2 / 7
『普通にはもう飽きた。』瀬戸宮雛菜乃と不思議な猫<メルーの神木>編 ~ 2 ~
しおりを挟む
雛菜乃「にゃんにゃん。にゃんにゃん。」
えっさほいさと雪山を下っていく私の猫っぷりも上がったものだ。
絶好調である。
雪山から降りるにつれてだんだんと気温も上がってきたようだ。
暖かい陽射しが私を照らす。そして私の体は猫になっていたからか太陽の光に敏感で暖かさを感じると眠たくなってしまう。
そしてうつらうつらとしているといつの間にか寝ていた。
起きた時にはもう夕方だ。
雛菜乃「はぁ……。」
溜め息をつく。
どうやら今日も何も見つけられなかったようだ。
しかし、そんなことを考えても仕方がない。
私は前向きに考えることにした。
雛菜乃「まあ、いっか!」猫になって楽天的になった気がする。
そう言って猫らしく背筋を伸ばして前足を伸ばす。尻尾をピンと伸ばして振り回す。
気分は上々だ。
さて次は何処へ行こうか。
そう思案しながら歩いていると前方に大きな影が見えた。
雛菜乃「なに?」
ついに見つけた、雪以外の物を。
それは本当に巨大な木だ。
まるで天まで届くかのように枝を広げている。
そしてその周りは木の根で覆われていて、一本でまるで森のようになっている。
木の幹も太く、そして高い。
都会の高層ビルと同じ程の幅がある。
300メートルはあるのではなかろうか。巨大な木は近いようで遠くなかなかたどり着かない。だがその葉の下には雪がなく、この雪山に来て初めて地面をみた。そしてその地面はまるで絨毯のように草が生い茂っていた。
雛菜乃「にゃあ…にゃあ…にゃあ。」
オー…マイ…ガー。
思わず感嘆の声が漏れる。
一面の草原に花が咲き乱れる光景はまるで天国のようだった。
雛菜乃「綺麗……」
そんなことを考えながら歩き出す。
しかし、やはり雪がないとはいえ地面は固くて歩きにくい。こんな土地で良く花が咲くものだ。
雛菜乃「うーん……?」
不思議な匂いがする、嗅いだことがあるような無いような。
しっぽをふりふり回しながら考える、猫の嗅覚はさすがで匂いが道標のようにわかる。不思議な匂いは木の根元に集中し、そこから降っていっている。
周りの花や草も独特の匂いだが動物的な匂いと判断できた。
雛菜乃「よし!行ってみよう。」
私は好奇心に駆られて駆け出した。
木の根元まで来るとその迫力に圧倒される。そして気づいた、木の幹の低い部分には神社の木によくあるようなしめ縄が巻かれている。
雛菜乃「にゃんにゃんにゃん!!!」
人工物だ!明らかにそれは人の手によって巻かれたもので年季こそ入っているものの人間の気配を感じる。
尻尾をピンと立てて周りを見回すがその他には何もない。たださっき気づいた匂いがきっと人間のモノであると推測できる。
木から見て丘を下るようにずっと続いているのでそっち方向に向かえばなにかあるだろう。
雛菜乃「にゃあ。」
一安心し、日も暮れてきたので今日はこの樹の下で一泊するとしよう。
疲れは感じないが沢山歩いたので疲れたことにする。
土で汚れるのは嫌なので草の厚い部分を選んで腰を下ろす。
雛菜乃「にゃぁにゃあ。」
自分の毛並みをペロペロ舐めて綺麗にする。モフモフ具合を維持せねば女子として問題だ。
雛菜乃「ん?…ははっ」
まだ人間意識が抜けてなかったらしい、にゃははと自分で考えて自分で笑う。
大きな木の下はこれまでと違った刺激が多く面白い。雪しかなかった時と比べて虫の声や他の動物の匂いも『見える』
雛菜乃「にゃおーん」
毛づくろいも終わり一声鳴いてみると一斉に声が消える。
ふふ。私がこの木の主だ。
むにゃむにゃと丸まって眠りについた。
~~~~
??「そこ!立て!敵は疲れても待ってはくれんぞ!」
男達「ハッ、ゲオルグ団長!」
筋肉隆々の男が汗を流しながら剣で打ち合っている。
ここはノーブルホワイト騎士団の訓練場、今は模擬戦を行っている最中だ。
ゲオルグ「次!」
騎士達が次々に呼ばれていく。ゲオルグは新人騎士団員の育成のため
厳しい訓練に明け暮れていた。この地方はメルー地方と言い、王国の中でも一番寒さの厳しい土地だ。
並の人間では環境の厳しさにすぐ逃げ出してしまう。給料は他の騎士団と同じなのに気力が3倍必要。
それがメルー地方を守る我が騎士団、『ノーブルホワイト』だ。
人一倍根性のある人間が送られてくるがそれでも自然というものの驚異は防げないことがある。
この砦では対人訓練は勿論だがそれ以上に雪上での環境を知らなければならない。
ゲオルグ「次!」
新人は頑張っているが基礎稽古だけでも脱落者が出る。
ゲオルグ「次!」
騎士達「はい!」
次々と呼ばれるが、やはり皆途中で倒れてしまう。
ゲオルグ「勝手に寝るな!実践に出たらお前は今死んでいるぞ!」そう言いながらまた一人叩きのめす。
厳しくならなければならない、実践も環境も手加減などしてくれない。今俺が手を抜いたらそいつはきっと死ぬのだ。
そうして何人もの騎士が地面に横たわった。
ゲオルグ「これで最後か……。」
最後の男は立ち上がるとそのまま倒れた。
ゲオルグ「10分休憩!水分を取ったら神木まで走るぞ!気合を入れろ!」ゲオルグは訓練場の外へと歩いていく。
上着を脱ぐと血と汗でどろどろだ。毎日の事なので洗濯用の籠に投げ入れてタオルでよく拭いてから新しい物を着る。
今から外に出て走るので汗で濡れた服のままだと体温を奪われて危険だ。
ゲオルグ「行くか。」
そう言って訓練場から出ると、外は夕暮れ前で気温は-5℃ほどだ。薄着で軽く準備運動をしていると新人が集まってきた。
新人達「団長!」
ゲオルグ「うむ。」
新人「全員集まりました!」
全員着替えただろうな?と確認し走り始める
ゲオルグ「行くぞ!」
全員が掛け声と共に駆け出す。
そしていつものように俺は後ろを走る。
神木までは5kmほどあって行き帰りで10kmだ。
新人は全員極限状態からのスタートであり、その歩みは遅い。
後ろから発破をかけ、脱落者が出ないように見張る。
ゲオルグ「呼吸法を意識しろ!本当の極寒になった時肺が凍るぞ!」
そう言うと少しペースが上がるがすぐにダウンしてしまう。
ゲオルグ「もっと早く動け!足を止めるな!」
そんなことをしているうちにすぐに神木が見えてくる。地元の人間が崇めるメルー神の木だ。そのあまりの大きさは城の高さを大きく超えている。
すぐそこに見えるがそれは巨大だからで、まだかなりの距離がある。
そしてこの木の周りは雪がなく、草が生い茂り、花が咲き乱れている。それを皆メルーの奇跡だと讃えている。
ゲオルグ「メルーの神木を前にして遅れるな!」
新人達は必死に足を動かすがなかなかきびしい様子だ。
なんとか脱落者を出さず神木の目の前まで来た。騎士団員たちは神木にぽんと触ってから崩れ落ちる。
ゲオルグ「よし!到着した者から5分休憩!終わったらすぐ砦に戻って飯だ!」
飯というと死にそうな顔をしている新人の士気が少し上がる。飯は偉大だ。
日もかなり暮れてきて、あまり長居すると闇夜になってしまう。
そう思いながらもゲオルグは神木の少し周りを見渡すとチラチラとピンクの物揺れているのを見つけた。
ゲオルグ「なんだ?」
自然界において珍しい色のそれは近づくとモコモコの毛玉のようだ。
ゲオルグ「……ウサギか?」
草の中に紛れるように小さな影が見える。
ゲオルグ「……猫?」
それは真っ白い毛並みの子猫だった。尻尾の先だけがピンク色で寝ている様子なのになにかを誘うように尾だけが揺れている。
その尻尾を見ていると体がムズムズとしてくる。
そして、無意識に手が伸びた。
尻尾を優しく掴む、するとピクンッと反応する。
もう一度尻尾を摘まみ、今度はゆっくりと引っ張ると「にゃぁん?!」と可愛く鳴いた。
可愛い。
~~~
雛菜乃「何っ?!なんなの!」
えっさほいさと雪山を下っていく私の猫っぷりも上がったものだ。
絶好調である。
雪山から降りるにつれてだんだんと気温も上がってきたようだ。
暖かい陽射しが私を照らす。そして私の体は猫になっていたからか太陽の光に敏感で暖かさを感じると眠たくなってしまう。
そしてうつらうつらとしているといつの間にか寝ていた。
起きた時にはもう夕方だ。
雛菜乃「はぁ……。」
溜め息をつく。
どうやら今日も何も見つけられなかったようだ。
しかし、そんなことを考えても仕方がない。
私は前向きに考えることにした。
雛菜乃「まあ、いっか!」猫になって楽天的になった気がする。
そう言って猫らしく背筋を伸ばして前足を伸ばす。尻尾をピンと伸ばして振り回す。
気分は上々だ。
さて次は何処へ行こうか。
そう思案しながら歩いていると前方に大きな影が見えた。
雛菜乃「なに?」
ついに見つけた、雪以外の物を。
それは本当に巨大な木だ。
まるで天まで届くかのように枝を広げている。
そしてその周りは木の根で覆われていて、一本でまるで森のようになっている。
木の幹も太く、そして高い。
都会の高層ビルと同じ程の幅がある。
300メートルはあるのではなかろうか。巨大な木は近いようで遠くなかなかたどり着かない。だがその葉の下には雪がなく、この雪山に来て初めて地面をみた。そしてその地面はまるで絨毯のように草が生い茂っていた。
雛菜乃「にゃあ…にゃあ…にゃあ。」
オー…マイ…ガー。
思わず感嘆の声が漏れる。
一面の草原に花が咲き乱れる光景はまるで天国のようだった。
雛菜乃「綺麗……」
そんなことを考えながら歩き出す。
しかし、やはり雪がないとはいえ地面は固くて歩きにくい。こんな土地で良く花が咲くものだ。
雛菜乃「うーん……?」
不思議な匂いがする、嗅いだことがあるような無いような。
しっぽをふりふり回しながら考える、猫の嗅覚はさすがで匂いが道標のようにわかる。不思議な匂いは木の根元に集中し、そこから降っていっている。
周りの花や草も独特の匂いだが動物的な匂いと判断できた。
雛菜乃「よし!行ってみよう。」
私は好奇心に駆られて駆け出した。
木の根元まで来るとその迫力に圧倒される。そして気づいた、木の幹の低い部分には神社の木によくあるようなしめ縄が巻かれている。
雛菜乃「にゃんにゃんにゃん!!!」
人工物だ!明らかにそれは人の手によって巻かれたもので年季こそ入っているものの人間の気配を感じる。
尻尾をピンと立てて周りを見回すがその他には何もない。たださっき気づいた匂いがきっと人間のモノであると推測できる。
木から見て丘を下るようにずっと続いているのでそっち方向に向かえばなにかあるだろう。
雛菜乃「にゃあ。」
一安心し、日も暮れてきたので今日はこの樹の下で一泊するとしよう。
疲れは感じないが沢山歩いたので疲れたことにする。
土で汚れるのは嫌なので草の厚い部分を選んで腰を下ろす。
雛菜乃「にゃぁにゃあ。」
自分の毛並みをペロペロ舐めて綺麗にする。モフモフ具合を維持せねば女子として問題だ。
雛菜乃「ん?…ははっ」
まだ人間意識が抜けてなかったらしい、にゃははと自分で考えて自分で笑う。
大きな木の下はこれまでと違った刺激が多く面白い。雪しかなかった時と比べて虫の声や他の動物の匂いも『見える』
雛菜乃「にゃおーん」
毛づくろいも終わり一声鳴いてみると一斉に声が消える。
ふふ。私がこの木の主だ。
むにゃむにゃと丸まって眠りについた。
~~~~
??「そこ!立て!敵は疲れても待ってはくれんぞ!」
男達「ハッ、ゲオルグ団長!」
筋肉隆々の男が汗を流しながら剣で打ち合っている。
ここはノーブルホワイト騎士団の訓練場、今は模擬戦を行っている最中だ。
ゲオルグ「次!」
騎士達が次々に呼ばれていく。ゲオルグは新人騎士団員の育成のため
厳しい訓練に明け暮れていた。この地方はメルー地方と言い、王国の中でも一番寒さの厳しい土地だ。
並の人間では環境の厳しさにすぐ逃げ出してしまう。給料は他の騎士団と同じなのに気力が3倍必要。
それがメルー地方を守る我が騎士団、『ノーブルホワイト』だ。
人一倍根性のある人間が送られてくるがそれでも自然というものの驚異は防げないことがある。
この砦では対人訓練は勿論だがそれ以上に雪上での環境を知らなければならない。
ゲオルグ「次!」
新人は頑張っているが基礎稽古だけでも脱落者が出る。
ゲオルグ「次!」
騎士達「はい!」
次々と呼ばれるが、やはり皆途中で倒れてしまう。
ゲオルグ「勝手に寝るな!実践に出たらお前は今死んでいるぞ!」そう言いながらまた一人叩きのめす。
厳しくならなければならない、実践も環境も手加減などしてくれない。今俺が手を抜いたらそいつはきっと死ぬのだ。
そうして何人もの騎士が地面に横たわった。
ゲオルグ「これで最後か……。」
最後の男は立ち上がるとそのまま倒れた。
ゲオルグ「10分休憩!水分を取ったら神木まで走るぞ!気合を入れろ!」ゲオルグは訓練場の外へと歩いていく。
上着を脱ぐと血と汗でどろどろだ。毎日の事なので洗濯用の籠に投げ入れてタオルでよく拭いてから新しい物を着る。
今から外に出て走るので汗で濡れた服のままだと体温を奪われて危険だ。
ゲオルグ「行くか。」
そう言って訓練場から出ると、外は夕暮れ前で気温は-5℃ほどだ。薄着で軽く準備運動をしていると新人が集まってきた。
新人達「団長!」
ゲオルグ「うむ。」
新人「全員集まりました!」
全員着替えただろうな?と確認し走り始める
ゲオルグ「行くぞ!」
全員が掛け声と共に駆け出す。
そしていつものように俺は後ろを走る。
神木までは5kmほどあって行き帰りで10kmだ。
新人は全員極限状態からのスタートであり、その歩みは遅い。
後ろから発破をかけ、脱落者が出ないように見張る。
ゲオルグ「呼吸法を意識しろ!本当の極寒になった時肺が凍るぞ!」
そう言うと少しペースが上がるがすぐにダウンしてしまう。
ゲオルグ「もっと早く動け!足を止めるな!」
そんなことをしているうちにすぐに神木が見えてくる。地元の人間が崇めるメルー神の木だ。そのあまりの大きさは城の高さを大きく超えている。
すぐそこに見えるがそれは巨大だからで、まだかなりの距離がある。
そしてこの木の周りは雪がなく、草が生い茂り、花が咲き乱れている。それを皆メルーの奇跡だと讃えている。
ゲオルグ「メルーの神木を前にして遅れるな!」
新人達は必死に足を動かすがなかなかきびしい様子だ。
なんとか脱落者を出さず神木の目の前まで来た。騎士団員たちは神木にぽんと触ってから崩れ落ちる。
ゲオルグ「よし!到着した者から5分休憩!終わったらすぐ砦に戻って飯だ!」
飯というと死にそうな顔をしている新人の士気が少し上がる。飯は偉大だ。
日もかなり暮れてきて、あまり長居すると闇夜になってしまう。
そう思いながらもゲオルグは神木の少し周りを見渡すとチラチラとピンクの物揺れているのを見つけた。
ゲオルグ「なんだ?」
自然界において珍しい色のそれは近づくとモコモコの毛玉のようだ。
ゲオルグ「……ウサギか?」
草の中に紛れるように小さな影が見える。
ゲオルグ「……猫?」
それは真っ白い毛並みの子猫だった。尻尾の先だけがピンク色で寝ている様子なのになにかを誘うように尾だけが揺れている。
その尻尾を見ていると体がムズムズとしてくる。
そして、無意識に手が伸びた。
尻尾を優しく掴む、するとピクンッと反応する。
もう一度尻尾を摘まみ、今度はゆっくりと引っ張ると「にゃぁん?!」と可愛く鳴いた。
可愛い。
~~~
雛菜乃「何っ?!なんなの!」
0
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる