惑いがない。祖父のらいぜんや男たちに向かって言葉を告げるよりずっと話しやすい。
自分の声を自分で聞きながらこうれんは気づいた。
あと少し。ほんの少し。きっとあとひと拭きで、入り口の完成なのだ。
2つめの声が言った。
『これまで起きたことのないことが起きようとしている。わたしたちすべてが1つになるのは、経験のないこと。』
明るい声だとこうれんは思った。はずんでいると思った。
『わたしは、わたしたちはそれをやってみたい。1つになってみたい。』
こうれんはたずねた。
声。これまでさまざまな示唆をしてきた、あの声に。
「あなたの意見はちがんだよね。」
『その通り。』
「あなたは、あなたともう一つの声は、同じ種類のものなの? つまりええと、あなたも集合体なの?」
答えを聞く前にこうれんは理解した。
「そうであるとも言えるし、ちがうとも言えるんだね。」
『その通りだ。』
急にこうれんは(ぼくが決めるんだ。)と思った。初めて聞こえたときから続けてきた声との対話が、今も続いているのだと思った。
こうれんは言った。
「そうであることと、ちがうこと、これまでずっと、いつでも、ちがうことの方が大事だったよ。ぼくにとっては。」
そう言った途端、一気にその場の温度が下がった。半袖でいるのは無理がある気温まで下降した。同時に目の前の、ぬれた土の色をしたものがふくれ上がるように大きさを変え、どう見ても人間とは思えないほど巨大になった。
こうれんは思わず土色の顔を、その顔がみるみるうちに高さを変えていくのを、目で追った。視線が離せなかった。
『わたしたちは1つになりたい。』
2つめの声がひびいた。頭痛がするほど大きくひびいた。
『今すぐに止めて。そこを開けないで。』
次第に大きくなっていく手がこうれんに近づいてくる。冷気も高まってこうれんの体がふるえた。歯がカチカチとなった。寒くてたまらない。でもそれ以上に、激しく耳の内側をつんざく声が苦痛だった。
『わたしたちは1つになる。』
声に、急にずっしりとした重みが加わった。おごそかになったといってもよかった。
『あなたは、わたしたちは2人なのか2個なのかと問うた。おぼえている?』
「おぼえている、うん。」
『あなたたちの言葉で正しく数えるのなら、わたしたちを柱で数えるべき。』
「チュウ?」
『柱。』
『この国の人間の言葉で、神の数の単位だ。』
いつもの声が説明した。こうれんはたずねた。
「神様なの?」
『これからそうなる。』
こうれんに答えたのは二つめの声。冷気がいっそう強まり、ぬれた土の色のものが強い視線をこうれんに向け、そして声が鋭くなった。
『わたしたちの邪魔をしないで。』
大きな土色の手が、ほとんどこうれんの体にふれるくらい接近した。その手も、冷気も、こうれんを阻止しようとする声も、怒っているとこうれんは感じた。それは先日男たちがこうれんを囲んだときの空気に似ていた。強い圧力を感じる空気。
こうれんは言った。
「ぼくのことなんか、人間のことなんか、おかまいなしに暴れていたときの方が、あなたたちはこわかったよ。」
こうれんは手を動かした。見えないが場所のあたりはついた。手ぬぐいでわずかにこびりついた土をひと拭きした。
その途端、こうれんの目の前にいる者たちが、こうれんに向かって押しよせた。もとは81あったもの、様々な色や形やにおいのしたもの、今は3つまで結合して、残りあと1回の結合を果たしたかったものたちが、奔流になってどっと迫ってきた。
こうれんは背中を岩にくっつけた。そうしなければこわくて避けていただろう。自分がきれいにした箇所がちょうど背中にくっついた。奔流は一直線にその箇所を目指してくる。
一気に流れこんだ。
こうれんも一緒に。
次にこうれんが気づいたとき、こうれんの腕を強くつかむ者がいた。そいつの指がこうれんの皮膚に食いこんで痛み、その痛みでこうれんはハッとした。
「お前、お前、お前っ!」
しわがれた声。
どろあらしだ。どろあらしの手がこうれんの体をゆさぶった。
「お前っ、お前っ、お前っ!」
どろあらしが1つの言葉をくり返す。こうれんはどろあらしの胴体にふれた。そして、
「どろあらし、ねえ!」
と、声をかけた。それでもどろあらしは、
「お前っ! お前っ! お前っ!」
と叫びつづけた。動きも止めない。こうれんをはげしくゆさぶる。こうれんはその声に負けないように声を上げた。
「おにぎりを持ってきたんだよ! お腹減ってるよね!」
どろあらしが止まった。
こうれんは言った。
「いま出すから、手を離してよ。」
どろあらしの手がこうれんの腕から離れた。こうれんは肩にベルトがかかっていることにほっとした。ちゃんと持って入れたんだと思った。手探りで弁当箱を取りだして、ふたを開けた。やおのこしらえたにぎり飯を1つ取りだして、これも手探りでどろあらしに渡した。
少しの間、静かになった。
やがて咀嚼の音が聞こえた。ハグ、ハグ、ハグ、ハグという音。
こうれんは小さく息をついた。それから言った。
「水筒もあるよ。水、飲む?」
どろあらしの手がこうれんに向かってにゅっと伸びた。こうれんはその手に、今度は水筒を持たせた。ゴクゴクゴク、というのどを鳴らす音が聞こえた。
食べて飲む音を聞くうちにこうれんの腹が鳴った。祖父母の家で1つめのにぎり飯を食べてから、どれくらいの時間がたったのだろうかと、こうれんは考えた。あと1つ残ったにぎり飯をどうしようか一瞬迷った。自分で食べようかと考えたがやめた。空腹が激しいのはどろあらしかこうれんか、そんな簡単にわかることだった。
どろあらしが水を飲んで、息をついたあと、こうれんは二つめのにぎり飯を渡した。2つめもあっという間にどろあらしの胃袋の中へ消えた。
食べ終えてどろあらしは静かになった。こうれんもだ。
しばらく二人して黙りこんだ。
やがてどろあらしがつぶやいた。
「米の飯を食ったのは久しぶりだ。」
「そうなの?」
暗やみの中でどろあらしがうなずく気配がした。
「田んぼを甥にゆずって以来だ。3年前かな。」
「田んぼを持っていたの?」
「親父が死んで仕方なく継いだ。でも。おれには向いてなかった。米を作るのは手間がかかりすぎる。だからゆずった。甥は田んぼで取れたものをおれが飢えないように渡すと約束して守っているが、ぜんぶ麦だ。」
「田んぼなのに麦がとれるんだ。」
「このあたりじゃ二毛作をやる者がまだ残っている。土がやせるのを嫌って止めるやつも増えたがな。」
こうれんは変な気持ちになった。どろあらしがまともな話をしている。あのどろあらしが。
そこに人が立っていた。1人だけ。
そこにいるのがただ1人というのが、こうれんには予想外だった。ここへ来るならどんな姿のものであれ、3者だと予測していた。予測したことに予測が外れた瞬間に気がついた。
『あと2人は? 2人なのか2個なのか数え方がわからないけど、とにかくその、あと2つ。」
言いながらこうれんは、目の前に立つものが人間ではないことに気づいた。もちろんそうだ、この大岩から飛び出した者たちの集合体なのだから。とはいえ、少なくともそのものには頭と体があり、2本の腕と2本の足があり、その足で立っていた。
でも、少しずつちがうのだ。
髪の毛がない。
眉毛もまつ毛もない。
それどころか耳もなかった。鼻のような盛り上がりはあるが、鼻の穴もない。
肌は黒に近い。でも灰色というよりは、ぬれた土みたいな色。目の色も同じ色だ。白目の部分が澄んでにごりがないためか、その目は美しかった。
『ここにいるの。すでにみんなそろっているの。』
2つめの声が言った。こうれんは目の前に立つものの唇がわずかにも動かないことに気づいた。もしかして、と思った。こうれんぬれた土の色をしたものを指差した。
「あなたで“ひとつ“。」
それから今度は自分の耳を指差した。
「聞こえる声、あなたで“ひとつ“。声と目の前のあなたは別々なんだ。」
『『その通り。』』
2つの声が重なった。こうれんがこの2週間近く話をしてきた声と、今日新たに聞こえた声。こうれんはドキドキした。同時に(だけど。)とも思った。
「あとひとつは?」
たずねながらこうれんは身ぶるいした。こわくてふるえたのではないことにすぐ気がついた。
(寒い。っていうか、冷気だ。)
冷気の固まりがすぐそばにある。
「もしかして、この冷たく感じるのが、みっつめ?」
『『その通り。』』
また、2つの声が同時に答えた。そしてその次に聞こえたのは、片方の声、今日聞こえるようになった少しだけ高い声だった。
『手を止めて。それ以上そこを開けないで。わたしたちが中へ入ってしまう。』
「そのためにここをきれいにしたんだよ。」
こうれんは言った。話をするのに戸惑いがない。祖父のらいぜんや男たちに向かって言葉を告げるよりずっと話しやすい。
自分の声を自分で聞きながらこうれんは気づいた。
あと少し。ほんの少し。きっとあとひと拭きで、入り口の完成なのだ。
2つめの声が言った。
『これまで起きたことのないことが起きようとしている。わたしたちすべてが1つになるのは、経験のないこと。』
明るい声だとこうれんは思った。はずんでいると思った。
『わたしは、わたしたちはそれをやってみたい。1つになってみたい。』
こうれんはたずねた。
声。これまでさまざまな示唆をしてきた、あの声に。
「あなたの意見はちがんだよね。」
『その通り。』
「あなたは、あなたともう一つの声は、同じ種類のものなの? つまりええと、あなたも集合体なの?」
答えを聞く前にこうれんは理解した。
「そうであるとも言えるし、ちがうとも言えるんだね。」
『その通りだ。』
急にこうれんは(ぼくが決めるんだ。)と思った。初めて聞こえたときから続けてきた声との対話が、今も続いているのだと思った。
こうれんは言った。
「そうであることと、ちがうこと、これまでずっと、いつでも、ちがうことの方が大事だったよ。ぼくにとっては。」
そう言った途端、一気にその場の温度が下がった。半袖でいるのは無理がある気温まで下降した。同時に目の前の、ぬれた土の色をしたものがふくれ上がるように大きさを変え、どう見ても人間とは思えないほど巨大になった。
こうれんは思わず土色の顔を、その顔がみるみるうちに高さを変えていくのを、目で追った。視線が離せなかった。
『わたしたちは1つになりたい。』
2つめの声がひびいた。頭痛がするほど大きくひびいた。
『今すぐに止めて。そこを開けないで。』
次第に大きくなっていく手がこうれんに近づいてくる。冷気も高まってこうれんの体がふるえた。歯がカチカチとなった。寒くてたまらない。でもそれ以上に、激しく耳の内側をつんざく声が苦痛だった。
『わたしたちは1つになる。』
声に、急にずっしりとした重みが加わった。おごそかになったといってもよかった。
『あなたは、わたしたちは2人なのか2個なのかと問うた。おぼえている?』
「おぼえている、うん。」
『あなたたちの言葉で正しく数えるのなら、わたしたちを柱で数えるべき。』
「チュウ?」
『柱。』
『この国の人間の言葉で、神の数の単位だ。』
いつもの声が説明した。こうれんはたずねた。
「神様なの?」
『これからそうなる。』
こうれんに答えたのは二つめの声。冷気がいっそう強まり、ぬれた土の色のものが強い視線をこうれんに向け、そして声が鋭くなった。
『わたしたちの邪魔をしないで。』
大きな土色の手が、ほとんどこうれんの体にふれるくらい接近した。その手も、冷気も、こうれんを阻止しようとする声も、怒っているとこうれんは感じた。それは先日男たちがこうれんを囲んだときの空気に似ていた。強い圧力を感じる空気。
こうれんは言った。
「ぼくのことなんか、人間のことなんか、おかまいなしに暴れていたときの方が、あなたたちはこわかったよ。」
こうれんは手を動かした。見えないが場所のあたりはついた。手ぬぐいでわずかにこびりついた土をひと拭きした。
その途端、こうれんの目の前にいる者たちが、こうれんに向かって押しよせた。もとは81あったもの、様々な色や形やにおいのしたもの、今は3つまで結合して、残りあと1回の結合を果たしたかったものたちが、奔流になってどっと迫ってきた。
こうれんは背中を岩にくっつけた。そうしなければこわくて避けていただろう。自分がきれいにした箇所がちょうど背中にくっついた。奔流は一直線にその箇所を目指してくる。
一気に流れこんだ。
こうれんも一緒に。
次にこうれんが気づいたとき、こうれんの腕を強くつかむ者がいた。そいつの指がこうれんの皮膚に食いこんで痛み、その痛みでこうれんはハッとした。
「お前、お前、お前っ!」
しわがれた声。
どろあらしだ。どろあらしの手がこうれんの体をゆさぶった。
「お前っ、お前っ、お前っ!」
どろあらしが1つの言葉をくり返す。こうれんはどろあらしの胴体にふれた。そして、
「どろあらし、ねえ!」
と、声をかけた。それでもどろあらしは、
「お前っ! お前っ! お前っ!」
と叫びつづけた。動きも止めない。こうれんをはげしくゆさぶる。こうれんはその声に負けないように声を上げた。
「おにぎりを持ってきたんだよ! お腹減ってるよね!」
どろあらしが止まった。
こうれんは言った。
「いま出すから、手を離してよ。」
どろあらしの手がこうれんの腕から離れた。こうれんは肩にベルトがかかっていることにほっとした。ちゃんと持って入れたんだと思った。手探りで弁当箱を取りだして、ふたを開けた。やおのこしらえたにぎり飯を1つ取りだして、これも手探りでどろあらしに渡した。
少しの間、静かになった。
やがて咀嚼の音が聞こえた。ハグ、ハグ、ハグ、ハグという音。
こうれんは小さく息をついた。それから言った。
「水筒もあるよ。水、飲む?」
どろあらしの手がこうれんに向かってにゅっと伸びた。こうれんはその手に、今度は水筒を持たせた。ゴクゴクゴク、というのどを鳴らす音が聞こえた。
食べて飲む音を聞くうちにこうれんの腹が鳴った。祖父母の家で1つめのにぎり飯を食べてから、どれくらいの時間がたったのだろうかと、こうれんは考えた。あと1つ残ったにぎり飯をどうしようか一瞬迷った。自分で食べようかと考えたがやめた。空腹が激しいのはどろあらしかこうれんか、そんな簡単にわかることだった。
どろあらしが水を飲んで、息をついたあと、こうれんは二つめのにぎり飯を渡した。2つめもあっという間にどろあらしの胃袋の中へ消えた。
食べ終えてどろあらしは静かになった。こうれんもだ。
しばらく二人して黙りこんだ。
やがてどろあらしがつぶやいた。
「米の飯を食ったのは久しぶりだ。」
「そうなの?」
暗やみの中でどろあらしがうなずく気配がした。
「田んぼを甥にゆずって以来だ。3年前かな。」
「田んぼを持っていたの?」
「親父が死んで仕方なく継いだ。でも。おれには向いてなかった。米を作るのは手間がかかりすぎる。だからゆずった。甥は田んぼで取れたものをおれが飢えないように渡すと約束して守っているが、ぜんぶ麦だ。」
「田んぼなのに麦がとれるんだ。」
「このあたりじゃ二毛作をやる者がまだ残っている。土がやせるのを嫌って止めるやつも増えたがな。」
こうれんは変な気持ちになった。どろあらしがまともな話をしている。あのどろあらしが。
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