やっと冒険に出られます2

渋谷かな

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ポーちゃんママと悪役

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「悪役? 魔王でいいのかな? なら現代の魔王は人間か?」
 ポーちゃんママは悪役を考える。
「異世界ファンタジーなら魔王だろ。現代ファンタジーなら地球を破壊している人間が魔王だな。森林伐採、地球温暖化。地球を壊しているのは魔王じゃない! 人間だ! 人間の欲だ!」
 その通り。
「で、人間の中で魔王なのが、アメリカ大統領? 中国の偉い人? 日本の総理大臣は相手にされてない。」
 人間で一番悪いのは政治家なのだろうか。
「人間の欲=悪魔だな。」
 新しい悪役のスタイルが見つかるといいな。
「お菓子ばっかり食べる子供も悪よね。」
 母親のターゲット自分の子供。
「悪は悪魔? それとも天使? 相手がいるから、人間が2人になると争いが生まれる。」

「肩書? 実行内容? なんだろうな。」
 ポーちゃんママは悪を考える。
「肩書は魔王、総帥、天皇、皇帝、宇宙の支配者とかよね。知事、市長、区長、町長、村長も肩書的には支配者よね。」
 肩書の悪はいくらでもいる。
「実行内容は人間の大量虐殺、核爆弾、戦争、難民、森林伐採、大気汚染、水質悪化、ネット依存症、ロナ・ウイルス、AIロボットとか時事問題、自然問題、全て人間が生み出し、地球を破壊している。」
 実行内容もいくらでも作れる。
「全ての現況は人間。人間を抹殺しよう! それが地球を救う方法だ!」
 そう考えられても仕方がないくらい人間は悪い。
「人間は悪を生み出す権化だ!」
 まさに木星帰りの男。
「まあ、異世界ファンタジーなんかを生み出す時点で人間は悪なんだろうよ。」
「要するに現実世界で悪い人間にパワハラ、セクハラ、いじめ、暴力をされて嫌な思いをした人間が、空想だけでも正しいことがしたい、悪を自分の正義が倒してストレスを発散させたいと思って生まれたのが異世界ファンタジーだろう。」
 ひょんなところから仮説が生まれてきた。
「ああ~だから、スカッとする物語がいいのか。勧善懲悪も正義が悪を倒すから、スッキリとはするな。」
「今の一般大衆は難しい物語は理解できないからな。短く、短絡的で優しく簡単に。そうでなければアホな一般大衆を導くことはできない。」
 いいかげん目覚めろよ。一般大衆。
「しかし一般大衆は目覚めない。なぜか!? それは楽することばかりで努力なんかしたくないからだ。」
「人間など脂肪の塊でしかない。」
 結構、一般大衆には過激だな。
「お金持ちはお金の話を子供にするが、きれいごとが好きな貧乏人は子供にお金の話をしない。意識が高かったり、将来、お金をより多く稼ぐのは子供のころからお金の大切さを意識させられたお金持ちの子供である。」
 お金持ちは現実的。貧乏人は理想的。
「なんか異世界ファンタジーと似てる。」
「現代ドラマはお金持ちや権力者が作るんだから貧乏にが気づいたり、目覚めるようなドラマはしない。」
 そこに気づけよ。一般大衆。

ピキーン!

 その時、ポーちゃんママは何かを感じた。
「昔、七つの大罪の所で、現代悪も書いてあったような?」
 調べてみよう。おお!

七つの現代悪
・遺伝子改造
・人体実験
・環境汚染
・社会的不公正
・人を貧乏にさせること
・金持ち
・麻薬中毒

これを考えると。

・ロナ・ウイルス! ドラッグ!
・AIロボット! 
・貧困! セレブ!
・環境汚染!
・パワハラ! セクハラ! いじめ! 暴力!
・改造人間!
・遺伝子操作! クローン製造!

「全て魔王だな。魔王の7幹部。新しい七つの大罪。」
 ポーちゃんママはネーミング千センスが乏しかった。
「何となくのニュアンスは分かってきたな。」
 無理は体によくない。

「次に何をしよう?」
「悪役を決めましょうか?」
「私が佐藤だから、悪役は鈴木でいい。」
 あっさり悪役が決まる。
「問題は鈴木が何をしたか。どんな悪いことをしたかだな。」
 佐藤と鈴木はライバルで高橋を取り合い、田中は見守る。
「まあ、定番だな。」

「友よ、なぜ敵に魂を売った?」
 おまえたちを守る為。
「それが分かるのはとても後。それか最初に出してしまうか。」
 定番だな。
「要するに悪は何か悪いことをすればいいのだ。」
 つぶあんマンの細菌マンみたいに。
「それを正義のヒーローが殺さなくても倒せばいいのだ。そして次の回にまた現れてもらう。」
 同じことの繰り返しの無限ループだな。
「悪って、終わることがないんだな。」
 悪のすごさを痛感するポーちゃんママ。
「ジャンル分けぐらいか?」
 魔王が出て、手下のスライムを勇者に送る。妖怪王がいて、手下のへのへのもへじを勇者に送る。
「そして正義のヒーローに倒される。」
 まあ、1話の流れはそれだな。そればっかだ。

「ああ~次回作は時代劇か。カテゴリーエラーの罠ばっかり。」
 タイムスリップ禁止。転移も禁止。魔法も禁止。
「要するに魔法を忍術。剣を刀と置き換えができていればなんら問題はないというだけのこと。」
 それができないでカテゴリーエラーでエントリーするアホが多いんだろうな。わざわざ注意を促すぐらいだから。
「悪も考えないといけないのに、時代劇も考えないといけないのか。」
 別に考えなくてもいいのだが。
「とろろみたいなお話にしよう。」
 とろろとはトトロではなく、要らない子と捨てられて、体を妖怪に取られて、義体で妖怪を倒して体を取り戻していく物語。要る子は兄か弟か? そして全てを斬ったら全てを失った。おしまい。という物語である。
「一つの話であり、終わりはある。」
 普通。定番ですな。

「魔王は禁止。でも妖怪王はOK。」
 なんだよね。刀と忍術。モンスターは妖怪。騎士は侍。魔法使いは忍者。魔法騎士は侍忍者。
「物語は何にしよう? るろうに剣心? 水戸黄門? 暴れん坊将軍? 大岡越前? 遠山の金さん? 破滅の刃?」
 ああ~確かに破滅の刃って、新しい創作はないんだよな。進撃の巨人みたいに新しく立体起動装置とかいうアイデアもなく、ただ他の作品をリメイクしたらヒットしちゃった的な作品。
「結局、テレビアニメやテレビで取り上げてもらえば一般大衆は餌に飛びつくと。」
 でも、テレビアニメになっても売れないアニメ作品はどうなるんだ? 面白くなかったってことね。
「違うな。世の中が不公平ばかりで、正義が負けているから、勧善懲悪、正義がヒーローが負け組の一般大衆にはウケているってことだね。」
 まあ、正義が悪を倒す話なら何でも一般大衆は喜ぶと。
「正義が強いのか? 悪が悪すぎるから正義のヒーローが映えるのか?」
 どちらかだな。どちらかでもOK。両方でもOK。

悪役が、妖怪王モンスターキング。
妖? 綾香? もののけ姫?
「ああ~妖怪をたくさん考えないといけないのか。」

ピキーン!

 その時、ポーちゃんママは何かを感じた。
「キャラクターを増やすのが面倒臭いな。それなら主人公と悪役と二人だけにすればいいんだ。」
 つぶあんマンと細菌マン。未来の猫型ロボットと愉快な仲間たち4人みたいな感じで固定してしまえばいいのだ。
「どろろとととろ? とろろとどどろ。」

とろろ

どどろ

「こいつら双子の兄弟にしよう。とろろは正義のヒーロー。どどろは悪に魂を売っちゃった。」
 いいね。いいね。話が動き始めたよ。
「今思えば、とろろって鋼と同じ様な話だな。」
 ということはとろろの方が古いから鋼はとろろのパクリ作だ。リスペクト、オマージュともいう。

「ダメだね。とろろは良くてもドドロは響きが悪い。昆布か鰹、ヒジキ・・・・・・。」
 あかん。もう3000字も超えるし次話につづく。
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