〇〇少女ワールド 2

渋谷かな

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テーマは、お友達

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「私はお友達を作るためなら手段は選ばない!」
 目の前の破壊少女と化したサリアに鈍感少女のコリアが闘志を燃やして戦いを挑む。
「いや、お友達を作るために手段を選ばないとか、人間として間違っているから。」
 思わずツッコミを入れ戸惑っているケリア。
「いいのー! 私は高校生になった、高校生になったら、お友達を100人作るんだー!」
 これが鈍感少女の野望である。
「破壊少女になった私がおまえなんかとお友達になる訳がないだろうが? おまえは子供か? サッサッサ。」
 鈍感少女と友達になることを拒む破壊少女。
「言ったはずよ。あなたに拒否権はないわ!」
「なに!?」
「どんな手段を使ってでも、あなたとお友達になってみせるわ! あなたが悪い少女だっていうのなら、あなたを私が改心させて、何が何でも私のお友達になってもらいます!」
 鈍感少女の恐るべしお友達を作ろうという執念。
「おまえはバカなのか!?」
「いいえ。私は鈍感なだけよ。コッコッコ!」
 鈍感だが意外に口が達者なコリア。
「この世の中はお友達が全て! お友達絶対主義! 一人では折れない矢も、お友達100人なら折れる! お友達は力だ! アハッ!」
「おまえは恐怖のお友達大魔王か?」
「なんか面白いけど方向性が間違ってない?」
 常軌を外れる鈍感少女に呆れる明るい少女と破壊少女。
「そこは気にしない! アハッ!」
 鈍感少女は鈍いので周囲の人間の感情など気にせずに我が道を進む。
「まあいいわ。私の破壊する力で、あなたを引き裂いて破いて壊してやる! 死んでしまえば、お友達なんてほざけなくなるわ!」
「なに!?」
「ティア・アンド・ブレイク!」
 英語は魔法になり、呪文になっている今日この頃。
「ギャアアアアアアー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」
 破壊少女の攻撃で鈍感少女の体が引き裂かれていく。
「コリアちゃん!?」
 無残な光景に目を手で覆う明るい少女。
「見たか! 愛とか友情とか絆とか、お友達なんか生温いことを言っているから、自分自身が悲しい結末を迎えることになるんだ! サッサッサ!」
 破壊少女はきれいごとは大嫌いな悪い少女であった。
「コッコッコ! それはどうかな?」
 死んでしまったはずの聞き覚えのある鈍感少女の声が聞こえてくる。
「ヤッホー! アハッ!」
「なに!?」
「コリアちゃん!?」
 鈍感少女は体をバラバラに引き裂かれても元気に笑顔で生きていた。
「なぜだ!? なぜ生きている!?」
「お友達をバカにしているサリアちゃんには分からないわ! 私を心配してくれるお友達の思いが私に力を与えてくれるのよ! お友達は無限の力を私に与えてくれるのよ!」
 お友達の力は偉大であった。
「ケリアちゃん、あなたコリアちゃんのこと心配した?」
「うんうん。だってコリアちゃんがいなくなったら、私が良い少女として主役としてセンターになれるもの。」
「この裏切り者!?」
「アハッ!」
 お友達は時にはお友達を裏切る。
「ということは、コリアちゃんの自分はお友達が多い、お友達に愛されているという勝手な思い込みか!?」
「だって私、鈍感少女なので。」
 鈍感少女は鈍すぎて周りの悪意には気づかない。
「なんて恐ろしいんだ!? 鈍感少女!?」
 戦慄を覚える破壊少女。
「お友達の愛と友情と絆が私を強くしてくれる! 鈍感少女コリア! ただいま参上!」
「とっくに登場してるでしょ!?」
「アハッ!」
 困った時は笑って誤魔化す。
「あれ? コリアちゃん。おはよう。何をやっているの?」
 そこに超能力少女の真理亜と魔法少女のアリアが現れる。
「あ! 真理亜ちゃん。○○少女ごっこをやっているの。アハッ!」
「誰? あの人は。」
 明るい少女が鈍感少女に尋ねる。
「タイキック少女の真理亜ちゃん。」
「そう、タイキック少女の真理亜です。」
「いや。サイキック少女だろ。真理亜ちゃん、少しズレてるよ。」
「アハッ!」
 ツッコミを入れる魔法少女。
「真理亜ちゃんは私の友達なの。アハッ!」
「コリアちゃん・・・・・・お友達いたんだ!?」
「え!? そこ驚くところ!?」
「だって、コリアちゃんはボッチだと思っていたから。アハッ!」
「笑って誤魔化すな!」
 鈍感少女に友達がいたことに驚く明るい少女。
「真理亜ちゃんは平凡な私を○○少女にしてくれた私の大切なお友達なの。アハッ!」
「そう、コリアちゃんは面白そうだから私が○○少女にしてあげたの。アハッ!」
「アハッ! アハッ! アハッ!」
 二人は大親友である。
「あの・・・・・・私の存在は?」
 立ち尽くす破壊少女。
「そんなことより遊んでいると学校に遅刻するわよ。」
 設定は朝の登校中だったようだ。
「ヤバイ!? 遅刻だ!?」
「ええー!? 大変!?」
 破壊少女と明るい少女が学校に向けて走り出す。
「破壊少女の時点で学校の出席なんか気にしなくていいだろうに。」
「そうそう。アハッ!」
 おバカな超能力少女と細かいことは気にしない鈍感少女の息はピッタリ。
「はあ~なんで私のライバル少女が真理亜ちゃんなんだ? ・・・・・・おまえたちも走れ!」
 ガッカリするがライバルでお友達を放置できない優しい魔法少女。
「ギャアアアアアアー! アリアちゃんが怒った!?」
「待ってー!? 置いていかないで!? 真理亜ちゃん!? 私たちお友達でしょー!?」
 超能力少女と鈍感少女は急いで駆けていく。
「全く手が焼けるお友達だ。」
 それでもどこか憎めないお友達であった。
「え? 私はなぜ急がないのかって。それは私が魔法少女だからだ。我、魔法少女アリアの名において命じる! 学校に瞬間移動! 移動魔法! テレポーテーション! またね! バイバイ!」
 魔法少女は笑顔で手を振りながら話を終えて去って行った。英語は魔法である。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・ぜい・・・・・・ぜい・・・・・・。なんとか間に合った・・・・・・バタッ。」
 ちなみに息を切らして息絶えた超能力少女も瞬間移動のテレポーテーションはサイキック・スキルで使えるがおバカなので、そこまで頭が回らない。
 つづく。
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