やっと冒険に出られます2

渋谷かな

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カードゲームを作ろう!

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「はい。休憩終了。」
 再び会議が始まる。
「次にゴットカードの初期カードについて説明します。異世界ファンタジーで考えると一般人。これは現代ファンタジーでも同じく一般人スタートです。そこから剣士になりたいのか、魔法使いになりたいのか、鍛冶屋か、そこら辺に生えている草になりたいのか戦闘と修練を繰り返すして、どんどん強い職業になっていけばいいと思います。現代ファンタジーでも一般大衆のたくさんの中から自分だけの自分。アイデンティティーを成長して確立していってもリらいたいです。」
 基本的なゴットカードの遊び方。
「キャラクターはアバターみたいなものです。一般人の服装から私服を買って着替えたり、剣を買って装備したりできます。」
「すっぴんとか歩兵とか見習い剣士ではなく、一般大衆からのスタートか。」
「自分の道は自分で切り開くがテーマだな。」
「なんでも勉強や練習して勇者でもアイドルでも何でもなってもらおう。」
 設定としては完璧です。
「もちろん青春や大事な人との別れはアリですよ。」
「なんでも有りだな~。」
 それがゲームでありライト文学。
「ゲームのメイン世界がスマホの中なので、ほぼMMOと同じ様な世界観ですね。デジタルであればデータも読み込めるので戦闘知力も、球のスピードも必殺技も歌唱力もレベルアップさせていけますからね。」
「領地の奪い合いも鉄道王になることも自由ですからね。」
「なんでも有りだな~。」
 会社の会議などこんなものである。
「ゴットカードの企画が出てから、何度も何度もテストを繰り返してバランス調整を行ってきました。」
まさか、その企画会議がライト文芸になるとは!? ゲーム会社の話にすればいいだけだった。
「やっとサービス開始の時が近づいてきました。」
「長かったな。ここまで。」
 今までの苦労に感無量のポーちゃんパパと田中。
「おまえたちは何もやってないだろうが!」
「そうだ! ゲームの成功なんてプログラマーとイラストレーターのおかげだろうか!」
 鈴木と高橋は自分たちのおかげだと言っている。
「あなたたちだけのおかげだとは言えませんよ! ゲームが成功するためには人気声優の起用が必須条件ですからね!」
「おまえは!? 人気声優の伊藤プリン・アラモード!?」
 伊藤は人気声優である。
「私を起用して売れなかったアニメもゲームもないわ! 安心しなさい!」
「そして主題歌は赤毛の人気アニソン歌手の私! 渡辺ストロベリーだ!」
「毀滅の刃こぼれか、破滅の刃の主題歌を歌ったストロベリーだ!?」
 次から次へとヒット要素が登場する。
「なんでも有りだな~。」
 それが社風である。
「真打は私よ!」
 そこにポーちゃんママが現れる。
「おはようございます! ボス!」
「おはよう! みんな!」
 ポーちゃんパパを除き一同がポーちゃんママにひれ伏す。
「やっぱり世界ゲーム大会30連覇中の私がいないとね。アハッ!」
 ポーちゃんママの正体はプロゲーマーだった。
「ボスに忠誠!」
「エクレア様! 万歳! 万歳! 万々歳!」
 鈴木や高橋などの優秀なプログラマーとイラストレーターなどがポーちゃんパパの会社に集まってくるのは、この会社にポーちゃんママがいるからだ。世界ゲーム大会を30連覇しているゲーマー。そのアカウント名がエクレア。
「エクレア様って何歳だ?」
「子供が二人いて、上の子は高校一年生の16才。20才で結婚しても36才よりは上だな。」
「こら。女の年齢を計算するな。」
「すいません~。」
 気楽な社風なのである。
「どうしてボスはいい女なのに社長なんかと結婚したんですか?」
「そうですよ! たくさんお金持ちにプロポーズされたでしょうに?」
「騙されたの・・・・・・。」
 若気の至り。
「我が社が成功したのは全て私のおかげです! 社員の給料はゴットカードの売り上げ次第で2倍にします! 臨時ボーナスは1000万円を全社員に配布します!」
「ボス! 最高!」
「どこまでもついていきます! ボス!」
 ポーちゃんママはカリスマ社長夫人であった。
「私の立場が・・・・・・。」
「あなた会社の年商は100億です。」
「私の昨年の優勝賞金が1兆。何か文句ある?」
「ありません。」
 ポーちゃん家の力関係はポーちゃんママがパパより強いことが判明した。
「それに一番貢献しているのは社員の子供たちよ。ゲームで遊ばしてあげるという名目でテストさせて人件費をケチっているんだから。」
「あははは。耳が痛い。」
 ポーちゃんパパはせこいのだ。

「それでは話を戻します。ゴットカードはサービス開始のリリースと共にイベントを行います。そして2週間後には対戦モードで初代の優勝者を決めます。」
「そこで私がユーチューバーのはした金とは桁違いのお金を投入して優勝します!」
「さすがボス!」
 ゲームの運営会社は先々のことまで考えてスケジュールを管理している。
「これで後はゲームを開始するだけね。」
「じゃあ、今夜はみんなで飲みに行こう!」
「ダメよ! 子供たちが帰ってくるでしょうが!」
「すいません。」
 社員の前でも社長の威厳はなかった。
 つづく。
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