始破、その冒険

たなぼたさん

文字の大きさ
29 / 34

名継ぎ探し

しおりを挟む
「ただいま~」
「おっ」
傷さんの声が玄関から聞こえた。
「いやぁ~なかなか強敵だったよ~」
本当にそう思っているのかわからない口ぶりで傷さんは言う。
「傷さんのところはどんな敵だったんですか?」
「うん~。死体を操ってたなぁ」
「!、ちゃんと倒しましたよね?」
「うん~」
「よかったぁ」
どうやら今夜襲ってきた敵はすべて倒せたようだ。
「今日は倒せたけど・・明日もまた来るんじゃないの?」
と包菜が言う。確かにその意見はもっともだ。
「ああ。今回の敵のリーダーは・・。まぁ、俺のとこにいた影使いだと仮定しよう」
おそらくみんなの話を聞いて業はそう思ったのだろう。
「影使いは俺に少し話をして帰った。これで敵のリーダーは消滅だ。体勢の立て直しようがない」
「だから今日はこんなあっさり・・?」
「ああ、だからもし敵が来るとすればもっと連携の取れたやつらが来るだろう」
「・・・あんまり嬉しくねーな」
「じゃあ明日名継ぎをそうそうに見つけて帰るのがベストってことか?」
と瞬。
「ああ、だがもし名継ぎが見つからなかった場合、戦闘は避けられない。・・・あと今回は夜だったが明日は昼襲ってくる可能性もある。」
「ああ、気を付けるさ」
「じゃあ今日はもう遅いし休もうか。二階に各自の部屋はある。重軽と瞬君は・・空き部屋一つしかないんだよなぁ」
「じゃあそこで私寝る。お前そこのソファな」
ビシッ!と重軽さんは瞬に断言する。
「く・・」
瞬は嫌そうだがさすがに逆らえないようだ。
「それじゃあ、お休み~」
傷さんのやけに明るい声を聴き、俺たちは各自の部屋に行った。

**
ここは、黒砂の基地。
その廊下で立ち話をしているのは、銀髪の男と、もう一人、短く刈り上げた髪がやや威圧的な雰囲気を出している強面の男である。
「お前、今回の任務途中で戻ったらしいじゃあないか」
「そうだけどぉ・・何かぁ?」
「何かぁ?じゃねェ!てめぇ・・名継ぎすら見つけられず・・・これじゃあ兵士の浪費じゃあねえか!」
「・・まぁ・・確かにねェ・・。でも今回実質犠牲になった兵は一人だよぉ?」
「そういう問題ではない!」
「はぁ・・分かったよぉ・・。次の任務はキチンとこなす。・・あとそんなに言うならさぁ・・」
「自分が行けってだろう・・?そのつもりさ」
「へぇ・・」
「まぁ・・すぐ終わらせてやる・・。」
「ふぅん・・。大した自信だねェ・・。でもそういうやつって、たいていやられて帰ってくるんだよねぇ」
「はっ!逃げたお前に言われたくないわ」
「確かにそうかもねェ」
「俺は今からボスに許可をもらいに行く。じゃあな」
「うん。じゃあねぇ」
強面の男は廊下を凄いスピードで歩いて行った。
「・・まぁ、彼は戦闘だけなら黒砂の中でもトップクラスだからねェ・・」
「でも、どうなるかはわからないけどね」
そう言って銀髪の男はその場から歩き出した。
**

「ん・・」
朝6時30分。俺、靱破は目を覚ました。
「・・・・ああ、事務所新しくなったんだったな」
俺は見をぼえのないのない部屋にやや困惑しつつ、ベッドから起き上がった。
「ふう・・」
一回に降りて顔を洗い目を覚ます。
「・・・散歩でもするかな」
俺は周りが森と言うこともあり、少し外に出てみたくなった。
「ヨット・・」
玄関のドアを開ける。すると・・・
「おおおお!!!」
新鮮な空気が肺に染み渡る。朝の森のややひんやりとした空気も心地いい。
「いやーたまには散歩に出てみるもんだな」
俺は事務所の周りを歩き出す。
見たことのない花や木、見る物全てが新鮮で楽しい。
で、だ。しばらく歩いたところで俺はそれを目撃する。
「あ・・れは・・?」
人?・・か?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...