始破、その冒険

たなぼたさん

文字の大きさ
11 / 34

護衛任務・5

しおりを挟む
「しかし・・さっきより蝙蝠の数が増えているな・・」
陣形を敷くためか、蝙蝠の数はさっきより多くなっていた。
「急がないとさすがにまずいか・・・」
この数を一人で耐えれるとはとても思えない。
「・・・・・なにを・・・考えているの・・・。もう群れは・・すぐそこ・・・」
「!!」
確かに、今は敵の脳をたたくことに集中しないと!
「で・・もし陣形を方円にしているなら、頭は中心のやや後ろに・・・」
「・・・・・いた・・」
アリスの指さしたところには、確かにほかの蝙蝠よりも大きい蝙蝠がいた。
「確かにいたな・・・。けど、自分の周りをしっかりほかの蝙蝠で守ってやがる・・」
確かに上からの攻撃に対する守りは手薄だ。ただし、それはほかと比べれば、と言うだけであって上空を見張っている蝙蝠も数匹いる。
(上空を見張っている蝙蝠はまだこちらにきずいていないようだな・・・)
だが、不用意に倒すと、敵の蝙蝠全体に俺たちの場所がばれてしまう可能性がある。
(敵はこちらが二人だということを知っている・・。今敵は俺の不意打ちを警戒しているはずだ・・)
くそ!どうする!
「・・・お兄ちゃん、ナイフみたいなの・・・出せるよね・・」
「あ・・ああ」
「・・・・・・そのナイフを一本僕に貸してほしい」
「ああ・・・?いいぜ。でも何に使うんだ?」
「ちょっと・・・・上空を警戒している蝙蝠を倒してくる・・・」
「な・・・でも、君は護衛対象だぜ?そんな危険なことしなくても・・・」
「大丈夫・・・多分、今ここにいる人たちの中で・・私が一番・・・・強いから」
「・・・・っ!そこまで言うなら、貸してやるよ!」
俺は能力を使い、刃を出現させる。
「ありがとう・・・お兄ちゃんは、上空の敵が倒されて敵がパニックになったところで・・・・・敵の頭を倒してもらえればいい」
「わかった・・・無理すんなよ」
「・・・・分かってる」
と言った瞬間、アリスちゃんが消えた。
「・・・・・どこに行ったんだ?」
「ただ今」
「うわっ!!」
「蝙蝠倒してきた・・・・でも、あと一分待って・・」
「わ・・わかった。でも、今の一瞬、どこに行ってたんだ?」
「・・・・・それは・・・・企業秘密」
そうか・・・。確かに、自分の能力をそんな他人にベラベラ喋らないもんな。俺みたいに単純な能力は別として。
「・・・・もうそろそろ・・・一分たつ・・・」
「よし・・・」
すると、上空を飛んでいた蝙蝠が一斉に体から血を吹き出し崩れ落ちていった。
「うわ・・・マジかよ・・・」
「・・・・・ぼーーっとしちゃダメ。・・・・ほら、蝙蝠たちがあわて始めた」
急に、何の前触れもなく自分の一部がやられ、蝙蝠たちの注意が乱れる。
「いまだ!!」
俺は本棚をけり、刃を握り、蝙蝠の「脳」に突撃する。
「うおおおおおお!!!」
「ぎゅがぁ!!??」
脳の蝙蝠は驚いた顔をした。そりゃ当然だ。自分の軍の中に、敵が単騎で、自分めがけて突撃してきたのだから。
「おおおっ!!!」
ずしゃぁ!っと敵の脳の蝙蝠の体を一撃で切り伏せる。
「ギャァ!!」
蝙蝠が悲鳴を上げた・・・。
「いや!これは!」
脳の蝙蝠の最後の力だ!自分の周りにいた蝙蝠たちが一斉に俺に突撃してきた。
「くそっ!!!」
最後の最後でぇ!!
「無駄だ」
「業!?」
「おそらくこいつら・・・蝙蝠は、数、大きさを変えるとき、一度人間に戻る。で、俺は最初に襲われたとき、とっさに一匹の蝙蝠に毒を注入した。で・・その毒がもうそろそろ効き始めてくるころだろうぜ。」
沿い業が言った瞬間、すべての蝙蝠の動きが止まり、床に落ちた。
「人に戻った時、毒を注入した蝙蝠から体に毒が回り、次分裂したときにはすべての蝙蝠に毒が回っていたのか・・・」
「まぁ、そんなとこだろ・・しかし、上空にいた蝙蝠が一斉に落ちたが・・あれは作が?」
「いや・・・やったのはアリスちゃんだよ。あの子・・案外俺たちなんていなくてもこいつ倒せたかもな・・・。
「そうか・・・。もうそろそろ終未さんも戻ってくるだろうから戻るぞ」
「ああ。そうだな。アリスちゃんにもお礼を言わなくては」
気付けば朝の5時。最初の夜が明けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...